北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

タクシーのリスク管理

2019-07-31 23:07:27 | Weblog

 

 ちょっとした飲み会がススキノであって、帰りはタクシーを使いました。

 最近のタクシーは、前の助手席のヘッドレストの裏にタブレットが付いていて、ニュースや動画が観られるだけでなく、支払いもこの機械で行えます。

「Paypayは使えますか?」と興味半分に聞いてみたところ、「使えますよ。クレジットカードはもちろんですし、そのほかにもパスモやスイカなどの交通系カードも使えます」とのことで、こちらのタクシー会社はなかなか先進的な取り組みをしています。 

 

     ◆

 

 さて、我が家についたので支払いをクレジットカードで行おうと、カードを運転手さんに渡したところ、「あ、うちはご自身でやっていただくことになっているんです」と言われました。

「ええ?どうしたら良いのですか?」
「機械の横にクレジットカードを差し込むところがありますから、そこにカードを差し込んでください」

 なるほど、横に差し込んで…、「あとはどうしますか」
「金額がそれでよろしければ、支払いのところを押してください、それで支払い終了です」

 なるほど、運転手さんがカードを預かるというのも、セキュリティを考えるとリスクのある危険なことなのかもしれません。

 自分で金額を確認して、自分でカードを差し込んで自分で支払いを完了させる。それがやはり一番安全な手続きと言えるでしょう。

 しかも運転手さんが余計な機械の扱いをしなくても良いので、運転に集中をしてもらうことができそうです。

 あらゆるカードが使えてどんどん便利になりますが、時代についてゆくのはなかなか大変です。

 運転手さんの労働内容が軽減するような経営者の判断も求められそうです。

 

 
 

  

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暑い夏 「冷やし合材 始めました」

2019-07-30 22:52:52 | Weblog

 

 東京は暑かったけれど、札幌も十分暑いです。

 今日の札幌の最高気温は33.2℃。

 大通公園では連日ビアガーデンがオープンしていますが、ここまで暑いと外ではビールを飲みたくなくなってしまうかもしれない。

 そのくらい暑いのですが、わが職場は道路一本挟んで大通公園と言う場所にあり、通勤途中に覗いてみると…随分と混んでました(笑)。

 今日は工事受注のお礼の挨拶回りに出ていたのですが、エアコンの効いた車の中が一番幸せです。


    ◆


 挨拶ついでに、まだ訪ねていなかった江別市にあるわが社のアスファルト合材工場を見学に行きました。

 道央の拠点工場だけあって、規模も大きいですしアスファルト合材の出荷量もわが社では全道一の工場。

 大きいだけではなく、最新の技術研究の結果を生かした最新の品質のアスファルト合材も作れます。

 その一つが「レアブ(LEAB)」と名付けられた、高性能品質のアスファルト合材。

 これは技術的な工夫によって、アスファルト合材が従来のものより低い温度でも締固めや強度などの品質が落ちないようにした製品です。

 一般的なアスファルトは工場から160℃で出荷されてそれを現場では140℃くらいの状態で敷きならしたり締め固めたりします。

 それがこのLEABを使うと、130℃で出荷して110℃で施工を行っても従来製品と同等以上の品質を保つことができます。

「そんなことができたとして何が良いのか」というと、今日のようなクソ暑いときには現場の熱中症対策になります。

 また施工後には、アスファルトの温度が一定程度まで下がらないと交通開放できませんが、より低い温度で施工できれば解放までの時間を短縮することもできます。

 さらに、温度を下げても大丈夫な性質上、温度を上げるためのエネルギーが少なくて済み、工事の工程で発生する二酸化炭素の量を減らすことも可能に。

 この手の技術は「中温化技術」と呼ばれて、作れる会社も増えているのですが、一般的には薬剤を混ぜることで得られる性能を、わが社はほんの少しの薬剤とマイクロバブルという物理性状の改善でそれを実現していることが特徴です。

 その売り文句は何と「冷し合材始めました」!

