電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

山形交響楽団第252回定期演奏会で西村朗、モーツァルト、ベートーヴェンを聴く(2)

2016年05月16日 19時47分28秒 | -オーケストラ
写真は開演前のホールの様子ですが、記事としては昨日の続きです。

ワルター・アウアーさんを迎えての協奏曲の二曲目は、モーツァルトのフルート協奏曲第2番、オーボエ協奏曲を転用して依頼主のご機嫌を損ねたという、例のK.314のほうです。楽器編成は、6-6-4-3-2 の弦楽5部に、Hrn(2)、Ob(2)、独奏フルートという組み合わせ。演奏は、とりわけ第1楽章の最後のように、弦の終わりの音が澄んでいてすーっと消えていくところがステキです。そして、華やかで、編成以上に音楽の大きさを感じさせるこの曲でもまた、自由闊達、どこにも困難はないとでもいうような独奏フルートに聴き惚れました。

聴衆の拍手はひときわ大きいものがあり、アンコールはパガニーニの「24のカプリース第11番ハ長調」より。思わず絶句(^o^)/



休憩の後の後半のプログラムは、ベートーヴェンの交響曲第5番。言わずと知れた「ウンメイ」です。軟弱な素人音楽愛好家である当方は、第1楽章は脳内演奏ですっとばし、第2楽章から聴き始めることが多い(*1)のですが、本日はそういう傍若無人な聴き方はできず、カクゴして最初から拝聴しました。そうしたら、いや~これがおもしろいのなんのって、第1楽章:バロック・ティンパニの、ヌケの良いスピード感のある響きにノリノリになり、第2楽章:もしも指揮者コーナーがあったら、大好きな開始後の数小節を指揮してみたいな~とか思いつつ、第3楽章:ホルンの響きが鮮やかに、弦のピツィカートとファゴットとのかけあいに魅せられ、アタッカでなだれ込む第4楽章:ピッコロとコントラファゴットとバス・トロンボーンも加わっての迫力のフィナーレに日頃のストレスも吹き飛び、溜飲を下げるという結果となりました。
いや~、「ウンメイ」はやっぱりスゴイ曲です(^o^)/

土曜日の終演後のファン交流会では、飯森さんが興味深いエピソードを話してくれました。飯森さんが北ドイツ放送響を指揮した時、アウアーさんはフルート奏者として在籍していたのだそうで、実は初対面ではなかったのだそうです。また、今回の山響との初めての練習の際には、アウアーさんは「山響はどうしてモーツァルトのことをこんなによく知っているんだ?」と不思議がったのだとか。実は山響は、8年以上かけて交響曲全曲を演奏しており、録音もしているんだと説明したら、「なるほど!」と納得していたそうです。このあたりも、嬉しいお話でした。

また、聴衆の中に、7月の第254回定期で指揮をされる、田中祐子さんがいらしていて、飯森さんに引っ張り出されていました。池辺晋一郎さんの小交響曲と、伊藤恵さんのピアノでシューマン「ピアノ協奏曲」、それにベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」という3曲の予定とか。これも楽しみな回で、できれば妻と一緒に聴きたいところです。

(*1):耳タコなほど聴き慣れた曲目を再び楽しむ法~「電網郊外散歩道」2007年9月

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山形交響楽団第252回定期演奏会で西村朗、モーツァルト、ベートーヴェンを聴く(1)

2016年05月15日 21時05分32秒 | -オーケストラ
日曜日は法事があるので、いつもの日曜日ではなく土曜日の夜に、山形交響楽団の第252回定期演奏会に行きました。そうです。今年から土日2回公演が復活したのです! リフォームの打合せもそこそこに、山形市のテルサホールに出かけました。



開演前に、ロビーコンサートの人だかりがすごい! 思わず何事かと思ってしまいました。地元紙・山形新聞に大きく取り上げられていましたが、今回のゲスト、ウィーンフィル首席フルート奏者のワルター・アウアーさんが、中学生・高校生の吹奏楽部員を指導する機会があったせいもあるらしく、若い人たちの姿がやけに目立ちます。





