電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

杉崎ボタニカルアート美術館

2006年05月04日 22時07分31秒 | 散歩外出ドライブ
午後から、山形市門伝にある「杉崎ボタニカルアート美術館」を訪ねた。当地の地方紙に、故太田洋愛氏の原画展が開催されることが紹介されていた。かねて杉崎紀世彦・文子夫妻(*1)の細密なボタニカルアートのファンだったので、夫妻の師匠にあたる太田氏の原画展ならぜひ行ってみたかった。
(*1):杉崎ボタニカルアート美術館
場所は、山形市内の南沼原小学校の交差点を県民の森方面へ西に下り、須川の橋を渡って、とかみ共生苑を過ぎ信号の南西角である。富神山の麓にあるログハウス風の建物なのですぐわかった。
入館料は500円だが、おいしい紅茶が付く。今日は文子夫人(*2)の手でショウガの香り高いジンジャー・ティーとイチゴをいただく。園芸植物図鑑の原画として描かれた太田氏の作品が並ぶとさすがに見ごたえがある。図鑑の原画だけあり、正確で精緻でかつ美しい。杉崎夫妻のサイン入りでお二人の作品を集めた画集を購入し、家に帰る。植物学と芸術の間で、ちょっと幸せな気分になった一日だった。
(*2):「人生ってどんなことがあるかわからないけど、無駄なことは何もないって思いますよ」(杉崎文子さん)
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平岩弓枝『はやぶさ新八御用旅』(2)を読む

2006年05月04日 10時01分13秒 | -平岩弓技
江戸町奉行・根岸肥前守鎮衛の内与力、隼新八郎は、出張先の京都で別の任務を与えられます。それは、朝廷の経費を担当する御所役人の不正を証拠立てることでした。女官の雪路と京都町奉行所の同心・土屋兵介と探索を続けるが、ことごとく埒が明かない。新八郎主従の日常を世話してくれている、土屋の妹で未亡人の小篠が、朝廷を担当する与力の押田内匠を怪しいと考え、危険を覚悟で押田宅に奉公すると言い出す。
結局、悪事はあばかれ一部の者が逃亡したために、小篠母子に危険が予想される。新八郎主従は小篠母子を守り、中仙道を下る。様々な危険を乗り越え、小篠母子は新八郎に思いを寄せるが、新八郎には江戸に残した妻がいる。
このあたりから、作者は物語に深刻さを与えまいとしたのだろうか、新三郎という女形のような役回りを与え、勝気な女医みすずを登場させるなど、これでもかとばかりに女難・剣難を繰り出す。みすずが新八郎の寝所に忍んで来る色っぽい場面などは、テレビ連続ドラマに格好の題材だろう。

やれやれ、楽しませてはもらいましたがいささか安手で、どうも何度も読み返したくなる物語とはいえないように思います。
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