北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

交通アクセスは不安を解消するインフラ

2023-04-28 22:47:07 | Weblog

 

 今日は朝から胆振地域~室蘭市への挨拶廻りをしてきました。

 途中で国道230号線で定山渓温泉街を走ったのですが、以前からずっと工事が続いていた温泉街を貫く拡幅工事が完成していて片側2車線の幅の広い道路になっていました。

 昔ながらの細い道を車が渋滞しているような雰囲気はすっかりなくなりましたし、新しいトンネルもできていて定山渓までは全線4車化が完成して走りやすくなりました。

 しばらく走らないと風景がすっかり変わってしまうことがありますが、定山渓へのアクセス性は格段に良くなりましたね。

 あとは札幌市民の観光参加意欲が増すことと来日のインバウンドの増加に期待しましょう。


      ◆


 さて、目的地までどれくらい簡単に短時間で行けるかというアクセス性の問題は観光地では重要な要素になります。

 話題の北広島ボールパーク「エスコンフィールド」は、先にスタジアムありきで始まっていて、都市計画系の友人たちは皆同じように「球場に行くのと帰ってくるのに苦労するよね」と心配していました。

 日本ハムが試合に勝てば帰り道は多少長くても余韻を味わえばよいところですが、試合に負けると帰り道が余計に長く感じて不満も増しそうです。

 私は、観光地には「攻め」の要素と「守り」の要素があると思っています。

 「攻め」の要素とは、観光地や観光施設そのものの魅力で、唯一ここだけの特徴があればそれだけでどんなことがあろうと行ってみたくなるものです。

 エスコンフィールドは、野球だけではなく飲食店やサウナ、周辺の宿泊施設、アウトドアフィールドなど極めて特徴的で魅力的な施設群が整備されています。

 一方「守り」の要素とは、それ自体には唯一ここだけのような魅力はなくても行こうとしたときの不安を解消してくれるようなインフラが整っているかどうかという事です。

 例えばトイレ、駐車場、雨に濡れない屋内施設、飲食サービスなどなど、行ってからトイレ難民や食事難民になる心配が解消されていれば安心していくことができるでしょう。

 そして交通手段によるアクセス性というのは後者の「守り」の要素と言えるでしょう。

 施設の魅力を味わうのに不安を解消してくれるインフラが整っていればこそ、この攻守が相まって大勢の来訪者を呼ぶことができます。

 しかしそこに欠落があると、始めのうちは物珍しさもあって来訪者数は高く推移しますが、その開園ボーナスが失われてくるとその時に改めて「攻め」と「守り」の要素を利用者が考えるようになります。

 全世界を相手にして、一生に一度来てくれればよい、という施設と、地域住民に愛されて地元の人たちには何度でも来てもらいたい、という施設であれば、そのための魅力と不安解消インフラのバランスがあるでしょう。

 道央の新たな観光施設として魅力的なエスコンフィールドです。

 日ハムにどんどん勝ってもらって、生で見たいという地元民の数を増やしてほしいものです。

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孫の自傷行為はじまる

2023-04-27 23:54:13 | Weblog

 

 同居しているもうすぐ2歳になる孫の話。

 何か自分の意にそぐわないことがあると不満を全身で表すようになりました。

 そしてただ泣くだけでなく、頭を床や壁にぶつける自傷的な行為に走ります。

 一時は額を床や壁に打ち付けて頭全体がたんこぶ状態になり、まるで映画のアバターのように額が腫れあがったこともありました。

 その後内出血が目の周りに下りてきたりして、さすがに心配しましたが子供の世話はいつのときもひやひやものです。

 ネットで探すと、そうした自傷行為の原因と対処法などがでてきます。

 曰く、「言葉で表せないもどかしさがある」「自分に母親などの関心を引くための行為」などというもので、稀に障害が疑われるともありますが、まずはよく見てあげることでしょうか。

 対処法は「関心を引きたいためなので、なにもしない」というドキリとすることが書かれていましたが、事象に対して反応するからエスカレートするのだと。

 ただそうした事象に悩んだお母さんたちも「4~5歳になるともうほとんどしなくなりました」とのことなので、心配と世話と無視とをバランスよく混ぜながら落ち着く時を待つしかないのでしょう。