ロビーコンサートの曲目は、

アルビージ:小組曲第2番より、I.春の歌、III.ヴェニスの舟歌、IV.泉

というもので、ワルター・アウアーさんと山響の足達祥治さん、小松崎恭子さんによるフルート三重奏でした。これが実に素晴らしかった! フルート二重奏までは生演奏で聴いておりますが、三重奏というのは初めての経験です。某庄内の笛吹きさんも、もしかしたら駆けつけているのかもしれないと思いながら聴いておりました(^o^)/

開演前のプレトークでは、西濱事務局長と音楽監督の飯森範親さんが、ようやく念願の定期演奏会の全二回開催が実現したことを報告、聴衆から温かい拍手を受けておりましたが、実際に聴衆の入りがすごい。最前列の自由席さえ左右に数席しか残っていない状況で、特にかぶりつきに中・高校生と思われる若者たちがつめかけ、アウアーさん人気がうかがえます。

本日の曲目は、次のとおり。

  1. 西村朗 ベートーヴェンの8つの交響曲による小交響曲
  2. W.A.モーツァルト フルート協奏曲第1番 ト長調 K.313
  3. W.A.モーツァルト フルート協奏曲第2番 ニ長調 K.314
  4. L.V.ベートーヴェン 交響曲第5番 ハ短調「運命」Op.67
      飯森範親指揮 山形交響楽団、フルート:ワルター・アウアー


最初の曲目、西村朗「ベートーヴェンの8つの交響曲による小交響曲」は、第1番から第8番までの交響曲について、それぞれ第1楽章の主題を巧妙につなぎ合わせて第1楽章とし、第2楽章の主題をつなぎ合わせて第2楽章にするという方法で四つの楽章を構成した一種のパロディ作品で、全曲どこかで聞いたことのあるふうな旋律が聞こえるおもしろい曲です。
楽器編成は、ステージ左から、第1ヴァイオリン(8)、チェロ(5)、ヴィオラ(5)、第2ヴァイオリン(7)という対向配置で、正面奥にフルート(2)とオーボエ(2)、その奥にクラリネット(1)とファゴット(1)、その奥にホルン(2)とトランペット(2)、最奥部にコントラバス(3)、木管の右横にパーカッション、金管の右横に現代のティンパニが配置するというものです。コンサートマスター席には、犬伏亜里さんが座ります。
個人的には、第3楽章で第7番の「ダ~メヨ、ダ~メヨ、モウダメダワ~」の後が「ダメ!ダメ!ダメ!ワッハッハー!」という感じに聞こえるのが気に入りました(^o^)/

第2曲:モーツァルトのフルート協奏曲第1番。楽器編成は、1st-Vn(6)、Vc(3)、Vla(4)、2nd-Vn(6)、Hrn(2)、Ob(2)、Cb(2) という小規模なものに変わります。もう一つ、チェロの後ろにFl(2)という配置。奏者はもちろん足達さんと小松崎さんです。独奏のアウアーさんと指揮の飯森さんが登場すると、大きな拍手がなんだか格別に大きく感じます。
そして演奏が始まると、圧倒的に伸びやかなフルートとオーケストラのかけあいが実に素晴らしい! カデンツァなど、作曲を依頼したオランダ人の「アマチュアの私でも演奏できる、やさしいフルート協奏曲」という注文とはかけ離れた、すごいものでした。第2楽章:ソリストのアウアーさんと、ステージ左側の安達さん・小松崎さんとがフルートで呼びかけ合うみたいな感じもありました。

(明日へ続く)
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メンデルスゾーン「チェロソナタ第2番」をシュタルケルとシェベック等で聴く

2016年05月14日 06時05分52秒 | -室内楽
メンデルスゾーンのチェロ・ソナタ第2番を、引き続き聴いております。先に鈴木秀美さんのチェロと平林千絵さんのフォルテピアノで、透明感のある繊細な響きと生き生きとしたリズムで楽しみましたが、この曲の別の演奏を探してみました。残念ながら、当方の小規模なライブラリには、他にCDもLPも該当するものはありません。そこで、おのずとネット上で探してみることに。

まずは、「クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label」に、ヤーノシュ・シュタルケル(Vc)とジェルジ・シェベック(Pf)のコンビで1962年の7月に録音された演奏(*1)を見つけました。まさに、パブリック・ドメインの恩恵です。

(*1):メンデルスゾーン「チェロソナタ第2番」ニ長調Op.58~「クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label」より

