行徳生活日記

「行徳雑学館」作者の日記。

2020年2月2日(日)の日記

2020年02月02日 | 日記

会社の休暇制度を利用して臨時の休暇を取り1泊の旅行に行く。行き先は伊豆の伊東。

そして今回の旅の最大の目的は伊東のハトヤホテルに泊まること。

ハトヤホテルというと自分が子供の頃(昭和の40年代)にはテレビCMを盛んに流していた。
「伊東に行くならハトヤ、電話はよい風呂(4126)」という歌が流れるCM。
ハトヤグループHPに過去のCM動画がある)
自分が見たのは主に夕方の再放送の時間だった。

こういう話が分かるのは、今の何歳から上の年代だろう。

昭和の40年代、そして50年代も民放局は午後7時台が子供と10代向けの30分枠の番組が中心で、午後8時以降が大人向けの1時間枠のドラマという編成になっていた。なので午後7時台はアニメに特撮、その他にも30分枠のドラマもあった。スポ根(スポーツ根性もの)の流行期にはアニメ、実写のそういう作品。それから30分の時代劇を見た覚えもある。まだ白黒作品でたしか剣士もの。桜木健一主演の「刑事くん」のような30分の刑事ドラマもあった。

そして、平日(月曜~金曜)の午後5時台、局によっては午後6時半までは30分番組の再放送の時間。ハトヤホテルのCMは午後7時台に見た覚えはなく、流れるのは再放送時間のスポットのCMだった。

自分が社会人になったのが昭和50年代の終わりで、それ以降は午後5時台も午後7時台もテレビを見ることがあまりなくなったから、今のように午後4時前後から午後7時までニュースと情報の番組、午後7時台以降はバラエティ番組となったのがいつ頃からなのかは分からない。

それで、ハトヤは関東のホテルだが大阪のテレビでも流れていたし、CMの最後に予約電話は東京、名古屋、大阪みんなよい風呂(4126)とやっていたから、名古屋地区でも流れていただろうと思う。

子供の頃からCMをしょっちゅう見ていたから一度は泊まってみたいという気持ちはあって、10年ぐらい前にも一度、ネットでお一人様プランがないか見てみたが、その頃は2人以上のしかなかった。でも今回、見てみると「一人旅応援プラン」という名前のお一人様プランがあったので予約。やっと、ハトヤホテルに泊まる機会を得ることが出来た。

行きは東京から熱海までは東海道線の普通列車。

たまの休暇で特別急ぐのでなければ、東京~熱海の距離なら新幹線や特急踊り子号の自由席より安い普通列車のグリーン車がいい。ゆっくり座っていけるし。

熱海で伊東線に乗り換え、伊東駅に着いた。

伊東は7年余り前に来ている。そのときはすぐバスに乗ってシャボテン公園へ行った。今回は初めての市街地へ。

伊東へ着いたのが正午過ぎなので、すぐ昼飯。あらかじめ調べてよさそうに思えた店へ行く。駅近くの賑やかなエリアを過ぎたあたりにある店で、旬の味たなか

伊豆へ来たら食べたいのが金目鯛。この店は金目鯛の煮付け定食があって、値段は2,000円ちょっとと高めだが、しょっちゅう来るわけではないのだからやはりよさそうなものを食べたい。

日曜の昼飯時だったが、先客はカウンター席に一組。後ろの座敷、テーブル席はまだ空いていた。

注文した金目鯛の煮付け定食

金目鯛の煮付けではこれまでで一番美味しいと思えた。口の中に味が広がって、とろけていく。ちょっと高めだけだけど、素材も板さんの腕もそれだけいいということだろう。アルコール類を注文したい気持ちになったが、夜にホテルであまり飲めなくなるし、それにこのあと市街地のスポットを回る予定なのでこらえておく。

