電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

親戚から「笹巻き」をいただく

2005年06月21日 21時27分15秒 | Weblog
先日、近隣の親戚の家にサクランボを届けたところ、笹巻きをいただいた。クマザサの葉にもち米を包み、蒸して作る、一種のもちである。きな粉をつけていただいたが、たいへんおいしく、季節の味がする。幼年時代には我が家にもクマザサがあり、祖母が笹巻きを作っていたが、トイレの水洗化の工事に伴い、クマザサはなくなってしまった。幅の広いササの葉を組み合わせて、もち米をつめる作業は、なかなか根気のいる仕事だ。
ところで、中尾佐助著『料理の起源』(NHKブックス)によれば、インドシナ半島ではもち米が主流で、ご飯を炊くいわゆる「うるち米」は雑草として引き抜かれるほどだという。また、ご飯をたく方法、すなわち蒸らす方式は調理法としてはかなり新しい部類のようで、この笹巻きのように植物の葉に巻いて蒸す方法は、現在主流の蒸らす方法以前に広く行われていた方式のようだ。すると、季節ごとになにか儀式的な要素が含まれるのもうなづける。この本はロングセラーらしく、版はいささかくたびれてきているが、なかなか興味深い本だ。
コメント