親の家で、高いところを掃除するとか、故障を直すとか、パソコンの分からないところを教えるとかは、来た翌日にだいたい終わった。
関西の天気がいいのは今日までで、明日の予報は微妙な感じ。暑い中、2日続けてだが出かけることにする。
今日は京都方面へ行く。JRで京都駅に着いて南側の八条口を出る。
今は改良工事中だった。
京都駅の表玄関は北口。地下街や主な商業施設も北口側にある。観光客もほとんどが北口へ出る。映画「ガメラ3」に登場した巨大な吹き抜けがある駅ビルも北口側。
南口側というと上の写真の都ホテルや、その陰になって見えないがイオンモールもある。だけど、大きいところは他にあまりない。
自分も南口を利用したことは、夜にタクシーで京都駅に着いて東京行きの新幹線に乗ったことが一度あるぐらい。新幹線のホームは南口側にある。
今日の目的地は京都駅南口側にある東寺。
五重塔があるのだが、新幹線で京都から新大阪へ向けて発車直後、そして、新大阪から京都到着直前に車窓から見える。これまで何十回も見ているが、まだ一度も行ったことがない。京都の主だったスポットは子供の頃の家族の行楽、学校の遠足をはじめにしてほぼ行ったと思うが、東寺へは行っていない。京都駅から近くて、行こうと思ったらいつでも行けると思っているうちに30年ぐらいあっという間に過ぎてしまう。
なので、この夏休みには行ってみることにした。
京都駅八条口から新幹線の高架に沿って大阪方向へ歩く。駅前だけは大きいビルがあるが、そのエリアを過ぎると昔からの町屋があったりする。
南口側は観光客向けの施設もなく、駅からすぐの、しかも新幹線に沿った場所に地元の人の日常生活の場所があるというのが意外だった。
大宮通に達して南へ曲がると、新幹線の車窓からも見える五重塔が現れた。
京都駅のほうから行くと慶賀門もあるが、東寺の正門は南側にある南大門というのでそちらに回る。
南大門から入ったはいいが、五重塔は樹木の向こう。しかも柵があって直接行けない。
金堂や講堂といったお堂も柵の向こう。どうやら、拝観入り口はこれらお堂の北側にありそうだ。
東寺の公式サイトの「東寺とは」見ると、まずは御影堂にお参り下さいと書いてある。東寺を造営したのは弘法大師空海。そして御影堂は弘法大師の住居だったところ。
御影堂は拝観料が必要な区画には入っていない。まず、ここへお参りすることにする。
御影堂。内部は撮影禁止。
次に拝観料(500円)が必要な区画へ。入り口のところ。
講堂、金堂は建物脇から入って仏像を拝むことができるが、内部は撮影、スケッチなどは禁止。外からだけ写す。
講堂。
金堂。
そしていよいよ新幹線車窓から何十回と見た五重塔へ。まず近くから何枚か写し、あとは境内北の慶賀門へ歩きつつ写す。
東寺を出て京都駅方向へ。今度は表通りでなく、脇の道へ入っていく。行きも思ったが、京都駅からごく近いところなのに、このあたりには日常の生活空間が広がっている。
細い路地を発見。向こうの高架上を新幹線が通っている。
最初、新幹線が走っていないときに1枚写したら、この路地に住んでいるらしいおばあさんに声をかけられた。
「新幹線が走っていたらよかったのにね。」
それで、
「京都駅からすぐ近くにこんな日常的な風景があるから、やっぱり新幹線入れて写したいよね。」
と答えると、おばあさん、
「あっ!新幹線、走ってる、走ってる!」
見ると、新大阪のほうから京都へ到着する新幹線が走っている。それで、何枚か写す。
駅へ着くときだから新幹線もゆっくりと走り、16両つないでいるから写す時間は十分にあった。
写し終わると、おばあさん、
「撮れた?」
「うん、しっかりと。」
そして立ち去るときには、
「ほんじゃあ、さいなら。お元気で。」