 機嫌のよい時は天使のようにも思えますが、ひとたび不平不満を全身で表して泣き暴れ始めると怪獣のようにも思えます。

 まあ自分の子育ての時もそういうときがあったなあ、と半分は懐かしく思うジジババなのでした。

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「ちゃんと道路に線を引け」 ~ 新たな道路への要望

2023-04-26 23:41:13 | Weblog

 

 先日挨拶回りをしていて、国の道路事務所長の方と道路の維持管理についての話になりました。

 私が「本州から来た友人が、北海道の道路はどうしてこんなに穴が開いてそれを塞いでいるのですか?と真顔で聞かれました」と言うと、「本当に修繕のお金がないですからね」という寂しい答え。

 それにしても今年は少し穴が多いのではないですか、と言うと、「これは恐ろしい想像なのですが…、道路の見えない基礎の部分がいよいよ持ちこたえられなくなっているのかもしれません」とのこと。

 道路の構造って、地面を大体深さ50~60センチほど掘って、そこに砂利を入れて締固め、その上にアスファルトの基層と呼ばれる厚さ10~30センチほどのアスファルトの層を作り、最後にその上に表層と呼ばれるアスファルトを敷きならして締め固めて完成の運びとなります。

 メンテナンスをするときは、大体傷んだ表層の部分を3センチほどはぎ取って、そこに新しいアスファルト合材を3センチ敷きならして締め固めます。

 これによって表層が新しくなり見た目が良くなり騒音が少なくなり穴が開くことも少なくなるはずです。

 ところが表面の穴や割れ目を放置していると、そこから水が入りそれが下へ下へと向かって浸透してゆき、それが冬になると凍って膨張してさらに舗装を傷めるという悪循環に陥ります。

 表面から水が入って基層に達するとそこが傷みます。また基層にも割れ目ができるとその下の路盤と言う砂利層が傷みます。

 メンテナンスは通常表層だけしかしません。その下は健全であるということが半ば前提になっているのですが、実はその下の層が傷んでいることあります。

 そうなるといくら表面をきれいにしてもやがて下から弱くなり道路が受ける重さを受けきれなくなってまた穴があくという悪循環に陥ってしまうのですが、現場の管理担当者とすればそれを恐れています。

 よく「壊れたら直すけど、壊れるまでは我慢して使う」ということがありますが、壊れたとこが目に見えるようになったときにはその下からかなりやられているということがなかなか理解されません。

 なのでそれなりの穴が開くようになったら、できるだけ早めに表目全体を修繕する方が良いし、その方が長い年月で見ると道路の舗装を安く長持ちさせることにつながるはずです。

 しかしそれがなかなか特に財政サイドんに理解されないというのも事実です。

 どれくらいまずいのかが目に見えず、説明を受けても理解できないからでしょう。


 こういう現実をわかりやすく目に見える形で説明する工夫も必要です。


      ◆


 また最近では「道路のセンターラインと外側の白線をちゃんと引いてほしい」という要望やクレームも増えてきているのだとか。

 その理由は、自動車が進歩して衝突安全装置が充実しつつある中で、道路の白線を読み取って車が線からはみ出ないように自動にハンドルを調整する機能が付いた車が増えたこと。

 衝突安全装置を機能させるためにも道路の白線はちゃんと機械が見えるようにしておく必要が増しています。

 時代が変わるとインフラへの要求とその度合いも変わります。

 時代についてためにも、自ら変革を厭わないようにいたしましょう。

 

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そろそろ舞い始めたシラカバ花粉

2023-04-25 23:35:26 | 健康

 

 春はシラカバ花粉症のイメージがあったのですが、今年は桜は早かったものの今頃になって花冷えが続きました。

 挨拶回りの際に橋から川の様子を見ていますが、案外水量が少ないのと水がきれいな感じ。

 本来この時期は、山の雪が暖気で解けて「雪代(ゆきしろ)」と呼ばれて川の水量が増える季節のはず。

 なのにこの時期にしては例年に比べて水量が少ないように思います。

 その理由の一つは気温が上がらなくて山の雪が本格的に解けていないことで、もう一つは3月の暖気でその時期に雪が解けてしまっていたことやあまり雪が降らなかったことなどではないか、とも感じます。

 道路維持の関係者に聞いて回ると、この冬は2月までは雪がわんさか降って、(この調子で雪が降り続けると除雪予算はどうなるだろう)と不安に思っていたのが、2月以降あまり雪が降らなくなり除雪経費はほぼ予定通りで終わったのだそう。