また、YouTube でも、この曲のデータを見つけました。どうやら、アントニオ・メネセスの演奏らしいです。

F. Mendelssohn - Cello Sonata No. 2 in D major, Op. 58 By Antonio Meneses


なるほど、ピアノが現代のものになるだけで、ずいぶん印象が変わるものです。音楽が鋭く迫力が増してくるようで、とくにピアノの低音の迫力に負けまいと、チェロも頑張って張り合っているような印象を受けてしまいます。

それにしても、こんなふうに多様な演奏表現を簡単に楽しめてしまうことを喜んでいいのか、苦労して入手した高価なLPを宝物のように聴いていた昔を嘆いたらいいのか(^o^;)>poripori

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再びJetstreamの青を使い始める

2016年05月13日 06時03分28秒 | 手帳文具書斎
ふだん、備忘録ノートは万年筆で書くことが多いのですが、演奏会のメモを取る時は、筆記の速度と筆記音の静けさから、Jetstream ボールペンの黒を使うことが多いです。ところが、先のヤンネ舘野さんのヴァイオリン・リサイタルでは、たまたま黒のボールペンを忘れて青を持っていってしまったために、Jetstreamの 青を再び使い始めました。いわゆる「滲み抜け」現象(*1)が見られることから、備忘録ノートへの利用をためらってきましたが、考えてみれば、

  • 備忘録ノートは、しじゅう頻繁に読み返したり参照したりするわけではなく、たまに記事ネタを探す時に読み返す程度である
  • 「滲み抜け」現象が起こったとしても、判読に困るほどのことではない

ということから、再度使い始めたものです。

やはり、いい色です。万年筆の青系のインクで書いた他ページとよく調和します。また、とくに1.0mmの書き味がたいへん良好です。この二つの点から、他の油性青色ボールペンとは一線を画します。

0.7mmや0.5mmといった線幅よりも、1.0mmのほうが、書いている最中のなめらかさや、大きめの文字のくっきりした視認性の良さなどが顕著です。万年筆は中字で、油性のボールペンは1.0mmで、大きめの文字を書く習慣は、老眼世代には適したものと感じます。

(*1):もしかして糊が問題なのでは~Jetstreamの裏写り問題を考える~「電網郊外散歩道」2011年11月

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あやしいアイデアに頼る会社は経営的にもあやしくなる?

2016年05月12日 06時05分22秒 | Weblog
一時期、「マイナスイオン」というのが流行したことがありました。「プラズマ・クラスター・イオン」なんてのもありました。今ならば「水素水」でしょうか。

こうした「あやしい製品」に突進する会社は、実はオカルト的な製品開発に頼らざるをえないほど経営的に追い込まれていて、やがて他社の傘下に組み込まれてしまうのでしょう。

理系人間として、技術部門がオカルト的な製品を信じているとは思えず、信じていないのに作らされるというのは、組織のあり方としてすでにおかしい。おかしい組織は、合理的な意思決定の方向性を誤りがちで、経営的に傾くのは自然の流れのような気がします。

トップが何かを命じれば、技術部門は手品のようにそれを実現するとは限らない。できるものはできるし、できないものはできないのでは。

また、オカルト的な製品の開発ではなくて、まっとうな製品開発であっても、ある一つの属性だけを取り上げ、数値化して追求するとき、もともと持っていた他の良さが顧みられなくなるということもあるでしょう。一時、流行した数値目標の危うさも感じます。

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母屋のリフォームの進行状況~5月上旬

2016年05月11日 06時03分02秒 | 料理住居衣服
母屋のリフォームは、順調に進行中です。外まわりのほうは終了し、内部の壁紙を貼る作業も一段落しています。

