日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

『みんなの日本語(Ⅰ・Ⅱ)』が終わった段階で、クラス替えを何人かすることになります。

2024-01-11 08:35:18 | 日本語学校
曇り。

今朝は、風があって、かなり寒い。「うう…熱を奪うな」とでも言いたくなるほど。雪国の人には叱られそうですが…。風があると、昨日よりもずっと寒さを感じてしまいます。最低気温3,9度。そして、気温も、今日は10度にいかないとか。ブルブルです。

昨日、「Cクラス」では、授業が始まった時に来ていたのは一人だけ。彼はいつも10分以上も前に来ているので、別に不思議でも何でもないのですが…。「そうか、今日は君だけか…」。彼もそう思ったようで、「今日は私だけですか…」。

12月の「日本語能力試験」前までは、それでも8人ほどはいたのです、このクラスでも。「留学生」二人に、「在日生」が七人。「在日」はそれぞれ個人的な事情があり、学ぶ期間も決まっていませんから、試験などを境に、終止符を打つということもよくあること。目的もないのに、お金や時間を費やしてまで勉強するかというと、まず、そんなことはしないでしょう。

それで、今年は、続けると言っていた「在日生」二人と「留学生」二人、計四人で、始まる予定だったのですが、「在日生」一人が足のけがで来られないという連絡があり、三人で始めることに。もっとも、(昨日は)もう一人の留学生が、20分ほど経った頃、「…眠ってしまった…。ごめんなさい」とやってきたので、どうにか二人で授業ができました。

ただ、来週からは、下のクラス(「Dクラス」)から二人か三人上がってくるとのことですから、少しは賑やかになるでしょう。うち、二人は「留学生」で、一人は「両親に聞いてから」という「在日生」。高校受験を目指しているので、きちんと勉強する人であれば、やはり少しでも先をやった方がいい。

一方、午後の「Eクラス」。彼らが来日したのは、昨年の10月なので、真面目に勉強していても、なかなか「四月生」と同じにはなれません。はじめの頃の、三ヶ月と、九ヶ月の差はかなり大きい。

まあ、一年ほども経てば、一緒に勉強してもどうにかなるかな、「ヒアリング力」と、「漢字の力」さえついていれば…。ただ、「非漢字圏」の学生であって、この両者が共に成立しているかというと、それほどはいません。大体は、「ヒアリング力」はあるけれど…で、終わってしまう。それに比べて、「漢字圏」の学生はというと、「漢字力」はどうにかなっても、「ヒアリング」がついていかない…。

そうは言いましても、「ヒアリング」なんてのの鍵を握っているのは、時間だけですから、真面目に(学校で)勉強さえしていれば、どうにかなってきます。一方、「漢字力」はと言いますと、…どうにかなる…とは(本人が)思っていても、そうは問屋が卸さない…でしょう。日本人だって、中国人だって、努力せねば覚えられないものなのですから。

いくら日本人のようにペラペラ話せている人でも、「はい、読んでください」と言われたら、ガーンとなる。…読む場所に、漢字が現れてくれば、読めないので固まってしまうか、適当に読むしかない。(そういう人の)状況を知らない日本人は「あれ、日本人のように話せているのに。学校で日本語を学んでいるはずなのに」と不思議に思ってしまう。

「初級」ではありませんから、教科書に「ルビ」なんてのは振っていません。読みが止まる度に、いちいちこちらが言ってやらねばならない。。一人読みができなければ、問いに答えるどころではありません。そうなると、「読解」の授業自体が成立しませんから、お引き取り願うしかないのです。級が進めば進むほど、漢字の量は増えていきます。「読む・書く・聞く・話す」の四分野が、多少の凹凸はあっても、適度に身につけて行けていないと、「読む・書く」分野がドーンと凹んでしまうと、ここだけは、いつまで経っても簡単な文章しか読めないと言うことになる。

しかしながら、こういう人は「聞く・話す」には自信があるので、なんでこんな簡単な文章を読むんだと面白くはない。これが、「在日生」で、「文字」の縛りがない人達だけのクラスであれば、「ドラマ」なり「映画」なりを使って面白く授業をやることもできるのですが、留学生もいるクラスでは、そうはできません。「日本語能力試験」がしっかりと立ち塞がっているのです。これを無視して、進学や就職ができるかというと、できないのです。

尤も、日本に長くいると、勘が付くと言いますか、文の流れでこうであろうと、読める(言える)場合もあるのです。実はこれが一番怖い。「勘」で読んで(言って)いるのですが、それなりに文としてはつじつまが合っているので、聞いているだけであったら、そうかと相手は思うでしょう。しかしながら、実際に文章を読んでみると、全く違う事が書いてあったということも少なくありません。一遍で信用をなくしてしまいます。それらしい文を言っているに過ぎないのですから。授業ならまだしも、これが仕事で金銭的な問題が絡んでいるようなものですと、大ごとになってしまいます。本人はごまかしているつもりなど全くないのですから、よけいに大変です。

「在日生」の場合、「話せるようになれればそれで十分である」という人もいますから、その場合は、「(漢字は)覚えた方がいいよ」くらいにして、きつい言い方はしていません。どの国にいるにせよ、文字が読めなければ、生活に支障を来すであろうくらいの事は判っているはずですから。実際、「Eクラス」でも、今、一番必死になって漢字を覚えようとしている人は、在日生なのです。もちろん、勉強の習慣が自国でもあってのこと。そうでなければ、だいたい「カタカナ」で音を上げています。

さて、昨年度のクラスの人達、四月生、七月生、十月生は、今年、どんな年にすることができるかしらん。努力次第だということが、判ってくれるといいのですが。

日々是好日
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