北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

戦略的医療防衛構想

2006-10-23 23:24:52 | Weblog
手稲山の山頂に初雪が降ったとか。どおりで寒いわけです。北風小僧の寒太郎もすぐそこまで来ているのかな。

【戦略的医療防衛構想】
 某医科大学で、ITを使った広域遠隔医療に取り組んでいるお医者さんのA先生を紹介されました。A先生は長身でスマート。関西弁のプレゼンテーションがとっても面白い先生です。

 広域遠隔医療というと、私などはインターネットで遠くの画像を見ながら治療をするということを思い出しますが、そうではなくて、「戦略的医療防衛構想をしたいんですわ」とおっしゃいます。

「戦略的医療防衛構想…ですか?」
「そう、ミサイル防衛でもあるじゃないですか。ミサイルが自分の国に落ちる前に空中で補足して、空中でねらい打ちして落としてしまう、あれですよ。ミサイルを病気に例えると、こちらに落ちてしまうと病気になると言うことです。病気になる前に病気の兆候を捉えて、病気になる前に病気をやっつけてしまうというわけです」

「それをITでやられるんですか」
「そうなんです。的確なタイミングで飲む薬ではなく、脳に効く情報薬を与えるんです」

「情報薬ですか?」
「そう、胃腸でなく脳に効くんですわ」

 A先生によると、薬は「草かんむりに楽」と書くので、植物を使って楽になるというのが語源なのだそう。しかしこれからの時代の情報薬とは「It」のtの横棒を左に伸ばした草かんむりの用に考えて、「Itかんむり」で楽になる薬なのだそう。なるほどねー。

    *   *   *   * 

 A先生は数年前に北海道開発局と組んで開発局の光ファイバーを活用した遠隔医療の実験を行い、そのあたりからITで情報を収集して的確に与えることで自分の医師で生活に気をつけるよう行動を促すという取り組みを始めたのだとか。

 ITで各人の情報を収集するには、体重計、万歩計、尿糖度、血圧計などの健康チェック機器があって、これらを無線でパソコンにつないだり、データをパソコンに取り込むことで、遠くからでもその変化を知ることができるのです。

 そしてその情報を分析して、適切なタイミングで「体重が増えてますよ」といった脅かしや褒め言葉などを電話やメールで送り、どきっとさせて行動を起こさせようと言うのです。

 体重計ならばバネ式ではなく、デジタルで100g単位で計れるものを用意して、とにかく同じ時間に毎日計ることが大事だとか。すると細かいデータが日々波打ちながら、長期的に見ると一定の傾向がつかめるのだそうです。

「人間って弱いものですから、ちょっと我慢して体重が減り気味になっても、ついつい油断したり、『こんなに我慢したから今日くらい良いか』というような気になるんですよ。一日だけなら波の上下もあるでしょうけれど、日々の暮らし方がまた楽な方に向かうと、データは嘘をつきませんから数字の傾向として出てくるんです。そこでそのときに情報薬をびしっと打つんですわ」
「なるほど」

「油断していると『最近油断してますね』と言うとどきーっ!としてまた頑張ろうという気になる。そしてそういうことを遊びながら競い合いながら楽しみながらやれると、しらずしらずに健康になる。老人の医療費も少なくなる、というわけなんですよ」
「実に面白いですね。ビジネスになりませんか」

「実は大手の電機メーカーも機械まではできているんです。しかしそれを使って地域としてあるいは行政として健康管理や医療費削減に使おうというところまで行う社会システムがまだできていないんです。ビジネス化が面白いといっている自治体が少しずつ出てきていますが、国から実験費用が出る間は一生懸命やるけれど、お金が無くなると止めてしまう、ということも多くてむずかしいもんですな」

 そこでのご相談は、開発局の有する辺地での光ファイバーをこうした健康管理事業に安く、または無料で使わせてもらえないものか、ということなのでした。

 光ファイバーを通信事業者に貸し出すには一定の料金設定が全国標準でできあがっていて、それを崩すのは難しいのです。

 しかし北海道のように、辺地の人口が極端に少ないところでは通信事業者が自前の線も引かず、また我々の線を借り上げても高上がりと言うことで、情報通信の面からも過疎にさらされているということは残念なことです。

 北海道の新しい標準が必要だとは思いますが、なんともできないのはもどかしいものです。

 遠隔からの健康管理がITを使えば出来るような時代になりました。これに自分でお金を払ってでも参加するという人が増えるとビジネスかも夢ではありません。

 これも健康に関する生涯学習ですね。  
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イオン発寒店のプレオープンを見てきました

