気ままな思いを

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綴る雑日記です 

運、不運で人生が決まるの?

2009-05-05 | 言葉の意味は


朝日新聞の「悩みのるつぼ」欄の、「運、不運で人生が決まるの?」
という質問に対して、作家の車谷 長吉さんの解答を。

車谷さんは、遺伝性蓄膿症で、物心ついた時から、鼻で呼吸が出来ずに、
口で息をして生きてきました。苦しいです。・・・という方です。

大手術を2度受けて、3度目の手術の時は、目の神経を切断する必要が
あり、「盲(めしい)になってもよい」、という同意書に署名、捺印することが
出来なかった男です・・・と。

弟さんも同じ遺伝性蓄膿症のため、結婚はしていません。


 大学4年生の質問

就職活動まっさかり、4年生になった大学生です。
就職活動を通じて、人の人生がなぜこれほどまでに運、不運に左右
されなければ、いけないのだろう。

個人の運、不運ならまだ実力のうちかもしれないと、納得できても、
生まれた時代や環境によって、同じ能力の人間でも、
一流企業に入れたり、もっと下の企業にも、入れなかったりする運、
不運には、涙が出るほどです。

就職は、人生の一大事です。
私たちは、「悪い時代に生まれた」、と納得するしか、ないのでしょうか。


 車谷さんの解答を。

世には運、不運があります。
それは人間社会が、始まったときからのことです。

不運な人は、不運なりに生きていけばよいのです。
私はそう覚悟して、不運を生きてきました。

私も弟も、自分の不運を嘆いたことは、一度もありません。

嘆くというのは、虫のいい考えです。考えが甘いのです。
覚悟がないのです。この世の苦みを知ったところから、
真(まこと)の人生は始まるのです。

真の人生を知らずに、生を終えてしまう人は、醜い人です。
己の不運を知った人だけが、美しく生きています。

己の不運を知ることは、ありがたいことです。


           *** 文中より抜粋にて ***


  

西洋シャクナゲ・フラワーパーク園芸店にて