 案外山の雪が少なかったのかもしれませんね。


    ◆


 同時に、四月の低温傾向でシラカバ花粉も鳴りを潜めていましたが、さすがに昨日あたりから空中を舞う量が増えてきたような気がします。

 鼻水は薬で抑えられているのですが、目のかゆみと涙の量が増えてきました。

 札幌の私の家の周りの桜は今が満開でもうそろそろ散った花びらも舞い始めています。

 例年より10日くらいは季節の進み方が早い感じです。

 シラカバ花粉も舞い始めたらすぐに終わってほしいものです。

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そもそも電話での営業ってこんなのばかり

2023-04-24 21:55:03 | Weblog

 

 先日私の不在時に家に(いわゆるセールスの)、電話があって「プロバイダと光回線を契約している方はそれをまとめることで電話料金が安くなる」という話が来ました。

 私が「なにそれ?詐欺じゃないの?」と言っても家人は「再度電話が来るから確認してくれない?」とのこと。

 夕方に食事をしているとまさにそこからの電話がありました。

 相手は「スピード***」と名乗る会社で、私が聞いた話と同様に、「プロバイダと光を別々に契約されている方は、それをまとめることで両機が安くなる」のだと言います。

 ただし条件があって、「現在NTTからレンタルしている端末をS社製のものに交換する必要があって…」と長い説明が電話口で続きます。

 私が話をさえぎって、「ちなみにそちらの会社のホームページはありますか?」と訊くと始めは言い淀んでいたのが、「次のキーワードで検索していただけると当社のホームページが見られます、スマホはお持ちですか?」と言う。

 私は言われたサイトではなく会社名を検索すると出てきた「スピード*** 評判」というサイトを見ていましたが、どうやら「光コラボレーション」という新しいサービスが始まっているようなのですが、これもまた業者が乱立してなかには行政指導を受けた会社もあるとのこと。

 以前変な会社の口車に乗って光サービスを変更して、思い返して元に戻すのに違約金を払ったことのある私としてはそのときの嫌な思いが蘇ってきました。

 そこで「おっしゃることは概ね了解しました。それではいずれ私の方も勉強して興味が湧いたらまたホームページからアクセスしてさらに話を聞きたいと思います」と言うと、「それはできないんです」と突然口調が変わった感じ。

 「なぜですか?」「これは特別なサービスで…」

 もうその時点で私の方は感じるところを感じてしまい、「承知しました、ではこの話はなかったという事で、ありがとうございました」と言うと相手は「それではこのサービスを受けないという事の確認のためにお名前を教えていただけますか?」

 その段階で電話を切りました。


 落ち着いてから改めて「光コラボレーション」について調べてみると、これは2019年7月に始まった、事業者変更を簡素化する制度のこと。

 回線そのものはNTTの回線ですが、それをNTT以外の事業者が借り受けて別のブランド名で提供するサービスなのだそう。

 ネットで調べるとわかりますが、今まで聞いたことのないような会社がサービスを開始しています。

 そして、今までは他者に乗り換える際に生じていた開通工事などの手間がいらなくなったことなどのメリットを強調し、一方で違約金の問題や一定期間解約できない縛りなどをそっと忍ばせて、解約金ビジネスではないかと疑われるような事例も増えているのだと。

 そもそも電話での勧誘しかないという事自体が怪しげだという気づきと、一度落ち着いて冷静になって自分自身で調べたり詳しい人に聞くなどのワンクッションの余裕を持つ必要があります。

 メリットもあるのでしょうが、メリットだけしかないということもなくて、その裏側にあるデメリットもしっかりと自分で勉強しないと、世の中は怪しげなビジネスもあるということですね。


 電話営業ってだいたいこんな感じばかり。

 家に電話があることのデメリットを感じるようになりました(笑)。

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排泄に関するこころとからだの仕組み ~ 介護スクール11回目

2023-04-22 22:53:31 | 介護の世界

 

 介護資格のためのスクーリング授業も今日で11/15回目。

 今日は「排泄に関するこころとからだの仕組み」というテーマで一日授業が行われました。

 我々のクラスは中年おじさん4人のクラスなので、講師の女性の先生は「男性だけのクラスは珍しいのですが、逆にお互いに実技練習をやりやすいかもしれませんね。クラスにぽつんと男性一人とか女性一人だと却ってやりにくい面があるので」と、笑いながらの感想。