2006-10-22 23:55:55 | まちづくり
 今日も気温が低いばかりか、しとしとと小雨の降る一日。うっとうしくて行楽気分になれない人も多かったのでは。行楽地はちょっとがっかりな一日です。

【イオン発寒店と地域再生】
 この10月26日にグランドオープンするという、イオン発寒店が昨日(9月21日)からプレオープンしているということで、噂の現場の最前線を見てきました。

 まあ娘たちが「買い物に連れて行け」というのでつきあっただけのことなのですが、建設中に近くを車で通りかかったこともあり、気にはなっていたのです。

 娘達を乗せて車で行ってみたものの、まずは簡単には駐車場に入れません。当然予想されたことなので、娘達は近くで降ろして先に徒歩で店内へ向かわせました。その方が絶対に早いのですから。

 で、私の方は誘導係の指示に従ってゆるゆると屋上の駐車場へと案内されてゆきました。結局駐車場へ入れたのは降ろしてから20分後。まあ想定の範囲内でしょう。

 さて、札幌は西区の発寒に登場したイオン発寒店は、asahi.comのホームページによると「地下1階、地上3階の鉄骨造りで、商業施設面積は約5万9千平方メートル。核店舗を『ジャスコ札幌発寒店』と154の専門店のモールで構成する。道内の大型商業施設としては11店舗目で、売り場面積は3番目の広さ」とのことです。

 以前掛川にいたときに浜松に出来たイオンモールを見に行きましたが、そこの商業床面積は6万5千平方メートルということでしたから、それよりは一回り小さい感じですが、外観の印象は浜松よりも面積比よりも小さく感じます。

 それは浜松のイオンが田んぼの中にどかんと戦艦大和ができたかのような印象に対して、札幌のやや郊外住宅地に出来たという印象なので、回りに比較できるマンションやビルが結構多くあるからです。

 車を止めて中へ入ると、中はとにかく人、人、人でごった返しています。オープン時の物珍しさもあるのでしょうけれど、まあとにかく老いも若きもぞろぞろと歩いています。

 建物の中は三階で、浜松が建物の両端に核となるスーパーテナントを入れてその間に小売りテナントを配しているのに対して、こちらは核テナントがあまりはっきりしません。

 また建物のモール全体を一直線ではなくL字型に配置していて、中が見通せないようにしていて、商店街を歩いているというモール感覚の部分と、ごちゃごちゃした商業空間の両方を演出しています。

 とりあえずユニクロが道内最大の売り場面積を展開しているとか、食品などのジャスコがいるというのは良いのですが、あとは大きさを誇るテナントというのはないという印象です。その分、およそそれなりの人気があるお店のテナントが数多く展開しているという感じでしょうか。

 また「楽しさ」と「やすらぎ」をコンセプトにしているということで、エステなども見えますが、病院系は歯医者さんが一軒。健康志向はやや薄目です。

    *   *   *   * 

 一見するとこの形態は、各階のあちこちにレジがある、いわゆるGMS(General Merchandise Store)と呼ばれるもので、日本語では「総合スーパー」と訳される業態のように見えます。

 最近ではこのようなGMSという商業形態は時代遅れと言われていて、GMSの後継の業態として、スーパーセンター (Supercenter、略称:SuC)と呼ばれる商業形態が伸びてきていると言われています。

 これはアメリカのウォルマートが食料品ストアー及びホームセンターなどを同じ建物内に配置して1か所のレジで会計を行えるという小売業態 (店舗)を展開したことが始まりと言われているのだそうです。GMSのように各階を移動して歩くことすら来店者は面倒くさくなってきているということのようで、レジを一カ所に集中させることでさらに経費を削減しているのです。


 しかし一方で、GMSの方も負けてはいなくて、商業集積を利用して少子高齢化対応や地域社会の再生などといった視点から地域に受け入れられようとする試みがあって、これがライフスタイルセンターという新しい業態を生み出しつつあります。

 既にインターネットで「ライフスタイルセンター」という単語を検索すると多くのサイトが紹介されますが、そこには「人とのふれ合いを重視した、地域に密着したショッピングセンター」であるとか「まちづくりと連動したショッピングセンター」などというイメージが紹介されています。