 「冷し中華 始めました」と言えば、夏の訪れを告げる告知張り紙。

 冷たい合材というわけには行きませんが、舗装工事に大変な暑さを迎えるこの時期に、少しでも温度を低く施工ができる「冷やし合材始めました」は夏の熱中症対策に注意を呼び掛ける告知にならないかな。

 発注者の皆さんは保守的なので、なかなか新しいものに飛びつけないものですが、施工業者の快適性やCO2問題への環境対策など、新しい技術は日進月歩で開発が進んでいます。

 新しい時代の工事現場のために、「冷やし合材、いかあすか!」


 

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「まちづくり」は、教科書の知識ではなく

2019-07-29 23:46:50 | Weblog

 

 今日は都市計画学会の理事会で日帰り上京。

 東京が暑いことは分かっているのですが、途中の飛行機や電車の冷房が効いているために、上着は欠かせません。

 暑いのと寒いのが交互に来ると体が慣れるのが大変です。


    ◆


 都市計画学会の理事会ではいろいろな課題が議論されました。

 面白かったのは、都市計画分野が最近の小中学校の教科書に登場するようになってきたこと。

 『都市計画』とは銘打っていませんが、津波や洪水の浸水シミュレーション結果を反映させたハザードマップが防災教育や防災まちづくりの一環として掲載されるようになりました。

 さらに歴史的街並み形成など、歴史を生かしたまちづくりなど、地域が元気になるための様々な工夫や努力の姿を、地理や社会科の一環として紹介しているというのです。

 もちろん、制度の中身や細かい話までは触れられていませんが、いわゆる「まちづくり」が、どういうことかを知っておくべき知識であるという認識になってきたことは喜ばしいことだと思います。

 ただ、もっと身近にしたりより深い情報を提供するためにどうしたら良いか、ということはまだまだ議論の途中で、具体的な計画がまとめられるのはこれからとのことです。

 「まちづくり」をテストのための知識に留めておくのではなく、あなた自身が参加して幸せな地域を作るための取り組みなのだ、というところまで教えられる先生がどれだけいるでしょうか。

 まずはまちづくりに共感してくれるような先生を探すところから始めないといけないかもしれませんね。

 東京も暑かったけれど、帰ってきた札幌も暑いなー、ふー。

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車の未来が想像できない

2019-07-28 23:18:26 | Weblog

 今乗っている愛車は、平成19年車の日産セレナ。

 もう12年目に入って、そろそろ新しい車への買い替えを考え始めてディーラーを何軒か回ってみました。

 これから10年間のライフスタイルを考えると、まだまだキャンプと釣りが活動の中心になるでしょう。

 子供たちが独立したので、大人数で乗車することはもうないかもしれませんが、やっぱり荷物はたくさん積みたいところ。

 それに車中泊だってすることがあるでしょう。

 その一方で年齢を考えるとアシストブレーキなどの安全装置は装着できるものはできるだけしたいですし、できるだけ良い燃費も求められます。

 小さいところでいうと、今やスマホの電源や100V電源などもないと不便です。

 さてさて、そんなニーズを受け止めてくれる車となるとどういうことになるでしょうか。

 実際には、求める水準を全て満たす車が見当たらない、というのが今の状態なのですが、お店で展示してある車を見ていると、最近の軽自動車は中がとても広いことに驚きます。

 軽自動車でもそれなりの装備があるならば、ちょっとした買い物でも、大荷物の遠出の釣りでも十分に使えそうで、「これなら軽でもいいかな?」と気持ちが傾きかけてきました。

 ま、当分今のセレナでしょうけれど。

 車の進化と変化のスピードが速いので、もう少し情勢を見極めたいところです。

 近未来の自動運転も含めて、車の運転アシスト機能が充実したら、免許返納の時期って後ろに伸びるのかなあ。

 そもそもカーシェアも充実してきて、車を購入するというライフスタイルも

 車の未来が想像できません。

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新海誠監督最新作「天気の子」を観てきました

2019-07-27 23:46:56 | Weblog


      【「天気の子」公式ホームページより】

 

 新海誠監督の最新作、「天気の子」を観てきました。

 雨が異常に続く東京を舞台に、主人公の男の子が、天気を操って晴れにできる女の子と出会って、巻き起こる事件を描いたアニメ作品です。

 前回作品の「君の名は。」が大評判になって、若手アニメ監督として一気に有名になった新海監督なので、大ヒットの次作となるとファンではなくても気になるところです。

 描かれる時代と舞台は、ほぼ現代の東京。

 映画の感想ですが、ネタバレは避けましょう。

 あくまでも個人的な感想ですが、画面の絵の綺麗さはやはり秀逸でした。

 雨のシーンが多い映画でしたが、雨が降る様子を様々な手法で描いていますが、紙のアニメだけではないだろうと思われる実写に近い描写は手数がかかっていることを想像させます。

