電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

シューマンの「ピアノ三重奏曲第2番」を聞く

2006年05月11日 18時22分12秒 | -室内楽
最近の通勤の音楽は、R.シューマンの「ピアノ三重奏曲」を聞いています。三曲のピアノ・トリオの中で、暗い表情の第1番も充実した音楽ですが、とりわけ第2番ヘ長調Op.80がお気に入りです。

第1楽章、きわめていきいきと。淡い陰影はあるものの、明朗で活発な音楽です。交響曲のようながっちりした構築感も見られます。
第2楽章、心からの表現をもって。ヴァイオリンの可憐な歌と、チェロ、ピアノの織りなす優しい音楽です。これは実にシューマンらしい緩徐楽章。
第3楽章、中庸の動きで。少々愁い顔の間奏曲ふうの短い音楽です。
第4楽章、急ぎすぎずに、という指定のあるソナタ形式のフィナーレ。

作曲年代は、1847年といいますから、第二交響曲を完成した翌年にあたり、神経障害と精神の不安定に悩まされていた時期だといいますが、この曲ではそのような不安定さはあまり見られません。

演奏は、ジャン・ユボー(Pf)、ジャン・ムイエール(Vn)、フレデリック・ロデオン(Vc)、録音は、1978年から1979年にかけて、パリで行われています。エラートのアナログ録音で、1981年のフランスACCディスク大賞を得た「シューマン 室内楽全集」のうちの一枚。この春の東京旅行で入手したもので、何度も繰り返して聞くほどに味が出てくるようです。

■ユボー(Pf)、ムイエール(Vn)、ロデオン(Vc)盤 (WP, WPCS-11379-80)
I=7'41" II=8'40" III=5'35" IV=5'27" total=27'23"

写真は、数日前に撮影したモモの花。桜はすっかり緑の葉をつけています。
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