 このイオン発寒店がそこまでの地域密着を狙っているかどうかはまだ分かりませんが、これからもし地方が大きなショッピングセンターを作るとしたら、まちづくり三法で建設を拒否するという生き方もありますが、思い切ってショッピングセンターを思いきり活用して新しい地域の核を作り上げるような思想もあり得るのではないかと思います。

 ショッピングセンターと空中回廊で繋がったマンション建設などが行えれば売れるのではないか。あるいは、ショッピングセンターのメリットをもっと地域への恩恵としてもぎ取るような戦略的な土地利用を進めるべきではないか、とそんなことを感じているのです。

 ショッピングセンターに地域再生の機能を持たせるということこそが、第4世代、あるいは第5世代のショッピングセンターのあるべき姿と言えるのかも知れません。

 時代の変化と行く末を見誤らずに、民間の活力を上手に利用したまちづくりを住民と行政が一体となって行うことこそが必要なのではないでしょうか。

 イオン発寒店を見て、いろいろと考えることは多いのでした。

    *   *   *   * 

 昨日はなんだか金縛りにあってしまったような日ハムでしたが、今日は新庄のガッツやセギノールの一発、なにより八木の好投で一勝一敗のタイに持ち込みました。

 週明けの札幌ドームは大変なことになりそうですぞ。

  

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ストレス解消の一日

2006-10-21 23:26:58 | Weblog
 家の中も気温が下がってきました。夜にはついに暖房に火を入れました。ちょっと早いのですがねえ。

【ストレス解消】
 ここのところ少し仕事上のストレスが溜まっていたので、今日はストレス解消の一日です。

 午前中は安く買ってあったシネコンのチケットを使いにうちの奥さんと映画に。選んだ映画が「ブラックダリア」だったのはストレス解消の観点からはちょっと失敗だったかな。もう少し明るくてカラカラ笑える軽い映画の方が良かったのかも知れなかったなあ。

 映画の後は行ってみたかったイタリア料理店でランチを取り、本屋さんで本を購入。また難しめの本ばかり買ってしまった…。

 夜は義父の誕生日のお祝いと称して、ちゃっかりご飯をおごってもらうことに。なんだかんだいっても、親戚が集まって食事をしながら笑い会えるというのは幸いなことです。 

 義父は一時体調を崩していたのですが、快癒してからは健康そのもの。健康の秘訣はなんといってもパークゴルフだそうで、町内会の大会をいつも楽しみにしています。

 歩くこと、考えること、知人と会話が弾むこと、人に話すネタができることなど、体を動かして活動をすると付随した知的な活動に繋がっているようです。

 高齢化社会にあってパークゴルフによる健康管理の効果をまざまざと見せつけられております。

 高齢者の皆さん、パークゴルフで健康管理をして病気にならない自分に変身しましょう。

 私のストレスも少しは解消しました。
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感情的か理性的か

2006-10-20 23:04:50 | Weblog
 連日気温が低い日が続きます。そろそろ里にも紅葉や黄葉が降りてきました。

【理性と感情】
 連日学校でのいじめ自殺が話題になっていて心が痛みます。

 いじめる側の心の未熟さはもちろん、いじめの現実を「把握できない、把握しない、把握しても対応出来ない学校」という絵姿が連日テレビで放映されて、世間のバッシングを受けています。

 挙げ句の果ては学校の上部機関である教育委員会までが適切な指導を怠ったという批判を浴びて、なにやら日本中の教育機関がぼろぼろになっているかのような印象を受けます。

 自殺という悲しい事態に至ると遺族の悲しみはひとかたならぬものがありますが、マスコミも含めて議論があまりに感情的になりすぎていて、冷静な議論ができず棘のある言葉ばかりが空中を飛び交って互いの心を切り刻んでいるようです。

 実に悲しむべき事態です。

    *   *   *   * 

 私たちは職業柄いろいろな人たちとお話をすることがあって、ときには仕事に対して反対をする人たちとも話をしなくてはなりません。そのようなときに仕事の先輩や人生の先達達から教えられたことは「決して感情的になってはいけない」ということです。

 感情は理屈ではないので、冷静な理由に基づく判断が出来ず、時には先に答えがあって理屈は後からつけてでも自分の主張を貫くという行動に出てしまうのです。

 感情そのままに迫り来る相手に対しては時と場所を変えたりすることも必要ですし、こちらはひたすら冷静な議論をするという姿勢を貫かなくてはならないのです。

 マスコミには本来中立的な立場で臨んで欲しいものですが、しばしば関係者の感情をそのまま代弁した姿勢も見受けられます。マスコミには事実を伝えるという使命もあるのでしょうが、感情的な姿をそのまま見せられると、いつも「単純な事実ではなく、冷静で理性的なアプローチをして欲しいものだなあ」と思います。

