電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

レスピーギ「ローマの祭」を聞く

2006年05月29日 20時53分43秒 | -オーケストラ
週の始まりの今日は、屈託のない音の快感、レスピーギの「ローマの祭」を聞いた。全曲が通して演奏される。

第1曲、「チルチェンセス」、ファンファーレに伴い開始されるのは、大管弦楽によるなんともスペクタキュラーな音楽だ。古代ローマの暴君ネロが、円形闘技場においてキリスト教徒をライオンに食い殺させるショーを描いた部分もあるそうだが、シェンキヴィッチの『クオ・ヴァディス』の世界か。
第2曲、「五十年祭」。Wikipediaによれば、古い賛美歌をモチーフとし、ロマネスク時代の祭を表すとあるが、意味がよくわからない。オーディオ的には圧倒的な迫力がある。
第3曲、「十月祭」、ローマの城で行われるルネサンス時代の祭がモチーフになっているというが、これも意味不明。むしろ、「ポピュラー音楽のような」と形容できるほどの、ずいぶんと直接的な部分もある。
第4曲、「主顕祭」、不協和音で始まり、わかりやすい遊園地のメリーゴーランドのような音楽も登場。

曲としては「ローマの松」のほうがずっと充実していると思うけれど、こういう屈託のない音楽をぼーっと聞くのも楽しい。特に、自宅でステレオ装置で聞く「祭」は、通勤のカーステレオの音響では味わえない、近代大管弦楽の醍醐味を味わうことができる。
現在は、学校の吹奏楽部でもこうした曲を演奏するのだとか。技術的にも音楽的にも、若い人達のレベルが格段に上がっているということなのだろう。単純にすごいと思う。

演奏は、リッカルド・ムーティ指揮フィラデルフィア管弦楽団。1984年11月にフィラデルフィアのメモリアル・ホールにてデジタル録音された。CDは、HCD-1146という型番を持つ、EMI「新・世界の名曲」シリーズのうちの1枚。
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