萬蔵庵―“知的アスリート”を目指すも挫折多き日々―

野球、自転車の旅、山、酒、健康法などを徒然に記載

さくらんぼ

2007年06月30日 | 酒食・グルメ?


初夏の味覚の「さくらんぼ」。山形の佐藤錦である。1kg6~7000円ぐらいするそうだ。当然ながら、自分で買うことはしない。食べれるのは昔から貰いものと決まっている。子供の頃は近所に山形出身の人がいて、この季節になると必ずいただいて、食べていた。長じてからは、めったに口にしたことがない。

写真の「さくらんぼ」は弊社仙台営業所のKさんから、小生所属の部署に送ってきてくれたものだ。彼の実家は山形でサクランボ農園を営んでいる。先月、仙台に出張の折、それとなく催促しておいたのが効いたようだ。
「サクランボかぁ。最近食べてないなぁ。Kさん、実家で栽培してるんだって?いいなぁ。」という類のプレッシャーをかけておいたのだ。(あまり“それとなく”ではないが・・・)

いろんな人間が集う会社組織というものにありがたみを感じる一瞬である。小生の部署ではワーワーキャーキャー言いながら、赤くて甘酸っぱい宝石を頬張ったのでした。


サクランボは正確には「桜桃(おうとう)」というそうだ。こう書くと太宰治の「桜桃忌」が頭に浮かぶ。太宰の誕生日と自殺して遺体が発見された日が奇しくも6月19日だったので、この日を「桜桃忌」として太宰治を偲ぶのだそうだ。彼の死の直前の小説名が「桜桃」であったのと、季節も桜桃が実をつける時期でもあり、この名をつけたという。桜桃は昔から高価でぜいたく品であったようだ。

以下は太宰治「桜桃」より引用。

「子供より親が大事、と思いたい。子供よりも、その親のほうが弱いのだ。桜桃が出た。私の家では、子供たちにぜいたくなものを食べさせない。子供たちは、桜桃など、見た事も無いかも知れない。食べさせたら、よろこぶだろう。父が持って帰ったら、よろこぶだろう。蔓を糸でつないで、首にかけると、桜桃は珊瑚の首飾のように見えるだろう。しかし、父は、大皿に盛られた桜桃を、極めてまずそうに食べては種を吐き、食べては種を吐き、食べては種を吐き、そうして心の中で虚勢みたいに呟く言葉は、子供よりも親が大事。」

小生の親は子供たちに食べさせてくれた。きっと、子供たちの喜ぶ顔が見たかったのだろう。単に“もらい物だったから”という説も捨てがたいが・・・。
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