 感情を煽るだけだと、加害者と思われる人や団体に対する感情的な批判をさらに巻き起こします。何が起きたのかを冷静に知り、理性的な対応をすることこそ、同じ轍を踏まないような反省に繋がることです。

 感情による手続きを経ないような制裁は私刑(リンチ)と同様なのだと思う冷静さが必要です。もし過失や手落ち、犯罪になるような行為があったとしても、あくまでもその責任は社会の冷静な判断に委ねられるべきなのです。


 また社会が自殺に対してメッセージを発するとしたら、自殺をすることで加害者が悲嘆にくれる姿を見せると溜飲が下がる、というようなことではないと思うのです。
 社会のメッセージは、「いかなることがあってもやはり死んでは行けない」ということなのではありませんか。一人で悩まずに、先生や親・兄弟、友人、知人などなど、とにかく誰かに相談をし、時にはその場から逃げ出してでも死んでは行けないのだ、というものであるべきではないでしょうか。

 学校だけではなく、社会に生きる我々には多かれ少なかれストレスがあるものです。しかしそれでも死だけは選ぶまい、ということだけは自覚をしたいものですし、生きるということの大前提として教えておきたいものです。

 隣国で核実験が行われても我が国を始め世界の各国は、あくまでも感情的にならないように冷静に対応しています。

 感情と理性。このどちらによって今自分が行動しているのかを自立した視点で、常に客観的に見る視点を常に大事にしたいと思うのです。

  
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千客万来

2006-10-19 23:27:04 | Weblog
 日中は快晴で夜は雨。秋らしい天気と言えばそのとおりですが。

【お客様二件】
 静岡県の県議ご一行様が我が職場を訪ねてきて、まちナビについてお話をさせていただきました。いわゆる行政視察対応。県には現在新空港を建設中で、もうすぐ開港をすると海外からのお客様が増えると言うことにも期待が高まっているとのことです。

 私たちからは、外国人個人客のドライブ観光を支援するという我々の「まちナビ」やシーニックバイウェイについて説明をいたしました。

 外国人がレンタカーを借りるようになってきた、という説明には興味を示して、自分たちの県でどのような取り組みができるか、ということについて建設的な意見交換をすることができました。

 静岡空港が出来ると新千歳とは当然直行便が出来ることでしょう。掛川在任中にそれがあればもっと簡単に帰省も出来たのでしょうけれど、これからは静岡の人が北海道に来やすくなるという意味で、頑張って欲しいものです。

    *   *   *   * 

 卒論に「自転車を使ったまちづくり」をテーマとしたい、と言って掛川のスローライフNPOへ飛び込んできたという女子大生がいました。なかなか度胸のあるお嬢さんですが、その勢いで「札幌へ旅行をする機会があるので是非こままささんにお会いしたいのです」と人づてに申し出がありました。

 なだれ込み精神としては放ってはおけず、食事でもしながらと言うことで待ち合わせて会いました。彼女はフェリーで苫小牧まできて、そこから知人のいる恵庭まで自転車で移動してきたのだそうです。なかなかなちゃりんこ娘です。

 会話の中では懐かしい人たちの話がいろいろと出てきて楽しいひとときでした。私からはまちづくりや生涯学習の話を一通り話をしましたが、当然知識として知らないことも多く、「勉強になりました」と帰られました。

 私自身があの年齢で経験豊かな先輩から「まちづくりというのはねえ…」と教えてもらっていたらどうだったかなあ、と思いを巡らしてみるのですが、多分実感が伴わなかっただろうな、と思うばかりです。
 知識として知っていても、それを心の底から実感出来るようになるまでには多くの経験や自分自身の成長が必要になるのだと思います。

 しかし知らない土地で知らない人に会おうというマインドが良いですね。卒論が出来たら是非送ってくださいな。

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ブランドに生きる

2006-10-18 23:10:19 | Weblog
 今日はまた快晴のお天気です。少しは天気も落ち着くと良いのですが。

【観光マーケティング促進セミナーにて】
 今日の午後は、開発局と運輸局が連携して行っている観光マーケティング促進セミナーが開かれました。

 これは道内の市町村に声を掛けて、こちら側で用意した戦略シートという用紙にそれぞれの自治体の特徴や自慢や考えていることなどを書き込んでもらい、応募してもらおうというものです。