 一言で「雨」と言っても、降る雨から跳ねる雨、滴り落ちる水滴、薄い霧まで、様々な雨と水の様子の表現が多彩です。

 また雨というと、暗い灰色が想像されますが、その色も多様に使い分けてものすごく細かな雨の表現が次々に出てきます。その技法がすごいなあ、と感心してしまいます。

 また音楽がきれい。RADOWIMPSやあいみょんらの楽曲が効果的で、明るさも切なさも悲しさも、絵とのシンクロが見事だと思いました。

 そしてなによりも感じたことは、『東京の宣伝フィルムだ』ということ。

 登場するシーンはリアルな場所の描写がはっきりして、新宿周辺の風景や超高層ビル群、東京タワーとスカイツリー、下町の路地の風景などなど、マクロな東京とミクロな東京が交互に登場して、その東京がとても魅力的なまちとして描かれています。

 今回のこの「天気の子」はすでに全世界140以上の国と地域での公開が予定されているそうですが、「東京に観光に来てください」と100万回唱えるよりも、無言の中に「このまちに行ってみたい」と思わせる魅力が描かれています。

 さて、そのうえでトータルとしての私の感想としては、前回の「君の名は。」の方が衝撃的で心に残った作品だったかな、というところ。

 しかし、主人公の少年の一途さ、情熱、そして少しの過ちと恋の行く末をあなたご自身の目でお確かめください。

 流行には染まっておくと良い思い出ができますよ。

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滝野すずらん丘陵公園のクマ騒動収束する

2019-07-26 22:57:27 | Weblog

 

 今月5日からヒグマ出没のために閉園していた、国営滝野すずらん丘陵公園が29日から再開園されることになりました。

 園内はクマよけのためにフェンスで囲まれているのですが、どうしたはずみか中に入られてしまって、逆にフェンスが仇になって外に出にくくなってしまいました。

 こうしたヒグマ対策としては、園内に姿が現れると利用者の安全のために閉園をすることになりますが、一たび閉園をすると今度は安全を確認するための作業が一苦労。

 「クマがいる」ことはクマの姿をカメラなどでとらえれば証明できますが、「クマが園内にいないこと」を証明するためには、ただ姿が見えないというだけでは不十分です。

 外に出たというような強い証拠があればよいのですが、それを見つけるのも大変です。

 今回滝野公園では、監視カメラをそれまでの13台から61台に増設したそうで、それでもカメラに映らなくなった日が続きました。

 また毎日の現地調査の結果、フェンスを乗り越えたような足跡があることや外の樹木に園外に出た際の爪痕らしきものが見つかったこと、それらを踏まえたうえで今回はクマ対策犬を連れてきて園内を調査し、それでもクマが見つからなかったことで、専門家の皆さんも「もう園内にはいないと言える」と結論付けたようです。

 関係者の話では、今回園内に入り込んだ親子熊のほかに、園外で大きなオス熊の姿がカメラにとらえられていたそうです。

 そこで考えられることは、オス熊に子連れのメスが狙われて、危機感を感じた雌がフェンスの中に逃げ込んだのではないか、ということなのだそう。

 園内に入り込んだ親子熊は、人間世界と接点を持つような"問題行動"を起こすこともなく姿をひそめていたことから、人間と接触をすることに魅力を感じるような「問題グマではない」と結論付けられたようです。

 今後のことを考えると、フェンスによって「園内には入ってこない」という前提ではなく、「もし入られても出やすくする」というような施設や工夫をするステージなのかもしれません。

 例えば、園内からフェンスに向かって盛土のスロープをつくるとか、フェンスをのぼれる梯子をかけておく、などといったアイディアはどうでしょうか。

 、今後は電気柵を取り付けて安全度を高めるようですが、電気柵は電線に高電圧の電気を流して、興味を持ったクマが鼻でフンフンと匂いを嗅いで接触すればビリっとくるという代物。