 やはり微妙に羞恥を伴う授業なのです。

 さて排泄とは尿や便(ほかにも汗や涙、呼気なども含むのですが)などによって体の中の不要な老廃物を体外へ出す行為の事。

 生きている限り逃れられない生物の仕組みですが、こと人間の排泄となると「身体的意味」に加えて、「心理的意味」と「社会的意味」が加わってきます。

 「身体的意味」とは文字通り、老廃物を体外に出すという生命維持に欠かせない行為であるという意味です。

 一方「心理的意味」とは、自分の陰部を他人の目にさらしたり触れられたりすることに羞恥と抵抗を感じるという面が強いことです。

 講師の先生によると、「実は介護をする側にとっては排泄の介助は日常茶飯事なのですぐに慣れて、そう負担には感じなくなります(笑)」ということなのだそうですが、やってもらう方は自分の問題と捉えると申し訳なさや負担感が募るのだそう。

 そのためできるだけお世話になりたくないという思いから、水を飲まなくなったり食事をとらなくなったりする人も出てきます。

 それは結局健康な日々の暮らしからは外れてゆくので、利用者に負担を感じさせないような介護がポイントになります。

 さらに「社会的意味」もあってこれは、排泄の自立度が低くなると「外出しなくなる」「人に会いたくなくなる」「行動範囲が狭くなる」といったことに繋がって行き、やはり前向きな暮らしの質が保たれなくなる恐れがあります。

 排泄って、実に大切なことながら介護を受ける側にとっては非常に繊細なことでもあるという理解が大切です。

 
      ◆


 排泄の動作一つとっても、それを苦も無く当たり前にするためには下記の手順を経なくてはなりません。

 ①「尿意・便意を感じる」→②「トイレの場所が分かる」→③「移動ができる」→④「トイレの扉の出入りができる」→⑤下衣の着脱ができる→⑥「便器の使い方が分かる」→⑦「着座・排泄姿勢・排泄ができる」→⑧「拭く・水を流す・手を洗う」

 …とまあこれだけの動作手順の連続を行っているのが我々の日常の排泄行為です。

 そして高齢化や病気などによって上記のどこかの段階ができないということになるとそこを介助しなくてはなりません。

 ただ、できることがあるのならそれは自分自身でやってもらうのが一番で、そこにもやりすぎないような細やかな気遣いが必要なのです。


      ◆


 そんなわけで今日の実習は、寝たきりで自分で排泄のコントロールができない人のためのおむつの装着練習、排泄後の陰部洗浄の事例見学、ベッドに座ることができるおむつ装着者のポータブルトイレへの移動介護とおむつ装着介助などを行いました。

 以前に私も実体験したおむつ装着と排尿体験ですが、背中にちょいもれが発生した苦い経験があります。

 それは実は「正しい装着をしていなかったからですね」と体験レポートを呼んだ講師から指摘を受けました。

 何が正しくなかったかと言うと、おむつを止める左右に二つずつあるマジックテープを、下の方は自然に引っ張って止めるのですが、上にあるテープは背中がぴったりになるように腰骨から斜め下に向かって強めにテープを貼るべきだった」ということでした。

 さらには「股間の部分にはおむつの吸収体を山と谷のように空間を作ってゆとりを持たせることで吸いやすくなりますよ」とも。

 講師からは「排泄の介助は施設では最も頻繁にやるので、実際にやればすぐに慣れますよ」とも。

 排泄を学ぶことで、やはりできれば他人の世話にはなりたくない、という思いがますます強くなりました。

 そのためにはできるだけ健康で移動ができるということが肝心です。

 皆さんもぜひ一度事前に学ぶことをお勧めします。

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「我慢しないで!」という理由

2023-04-21 23:38:57 | Weblog

 