 それを開運のメンバーや観光関係の有識者が集まった会議の場で選定して、もう少し力を入れると観光地としての魅力が増すと判断されたところに対してアドバイザーを派遣して応援をするというものです。

 今日来ていない自治体には、我々の組織力で情報を伝えて、自分たちのまちを良くしたいという思いがあるのならば是非とも応募をしてもらうように努力をするつもりです。

 こういう情報収集力や頑張ろうとする力に、市町村間でだんだん差がついているような気がします。頑張れるところはお金がなくたって頑張れるけれど、少しくらい裕福でも頑張ろうという気持ちや気概が失われているところは廃れてゆくような気がします。

 ちょうど塩野七生さんが「ローマはなぜ滅びたのか」という問いに対して「ローマ人である気概を失ったからではないでしょうか」と答えているのに似ています。その町がその町らしさを失ったときに町は滅びの道をたどり始めるのではないでしょうか。

 それを防ぐには「他の町にはない自分の町らしさとは何か」ということを徹底的に考えて議論して地域がその事で一体化することです。

 今日配った戦略シートはそのためのヒントに自ら気付くための装置でしかないのです。それを真剣に考える過程にこそまちづくりがあるのですから。

    *   *   *   * 

 さて、事業の説明の後は地元の観光誌「北海道じゃらん」の編集長で、道内各地で地域観光興しを手伝っているヒロ中田さんの講演を聴きました。

 今日のタイトルは「地域ブランドとご当地グルメ」というもので、彼がプロデュースしてきたご当地グルメについての話題が満載でした。

 彼によると「観光の八要素」というのがあるそうで、それは漢字で表すと「泉・食・物・景・体験・催・駅・花」ということになるのだそうです。泉は温泉、食は名物食べ物、物はお土産、景は景色の良いところ、体験は何かができるということ、催はイベント、駅は道の駅、花は花のきれいなところ、と言う意味だそうです。

 自分たちの町の観光力としてこれらのうち何があるか、何がこれから強くなりそうか、ということを考えてみてはいかがでしょうか。ヒロさんはこの八要素の中でも最も重要な要素は「食だ、グルメだ」と断言します。

 それは新しい食ブランドは作り上げることが可能なものだからだ、というのが彼の論理です。

 彼は今北海道で牛乳の消費拡大運動の延長として「白いプリン」を広め一定の成功を収めています。またそれ以外にも「美瑛カレーうどん」、「富良野オムカレー」などを提案して、地域の努力を促しています。

 ご当地グルメ開発の十箇条というのがあるのだそうです。曰く、
 ①新しいカテゴリーを作ってその中でナンバーワンになる
 ②民間主体の推進母体を作り、官は後方支援に徹する

 ③若者、ばか者、よそ者、女性を入れる
 ④検討を始めてから売り出すまでの期限を定めてやりきる

 ⑤何のためにするのかという企みをしっかりと議論する
 ⑥ご当地グルメの定義やルールをしっかりと定める

 ⑦広報のための予算を取る
 ⑧官民で連携を約束する

 ⑨常に話題を作り出す。ブログなどは好事例
 ⑩食以外の観光コンテンツと連携をする

 というものだそうですよ。これを読んでご当地グルメづくりに挑戦してみてはいかがでしょうか。

    *   *   *   * 

 「地域ブランド」にも話が及びました。20年前は全く無名だった富良野は今や北海道でも大いなる地域ブランドとして確立しました。こうした地域ブランドは実はプロダクツ・ブランドとして、作られたものが集積してできあがった地域ブランドだと言うこと。

 ドラマでもワインでも、そうしたものの積み重ねの上に初めて地域ブランドが成立するのです。しかしそういうブランドは「作る」ー「活用する」ー「守る」という三つの取り組みを続けなくては失墜するのも簡単とのこと。まさにその通りですね。

 ブランドとは何か、についてはいろいろな書物も出ています。改めて勉強してみるとしますか。

 自分自身も頑張って個人ブランドになっているのが芸能人と言うことでしょうね。

 なるほど、そういうブランドな生き方もあるんだなあ。
 
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まちナビのニセコ地区視察

2006-10-17 23:17:14 | Weblog
 朝方はどしゃ降りで夕方には晴れ、そして夜には再び小雨。秋の天気は変わりやすいとはいえ、どうなっているんだか。