 クマに取って最重要なセンサーである鼻にダメージを与えることでクマの心を折る作戦です。

 カメラも増設されましたし、こうやって一つずつ安全を高める対策を充実させ続けることが大切ですね。

 この間の関係者の皆さんの努力に心から敬意を表し、これからの安全をお祈りします。

 夏は滝野公園に行きましょう。 

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ヤマベは故郷を離れてサクラマスになる

2019-07-25 23:43:33 | Weblog

 先日行った稚内出張。

 帰りがてらに宗谷岬を巡り、浜頓別~枝幸と回ってきました。

 枝幸町では、オホーツクミュージアムを見学してオホーツク地域の自然環境や歴史を学びましたが、特に考古学が興味深いです。

 日本の教科書は我が国の歴史を「縄文時代→弥生時代→古墳時代→飛鳥・白鳳→奈良時代」と変遷してゆく、と教えています。

 しかし北海道では「縄文時代→続縄文時代→擦文時代→アイヌ時代」と変遷してゆくという研究結果が得られています。

 それが、ここオホーツク地域では、続縄文時代の5世紀半ばから擦文時代の10世紀にかけて、オホーツク文化が形成されていた、という研究があります。

 このオホーツク文化とは、北海道の北部沿岸地域から樺太、南千島の沿海部に栄えた海洋漁猟民族の文化で、海の魚や海獣を狩猟して暮らす生活スタイル。

 この文化は10世紀ころからは次第に擦文文化に取って代わられるようになり移動あるいは衰退してゆきます。

 北海道の歴史は、日本全体の教書通りではないことを、地元学を学ぶことで伝えてゆきたいですね。


    ◆


 さてそんなオホーツク文化を学べるオホーツクミュージアムですが、入ってすぐのコーナーには地域の自然環境が展示されています。

 地域に生息する動植物のはく製や模型なども多いのですが、そんな中に「サクラマス」と「ヤマベ」という魚の模型が置いてありました。

 どちらも生殖時期を迎えて個体変化の最終形になったようなごつい模型です。

 これを見たときに私が同行した方に「サクラマスとヤマベは同じ魚なんですが、元々川魚のヤマベは、川の中で十分食える個体は川に残り、相対的に弱くてエサを取れない個体が海へと移動して、ホルモン変化によって巨大なサクラマスに変化して帰ってくるんです」と説明しました。

「面白いですね」
「ええ、川に残るヤマベはまるで狭い世界で番を張っているようですが、故郷を離れて大冒険をする魚は巨大になって帰ってくる。私にはまるで人間の転勤生活のように見えます。自分の世界を広げた方が成長するということに似ているように思えるんです」

 するとそれを聞いた同行者は「その話は良いですねえ。転勤を渋るような若い人たちに聞かせてあげたいなあ(笑)」と感心した様子。

 所詮はたとえ話にすぎませんが、どうせなら人生の中で世界を広げてみて欲しいと思うのは、先輩というか歳を取ったからなのかもしれません。

 若者よ、荒野を目指してくれい!

 

 

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漢語の品格

2019-07-24 23:42:13 | Weblog

 

 今日は北海道開発局のOBのちょっとした会合がありました。

 前回の会合のときは、私の身分は舗装事業協会専務理事だったのですが、その後勤務先が現在の前田道路に替わったことで、ご挨拶の機会をいただきました。

 専務理事時代の思い出のなかでも、最も苦労したことの一つは毎月『舗装協会ニュース』という広報誌を発行することで、なかでもその1ページ目に約1600字ほどのエッセイを書くのが大変でした。

 以前6月21日のブログで「肩の荷が下りました」と書いたのは、毎月締め切りが襲ってくるこのエッセイを書き終えたときの解放感でした。http://bit.ly/2IYMaKW 
 
 ただ毎月このエッセイを書いているときは、「こんな文章を真剣に読む人なんているのかな」と読まれることが半信半疑でしたが、その勤めを終えた今になって「いや、あれは楽しみにしていたんですよ」と言ってくれる方が何人か現れました。

 こういうことは半分お世辞でも嬉しいもので、渦中にいた苦しさも忘れる思いです。

 それにしても、ちょっとした文章一つでもあだおろそかにするべきではありませんね。

 
    ◆


 ところでこのエッセイのコーナータイトルは「道聴塗説」といって、論語から引用した言葉を使っています。

 その意味は、「知識などの理解がいい加減で、しっかり自分のものになっていないこと」とか「根拠のない伝聞、受け売りなど、道でたまたま聞き知ったことを、また道で得意そうに、人に話し伝えること」というように、実はあまり良い意味をもってはいません。

 まあ「大したことは書いていませんよ」というちょっと自虐的なタイトルにしたエッセイです。

 品のある文章にはやはり漢語が似合います。

 こういう漢語がさっと出てくるあたり、最初にこのコーナータイトルをつけた方の知性とセンスに改めて感服します。

 古典は読んでおきたいものですね。

 

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現場で体を動かして、そして気づけよ

2019-07-23 23:46:56 | Weblog

 

 親しい友人と久しぶりに会って、最近の近況などを語り合いました。

 建築系の仕事をしている友人は、「最近は建築の仕事で就職した子たちが、その先の資格を取りたがらないんです」と嘆きます。

「えー? 二級建築士とか一級建築士なんかは必要になってくるのじゃないんですか」
「もちろん、資格はあったほうが良いのですが、『苦労して資格を取っても給料が上がるわけではないし、責任の重い仕事をさせられる』という理由で、取ろうとしない子が増えているんです」

