こうして鬼とさしつさされつ・・・
さしつ・・・
さされつ・・・
でもなんか物足りないなぁ・・・
なんか肴ないの?
枝豆とか、モロキュウとか、トマトとか、ジャガイモの塩ゆでとか、せめて(嫌いだけど)オカラとか・・・
「そんなものあるか!でも焼肉ならいっぱいあるぞ!」
(やっぱり、鬼は肉食なんだね)
「焼肉?いいねいいね!それ持ってきてよ」
「よっしゃ!」傍に使えている鬼に言いつける。
「焼肉もってこい!」
そして「呑め呑め!」と一升瓶からごくごくと注ぐ。
あの~その酒、娑婆から持って来た酒なのだけど・・・
まるで自分の酒のよう。
それにこの鬼意外と酒に弱いんだな。
もう顔が真っ赤だ。
あっ、そうかもともと赤鬼、そんな顔だったんだ。
傍にいる鬼、どうした?体でも悪いのか?顔が青いぞ?
あっ、そうかもともと青鬼、そんな顔だったんだ。
焼肉が来るのを待ってる間、ふと素面に戻って、鬼に聞いてみた。
「しかし、なんだね、鬼ってけっこう大変な仕事だね。給料とか有給とかあるの?勤務時間は?」
「そんなものあるか!年中無休じゃ!!」(と、言って大きなため息・・・)
「えっ、無給!それだったら衣食住にもこと欠くだろう。いったいどうやって暮らしているの?」
「ここは地獄。雨は降らない。気温も年中同じ。それで住の心配はない」
(なるほど)
「でも衣は?」といってあらためて鬼を見ると、裸、着ているものはパンツだけ。
これじゃ衣装代はかからないね。
でもパンツだけとはいえトラのパンツ。
結構高いんじゃない?
「う~~~ん、そう。それで近頃はみな鹿のパンツでごまかしている」(と、いってさらに深いため息)
鬼の世界でも結構悩み事があるんだ。
「じゃあ食は?」
と聞くと、やっとにやっと笑って、
「食だけは不自由しない。肉はいっぱいある!」
えっ、何の肉?・・・と聞こうかと思ったら
肉をとりに行った鬼が戻ってきた。
美味そうな肉が山盛りいっぱい。
でも・・・なんか・・・やばそうな・・・
恐る恐る聞いた、
「これ何の肉?」
「人肉に決まってるだろう、さあ食え!美味いぞ!!」
やっぱり!
いえいえ、それだけは勘弁して!
「他の肉、地獄にはないの?」
「まったく面倒くさいやつだなぁ・・・う~ん、地獄の肉というと人肉に決まっている。
しかし・・・まてよ・・・畜生界の地獄には他の肉があるかもしれないぁ・・・行ってこい!」
と今戻ってきたばかりにの鬼に言いつける。
まったく人使いの荒い、いやいや鬼使いの荒い奴だなぁ。
(続く)
さしつ・・・
さされつ・・・
でもなんか物足りないなぁ・・・
なんか肴ないの?
枝豆とか、モロキュウとか、トマトとか、ジャガイモの塩ゆでとか、せめて(嫌いだけど)オカラとか・・・
「そんなものあるか!でも焼肉ならいっぱいあるぞ!」
(やっぱり、鬼は肉食なんだね)
「焼肉?いいねいいね!それ持ってきてよ」
「よっしゃ!」傍に使えている鬼に言いつける。
「焼肉もってこい!」
そして「呑め呑め!」と一升瓶からごくごくと注ぐ。
あの~その酒、娑婆から持って来た酒なのだけど・・・
まるで自分の酒のよう。
それにこの鬼意外と酒に弱いんだな。
もう顔が真っ赤だ。
あっ、そうかもともと赤鬼、そんな顔だったんだ。
傍にいる鬼、どうした?体でも悪いのか?顔が青いぞ?
あっ、そうかもともと青鬼、そんな顔だったんだ。
焼肉が来るのを待ってる間、ふと素面に戻って、鬼に聞いてみた。
「しかし、なんだね、鬼ってけっこう大変な仕事だね。給料とか有給とかあるの?勤務時間は?」
「そんなものあるか!年中無休じゃ!!」(と、言って大きなため息・・・)
「えっ、無給!それだったら衣食住にもこと欠くだろう。いったいどうやって暮らしているの?」
「ここは地獄。雨は降らない。気温も年中同じ。それで住の心配はない」
(なるほど)
「でも衣は?」といってあらためて鬼を見ると、裸、着ているものはパンツだけ。
これじゃ衣装代はかからないね。
でもパンツだけとはいえトラのパンツ。
結構高いんじゃない?
「う~~~ん、そう。それで近頃はみな鹿のパンツでごまかしている」(と、いってさらに深いため息)
鬼の世界でも結構悩み事があるんだ。
「じゃあ食は?」
と聞くと、やっとにやっと笑って、
「食だけは不自由しない。肉はいっぱいある!」
えっ、何の肉?・・・と聞こうかと思ったら
肉をとりに行った鬼が戻ってきた。
美味そうな肉が山盛りいっぱい。
でも・・・なんか・・・やばそうな・・・
恐る恐る聞いた、
「これ何の肉?」
「人肉に決まってるだろう、さあ食え!美味いぞ!!」
やっぱり!
いえいえ、それだけは勘弁して!
「他の肉、地獄にはないの?」
「まったく面倒くさいやつだなぁ・・・う~ん、地獄の肉というと人肉に決まっている。
しかし・・・まてよ・・・畜生界の地獄には他の肉があるかもしれないぁ・・・行ってこい!」
と今戻ってきたばかりにの鬼に言いつける。
まったく人使いの荒い、いやいや鬼使いの荒い奴だなぁ。
(続く)