【まちめぐりナビのニセコ視察】
 昨日に続き、まちめぐりナビのプロジェクトで、外国人ツアーの受け入れを行っている現地の状況を視察するためにニセコ地区を訪問しました。

 お天気は朝からどしゃ降りでしたが、中山峠へ向かうに従って少しずつ好転してゆき、きれいな紅葉や黄葉が見られる期待も膨らみます。

 途中で景観の良いところに設置されたビュー・ポイント・パークと呼ばれる写真を撮るのに良い駐車スペースなどに立ち寄るのですが、そこへはマップコードを入力してたどり着けるかどうかをチェックします。
 結果は誤差約100m。もう少しチェックが必要なようです。

 最新のトヨタ純正ナビでは音声を英語が選択出来ます。もっとも画面表記が日本語なのが残念。これさえできれば良いのですがね。

 ニセコでは地域の情報を毎日提供してくれているペンションのオーナーであるAさんご夫妻にお会いしました。シーニックバイウェイの活動を通じて私は既に存じ上げていたのですが、ご無沙汰をしておりました。

 このAさんは若い頃ホテルマンとして海外で生活をしていた経験があって、英語にも堪能です。このニセコには23年前に移り住んでペンションを経営しているのですが、特に英語でのニセコ情報発信ということに心を砕いて、ご自身でスポンサーを集めて全編英語の案内を作っておられるのです。

 そしてこのAさんご夫妻が今回は我々のプロジェクトに協力をしてくださって、日々のニセコ周辺の情報を携帯やパソコンで送り届けてくれるのです。

 ところでこの周辺情報では、位置情報も一緒に伝えようと言う試みをしています。つまり「このあたりの紅葉がきれいでしたよ」という情報を提供しても、同じところへゆくにはピンポイントでの位置情報も提供しなくては行けません。

 そこで役に立つのではないか、というのがカーナビのマップコードで、見所情報の後ろに9桁の数字も書き並べたメールを受け取れば、そこへたどり着けるというものです。

 この試みの難点は、ピンポイントの位置情報のマップコードをその場に立って調べなくてはならないと言うことです。

 そのためご夫妻では3日かけてナビ付きレンタカーを借りて、自分たちの住んでいる地域情報と位置情報を集められたそうです。

「本当に地域の位置情報を集めるのは大変でした。こういう調査をやったことで初めて行った施設も多かったのですよ。やはり知らないことは多いものですねえ。夫婦でレンタカーで行くものだから、施設のおじさんも道外客だと思って実に親切に施設の説明をしてくれましたよ」とAさんは笑います。

 一方実際に文章を書いて情報をこのプロジェクト事務局に提供してくださっている奥様は「ペンションの仕事が忙しくなると、情報提供がついおろそかになってしまいます。手が回らなくなるんですね。毎日は大変ですね。やはり専門に情報を集める人がいるといいなあ、と思いました」と情報を集めることの大変さを語ってくださいます。

「情報を送るツールも携帯だとなにか視野が狭くなるような気がします。パソコンのキーボードに慣れているからかもしれませんがね」とも。

 とりあえず今回の実験は11月上旬までの間でお願いをしていますが、ご協力をよろしくお願いします。

 今度はプライベートで来ます。お願いばかりではなく儲けてもらわなくてはね。

    *   *   *   * 

 今日のニセコ地区では羊蹄山の頂上付近の雲が最後まで取れませんでした。残念。  

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外国人ドライブへの支援実験

2006-10-16 23:05:25 | Weblog
 寒いくらいの気温ですが、今日は快晴。今日明日は海外のお客さんを迎える出張です。

【まちめぐりナビプロジェクトの視察】
 国土交通省が全国から、外国人のための誘導案内事業を募集していたのが、「まちめぐりナビプロジェクト」です。

 このプロジェクトでは、全国各地のアイディアを募集して、外国人が旅をするための情報提供方法などを求め、良いアイディアに対して必要な予算をつけてくれたのです。

 北海道では、シーニックバイウェイ支援センターなどを中心とする「北海道における外国人ドライブ観光推進協議会」が応募をしたアイディアが採用されました。
 
 この協議会に参加してくれているのは、携帯電話会社やレンタカー会社、航空会社、観光系の大学、シンガポールの旅行会社、その他道内シンクタンクなどで、それぞれの得意技を持ち寄って、「外国人ドライブ推進事業」を行おうというのです。