このやりとりをあとから考えると、防犯上の見知らぬ人物への声掛けだったのかもしれない。
でも、あのおばあさん、ずいぶんと慣れた感じだった。京都駅からごく近いところだから、新幹線を入れた路地の風景を写す人は、けっこういるのかもしれないと思えた。
東寺や途中の街でいろいろ写していたら時間が経つのが早い。もう正午を過ぎて昼飯時。
京都から南へカーブしていく近鉄京都線の高架下にある朝日食堂という店に入る。
東寺へ行くとき前を通って、昼飯によさそうな店だとマークしてあった。入ったのは午後12時半過ぎ。近隣の会社に勤める人のランチで混んでいたのが一段落したようで、待つことなく入れた。
食べたのは豚しょうが焼き定食(720円)。
次は宇治の平等院へ行こうと再びJR京都駅へ。
見るとエスカレーターで歩かない人が左に寄っている。関東の習慣では左、関西は右だが、京都駅は東京方面からの観光客が多いためか、左へ寄るのを習慣にしている人間の数の多さで、その習慣になってしまったのではないかと思われる。
2009年の夏休みに比叡山へ行った帰りに京都駅へ寄ったが、そのときも左へ寄っていた。
これが、京都駅だけなのか、京都の地下鉄や他の私鉄、商業施設でもそうなのかまでは分からない。
JR宇治駅へ着く。宇治の駅前。
宇治の平等院は小学校の遠足で一度、来たことがある。だけど、観光バスだったから駅から歩いていくのは今回が初めて。
平等院へは駅前を通る幹線道路(これはバイパス道路のようだ)を渡って、その先にある旧道-宇治橋通りの商店街を抜け、一旦、宇治川に架かる宇治橋たもとまで行く。
宇治橋通りに出たところに老舗のお茶屋があった。宇治は宇治茶の産地。
宇治橋通りの商店街。
宇治橋たもとから、川沿いに延びるのが平等院の参道。
平等院の山門に着く。拝観料は600円。
平等院といえば鳳凰堂。小学校の遠足のときは、これが10円玉の鳳凰堂だと思って眺めたということしか覚えていない。
正面。10円玉に描かれた鳳凰堂の構図がこれ。
鳳凰堂へは追加料金300円で入ることができるが、1回あたりの定員もあって時間の予約が必要。平日なのに結構人が多くてどれぐらいの待ちになるか分からないのでパスした。
鳳凰堂の斜め裏手に鳳翔館という宝物類を展示する博物館ができていた。内部は撮影禁止。
開館は2001年とのこと。確かに小学校の遠足でそれらしき建物に入った覚えはない。
鳳翔館を出て鳳凰堂を裏手から。
鳳凰堂以外の建物も写してみる。これは観音堂。
今日も暑くて、平等院を出たら冷たいものを食べるか飲むかしたくなった。行きに参道沿いの店を眺めつつあるいたが、写真の京都六条庵という店でソフトクリームを食べることにする。
ソフトクリームというのが表の看板にも出ていたが、お濃茶アイスというもの。
観光地のソフトクリームはだいたい300円ぐらいだが、これは480円。いまは抹茶アイスというのはポピュラーだが、濃茶で値段が高めならどんな感じか食べてみようと思った。
これがお濃茶アイス。
ふつうの抹茶アイスより色が濃いだけでなく、確かに味も濃い。だけどアイスクリームだけにちゃんと甘みもあって、決して抹茶の苦みだけというものではない。
宇治川に架かる宇治橋。鉄筋コンクリートの橋だが、木造橋のような装飾がされている。
宇治川橋上から上流方向。琵琶湖から大阪湾に達する淀川水系の本流。山の間を抜けていくと滋賀県。滋賀県では瀬田川と呼ばれ、琵琶湖から流れ出している。
宇治橋を渡ったところにある京阪宇治駅から大阪へ帰る。
親の家での今日の晩飯はうな重。それとほかにいろいろと。うな重は親が今、住んでいる界隈では評判のいいうなぎ屋でテイクアウトできるもの。
酒は缶ビール(ヱビスの350ml)と京都伏見の酒で玉乃光の生酒300ml瓶。