 本州の友人が定年退職し、ちょっと暇な今の時期にドライブで札幌までやってきました。

 写真が趣味だという彼はドライブをしながら北上を続け、下北半島からフェリーで北海道入り。

 事前に示し合わせて今日の夜に会って飲もうという事で、久しぶりの旧交を温め合いました。

 ドライブをしながらの旅と言っても別にキャンピングカーと言うわけではなく、普通の乗用車でホテルや旅館を泊まりつないでのロングドライブです。

 季節がちょうど今年の桜の開花にマッチしていて、角館や弘前など桜の名所でも桜の良い写真が撮れたと喜んでいました。


     ◆


「ところで」と彼が言うので、「どうしましたか?」と言うと、「雪国の道路はなぜあんなに傷んでいるのですか?」という質問。

「うむ、それはですね…」と雪が降ってそれが融けるときの水が悪さをして舗装を傷めるのだという話をぼそぼそと説明します。

「それにしても傷んだならもう少しちゃんと修繕できないものでしょうかね」
「予算がないんですよね」

「ふうん…そうですか…、なんだか走っていても疲れちゃうし、イメージがあまりよくないですよね」

 そこで彼が「でもしょせんそんなものでもう当たり前だというのなら我慢するしかないですかね」というので、「我慢しないでいいです!」と思わず声を大きくしました。

「北海道の道民はもうその現状に慣れっこになってしまっていますが、慣れていない他所からの観光客にこそ『おかしいんじゃないの』と問題提起をしてほしいです。我慢しないで、投書やSNSでもいいので可笑しいなと思う事を言ってもらわないと現状は変わらないと思います」

 やはり普段見慣れていない景色を見せられると、様々な面で彼我の差が浮き彫りになってきます。

 良いことは感心してもらえばよいけれど、劣っていると指摘されることは改善してゆかなくては恥ずかしい。

 指摘されてそれができな言い訳をしている自分もちょっと情けないなあ、と思ったのでありました。

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特別養護老人ホームの入居者もあつまらないほどの人口減少

2023-04-20 23:25:43 | Weblog

 

 稚内から帰ってくる途中である小さな自治体に立ち寄りました。

 知り合いの町長さんが不在だったのですが、私のことをご存じの副町長さんが応対してくださいました。

 町の最近の課題について伺うと、「病院と特別養護老人ホームの再編です」とのこと。

 こんなときに「最近私は社会保障に興味を持って、介護資格の勉強中なんです」と言うと「それはすごいですね」と一気に話がしやすくなります。

 何事も自分の関心とコミットする領域を広げておくことは役に立つものです。

 さて、この町の病院と特養のお話。

 まずは病院建物の老朽化問題と医師が少ないという問題があって、今後病院をどうするかと言うのが大きな課題。

 次にこの町の特養ですが、大体50人は受け入れられる施設なのですが、現在は43名ほどの入居だそうで空きがあるのだと。

 しかも、「今後うちの町では75以上人口がいよいよ減少するんです。なので特養の需要が増えず収入が減少することから、負担が増えるという事が懸念されています」とのこと。

「この町で入居者が不足するなら周辺の市町村からも受け入れてはどうですか?」
「いえいえ、この町の周辺自治体も後期高齢者の数は減ってくるんです」

 なんと驚きです。これからいよいよ団塊世代が後期高齢者になるために介護需要が爆発的に増えるのではないか、と予想していたのですが、地域によってはそうでもないらしい。

 人口減少局面が後期高齢者の数にも及び始めているとは知りませんでした。

「これからどのようにされようとしているのですか?」
「病院の入院ベッドを少なくするか廃止して、もっぱら在宅医療と在宅介護を推奨するようなことにしてはどうか、と言うアイディアがあります。在宅での看取りまでもやるしかないか、と思うところもあります」

 こういう議論は結果を住民に押し付けるとしばしば失敗するので、今後の医療・介護の行く末を皆で勉強して意識を共有してから、やれる対策を語り始めるのが良いでしょう。

 介護も施設に入居させる「施設介護」はとにかくお金がかかります。

 なのでできるだけ在宅で支援を受けながら、やれることはやりながら自宅で暮らすという流れが出来上がっています。

 ただその考え方を具体的に住民に下ろした時に納得や理解をしてくれるかどうかは別問題。

 町の住民が一体となって、未来の課題を解決してくださるよう祈ります。

 出張を終えて無事夕方に札幌に到着。

 今回も枢要な人たちには皆会えて、有意義な出張となりました。

 次は道南と道北方面ですね。

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稚内での意外な全道ナンバーワン

2023-04-19 22:31:48 | Weblog

 