 この外国人ドライブ観光推進事業は、今後個人型が進むと予想される外国人観光客に対して、北海道ならではの観光形態であるレンタカー観光の可能性や課題を把握することや、道路を始めとした外国人がドライブしやすい環境を整えることをねらったものです。

 そのためにまず、シンガポールの旅行会社と連携して、北海道でレンタカーを借りてドライブをするというツアーを販売してもらいました。
 シンガポールは国の面積が東京23区と同じほどの広さしかなく、おまけに自動車に対して高額な税金をかけ車を簡単には持たせない政策をとっているのだそうです。そのため、免許は持っていても車は持っていないという人が多く、広い道路でドライブをすることに対する憧れを強く持っているのだとか。

 そうしてその旅行商品を購入してやってきたシンガポールの人たちにレンタカー会社がレンタカーを貸します。ただしそのときには車の操作やカーナビの操作などに対するしっかりとした英語のマニュアルを用意します。

 しかも借りられる車はトヨタのプリウス。日本が世界に誇る環境に優しいハイブリッドカーを運転出来るのです。これも魅力の一つかも知れません。

    *   *   *   * 

 旅をする人たちは6泊7日の旅の間、宿泊するホテルだけは決められていますが、その間の行動はレンタカーで自由に行えるのです。

 しかも各車にGPS機能のついた携帯電話を備えています。これはまず、トラブル時に24時間対応出来るコールセンターを保証しているのです。

 事業の一環として、英語と日本語の話せるスタッフを雇い入れて、旅行期間中何かトラブルがあったときには24時間対応してくれるよう措置されているのです。

 さらに、GPS機能を有していることを利用して、それぞれの車が道内どこにいるかを札幌に置いたパソコンのソフトから時々刻々と把握することが出来るのです。

 これらによって、仮にカーナビ入力に失敗して道に迷っても、助けを求めることが出来ますし、主催者の側も誰がどこにいるかを把握して正しい道案内を指示することができるのです。

 さらにはGPS携帯のすごいところは、GPSで指定したエリアに入ると自動的にその地域の情報をメールで提供するということもできるのです。

 その場合の問題は、ユーザーが求める情報やユーザーに役立つ新鮮な情報が安定して遅れるのかどうか、ということです。そのための情報収集スタッフやそれを英語に訳して配信するスタッフなどを取りそろえて、北海道でのドライブをより快適にしようという、総合的な取り組みなのです。

 今日と明日はその事業の進み具合を視察したいというご一行様が東京からやってくるのでその視察対応というわけです。

    *   *   *   * 

 実際千歳空港近くのレンタカー屋さんへシンガポールのお客さん達が来て、説明を受けてはドライブの旅へと出て行く姿を見て、その現場の感覚を味わいました。

 やってみての課題はやはりこの手のサービスが一つのビジネスとして成立するのか、ということでしょう。

 私から旅行会社の美人のスタッフに「このような一連の携帯コールセンターサービスを購入するのにどれくらいなら支払ってもらえるでしょうか。3千円?千円?」と訊いてみました。

 するとその女性は「3千円は厳しいと思います。しかし海外旅行の際には数千円~1万円の傷害保険をかけるということはもはや常識化してきていますので、それに千円が上乗せされるような保健と一体化したような商品なら買ってもらうことは十分可能だと思います」と明確におっしゃいました。

 問題はその額で十分なサービスを提供出来るのか、ビジネスになるのか、というあたりでしょう。

 実験の途中経過では、それほどトラブルで困ったというコールセンターへの電話はないものだ、ということでした。

 それよりは、「(日本語表示の)カーナビの使い方が分からないので教えてほしい」というような連絡の方が多いとか。

 まだ英語表記のカーナビは需要が見えないためにメーカーもあまり力が入っていないようです。こういうサービスを一歩一歩充実させてゆくことが観光立国日本に繋がるはずです。

 我々の地道な努力も、ドライブ観光あこがれの島北海道に繋がることを目指しているのです。さて、明日はニセコ方面へ実際にカーナビやGPS携帯の実力を試す旅です。

 晴れると良いのですが。

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メンテナンスが大事

2006-10-15 23:02:38 | Weblog
 良い天気ですが、だいぶ冷えてきました。まだまだとはいえ、そろそろ冬の準備も進めなくては。

【メンテナンス】
 昨日の野球のお陰で体中が痛いのです。肘から肩、背中から脇腹まで筋肉痛に苦しんでおります。

 くしゃみをしても痛いし、身体をかばうと動作が緩慢になってしまいます。とほほ…へっくしょーい!…いててて。

 やはり日頃からの準備がなければいざというときに舞台に立つことはできないものです。身体のメンテナンスとは、身体の調子を整えるだけではなく、日頃からの鍛錬も意味します。

