日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「日本人の思考回路」。

2011-03-18 17:23:39 | 日本語の授業
 快晴です。既にお向かいの工事は始まっています。

 昨日、午後の授業の一、二限目(1:15~2:30)が終わって、職員室に戻りますと、「計画停電」の影響で電気が止まっていました。

 そこで一言。大体、「停電」なんて、「負」の言い方ですよね、元気が出てきません。「計画供給」と、どうして言えなかったのでしょう。「『巨大地震』と『巨大津波』に見舞われた日本。とはいえ、この時間帯だけは万難を排して『供給』する」と。そういう言い方をすれば、人々の気持ちも「頑張っているね」となり、電気の供給に対して感謝の念も湧こうというもの。それを、ねえ。却って、気の毒になります。

 日本人の思考回路の基本は、現状維持なのです。現状のままであって、「プラスマイナスゼロ」であり、それより上なら「プラスいくら」であり、それが実行できなければ、すぐに「マイナスいくら」になってしまうのです。そして、厄介なのは、なかなかそこから抜け出せないということなのです。

 こういうことも考え方一つで、「未曾有の天災(人災も重なっていますが)に見舞われたというのに、まだガスもある、水もある」となれば、まずはよかったと思えるのですが。

 つまり、「だから、電気が今まで通り供給でなくとも、これくらいの量であろうと、ありがたいと思って受け取れる」か、あるいは、「『地震』は『地震』、『津波』は『津波』。少しでも生活が不便になれば、文句を言う」となるか、のどちらかなのです。

 政治家というのは、こういう人間の心の機微、あるいは一種の国民性なるものをよくよく考えて声明を発するべきで、しかも、ものには言い方も、いうべき時もあるのです。

 大体、政治を志そうという人は、人々の心に届くような言葉を持つべきであって、事務的にただ必要な言葉を必要なだけ言えばいいというものではありません。根本的に。人柄が言葉に滲み出て、言葉足らずが許されるということもあるでしょうが、それが度重なれば、相手に馬鹿にされるだけです。

 結局は、相手の「心」に届くように、言葉や言い回しを選びながら声明文を作るべきであって、しかも、それは広い視野と的確な判断力をも、相手に感じさせなければ、いわゆる「本物の政治家」の言葉にはならないのです。極端な言い方をすれば、政治家は理想を語ればいいのです。その実行のために、どうしていけばいいのかは、その下の、事務能力のある人達か、あるいは専門家集団が考えていくことでしょうし。

 とはいえ、気の毒ですね。何が因果で政治家なんぞになっているのでしょう。いやいや、一番気の毒なのは、国民でしょうが。政治家というのは、能力のある人以外はなるべきではないのです。変な人がなってしまうと、人様の迷惑になってしまいますから。簡単にやりたいと手を挙げてはいけないのです、小学校の学級会ではないのですから。親の金をそのまま引き継げるからなっている人もいるでしょうが、大事が起こった時に、すぐ能力のなさが露呈してしまいます。恥ずかしいでしょう。己の分際すら分かっていないくせに。人様に、あなたの命を託してくださいと言えるものでしょうか。

 …などと、何を言っているのでしょうね、私は。今はそれどころではありません。原子力発電所では、それぞれの職責を全うせんものと頑張っている方たちが大勢いらっしゃるのですから。私たちは、その方々の迷惑にならないように、ただ信じて待つだけです。

日々是好日
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