こちらは玄関ホールの古い梁。古民家再生であることが一目瞭然。



次はリビングから玄関のほうをみたところ。



キッチンのわきにあるパントリーは、収納力が大きそうです。



こちらは、キッチンからリビングを見たところ。



コンセントや照明器具などの電気工事も進み、過日ようやく照明がつきました。



床のシートがはがされると、やっぱりいいですね~。



当初の目標は水回りの更新でしたが、



私の楽しみはリビングの隅に小さなデスクコーナーを設けたことでしょうか。ここにも、有線LANを準備中です。



玄関のタイルはまだ工事中ですが、棟梁がベンチを作ってくれました。





老母用の小部屋を作りましたが、毎日の歩行を考えて、出入り口の左右の壁に手すりをつけてもらう予定です。



実は築250年の農家を、小ぶりに建て替えてしまったほうがよいのではと迷いましたが、「在宅」のまま実施した部分リフォームは予想以上に良い出来具合で、わが家じゃないみたい(^o^)/
妻も老母も、毎日少しずつ変化していく様子を眺めながら、扉やドアが入るときを待っています。



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佐伯一麦「Nさんの机で~ものをめぐる文学的自叙伝」で辞書を取り上げる

2016年05月10日 06時05分17秒 | Weblog
辞書というのはふしぎな魅力があるようで、エッセイなどにも取り上げられることが多いものです。地元紙・山形新聞に連載されている佐伯一麦「Nさんの机で~ものをめぐる文学的自叙伝」でも、4/13から辞書にまつわることがらを取り上げています。とりわけ、奥さんの留学に付き人のように同行したノルウェーの首都オスロで、「ノルウェー・英語辞典」を入手して、世界が広がる感じがするあたりは、本当にそのとおりだろうと思います。

あるおばあさんが、「文字を覚えたら、世界がこんなに美しいとは思いませんでした」と語ったというエピソードは素晴らしいものですし、それだけにベルンハルト・シュリンク著『朗読者』の悲劇性が痛切に思われます。

このテーマ「辞書」はさらに続きそうで、辞書が嫌いではない(^o^;)当方も、興味深く楽しみにしています。

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石井好子『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』を読む

2016年05月09日 06時03分53秒 | -ノンフィクション
河出文庫で、石井好子著『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』を読みました。1963年の春に暮しの手帖社から出た単行本を文庫化したものだそうで、高度経済成長期以前の1950年代、まだ日本全体が貧しかった時代に、憧れの巴里の街で生活をした頃の日常が描かれ、ちょっとハイカラな雰囲気とごく庶民ふうの視線が共感を集めたものと思われます。

そして、何よりも、登場する食べ物がほんとに美味しそうで、いたって簡単に作れるように思ってしまいます。たしかに、難しいことを言えばきりがないのですが、同じ材料を使って一定の順番で作れば、それなりに美味しく食べられることは単身赴任時代に実感しています。

玉ネギと間違えてスイセンの球根を食べさせあやうく人殺しをしそうになった話などは、ちょいと怖いエピソードですが、いくつかの料理は真似して作ってみたくなります。



思わず時代を感じてしまうところもいくつかありますが、その中でも、果樹農家の息子で現在は週末農業を営むワタクシらしい指摘を一つだけしておきましょう。

 白桃だってそうだ。てのひら一杯にのるくらい大きく、皮をむくとつるつるの白いみの出てくる、きめのこまかい白桃は、おいしいにはおいしいが、なんだかこくがない。むしろ、小さくて黄色みをおびて、きずも少しついている、すっぱみも少しある安い桃のほうが味がよい。
 果物もあまり改良されてしまうと、本来の味が消えて、まずくなるのではないかと心配だ。(p.134)

これは、1950年代末~1960年代初頭の品種を考えたとき、おそらくは缶詰用の白桃と生食用の黄桃とを比較しているのではないかと思います。缶詰は、後で甘く加工するわけだから、味よりも大きさが特徴的ですし、生食用の黄桃と比較したら、だんぜん味が劣ります。目的の違うものを同列に比較しても、しかたがないのです。



残念ながら氏はすでに2010年に亡くなられているようですが、現代の生食用の白桃、例えば「川中島白桃」を食べたとしたら、著者はどのような感想を持ったのでしょうか。たぶん「やっぱりちがうわね~。前言は撤回しますわ(^o^)」などと言ったにちがいないと想像しております。

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母屋の電気工事に立会い、電気配線の状況を初めて理解する

2016年05月08日 06時03分17秒 | 料理住居衣服
土曜の休日は、母屋のリフォームに関連して、電気工事に立ち会いました。南側の壁面には、電力メーターが二基、以前から設けられており、そのうち1基は家庭用の交流電力、もう1基は農業用の三相交流200Vとなっています。



