電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

「経済一流でない」の真実

2008年03月06日 06時35分55秒 | Weblog
新聞を整理していて気がつきましたが、2月4日付けの日本経済新聞に掲載された、「『経済一流でない』の真実」という東大の岩本康志氏の記事が、たいへん興味深いものがありました。ややおおげさに言えば、日頃から疑問に思っていたことが氷解したと感じられるほどでした(^o^)/

先頃、内閣府は、2006年の国民1人当りの国内総生産(GDP)をドル換算して国際比較を行い、OECD諸国中で18位に転落、1993年2位、2000年3位から低落傾向にあると発表。このことを受け、太田弘子経済財政担当相が「もはや『経済は一流』ではない」と国会で演説し、波紋をよびました。ところが岩本氏は、国民1人あたりGDPを比較するのに、為替レートで比較するのは不適切で、各国の物価水準が違うのだから、購買力平価で比べるのが適切だろう、と言います。

購買力平価で比較した1人あたりGDPは、OECD加盟国平均を少し上回る水準で推移し、「もはや」ではなく「かつて」経済が一流であったためしはない、生活水準の指標とされる1人あたり現実個人消費を購買力平価水準で見ても、日本はOECD平均を超えたことがない、と言うのです。

この考え方は、理解できます。地方生活者の実感にあっています。昭和の後期、1ドルが360円だった頃と比較すると、1ドルが120円になった頃には、ごく単純化すると国民は3倍豊かになった(なるはずだった)ことになりますが、はたして現実はどうでしょうか。経済学にはとんとうとい、理系の素人考えですので、無理・まとはずれは承知の上で、「豊かさ」を全く違う観点で見るとどうなるだろう。当方の備忘録から「豊かさ」で検索してみると、こんなメモを発見。

2003/09/09 一人当たりの居住室の畳数 総務省統計局が発行した「住宅・ 土地統計調査のお知らせ」によれば、平成10年の調査の結果、一人当たりの居住室の畳数は、昭和48年に6.61畳、53年に7.78、58年に8.55、63年に9.55、平成5年に10.41、平成10年には一人あたり11.24畳という具合で、1.7倍に増加しているという。実質的な経済的豊かさの反映とすると、興味深い指標だ。総務省統計局ホームページは、http://www.stat.go.jp/

ふむふむ、昭和の後期と比較すると、1.2~1.3倍の増加といったところでしょうか。こまごまとした買物などを含めても、2倍近くにはなっているかもしれませんが、3倍という実感はありません。では、3倍豊かになったはずの残りはどこへ行ったのだろう?ごく一部の人が、国民全体のGDPに相当するほどお金持ちになっているとは思えないしなあ。

ふと、ヒラリー・クリントンさんとオバマさんの顔を眺めているうちに、思い当たりました。そうか、90年代のアメリカの長い繁栄を支えたのは、日本だったのか!もしかすると、米国国債にでも変わってしまっていたりして(^_^;)>
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