また伊東へ来る機会があったら、駅から徒歩圏の宿を朝食のみか素泊まりかで予約して、夜にこの店に来るのもいいだろう。あるいは、帰る日に午後2時ぐらいの特急を予約しておいて、昼飯に食べて飲んで列車で寝て帰るのもいいかもしれない。

 

昼飯のあとは市街地のスポットへ。

まずは東海館。1997年まで営業していた大きな木造旅館が保存され公開されている。

見学料200円を払って入る。

1階は往時の旅館の姿のまま公開されていたが、2階へ上がるといろいろな展示がされていた。

アート作品が並ぶ部屋。

伊東の魔除け人形を展示した部屋。

その他にも伊東にゆかりの人物を紹介する資料を展示した部屋も複数あった。

3階へ上ると旅館の大広間。芸者さんの人形が並ぶ。

こういう大広間におじさんたちが膳を前にすらりと並び、ステージで芸者さんたちが踊り、またおじさんたちにお酌をしたりする。そういう宴席に行ったことはないが、古い時代の映画(それもテレビ放映)で見たことがある光景だ。

3階のさらに上の望楼も公開されていた。望楼から海側。

そして山側。

東海館を出てそばの松川を渡り、対岸から。観光写真に使われるのはこの光景。

 

次に伊東東郷記念館。見学料は200円。

日露戦争で日本を勝利に導いた連合艦隊司令長官 東郷平八郎が晩年、病気の妻の療養のために建てた別荘ということ。

観光ボランティアの人が常駐していて、内部を案内して貰った。

 

海のそばへ出ると伊東市観光会館があるが、土産物店や飲食店などはなく展示ホールのようだ。

近くまで行ってみたが、次の展示のための搬入作業をやっていた。

松川の北側にある公園へ向かうが、橋のたもとにあったのが日本初 洋式帆船建造の地のモニュメント。

松川を渡り、こちらもアート作品が並ぶなぎさ公園。

今回の旅行で一番海のそばまで来た。

 

市街地へ戻り、木下杢太郎記念館へ。ここの見学料は100円。

展示室。

奥にある木下杢太郎生家。こちらは文化財になっているので、廊下のところまでしか入れない。

木下杢太郎(本名:太田正雄)は医学者にして文学者で優れた才能を持ち、多くの功績を上げた人物というがこれまでまったく知らなかった。小中学校ぐらいの歳で読む偉人伝でも名前を見た覚えがない。展示資料を見ると、ハンセン病に関する研究をかなり行ったが、存命中に治療法の確立などに到達しえなかったようで、そのあたりが偉人伝の人物になっていない理由かと思えた。

 

伊東駅へ戻り、無料送迎バスに乗ってハトヤホテルへ。ホテルは小高い丘の上にある。かつてのテレビCMでもホテルのすぐ下に伊豆急行線のトンネルがあって電車が出てくるのが映っていた。

ハトヤホテルの玄関前。

ホテルの全貌がどうも分からないが、東海館のそばで松川をいでゆ橋で渡ったとき、上流方向に「ハトヤ」の大きな看板が見えたので思い切りズームして写した。こんな感じで高台にある。

ロビー。さすがに豪華な感じ。

お一人様プランと言っても、夕食・朝食付で税込19,800円。決して安くない。楽天トラベルで予約したが、たまっていたポイントを5,000ポイント使う。つまり14,800円にした。

そして部屋だが、眺望がいい方に変更したということ。つまり、空いていて予約が入らなかった部屋に変更してくれたようだ。しかし、2月は閑散期とはいえ、ハトヤのような有名なホテルでもそんなに混雑はしていないとは。

思い出すのは一昨年の今の時期に下田へ行った2日目。下田駅前の寿司屋で昼飯を食べて飲んだが、店のおねえさんが言うには、
「昔(国内旅行が盛んで、伊豆が人気観光地だった頃)は、お一人様プランなんてあり得なかった。」
ハトヤも空いていたり、お一人様プランができたりする、そういうご時世なのだ。