 稚内で一泊をしたのですが、ホテルは盛況の用で案外混んでいました。

 夜に近くの飲み屋街へ出ましたが、開いているお店が以前よりは少なく感じます。

 今日は定休日なのかな、とも思いましたがどうやら違ってやはり以前より減っているようです。

 地元の友人に聞くと、「稚内の飲食店は水曜日と日曜日が定休日で、それも一斉に休むのでその日に当たると夜は飲食難民になりかねません」とのこと。

 ホテルが盛況なのは観光客と言うよりは、このところ続いている発電用風車の工事が続いているためで、現場を何カ月も担当する工事業者さんが長逗留をしているおかげのようです。

 しかしそうした人たちも飲食店の定休日にあたると夜の飲食を楽しめません。

 さすがにコロナも落ち着いてきて、宗谷地域に入り込んでくる観光客も増えそうで、ホテルはますます予約が入ってきてもいるようです。

 市役所を訪ねて情報収集をしていたところ、「おっしゃるとおり、飲食難民の問題は大変です。それで、夜に食べ物にありつけない人が利用するのはセイコーマートさんで、なんと飲食店街に近いセイコーマートさんのホットシェフが全道一の売り上げになったそうですよ(笑)」とのこと。

 稚内に店舗展開してくれている唯一のコンビニチェーンがセイコーマートさんですが、そこのホットシェフとは、その店の中で調理したてで提供する暖かい料理が帰るコーナーのこと。

 かつ丼やフライドポテト、フライドチキン、暖かいおにぎりなどのメニューが用意されていて、私も時々利用しますが、お値段の割に美味しいので人気です。

 それにしてもこの広い北海道で一番の売り上げが稚内にあるお店と言うのは驚きです。

 その話を聞いてから実際にお店を訪ねてみましたが、なるほど普通のセイコーマートさんよりも店内が広くてメニューも充実した規模の大きな商品展開をしているところでした。

 本来ならばそのニーズは地元の飲食店街が受け止めるべきところですが、いろいろと事情があるのでしょうね。

 港も発電用風車の資材が山の用に置かれていて活気がある感じ。

 経済の活気が人口の増にはなかなかつながらないところが難しいところです。

 これからも稚内には注目しておきたいところです。

 

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今日から宗谷方面の挨拶廻り ~ どうする地方の人口減少

2023-04-18 22:38:57 | Weblog

 今日から二泊三日で留萌~宗谷方面での挨拶回り。

 全道を相手に挨拶廻りやら情報収集をするにしても、それぞれの地域を巡ることができるのはせいぜい年に2~3回程度です。

 宗谷方面も昨年6月以来来られていなくて久しぶりの訪問です。

 留萌地域から挨拶回りを始めて、日本海側に沿ってオロロンラインを北上、地域ごとにいる灯台のような情報源を訪ねて回ります。

 ゆく先々で「地域の人口減少をどのように考えて対策は何かありますか」と訊ねます。

 多くのところでは「あと5年は大丈夫だと思いますが、10年となるとわかりません」という答えが返ってきました。

 ある地域では、「たとえば除雪を担ってくれる操縦のオペレーターさんの確保は大丈夫ですか?」と訊ねると、「とりあえずこの地域は大丈夫だと思います」という答え。

「その根拠は?」
「この地域では米がとれるのとアスパラガスなどの農産物が旺盛で、そういう農家さんたちが冬は仕事がないので除雪をしてもいいよ、と言ってくれています」

「アスパラガスなど、施設園芸作物なら年中農作業に携わって冬も忙しくなるのではないですか?」
「いいえ、日本海沿いのこの地域では風が強すぎるのでビニールハウスが成立しなくて年間を通じた農業が難しいのです。アスパラガスも露地栽培でやっています。そういう農業とは夏冬の労働時間の移動が可能であり続けられると思います」


 農家が冬に除雪に参加してくれるという、夏冬の労働の移動は考えられることですが、一方で農家が専業化してくると年中農業に携わって、冬も農業で忙しいということになりがちです。

 地域の地理的特性によって労働力の移動が見込まれるかどうかが、地域の維持を担う働き手として期待できるかどうかの地域特性に繋がります。

 人口減少と一口で言いますが、その地域のミクロの産業特性や経済事情をしっかりと学ばないと、農村は大丈夫とか都会は危ない、など一方的な思い込みは危険だとわかります。

 地域ごとの特性に入り込まなくては、地域の悩みも解決策も見つけ出すことは難しいでしょう。

 思い込みを排除して、素直な気持ちで地域の事情に目を向けたいものです。

 


 夜は稚内の居酒屋で一杯、刺身が旨いなあ。

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