家庭用の屋内配線は、図面もありますので、どこに分電盤があり、どのように配線されているかもある程度はわかりましたが、農業用の三相交流200V、いわゆる動力線の経路がわかりませんでした。今回、立会いをして、動力線の分電盤(というのかな?)とブレーカーの位置を確認し、我が家では動力線が二系統走っており、一番左側のスイッチは作業小屋のモートル等で、真ん中のスイッチ(写真では切っている状態)のものが農業用の地下水汲み上げポンプに使っていることがわかりました。



特に、動力線は屋内配線で引き回すことはできないことになっているのだそうで、作業小屋には母屋の軒下をパイプ配管で配線し、井戸ポンプの電源は途中から地下埋設されていますので、そのスイッチの系統が判明したのは良かった。母屋の電気工事に関連して、亡父から受け継いだ先祖の遺産である動力線の配線状況を理解できたのは、大きな収穫でした。

本日の記事は、当事者にとっては大事な写真付き備忘メモで、いざという場合には検索して参照できるのがありがたいものです。



五月の空は抜けるように青く、裏の畑のライラックが花盛りです。

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山本一力『ジョン・マン(5)立志編』を読む

2016年05月07日 06時38分03秒 | 読書
講談社刊の単行本で、山本一力著『ジョン・マン~立志編』を読みました。シリーズ第5巻となる本書は、奥付を見ると、2015年の6月に刊行されているようです。前巻を読んだのが2015年の1月ですので、1年以上の間があいてしまっていますが、なんとか流れを思い出して読みました。要するに、前巻がホイットフィールド船長の家にお世話になりながら、小学校で基礎的な勉強をする話でしたが、本巻はフェアヘブン船員学校に通う話が中心です。



厳格だが愛情深いホイットフィールド船長と新妻アルバティーナ、メイドのデイジーと夫のチャンス、そしてジョン・マン。フェアヘブン船員学校では、学友たちから一目置かれる存在となり、信頼と友情をかち得ます。ホイットフィールド船長は、新しい捕鯨船に乗り組む契約を結びますが、ジョン・マンは樽作りの職人のもとに住み込み、働きながら学校に通うこととなります。この樽作り職人というのがハシーという男で、腕は良いのですがケチで偏屈で、奥さんを事故で失ってからはなお一層ひどくなったという状況。ジョン・マンは、ここで辛抱しています。



うーむ、なかなか次巻が待ちきれない状態ですが、第六巻の発表まではまだもう少し間があるようで、残念でもあり楽しみでもありますね~(^o^)/

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ヤンネ舘野ヴァイオリン・リサイタルでシベリウス「ヴァイオリン協奏曲」(ピアノ伴奏版)等を聴く

2016年05月06日 21時40分24秒 | -室内楽
ゴールデンウィークも後半の5月5日、子供の日の休日は、時おり小雨がパラつきますが、なんとか曇りのお天気です。朝から午前中いっぱいかかって、少し離れたところにある果樹園の草刈りを敢行、半日かかってようやくきれいになりました。昼食後は、お米を搗いて家庭サービス。午後からは、山形市の文翔館議場ホールに出かけました。本日は、ヤンネ舘野さんのヴァイオリン・リサイタルで、作曲者シベリウス自らが編曲したピアノ伴奏版のヴァイオリン協奏曲が聴けるということで、ずいぶん前から注目していた演奏会です。



文翔館の無料駐車場に着くと、さすがはゴールデンウィーク! 満車で入れません。時間に余裕がありましたので、そのまま順番待ちに並ぶと、先の車が次々にあきらめて別の駐車場に移動したようで、ほどなく駐車できました。



文翔館議場ホールの設営は、ホールの北側に音響反射板が四枚、その前(南側)にグランドピアノを据え、低めのマイクロホンが二本立っています。ピアニストの右手側に、ヴァイオリン独奏者が立つ場所に譜面台がセットされ、その斜め上方の高い位置から二人の奏者をねらうのは、もしかして映像用の小型カメラでしょうか。



聴衆は、反射板の前のステージ区画を半円形に囲む形で座ります。今日はいつになく華やいだ雰囲気で、妙齢のご婦人方がやけに多いように感じます。座席の数はおよそ二百席くらいとみましたが、ほぼ満席に近い状態で、すごいですね~。開演前に、実行委員長の大内勝利さんがご挨拶と諸注意を行いました。本日のプログラムは、

