昨日、朝日カルチャーセンター新宿校で37年間継続している「常設・野口体操講座」に、フランス人で精神科医のマリオ氏を迎えた。
実は、昨年末にメールでリサーチにいきたいという申し出をいただき、実現したことだった。
この際だから“野口三千三のことば”のなから、この日の体操のレッスン進行にいかせそうなフレーズを選んで前日になって翻訳をお願いした。急なことにもかかわらず、一晩で下訳し、翌朝、更にブラッシュアップして3時半のレッスン時間に間に合わせてくださった。
対訳の形で仕上げられていたのでとても読みやすく、参加した日本人にとっても大変ありがたい資料である。
マリオさんには二人の方が寄り添って同時通訳をしながらの運びとなった。
日本語と英語の言葉を聞きながら、持参した野口コレクションの数々に触れて、動いて、改めて野口体操の深さをマリオさんはもとより(と思いたい)参加された皆さんにも、味わっていただけた2時間だった。
翻訳の難しさと面白さ、言葉のもつ底深さと微妙さ、言葉と実体験の問題、通訳の醍醐味が、波紋のように広がって、一人ひとりのからだの中に浸透し、「もの」と「ことば」と「うごき」が絡まって、独自の「野口ワールド」が創造されている「身体文化」を体験していただいた、と感じている。
この日のために数日かけて『「重」「動」「働」』の字源を、野口先生の思いを抱きながら読み解いていた。昨日のレッスンを通じて、私自自身も新たな経験をさせてもらった。
いってみれば、野口体操はじまって以来の画期的な一日になった思う。
「また、参加したいですが、宿舎が京都なので……」
マリオさんとは新宿駅で別れた。そのまま品川駅から新幹線で京都に帰って行かれた。
この場を借りて、お礼をさせてください。
翻訳の増田さん、近藤さん、通訳の岡野先生、新井さん、本当にありがとうございました。
そして昨日ご参加くだった皆様方の協力があって、実現したレッスンでした。重ねてお礼申し上げます。
野口体操の新しい船出のテープが切っておとされたこと、野口三千三先生にご報告ができます。
これから没後18年目に入る記念すべき一日が、このようなあり方でもたらされるとは、予想していませんでした。
書きたいことは尽きないですが、今日のところは全員にお配りした対訳を載せて、終わらせてください。もとは対訳の形なっていますが、ここでは日本語に続いて、英文が表示されます。スクロールして読んでください。悪しからず。
もう一度、ありがとうございます。
野口三千三語録から
「もの・ことば・うごき」
『重さのエネルギー効果は、筋肉の力を抜いたとき、最もよく顕われる。「ぶら下げの状態」とは、力を抜いて重さ(自然の力)に任せ切った状態のことである。落下も飛翔も「重さ」による相対的な関係によって起こる現象である。地球上(宇宙)には、全く無秩序・雑然ということは起こりえない。つまり「重さ」による秩序が働くからである。』
『重さは自らの形を持たず眼には見えないものでありながら、他のものの形を創る根源の力として作用し、見えるものとして存在させる力なのである』
『からだは地球物質のまとまり方(構造)の一つで、こころはその働き(機能)の一つである』
『重さで動く。流体として動く』
訳:増田眞千子/近藤早利
From Words of Michizo Noguchi
“Objects, Words, Movement”
The energy effect of “Gravity” appears most prominently when you relax your muscles. “The state of suspension” is the condition of your body left to the forces of nature (gravity) with relaxed muscles.
Fall as well as flight is a phenomenon produced by the relative relations of “Gravity”. ”Entire disorder or chaotic condition could never happen on the Earth (universe), because the order does work by “Gravity.”
Gravity does not have its own form yet it is invisible. Gravity, however, functions as primitive force to create the form of other things and has the power to let them exist as visible things.
The body is one of the cohesion (structure) of terrestrial materials, and the mind is one of the work (function) of the body.
Move by “Gravity”; Move as a fluid.
