電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ドヴォルザークの交響曲第8番を聞く

2006年05月06日 06時52分39秒 | -オーケストラ
当地の果樹園は、ただいま一番良い季節をむかえています。モモとスモモとサクランボの花が満開、プルーンの花もいくつか咲き始め、良い香りがしています。養蜂業者が来て巣箱を置いたので、ミツバチが盛んに飛び回り、蜜を集めています。なんとものどかな田園風景です。

昨日は、ドヴォルザークの交響曲第8番を何度も聞きました。今朝も、起き抜けにまた聞いています。ラファエル・クーベリックの指揮、ベルリンフィルの演奏と、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団の演奏したEMI録音です。

第1楽章、アレグロ・コン・ブリオ。解説によると、最初に出てくる主題の楽器の組合せは、チェロとホルンとクラリネットだそうですが、もうこの出だしだけでぐいっと音楽の中に引き込まれます。そして、フルートがひときわ透明な響きを聞かせてくれます。続く管弦楽の爽快感。青空を見つめるような愉しさを満喫します。
第2楽章、アダージョ。弦楽のやわらかな響きに、木管楽器が鳥のように歌います。とても「ハ短調の音楽」とは思えません。
第3楽章、アレグロ・グラツィオーソ、モルト・ヴィヴァーチェ。なんとも美しくノスタルジックなメロディに、思わず一緒に歌い出します。これはもう、親しみやすいスラブ舞曲の世界です。
第4楽章、アレグロ・マ・ノン・トロッポ。そういえばこれは交響曲だったと思い出させるファンファーレに続き、はじめの主題が次々に変奏されます。

まるで青い空に鳩の群れが飛び立つようすを見つめているような音楽。ああ、いいですねえ。休日にこういう音楽を聞いていると、ほんとに満ち足りた気分になります。

クーベリックとベルリンフィルの演奏は、ダイナミックで情熱的。ぐいぐいと進めていきます。以前取り上げた、カール・ライスターの「一番印象深かった録音」という記事(*1)にあるように、フルニエ(Vc)とセルとベルリンフィルによるチェロ協奏曲とのカプリング。
(*1):カール・ライスターの「一番印象深かった録音」
セルとクリーヴランド管の演奏は、比較的ゆったりしたテンポで、きわめて正確なリズムを刻みつつ、モダンな外観の中にもほのかにノスタルジーを感じさせるようなタイプ。これも以前取り上げた、ブラームス「ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲」(*2)に併録されています。
(*2):ブラームス「VnとVcのための二重協奏曲」を聞く
いずれも素晴しい演奏で、しばしば取り出して聞くCDとなっています。

参考までに、演奏データを示します。
■クーベリック指揮ベルリンフィル (DG POCG-90356)
I=9'50" II=10'16" III=6'36" IV=8'46" total=35'28"
■ジョージ・セル指揮クリーヴランド管 (EMI FECC-30535)
I=10'42" II=10'29" III=6'35" IV=9'27" total=37'13"
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