ぐうたら里山記

兵庫の西の端でただのほんと田舎暮らしをしています。ぐうたらです。のん兵衛です。

地獄の沙汰も酒次第(5)

2016年07月13日 04時04分13秒 | 酒の話
さてこうして鬼たちに引き立てられていったのは泥酔い地獄。
門に近づくと酒の匂いが立ち込める。
とっても懐かしい薫り、娑婆の香り・・・
うんうん、ここだ、ここだ!

中にはどうやら5つの地獄の池があるらしい。
ビール地獄、焼酎地獄、日本酒地獄、ワイン地獄、ウィスキー地獄。
そしてどうやらここに突き落とされるらしい。
(えっ?ブランデー地獄とかラム酒地獄とか、老酒地獄とか、ないの?作ったらいいのに・・・たまには入りたいという人もいるだろうし・・・
それに打たせ湯ならぬ打たせ酒とか、薬草入りの酒湯とか・・・娑婆の温泉とかスーパー銭湯とかを、もうちょっと勉強し見習ってほしいな・・・)

「どれにしようかなぁ~まずはビ・・・」と迷う間もなくいきなり鬼たちに手近なビール地獄に突き落とされた。
うわ~~~!あっぷあっぷあっぷ!!

「ねぇ~何にする?」
「そうやなぁ~まずはビールにしようか・・・」
こんな微妙なニュアンスというかゆとりというか、そんな気持ちが鬼たちにはまったくないらしい・・・
いやいやこんなこと言ってる場合じゃ。
深い!足が、足が届かない!!
そしてどうやら何とか浮かび上がった。

「さあ呑み干すのだ。呑まないとおぼれ死ぬぞ!!」
と鬼は冷たく言う。
確かにビールは程よく冷たい。
泡も気持ちいい。
ビール風呂も悪くない。
しかし、ビール?
なぁ~んだ、第3のビールじゃないか!
地獄の経営も苦しいのかな?
経費削減か・・・
ヱビスかプレミアムだったらよかったのになぁ~
でも閻魔様とヱビス様、なんか仲が悪そう。
どちらも肥満体は同じだけど・・・

なんて言ってる場合じゃない!
ぶくぶくぶく、このままじゃおぼれ死んでしまう。
1度死んだ身とはいえ、もう2度と死にたくはない。
どうやらここはビールの泉。
ごくごくごくと呑んでるのに・・・
底からビールがつぎつぎつぎと湧いてくる。
呑んでも呑んでもわいてくる。
もうかなり酔ったのに・・・
腹もいっぱいなのに・・・
く、苦しい~~~!

そして岸に上がろうとすると鬼たちが棒でつつく。
「呑め、呑め!呑め!!真面目に呑め!!!」

う~~~ん、せめてなんか肴ない?
スルメとかサラミとかメザシとか・・・
(嫌いだけど、このさいしょうがない)オカラとか・・・
贅沢言わないよ、
刺身なんて言わないよ。
寿司なんて言わないよ。
焼き鳥とか串カツとか言わないよ。
ソースの2度付けあかんで!でも構わないよ。
せめてキャベツ食べ放題!くらいできない?

なんて聞いてくれるはずもなく、


く、苦しい~~~~!
やがて気を失った。

(続く)
コメント
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