  1. シベリウス ノヴェレッテ Op.102
  2. シベリウス 夜想曲 Op.51-3
  3. シベリウス ヴァルス・オーバード・メヌエット Op.81
  4. モーツァルト アダージョ K.261
  5. モーツァルト ロンド K.373
  6. ドビュッシー 牧神の午後への前奏曲 (ハイフェッツ編)
      以上、ヴァイオリン:ヤンネ舘野、ピアノ:白田佳子
     ~休憩~
  7. シベリウス 即興曲 Op.5-5   ピアノ:白田佳子
  8. シベリウス ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47
      ヴァイオリン:ヤンネ舘野、ピアノ:白田佳子

というものです。シベリウスは1865年12月8日生まれですので、生誕150年がわずか23日で終わるのはおかしいと、引き続きシベリウスのアニバーサリー・イヤーを継続しての、シベリウス特集でしょうか。

素人音楽愛好家ですので、ノヴェレッテや夜想曲、即興曲などのシベリウスの曲は、初めて聴きます。でも、ステキな音楽ですね!
モーツァルトのアダージョとロンドは、チャーミングな音楽ですし、ハイフェッツ編曲の「牧神の午後」は、ドビュッシーの雰囲気がたっぷり出ています。



そしてシベリウスのヴァイオリン協奏曲。シベリウスは北欧のひんやりした雰囲気だなんて誰が言った(^o^)/
ピアノ伴奏で聴くヴァイオリン・ソロは、ヴァイオリニストを目指したというシベリウスが目一杯つめこんだみたいな技巧が満載。オーケストラで聴いていたときは、オーケストラの大きなうねりに惑わされていたんだろうな、と感じます。ピアノ伴奏も、オーケストラ部の構造というか、骨格というか、むき出しの状態で受けとめることができます。

聴衆の拍手に応えて、アンコールは:
ハチャトリアン「ガイーヌ」より、「アイシャとナントカ(^o^;)のダンス」
ガーシュイン「サマータイム」(ハイフェッツ編)
デイブ・ブルーベック「テイク・ファイブ」
ディズニー映画「アナと雪の女王」より「Let it go」
最後は、「端午の節句なのでタンゴを」というヤンネさんの駄洒落に笑ったものの、曲名はわかりませんでした(^o^)/

いや~、今回も良い演奏会でした。

オマケ画像追加:摘花前のリンゴの花です。これから、中心花を残し、周囲を囲む花を摘まなければいけません。まだまだ仕事は続きます(^o^;)>poripori



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リヒトのバッグ・イン・バッグを購入する

2016年05月05日 06時02分47秒 | 手帳文具書斎
激しいにわか雨で頭からずぶ濡れになったり、なんだか雨にたたられているゴールデンウィークの連休で、果樹園の仕事もろくにできません。しかたがないので、懸案となっていた「小物を整理・収納できカバンの中に入れられる小型バッグ」がほしいと、行きつけの文具店に向かいました。

これまでは、愛用のA5判対応の帆布サブバッグに必要なもの一式を入れ、軽快に通勤しておりました。ところが、最近になって昇任し立場が変わりましたので、あまりラフなスタイルではなくて、一応は書類鞄スタイルで出かける必要が出てきました。定年退職前に使っていたA4判対応の書類カバンをまた使い始めたのですが、各種小物の収納と運搬にやや難があります。

  • 小型デジタルカメラ
  • PHS
  • USBメモリ
  • SDカードリーダー
  • ボールペン
  • 備忘録ノート

などを一括して運びたい。また、帆布サブバッグで出かける時にも、できればパッと移し替えられればいいなあ。そんなふうなことを考えておりました。



行きつけの文具店で発見したのが、リヒトの「バッグ・イン・バッグ」A5判の製品(希望小売価格1,000円のところ税別800円)です。これならば細かな物品はこのバッグに入れて、A4判の書類とシステム手帳、老眼鏡とペンケースと読みかけの本を持参すれば、すぐに出かけられます。色も鮮やかなもので、見失う心配はありません(^o^;)>poripori







さて、実際の使用感はどうだろう?

