電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

東アジアの中で日本のノーベル賞受賞者数はなぜ多いのか

2014年10月23日 06時05分09秒 | ブログ運営
今年度のノーベル賞は、物理学賞に赤崎勇、天野浩、中村修二の三氏が受賞しました。たいへんめでたいことだと喜んでおります。

ところで、ノーベルは受賞者の国籍を問うことをしなかったわけですが、東アジアの国々の中で、日本のノーベル賞受賞者数が突出して多いことには、何らかの理由があるはずです。例えば、中国は2人、韓国は1人で、人口の面から言えば、英国の受賞者数の多さは異常なほどです。これを、人種や国民性や経済力などに帰してしまうのは、あまり説得力のある考えとは言えないのでは。むしろ、もっと具体的な、明白な理由がなければ、これほどの違いは説明できないのではないか。

今のところ、19世紀のヨーロッパにおける科学教育の革命が明治維新を契機に直接に日本にもたらされ、かなりの程度に根付いたことが大きく、さらに加えて、太平洋戦争後の、科学技術に対する国民的な合意と理解のあり方によるものが大きいのだろう(*1)と考えていますが、「歴史技術科学」カテゴリーの一連の記事(*2)では、このことを歴史を追って順にたどろうとしております。

現在、明治の社会と産業技術や科学について、若い頃に読んだ文献を見つけ、あらためて興味深く読んでいるところです。基本的な考え方は訂正を受けず、むしろ補強される内容でした。現在の考えの内容というのは、若い頃に読んで意識のどこかに沈殿していたものが、自分の経験などと組み合わされ、形を変えて自分の考えとして形成されてきているのだな、と感じます。おもしろいものです。

(*1):日本のノーベル賞受賞者の生年から色々なことを考える~2010年10月
(*2):「歴史技術科学」カテゴリー~「電網郊外散歩道」2013年

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