 付け焼き刃は駄目ということです。

    ※    ※    ※    ※

 我が家も建ててから4年目ということで、そろそろメンテナンスを必要としている部分もありそうです。

 特に外装に木を使っているところなどは表面の塗装が色落ちをしてきている箇所も目立ってきました。本来ならば、紙ヤスリでサンダーをかけて塗装を落としてから新しい塗料を塗るところですが、今日は楽をしてそのまま重ね塗りをしてごまかしました。

 木は「風合いが良いけどメンテナンスが大変だ」と言うか、「メンテナンスが大変だけど風合いが良い」と言うかでニュアンスが違います。

 文章の最後は肯定的な方が良いですね。その方が希望がもてるからです。

 さあいろいろあっても、今週も前向きにまいりましょう。

 
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みんな野球小僧~おやじの会のスポーツ交流

2006-10-14 23:08:38 | おやじの会
 朝から快晴で絶好の行楽日和。気温は少し低いのですが、外で運動をするのなら最高の一日となりました。

【みんな野球小僧】
 先週の悪天候でおやじの会の野球によるスポーツ交流が順延となっていました。それが幸いなことに今日にしていたのですが、格好の野球日和となりました。先週やってしまわなくて逆に幸運でした。

 野球は五回までの試合を2試合予定しました。初戦は1,2年生チーム対おやじチーム。

 中学校の1,2年生はまだ体格が発展途上の子が多く、ヘルメットもぶかぶかで、バットも重そうです。しかしそれでもボールはしっかりと見逃しますし、打てばしっかりミートしてくる子もいます。なかなか侮れないものです。

 初戦は私はキャッチャーをしましたが、最初の投手がコントロールに苦しむのに乗じて初回に2点、2回に1点を献上して0-3で劣勢に。しかしここからおやじも反撃開始。

 3回にヒットとフォアボールで満塁として、そこから長短打を集めて一挙に3点を取り3-3の同点に持ち込みました。

 そして4回にはやはり満塁からのヒットで1点を勝ち越し。助っ人で来てくれたお父さんのピッチングに助けられて、4-3で逃げ切り勝利。なんとか面目を保つことが出来ました。

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 2試合目は3年生が相手。投手の投げる球も格段に速くなっています。

 あろうことか2試合目の先発は私が指名され、どこまで行けるものかと思いながら投げることになりました。

 しかし結果は無惨。あっさりと2点を先取され、なんとかツーアウトまではこぎつけたものの、そこからフォアボールと連打で崩れ、初回になんと8点を献上してしまいました。

 そこで無念の投手交代です。救援の投手が踏ん張ってくれて、今度はおやじの反撃。すぐに2点を返したものの、試合はそこで投手戦に。やっぱり野球は投手ですね。

 おやじも粘って4点までは返したのですが、結局は4-9で敗戦となりました。なんといっても初回がすべて。どうもすみませんでした。

 しかし試合の結果は結果として、子供達のはつらつとしたプレーや挨拶を始めとする礼儀、声を掛け合うチームプレイなどに、健全な姿を見ることが出来ておやじたちも満足です。

 また知らないお父さんも何人か参加してくれて軽快なプレーを見せてくれました。実際もう子供達が中学校を卒業したようなOB会員では子供達の動きについて行くことは出来ません。

 ここは子供がまだ中学校に在学中の現役のおやじさん達の参加をもっとお願いしたいところです。

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 一緒にプレーしていたKさんが持ってきた、もう30年使っているという木製バットが二本とも折れました。「なんか折れそうな気がするなあ」と言っていたのですが、まさにその瞬間に折れました。

 「折れたバットをどう処分しようか」という話になり、「30年も使ったんだから、ゴミにしちゃだめだよ。正月のどんど焼きのときに持っていって焼いてもらうと良いよ」という人がいました。

 なるほど、そのあたりに日本人のものに対する宗教観みたいなものが伺えます。これまで自分の人生に貢献してくれたものへの最後のお礼でしょうね。

 それにしても肘から背中が痛いです。もう野球も引退のようです。
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