日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「雨」。「『自然の美』と共存した生活」。

2011-03-22 10:17:16 | 日本語の授業
 今朝は雨です。本来ならば、菜種梅雨(少し遅かったのかもしれませんが、まあ、ナノハナのころと見てもいいでしょう)と呼び、桜の前のホンワリとした温さに酔いを感じてもおかしくはないでしょうに。

 今年度「Aクラス」予定の、現「Dクラス」の学生のうち、二人が、先週の土曜日に、大阪に向けて発ちました。帰国のためです。一応、「再入国」は取らせましたが。

 この二人も、一人は帰るというのに、ニコニコです。聞くと、やっとお父さんが、「また(日本に)戻ってもいい」と言ってくれたとのこと。もう一人は、のんびりとしています。多分、国では何も勉強できないということがわかっていないのでしょう。

 一昨日の、日曜日のことです。ベランダの植木に水をやっていた時、海棠が、つぼみをつけているのに気がつきました。人間界では、「やれ、地震だ。津波だ。原発の事故だ」と大変なことが続き、悲しみや怨嗟の声が満ちているというのにです。自然界は、やはり天上界に通じる道なのでしょうか。あるいは、希望に通じる道なのでしょうか。

 事故が続いているときも、月は冴えきった美しい光を人間界に注いでいました。皎々としたその光に照らされている人も、樹木も、人工的な建物さえも、こういうことがあったからでもありましょうが、普段よりもより一層、どこかしら異次元的な美しさを帯びているように感じられました。

 やはり、日本は美しい国です。
 その美しさを過去のものにしないために、今、多くの人達が、その職務に応じた働きをしています。日本には英雄はいないのです。英雄という言葉には、その人を支えている多くの人々を踏みつけにしているような暴力的な響きが伴います。
 日本には、そういう英雄はいないのです。また必要ないのです。自分の、日々の仕事に懸命になっている人達が、その仕事に必死であるが故に、国の美は保たれ、人々の生活は守られているのですから。

 きっと、もう少し経てば、桜は、妖艶な姿を見せてくれることでしょう。秋になれば、木々の木の葉も、紅葉になって私たちを喜ばせてくれることでしょう。そういう自然の美と共存できるような生活を私たちは追求していくべきなのでしょう、この美しさに感動を覚え、守りたいと思うならば。

日々是好日
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