「資格がないと特定の業務にはつけませんよね」
「特に市役所などで特定行政庁になっているようなところは、建築士の資格を持った職員をその役職につけないといけない、ということがあるのですが、資格を持っている職員が少なくなると人事配置に苦労してきますよね」

 
 ちょっとショッキングな話でした。

 この世に生まれて学生を経て社会人になったなら、少しでも勉強をして周りや社会の役に立つような立場になり、より多くの貢献をしたいと思ってくれるような人材になってほしいものだ、と思うのですが、実際には事は簡単ではないようです。

「うちは建築系なので、大学で建築を学んだ子たちを採用して仕事をしてもらいますが、3年くらいすると、『今の仕事よりももっとやりたいことがあるので辞めます』と言い出して本当に辞めていく子がいるんです。でも僕が見る限り、彼らは新しい職場へ行っても待遇は今よりも下がると思うんです。なぜ今をもう少し耐えて、自分の壁を越えてゆければ良いのに、と思います」

「自分の壁を超えられるような指導などはどうしていますか」
「現場を見せて、現場に参加してもらうことが有効のように思います。建築の仕事って、図面を書いてそれを施工舞台に渡せば終わりのようなところがありますね。でもそういう図面を書いている子たちに、現場に行かせて実際にボルトを締めさせたりするんです」

「ほほう」
「そうすると、『ボルトってこんな重さなんだ』とか、『この隙間だったら締め付けのドリルが入らないんだな』とか、いろんなことに気付いてくれます。そういう気づきがあれば、頭にリアルな現場が浮かんでくるということもあるでしょう。彼らは現場の作業は思った以上に喜々としてやっているので、これは続けたいと思います」

「なるほど、そうやって『気づき』のある子は多いですか」 
「それなりにいます。最近は女子社員の方が気づきが早いと感じます。しかし男子社員の方には、ずっと気付きのない子がいるようで気になります」

 叱るだけではだめ。褒めるだけでもだめ。背中を見せるだけでもだめ。

 やらせてみて、手を動かし頭を働かせるという肉体の体験を伴ってこそ、初めて頭の中の考えがリアルになるということがあるのだと思います。

 それにしても、次の世代を育てるのに『昭和な精神論』はだめだし、『平成的な優しさ』でもだめとなると、令和の時代の人材育成キーフレーズはどんなものになるのでしょうか。

 王道を行くような人格の陶冶などということがあるのでしょうか。

 アーサー・W・ワードという教育家の言葉にこういうものがあります。

   凡庸な教師は良くしゃべる
   良い教師は説明する
   優れた教師はやってみせる
   偉大な教師は、生徒の心に火をつける


 人の心に火をつけるというのは実に難しいですね。でも年寄りの責任でもあるのだと思います。

 

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今日は稚内も暑い

2019-07-22 23:09:31 | Weblog

 

 今日から明日で、留萌~稚内方面への挨拶回りです。

 わが社のアスファルト工場は道内に6カ所ありますが、それらは主要都市の近くにあって、最北は旭川のプラント。

 そのため稚内へ挨拶回りをしますが、工事を受注しても加熱アスファルト合材を稚内まで運ぶのは遠すぎてほぼ不可能です。

 そのかわりというわけではありませんが、袋詰めの常温合材「マイルドパッチ」も売っていて、これなどは常備しておいてもらえれば、舗装に穴が開いていてもすぐに修繕ができるというものです。 

 話を聞いてくれたある担当者は、「そうなんですよ。舗装の修繕のための資材なんて、パトロールをする者が持ち歩けばいいんですよ。『ここの舗装に穴が開いているよ』という報告よりは、『穴が開いていたので修繕しておきました』という報告の方が良いじゃありませんか」と言ってくれました。

 世の中には「気づいちゃった者責任」があると思います。

 何かに気が付く、というのは一つの能力で、それは「あなたももちなさい」と言ってもなかなか身に着くものではありません。

 不具合に気が付いた人が、すぐにそれに対処すればそれは解消されます。

 そういう気持ちで行きたいものです。


    ◆


 久しぶりの稚内で、ノシャップ岬へ来てみましたが、それほど人がいない中で、外国人の多いこと多いこと。

 もうすぐ夏休み。

 多くの人がこの最果ての地を訪れてくれることを期待したいものです。 

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