夏休みに入っているので旅行に行ってから親のところへ向かう。父親がディサービスのお泊まりオプション=ショートステイにずっといるので、母親の方は前より楽なようだ。こちらもあまり心配することなく旅行に行ける。
朝の東海道新幹線に乗る。
東京駅のコンビニで買ったサンドウィッチとパンで朝飯。休日の家での朝飯とほとんど同じ。
名古屋で南紀方面の特急に乗り換える。
4時間ぐらい乗らないといけないので名古屋で弁当を買っておく。みそカツ弁当。なお、この特急、車内販売はないということだ。
途中、正午近くなったところで食べる。
午後2時過ぎにやっと目的地の紀伊勝浦駅に着く。
駅名は紀伊勝浦だが市町村名は那智勝浦町。
アーケードの商店街を抜けて港の船着き場へ。地方都市は今はどこでもこんな感じらしいが、駅前の商店街には人がいない。
今日泊まる宿はホテル浦島。勝浦湾の突き出した岬にいくつもの建物を持つ大規模ホテル。
宿泊客は送迎船でホテルへと向かう。同じ特急で来たらしきツアーの団体さんもいた。
岬だから地続き。道路もありそうだが、地図でもはっきりと現れていない。業務用の道路などはあるのかもしれない。
5分ぐらいでホテルの玄関前の船着き場に着く。
おひとり様向けの格安プランだったが、そういうプランだと泊まるのはいちばん古い本館。でも、古くからあるホテルだから改装もやっているようで、廊下はコテージふうだった。
「わけあり部屋」なので格安ということ。「わけあり」とは別に怪談じみた話があるのではなく、眺望がない部屋だからということ。なので、岬の丘陵の斜面しか見えない部屋かと思ったが、勝浦港は見えた。
ただし、見えるのは貨物船なども着くような桟橋だけなので、観光向けの風光明媚な海の風景ではない。
このホテル浦島には25年前に泊まったことがある。そのときに、すごく楽しいホテルと思えた。”男の子の気持ち”を呼び覚ますところがあった。
この写真は部屋へ向かう廊下の窓から写したもの。岬の丘にトンネルが造られ中を通路が通っている。
岬の反対側にもホテルの宿泊棟や露天風呂が作られていて、こうした通路を通って行く造りになっている。
これが子供の頃に見た特撮ものに出てくる秘密基地を思い起こさせた。「サンダーバード」の秘密基地であるトレーシー島だったり、「ウルトラセブン」の巨大地下基地である地球防衛軍極東基地などだ。
ホテル浦島の岩盤の向こうにメカの格納庫があって、岩盤が開いてサンダーバード何号やらウルトラホーク何号が発進していくわけではないが、地下にいくつも通路が通っているようすを見ているとそんな妄想が浮かんできたりする。
25年前に泊まったときは定期観光バスであちこち回った後、夕方にホテルに着いたから、この巨大なホテルの地下通路の行けるところすべてを”探検”することができなかった。その後、那智勝浦には2回泊まる機会があったが、いずれも浦島ではないところ。いずれまた泊まって、ホテルの中を探検して回りたいと思っているうちに25年が過ぎてしまった。
部屋で一休みして、自分の今日のメインイベントである”巨大秘密基地探検”を開始。
まずは、前回泊まったときは全然行けなかった岬の丘の上にある山上館と、丘の上に作られた狼煙山遊園へ。
山上館へは長いエスカレーター3基と短めのを1基乗り継いでいく。
東京あたりでいうと、深いところに作られた地下鉄駅にあるような長いエスカレーター。これを3つ乗り継ぐ。
3つ目を降りると狼煙山遊園への出口があって、山腹を歩いていく。
しばらく歩くと丘の上に達し、両側の展望が開けた。
太平洋側。
勝浦湾側。
岬の突端のほうにも展望台があるらしいのでそちらへ進むと、まず鳥居が現れた。浦島稲荷神社の鳥居だということ。
その浦島稲荷神社へお詣りしていく。
人が行けるぎりぎりのところにある展望台。
太平洋側。
その右、勝浦湾側。
帰りはさっきのエスカレーターではなく、山上館のフロントのフロアから丘を貫くエレベーターで一気に1階まで降りる。そして、地下通路を通って本館の方へ。
