電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

「ヘンリー・マンシーニ自作自演集」を聴く

2008年03月01日 06時55分59秒 | -オーケストラ
高校三年の初夏、通学途中で交通事故に遭いました。スピードを出し過ぎるとハンドルが動かなくなると言う欠陥を持った軽自動車が、当方の自転車に衝突、幸い自転車の車輪がクッションの役目を果たしたのか、前日耕したばかりの畑に跳ね飛ばされて、脚部の打撲傷ですみました。入院中は、FMラジオだけが楽しみでしたが、その時に、いわゆるイージー・リスニングと呼ばれる音楽ばかり聴いていると、なんとも飽きてしまうのです。ところがクラシック音楽は違いまして、その多彩な世界に決定的に魅了されました。

以来、いわゆるイージー・リスニング系の音楽への興味感心は薄れてしまいましたが、先年、たまたま DENON のクレスト1000 シリーズに入っていた「ヘンリー・マンシーニ自作自演集 with ロイヤル・フィルハーモニー・ポップス管弦楽団」を購入し、時折聴いているうちに、彼のしゃれた音楽の楽しさを再認識した次第。

(1) ポップス序曲 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団員からなる常設のポップス管弦楽団、ロイヤル・フィルハーモニー・ポップス管弦楽団のための序曲。
(2) ソーン・バード組曲 テレビシリーズのための音楽。
(3) 映画音楽メドレー 「鏡の生活」「クレイジー・ワールド」「テン」、いずれも見たことがないので、音楽も初体験。
(4) 映画音楽 「ピンクパンサー4」、「ひまわり」、「クルーゾー警部のテーマ」、「シャレード」、「ガラスの動物園」から「トムのテーマ」と「ローラのテーマ」
(5) テレビ・テーマ・メドレー 「ホテル」、「ボブ・ニュー・ハート・ショー」のテーマ、レミントン・スティール
(6) サン・オブ・イタリー これはフィラデルフィア管弦楽団のためのオリジナル作品。管弦楽組曲「1937年のビーヴァー・ヴァレー」より。一時カステルヌオーヴォ・テデスコ等に師事したというマンシーニの、意外な特徴がよく表れた佳品です。オーボエとファゴット、そしてトランペットと交替するところなど、音色の変化を効果的に使っています。
(7) オハイオ・リヴァー・ボート こちらも1975年に書かれたオリジナル・スコアだそうで、五分少々の短い作品ながら、いかにも古き良きアメリカといった感じの、楽しい音楽。
(8) グレート・マウス・ディテクティヴ ディズニーのアニメーション映画のための音楽。
(9) ムーン・リヴァー ご存知、マンシーニの代表曲。オードリー・ヘプバーン主演の映画「ティファニーで朝食を」の主題歌です。彼のしゃれた作風がよく表れています。

ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団の団員からなるというだけあり、演奏の質も高く、ピンクパンサーのテーマでは木琴がぐるぐる移動するような録音効果の遊びもあります。1987年11月にロンドンのCTSスタジオでPCM(デジタル)録音されたもので、音もたいへん鮮明です。型番は COCO-70508 で、こういうタイトルがクラシックの廉価盤シリーズに入っていると、懐かしさもあり、ちょっと嬉しい。
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