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カテゴリー別記事投稿数の推移~最近の変化

2016年05月04日 06時01分10秒 | ブログ運営
以前は、ブログ記事の投稿数をカテゴリー別に眺めていましたが、このところ少しさぼっていましたので、連休の雨降りを理由に、LibreOffice の Calc を起動して少々デスクワーク(^o^)/

2016年5月2日現在で、記事投稿数は4,260件となっています。カテゴリー別の内訳は、多い順に

  1. Weblog    516件
  2. 手帳文具書斎  488件
  3. オーケストラ   335件
  4. クラシック音楽  304件
  5. コンピュータ   281件
  6. 散歩・外出・旅行 266件
  7. 読書      256件
  8. 週末農業    233件
  9. 室内楽     211件

となっておりますが、サブカテゴリを含めた合計では、クラシック音楽関係記事が最も多く、次が読書記録で、雑記的なWeblog、手帳文具書斎関係、という順になります。

これを、2012年末から2016年まで約四年間の記事数の増加率でみると、

  1. 季節と行事    253%
  2. 健康       210%
  3. 手帳文具書斎   201%
  4. 宮城谷昌光    185%
  5. 料理・住まい    179%
  6. 散歩・外出・旅行  169%
  7. 週末農業     150%

というふうになります。Weblogカテゴリの増加率が多すぎてあふれそうなので、「季節と行事」「健康」ネタなどを分けたのでしたが、うまくいったようです。「料理・住まい」は、単身赴任の時代は簡単料理を記事にしていましたが、最近はリフォームの記録を残しております。これなどは、後で振り返るときに役立つものでしょう。

逆に、全く増えていないのが「平岩弓枝」カテゴリ。こちらは、ある時期からパタッと読まなくなってしまいました。どうも、作品に通底する女学校の優等生的価値観に対する反発、「ちょいと美人で可愛い女性はずっと活躍するけれど、そうでない人はあっさり殺してしまうというのは、あんまり可哀想ではないか、と少々ムッとしたというか」(*1)というような気分がだんだん強くなってきたからではないかと思います。それに対して、藤沢周平や吉村昭作品は、何度も再読しながら大事に大事に読んでいる感じ。

「歴史技術科学」カテゴリは、かなり力を入れて調べながら書いていますが、これなどは「視聴率」を気にしなくても良いブログだからできる連載でしょう。

総じて、よくもまあ続けてきたものだと半ば呆れ、半ば自分で感心しております(^o^)/
私にとって、当ブログ「電網郊外散歩道」を書き綴ることは、日々の楽しみと励みになっております。

(*1):平岩弓枝さんの剛腕~「電網郊外散歩道」2009年8月

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DIYあるいは自作することの意味

2016年05月03日 06時05分42秒 | Weblog
若い頃は、いろいろなものの自作を試みました。大きなものは、FE-203バックロードホーン型スピーカーボックス(*1)から、小型のフルレンジ・スピーカ用の箱(*2)、各種の棚やスキマ家具など、木工を中心に一部は塗装も工夫して、ずいぶん作りました。出来栄えは別にして、棚やスキマ家具などは、妻にも喜ばれたもので、家庭の平和と安定に貢献したと思っています(^o^)/

近年は、時間の都合もあって、こうした自作を試みる機会は少なくなりましたが、それでも必要にせまられてノコギリやドリルを握ることがあります。最近では、老母のために手すりをつけたり(*3)、ドアの取っ手を交換したり(*4)するなどの実績があります(^o^)/

こうした自作、DIY は、わざわざ大工さんに依頼するまでもない、ちょっとした実用のためのものである場合が多いのですが、それとは別に、純然たる楽しみのためにすることもあるのでは。

例えば畑仕事などは、スーパーで買ってくればすむものをわざわざ苦労をして育てるわけですから、楽しみのための要素が強いように思います。新鮮なものを安心して食べられるという面もありますが、やっぱり一番の理由は、外で働くのが「楽しいから」。特に、気候の良いこの時期は、畑で体を動かして働くのが、ほんとうに喜びと感じます。



(*1):昔のデスクの様子を調べる~「電網郊外散歩道」2008年2月
(*2):導入したミニコンポで試してみた結果~「電網郊外散歩道」2008年7月
(*3):老父母のために手すりをつける~「電網郊外散歩道」2008年6月
(*4):トイレのドアノブを交換する~「電網郊外散歩道」2015年8月

