電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ヴェルディの歌劇「椿姫」を見る

2006年05月08日 21時53分05秒 | -オペラ・声楽
昨日NHKの芸術劇場で放映したザルツブルグ音楽祭の演目、ヴェルディの歌劇「椿姫」を、DVDに録画していた抜粋版ですが、今日ぞんぶんに楽しむことができました。最近は、老年性早寝早起き症候群(?)と思われる症状が顕著になっており、とても夜は最後までは楽しめないので、こういう時間をずらす機器はありがたいものです。

演出の特徴と詳しい説明は、Schweizer_Musikさんの詳細な記事(*1)を参照いただくこととして、私の感想。まず、ずいぶんと気性の激しいヴィオレッタだこと!これが現代風なのかも。でも、この気性の激しさが、ネトレプコの素晴らしい声と歌唱とともに、第2幕で別離を決意する場面の説得力を増すから不思議です。また、娘の幸福を願う父ジェルモンの訴えも、素晴らしい歌唱です。もしかすると、ヴィオレッタ自身もまた、妹の事情がよく理解できるような経験をして、今の境遇にあるのかもしれない、などと思ったりします。小デュマの原作でもそうなのですが、どうもアルフレードを思うあまりに別離を決意するというのは、やや無理があるように思います。

昔、シーボルトが持ち出した日本の椿、ヨーロッパに渡り、さまざまに品種改良されて19世紀に大流行。以前テレビで番組になっていました。そのときの原木が今もドイツにある(*2)ようです。ちゃんと強化ガラスで移動式のおおいが設置されており、ずいぶん大事にされている藪椿の大木でした。
パリの社交界で高級娼婦が手にした椿も、もしかするとこの子孫でしょうか。椿姫は、今で言えば流行の洋蘭を持った女性、といったイメージになるのかもしれません。やっぱり、清楚で可憐な女性、というイメージからは遠いのかも・・・(^_^;)>poripori

(*1):「NHK教育TVの芸術劇場で椿姫を見る」
(*2):「椿」~伊藤三吉さんの解説~
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