羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

2013年04月18日 09時00分00秒 | Weblog
 筍、蕗の煮物に、鰹のたたき、若竹汁。
 この組み合わせで夕餉をとると、春を実感する。
 とくに佃煮風に炊いた蕗の葉の味は、全体を引き締めてくれる。なんといっても苦味だ。この苦味こそが、食卓に旬もたらしてくれる。歯ごたえに変化をつけるために、少量の細い茎部分も刻み込む。
 炊きたてのご飯に、蕗の佃煮風(からからになる手前で、火から下ろす)をのせて食する。
 最後にデザート。この時期に案外美味しいのは、デコポンである。
 毎年の定番で、春を楽しむ幸せが舌に乗る。
 
 そして愛でるものは花。
 今年は桜の開花がはやかった。
 御茶ノ水駅近くの堀に浮かぶ「花筏」は、授業開始時期にはすでに姿を消していた。
 それでも八重桜が新入生を歓迎している東京だ。

 こうして繰り返される四季の移ろい。
 三月の別れ、四月の新たな出会い。
 灌仏会に一つ繰る吾が歳。
 僅かばかりの憂鬱感を漂わせながらたなびく春霞を、車窓から眺める。
 井上陽水の「五月の別れ」を聞きながら。

「齢七旬に余る」
 この場合の「旬」は十年で、呉音でジュンと発音する。
 同じ漢字が、発音の違いで意味が移ろう。

 いずれにしても「旬」、“この時” こそが “命” なのだ。
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