さて、変更してくれた部屋だが、広い部屋を1人で使えるのはプランでもともとそうなっていた。

そして窓からの景色は眺望のよい海の側。

遠くをズームアップして初島。

部屋は畳部屋の部分が15畳。団体さんも泊まれる広さだし、家族連れなら夫婦と子供が2人か3人、それにおじいさんとおばあさんも一緒に泊まれる広さ。自分が子供の頃、父方の祖父母は2人で旅行するのを好んだが、母方の祖父母は孫と一緒に旅行するのが好きで、何度かいっしょに旅行したのを思い出した。

洗面台。このホテルが出来た頃は広い洗面台は豪華だったのだろう。

今は鏡の上の照明が、特に女性がメイクするときに光が足りない感じだが。

大浴場へ行ったので使わなかったが、広さに驚いたのが内風呂。スペースがゆったりしている。

家族連れが泊まったときに、親が小さい子供と一緒にゆったり入れる余裕がある。

ホテルの中を探検してみる。大浴場入口のとなりにあったゲームコーナー。ホテルの開業時からあったかどうかまでは分からないが。

だけど、ゲームコーナーとなりの卓球コーナー。

そして、そのとなりのマッサージチェアコーナーなど、いかにも昭和の温泉ホテルという感じ。

ハトヤホテルの施設でもうひとつ気になっていたのが、本館と別館をつなぐ円形通路。

Googleマップのレビューに「キューブリックの世界」というようなことが書いてあった。キューブリックは1960年代の名作SF映画「2001年宇宙の旅」の監督スタンリー・キューブリック。つまり、円形通路の雰囲気は1960年代SF風らしい。

ところが、通路入口は扉が閉ざされていた。

空いていて別館は今日は使わないので扉を閉めて施錠していると思った。

ところが施錠しているというのはまったくの勘違いというか思い込み。以下の円形通路の写真は翌朝のものになるが、チェックアウトしてロビーのソファで送迎バスの時間を待っているとき、若いカップルが扉を開けて通路に入っていった。たぶん、入れるか試してみたのだと思う。なら自分も入って写してこようとあとに続く。

確かに1960年代SFっぽい。「2001年宇宙の旅」は最初の公開後、権利関係か何かでゴタゴタして日本では再上映やテレビ放映もなかなかされず、自分が始めて見たのは大学生だった1980年代前半のテレビ放映だった。だから、1960年代のSF感覚というとその時代のアニメ、特撮や、小学生向けの雑誌に載った「21世紀の世界」といった読み物やイラストなど。当時、21世紀は30年余り先の未来だった。そして、21世紀になってもう約20年。50年余り前の未来イメージは今や懐かしの昭和の世界だ。

 

大浴場で温泉に浸かり、部屋へ戻ると午後5時半。

そして午後6時。

晩飯は午後6時半から。会場へ行く。

宿泊客が多いとバイキングになるらしいが、空いているのでプランごとの晩飯。自分のは和食膳。和食といってもローストビーフもあった。

最初の飲み物は瓶ビール。サッポロビールの静岡工場で作られたもので、伊豆限定のラベル。

コンロで温めるものが2品。ひとつはミニ寄せ鍋。

そして、もうひとつはアワビ。さすが、税込19,800円だけのことはある。

少し遅れて出てきた天ぷら。

料理の分量はたっぷり。飲みながら食べるにもいい。最初のビールが終わったら冷酒にしたいが、白鶴の180ml瓶とあとは富士錦という静岡の酒の720ml瓶しかない。720mlは多すぎるので白鶴の180mlにする。

だけど、180ml1本では足りないのでもう1本注文。

最後は緑茶ハイ。居酒屋と同じような飲み方になる。

にぎり寿司もあったが、それに加え最後にご飯とみそ汁とフルーツ。

少し腹がきついぐらい満腹した。

 

部屋へ戻って気が付く。床の間の置物。

ハトヤだけに鳩の置物。