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電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

画面デザインを変更しました

2009年02月08日 13時34分47秒 | ブログ運営
文字がにじんで読みにくいという声があり、少々気になっていた画面デザインについて、思い切って変更してみました。採用したテンプレートは、色のイメージの連続性に配慮し、「シンプル」カテゴリー中の「クリア・オレンジ(左)」です。文字色は黒々と濃く大きめに、写真が生きるように、背景は明るめのものにしたい。また、本文中に「画面左のサイドバー」とか「左下の検索ボックス」などの表現がありますので、検索ボックスは左側になければ困ります。そんな条件で、長く飽きのこない、シンプルなものを選びました。当面、これで継続したいと思います。
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ベートーヴェンのピアノソナタ第1番を聴く

2009年02月08日 08時42分19秒 | -独奏曲
若い時代のベートーヴェンの作品には、晩年には見られない、若々しく活動的な魅力があります。「モーツァルトやハイドンの影響を受け、未だベートーヴェンたりえていない作品群」とは決して言えない、「若いベートーヴェン」という独自の魅力の宝庫です。一例を挙げれば、ピアノ協奏曲第1番や弦楽四重奏曲第1番、そして作品2という番号を持つ、第1番から第3番までの3曲のピアノソナタなどです。この中で、今回聴いているヘ短調のピアノソナタ第1番Op.2-1は、1795年8月30日にハイドンの前で演奏したという、作品2の3曲中の最初の曲目。おそらく、当時のベートーヴェンにとっての自信作だったのでしょう。三つの曲の中では最も悲劇的な気分を持ち、作曲年代は不明とのことですが、ボン時代のものらしい。

第1楽章、アレグロ。ジャンプするようにスタッカートで上行する第1主題が、たいへん印象的です。逆に、第2主題のほうは、対比するように下降する音形が主となっています。悲劇的な気分を持っていますが、リズムは活発に動き、静止した彫像のような悲劇性ではありません。
第2楽章、アダージョ。ドルチェ(dolce)で始まる優しく美しい音楽。後年の、深淵を覗き込むようなアダージョではなく、ちょっとセンチメンタルな要素もなくはない、緩徐楽章です。
第3楽章、メヌエット:アレグレットで。繰り返しの表情が同じではなく、微妙にニュアンスを変えています。スケルツォと言ってよいほどに、すでにロココ風な優雅さではありませんが、それでも充分にチャーミングな短い楽章です。
第4楽章、たたきつけるような激しさを持ったプレスティッシモ。途中、sempre piano e dolce な部分もありますが、再び激しく速い主題に帰ってきます。全体として、動機を展開していく多面性、見事さを感じさせる曲になっています。

ピアノ独奏はウラディミール・アシュケナージで、LONDON POCL-3401という正規盤。第4楽章に頻出する下降スケールみたいなフレーズも、淀みなく一気に、実に見事の一言。1976年から79年にかけてアナログ録音されたもので、なにやらレコード・アカデミー賞とやらを取ったのだそうな。DECCA のアナログ方式のピアノ録音は、通勤の車中ではもちろん、自宅のステレオ装置で聴いても充分に美しいものです。

■アシュケナージ(Pf)
I=5'24" II=4'20" III=3'21" IV=7'10" total=20'15"
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