むしろ、ここからが本格的な地下秘密基地探検の気分になる。
一旦、本館のほうへ出て、別の地下通路を進む。
岬の反対側(太平洋側)に出ると、そこにはプールがあった。他に貸し切り展望風呂もあるらしい。
また本館に戻り、別のトンネル通路へ。これが本館の自分が泊まった部屋へ行く途中に窓から見えたトンネル。
ここは店舗もあった。開くのは夕方からみたいでまだ閉まっていた。他には観光名所や地域の歴史の展示もあった。これは鯨漁についての展示。
ホテル浦島全体のミニチュアもあった。
今向かおうとしているのが、次の写真で左上にある日昇館という建物。太平洋側で東側なので日が昇る方向にある。
行くとまだ営業開始前だったが、海に面したレストランがあった。
海に面した展望ロビーもあった。
戻って途中で分かれる通路を通り、勝浦湾側のなぎさ館へ。観光ホテルによくあるゲームコーナーがこの通路にあった。
なぎさ館に着くとここにも海を眺めることができるレストラン。
なぎさ館脇に参道っぽい通路があって、奥にお社がある。
名前は分からないが屋敷主大神をはじめいろいろな神様を祀っているようだ。扉が閉ざされていたが、ホテル浦島の会社としてのお社かもしれない。会社のビルの屋上にもあったりするようなのと同じで。一応、ここにもお詣りしてくる。
最後にお社のそばからホテル浦島の勝浦湾側を見る。
客室しかないようなフロアをうろうろすると不審者に思われそうだから、そういうことはやめておいた。だけど、丘の上の狼煙山遊園へ行き、さらに地下の連絡通路を通ってあちこち歩き回っただけで、1時間あまりかかる。特に最初の狼煙山遊園へ行ってくるだけで、ほぼ30分を要した。それだけ、このホテル浦島が巨大だということだろう。
暑い時期で汗もかなりかいたので、次は温泉につかる。太平洋側に開いた2ヶ所の洞窟風呂がウリのホテル。そのうちの一つの忘帰洞に入ってくる。25年前に来たときも、波の音を聞きながら入る温泉は気分が最高だと思えた。
”巨大秘密基地探検”も終わって、”男の子の気持ち”から年相応のオヤジの気持ちに戻り、夜の飲み食いへ。晩飯はこういうところの格安プランではたいていそうだがバイキング。
勝浦はマグロの水揚げが多い漁港なので、マグロも多く出る。最初はマグロ中心に取ってくる。
といっても、バイキングのマグロに極上のものなど出てはこない。そこは割り切り。
飲む方はまず生ビール。
本館の食事会場のレストランは大きく2つの区画に分かれていた。自分が通されたのは4人掛けテーブルが中心のエリア。個人で予約したお客さんたちはこちらへ案内されるようだ。
窓からは勝浦湾。
もう一つのエリアは大きなテーブルが並び、ツアーの団体さん向けのようだ。そして、そこでマグロの解体ショーが始まった。
自分はもう飲み食いし始めたので別に見に行かなかったが、やはりこういうのは団体さん向けのパフォーマンスなのだろう。
10年ぐらい前、両親と信州へのツアーで、まさに団体さんの一員で旅行したが、ホテルの夕食バイキングで通された場所は、今回の団体さんエリアと似たような雰囲気のところだった。別にマグロ解体に類する何かのパフォーマンスがあったわけではないが。
でも、やっぱり旅行のときの晩飯は今回、自分が通されたエリアのような落ち着く場所の方がいい。
ビールが終わって次は地酒。紀州の地酒で熊野三山の吟醸。
マグロ関係を食べ終えて、次は肉類を取ってきた。
飲む方はもう1杯でライムハイ。
そしてデザートに果物を少々。
飲み食いを終えてホテル内の店が並ぶあたりへ行ってみる。そこには居酒屋が2軒ある。
自分が泊まったおひとり様の格安プランは夕食あり・朝食ありで10,000円。これが夕食なし・朝食ありだと8,000円。夕食なしプランにして、夜の飲み食いをこういう居酒屋ですませる手もありそうだ。でも、ホテル内の居酒屋だと街の居酒屋より高そうだ。店の前のお品書きを見てもそんな感じだった。まあ、街の居酒屋へ出ても、プランの値段差の2,000円以上はかかってしまうだろうけれど。