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メンデルスゾーン「チェロ・ソナタ第2番」を聴く

2016年05月02日 06時04分51秒 | -室内楽
春からもうすぐ初夏に移ろうという季節には、気分的にメンデルスゾーンの音楽がしっくり来ることから、最近の通勤の音楽には、鈴木秀美さんのチェロ、平林千絵さんのフォルテピアノで、メンデルスゾーンの「チェロとピアノのための音楽全集」と銘打ったCD(独ハルモニアムンディ、BMG)を聴いております。この中から今回は、とくにお気に入りで、車中なんども繰り返し聴き、休日には自宅の簡易なPC-audioで再生して楽しんでいる「チェロ・ソナタ第2番」を取り上げます。



添付の解説リーフレットによれば、この曲は1843年秋に出版され、ロシアの外交官ウィルホルスキー伯爵に献呈されているとのことです。1843年といえば、1809年生まれの作曲者は34歳、シューマン夫妻は新婚三年目、ブラームスはまだ10歳。メンデルスゾーンは、ヨーロッパの音楽界の中でも中心的な存在の一人であり、「プロイセンの音楽総監督を兼任し、ベルリンとライプツィヒを列車で頻繁に往復する生活」に「ライプツィヒ音楽院の創設」が重なるという多忙さの中にあったようです。添付のリーフレットの解説(星野宏美さん)では、母の死もあって体力的・精神的な疲労が重なり、「公の活動を退き、ひとり作曲に没頭したい」という発言がみられることから、「音楽の純粋な喜び」を再確認するような趣き」を指摘しています。これはたいへんよくわかり、納得できます。

第1楽章:アレグロ・アッサイ・ヴィヴァーチェ、8分の6拍子、ソナタ形式。まるで声域の広いバリトン歌手が堂々と歌い始めるような印象を持つ、歌曲のような始まりです。こういう明るい響きと躍動的な音楽は、まさしくワタクシの音楽的な好みのツボにあてはまります(^o^)/
第2楽章:アレグレット・スケルツァンド、スケルツォ風の味わいを持った楽章。なるほど、こういうような音楽であれば、豊かな音量を持つ現代のグランドピアノではなく、響きの丸いフォルテピアノのほうが、チェロの音と良くバランスが取れます。1759年のグァダーニというチェロと、1844年のイルムラーというフォルテピアノを組み合わせた演奏家の意図がよくわかる気がします。
第3楽章:アダージョ。ハープのようなフォルテピアノの分散和音が印象的で、全くチェロが出てこない時間を過ごした後に、チェロが登場してきます。しかも、バッハ風の旋律で。この後の、アルペジオを奏でるピアノと思索にふけるようなチェロの対話は、急速な終楽章へと転換して行きます。
第4楽章:モルト・アレグロ・エ・ヴィヴァーチェ。つむじ風が巻き起こるような終楽章は、輝かしく華麗なロンドによりffで曲が終結し、充実した音楽を聴いたぞ~! という印象が残ります。

2015年7月19日 という日付のある、鈴木秀美さん自筆のサインの入ったCD(*1)は、BMG:BVCD-31013という型番のもので、お気に入りディスクの仲間入りをしております。

(*1):山形交響楽団第246回定期演奏会で「イタリア」「田園」交響曲を聴く~「電網郊外散歩道」2015年7月

余談を少々。
ライプツィヒのメンデルスゾーン・ハウスのサイト(*2)に、興味深い写真がありました。メンデルスゾーンの書斎というか、私室らしいです。トップページのメニューから「Felix Mendelssohn Bartholdy」を選び、次に「Bildersammlung」(図譜という意味か)を選びます。この中の「Arbeitszimmer des Komponisten Felix Mendelssohn Bartholdy」というのがそれです。本CDの解説リーフレットの中にも、同じ部屋の写真が掲載されていますが、なるほど、王侯貴族の部屋とは違い、近代の要素を感じます。こういう部屋でメンデルスゾーンは考えを巡らしていたんだなと思うと、親しみを感じます。

(*2):Felix Mendelssohn Bartholdy-Portal

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