Translate by Machiko Masuda & Satoshi Kondo
実は、昨年末にメールでリサーチにいきたいという申し出をいただき、実現したことだった。
この際だから“野口三千三のことば”のなから、この日の体操のレッスン進行にいかせそうなフレーズを選んで前日になって翻訳をお願いした。急なことにもかかわらず、一晩で下訳し、翌朝、更にブラッシュアップして3時半のレッスン時間に間に合わせてくださった。
対訳の形で仕上げられていたのでとても読みやすく、参加した日本人にとっても大変ありがたい資料である。
マリオさんには二人の方が寄り添って同時通訳をしながらの運びとなった。
日本語と英語の言葉を聞きながら、持参した野口コレクションの数々に触れて、動いて、改めて野口体操の深さをマリオさんはもとより(と思いたい)参加された皆さんにも、味わっていただけた2時間だった。
翻訳の難しさと面白さ、言葉のもつ底深さと微妙さ、言葉と実体験の問題、通訳の醍醐味が、波紋のように広がって、一人ひとりのからだの中に浸透し、「もの」と「ことば」と「うごき」が絡まって、独自の「野口ワールド」が創造されている「身体文化」を体験していただいた、と感じている。
この日のために数日かけて『「重」「動」「働」』の字源を、野口先生の思いを抱きながら読み解いていた。昨日のレッスンを通じて、私自自身も新たな経験をさせてもらった。
いってみれば、野口体操はじまって以来の画期的な一日になった思う。
「また、参加したいですが、宿舎が京都なので……」
マリオさんとは新宿駅で別れた。そのまま品川駅から新幹線で京都に帰って行かれた。
この場を借りて、お礼をさせてください。
翻訳の増田さん、近藤さん、通訳の岡野先生、新井さん、本当にありがとうございました。
そして昨日ご参加くだった皆様方の協力があって、実現したレッスンでした。重ねてお礼申し上げます。
野口体操の新しい船出のテープが切っておとされたこと、野口三千三先生にご報告ができます。
これから没後18年目に入る記念すべき一日が、このようなあり方でもたらされるとは、予想していませんでした。
書きたいことは尽きないですが、今日のところは全員にお配りした対訳を載せて、終わらせてください。もとは対訳の形なっていますが、ここでは日本語に続いて、英文が表示されます。スクロールして読んでください。悪しからず。
もう一度、ありがとうございます。
野口三千三語録から
「もの・ことば・うごき」
『重さのエネルギー効果は、筋肉の力を抜いたとき、最もよく顕われる。「ぶら下げの状態」とは、力を抜いて重さ(自然の力)に任せ切った状態のことである。落下も飛翔も「重さ」による相対的な関係によって起こる現象である。地球上(宇宙)には、全く無秩序・雑然ということは起こりえない。つまり「重さ」による秩序が働くからである。』
『重さは自らの形を持たず眼には見えないものでありながら、他のものの形を創る根源の力として作用し、見えるものとして存在させる力なのである』
『からだは地球物質のまとまり方(構造)の一つで、こころはその働き(機能)の一つである』
『重さで動く。流体として動く』
訳:増田眞千子/近藤早利
From Words of Michizo Noguchi
“Objects, Words, Movement”
The energy effect of “Gravity” appears most prominently when you relax your muscles. “The state of suspension” is the condition of your body left to the forces of nature (gravity) with relaxed muscles.
Fall as well as flight is a phenomenon produced by the relative relations of “Gravity”. ”Entire disorder or chaotic condition could never happen on the Earth (universe), because the order does work by “Gravity.”
Gravity does not have its own form yet it is invisible. Gravity, however, functions as primitive force to create the form of other things and has the power to let them exist as visible things.
The body is one of the cohesion (structure) of terrestrial materials, and the mind is one of the work (function) of the body.
Move by “Gravity”; Move as a fluid.
Translate by Machiko Masuda & Satoshi Kondo