<1ヶ月に及ぶポストシーズンの頂上の座にはシカゴ・カブスが輝いた>
五日間の近畿旅行に行っている間に、海の向こうのMLBワールドシリーズはシカゴ・カブスの108年ぶりの優勝で決着していた。行く前に第6戦の予想を以下のように書いておいた。
『先発はカブス・アリエタ、インディアンズはトムリン。このシリーズではアリエタは第2戦で、トムリンは第3戦で勝利投手になっている。どちらも、相手打線を抑えている。投手戦が想定されるので、どちらが先に点をとるかが非常に重要な試合になると思う。投手の失投・四死球・暴投、野手のエラー、走塁ミス。これらをより多く出した方が、劣勢に立たされるだろう。』
家に帰ってから第6戦の録画を観たが、まさに、上の予想の通りの出だしとなっていた。一回表、インディアンズ先発トムリンは2死ランナー無しから、三番ブライアントに甘いカーブをレフトスタンドに持っていかれ、先制点を許してしまう。さらに4番リゾ、5番ゾブリストに連打され、2死1、3塁のピンチを作ってしまう。しかし、続く5番ラッセルは泳がされて外野フライ。これでチェンジかと思いきや、センターとライトのお見合いで打球は右中間に落ちてしまう。記録は二塁打になったが、明らかにエラーである。この当たりで二者生還。大事な試合の初回にインディアンズは3点のビハインドを負うことになった。カブス俄然優勢の中、3回にはラッセルの満塁ホームランが飛び出し7−0。インディアンズも多少は粘ったが、結局9−3でカブスの勝利。対戦成績3勝3敗でカブスが逆王手をかけた。
こうなるとカブスの勢いは止まらない。勝った方が優勝の第7戦も先制点はカブスが取り、試合を優位に進め8回表が終った時点で6−3とカブスがリード。中継ぎのカブス・レスターが8回2死としたところで、ラミレスにヒットを打たれると、カブスはすかさず絶対的クローザーチャップマンをマウンドに送る。しかし、インディアンズ・ガイヤーはチャップマンの豪速球を跳ね返しタイムリー二塁打を放ち、2点差とする。続く、デイビスがチャップマンのインコース低めの速球を引っ張り、レフトスタンドに突き刺さるツーランホームランで6−6。インディアンズ、土壇場で追いつき、場内騒然。興奮したスタンドの中にはNBAクリーブランド・キャバリアーズのレブロンの姿もあった。
9回表裏は両チームとも無得点で延長戦へ。だが、ここで雨が激しくなり17分間の中断があった。勢いはインディアンズにあったのだが、まさにこのムードに水をさすこととなった。
中断明けの10回表、カブスの先頭打者シュワーバーがヒットを放つと、マッドン監督はすぐに代走にアルモーラを出す。この起用が当たり、続く3番ブライアントの大飛球でアルモーラはタッチアップで2塁へ。インディアンズは4番リゾとの勝負を避け敬遠で塁を詰める。1死1、2塁で勝負強いゾブリストが二塁打を放って勝越し、尚も1死2、3塁のチャンスを作る。この後もう1点追加して、10回表を終って8−6。10回裏インディアンズも粘って1点返したが、反撃もここまで。8−7でカブスがこの第7戦の“死闘”を制し、108年ぶりのワールドシリーズチャンピオンに輝いたのであった。
いや〜、凄い試合だったんだなぁ。まさに死闘の好ゲームだった。ナマで観たかった。残念。無念。
旅に出る前の予想で『勝利の女神の微笑み次第で勝負が決まりそうである』と書いたが、この試合、インディアンズの逆転ムードになったところで、雨が強くなって中断してしまった。勝利の女神はカブスに微笑んだようだ。