北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

旭川のまちなかイベントの話を聞いて、地域の富を考える~都市計画学会セミナー

2017-02-28 23:56:56 | Weblog

 今日は、所属している都市計画学会北海道支部のセミナーが開催され、旭川でのイベントとまちづくりについて二人の講師からお話を聞きました。

 一人目は、旭川市役所経済交流課長補佐の住吉さんで、旭川で9月に開催されている食のイベント「食べマルシェ」に関連して、「『北の恵み 食べマルシェ』と市内中心部のまちづくりについて」というタイトルで、中心市街地での食のイベントについてお話を伺いました。

 お二人目は、やはり旭川市内で、女性限定参加のランイベントについて、「『ランニングで女性をキラキラかがやかせる』をコンセプトにした女性だけのランイベント『スイートガールラン』について」というお題で、ランニングイベント開催の裏話などを聞かせて頂きました。


      ◆


   【食べマルシェ2016のホームページより】


 まず始めの、「食べマルシェ」関連。私も中学校、高校時代を旭川で過ごしたので土地勘があるのですが、駅前真正面の道路を昭和47年に全国で最初に恒久的歩行者天国にしてできあがったのが「平和通買物公園」。

 学生だった当時はよく自転車で行ったものですが、商店街にはデパートにレコード屋さん、喫茶店に飲食店などのお店が軒を連ねていて、人通りも多くとても賑やかだったことを思い出します。

 しかし人口の減少や、郊外への移動などにより、市内中心部での歩行者数は年年歳歳減少傾向に歯止めが掛りません。この30年間で三分の一になった、というデータもあるそうです。

 こうしたことを背景としつつ、まちなかの活性化をめざして昨年で7回目を開催したのが「北の恵み 食べマルシェ」という、9月の三連休を中心とした飲食出店イベントです。

 コンセプトは、中心市街地の賑わい創出、農業や食品製造業の振興などですが、さらに北・北海道の農畜産物・海産物などの魅力の発信なども考えられています。

 昨年の出店者数は約320者にのぼり、期間中の来場者は100万人を超えています。出典者からは出店料の割には売り上げが良いとのことで、評判は上々だそう。

 このイベントは、中心市街地活性化計画にも位置づけられており、そういう意味では警察などの協力も得られやすいとのこと。

 気になるのが、路面の既存店との競合です。目の前でお客さんを取られると思うようでは活性化にはならないかもしれません。

 そうしたことへの対策として、2,000円で2,100円分の前売りチケットをローソンチケットなどでも販売していて、これが「食べまるショップ」という協賛店舗ではイベント終了後、約一カ月間有効のお得なチケットになっており、既存店での消費を喚起しています。

 イベントを運営する中での課題は、経費のより圧縮と駐車場の不足なんだそう。経費では、警備に対する負担が大きく、最初は市役所職員が交通整理などに当たっていたのが、やはり警備員でなくてはいう事を聞いてくれないという実態があって、事故への備えなどもあり警備への負担が大きいそう。
 また、出店者の車を止めておくための駐車スペースが市内中心部の近くには不足気味とのことで、イベントを開催するうえでは、そうしたインフラも必要。

 さらに、「歩行者天国」とはいえ、管理上は道路であるため、緊急車両が走れる幅の確保が必要など、警察などの規制や指導は結構厳しいものがあるとも話されていました。

 
     ◆


 お二人目の「スイートガールラン」については、旭川市内のお菓子屋さんカトルカールを経営されている前田博さんからのお話です。


   【スイートガールラン2016のホームページより】

 前田さんは、若い時はほとんど運動をしなかったのですが、あるとき急にトライアスロンへ参加することを思い立ったのだそう。「一つの競技だと飽きてしまうけれど、トライアスロンだと、ランニング、自転車、水泳があるので、続けられる」と笑います。

 ランニングイベントは、始めは競技性が強かったのが、日本では2007年の東京マラソンから、都市型参加イベントとしての脚光を浴びるようになり、タイムを競う「つらい・苦しい」ものから、「参加して楽しい」というイベントに変貌したのです。

 好きなウェアで思い思いの走り方で楽しむというスタイルが受けてきて、ウェアやシューズも機能性だけではなくファッショナブルなものが増えているとのこと。

 そんななか、前田さんは東京のお台場で開催された「ラン・ガール・ナイト」というイベントを見て、(これだ!これをやらなきゃだめだ)と思い、それを旭川という地方の中くらいの都市でやることが地域貢献になると考え、実際には個人ボランティアの延長として実行委員会を作って開催に尽力しているのだそうです。

「札幌でやるともっとたくさんの人が参加して華やかになると思うのですが、どうも札幌ではそれをやろうという人がいないのか、実現していないですね」

 旭川の「スイートガールラン」は、「ランで女性がキラキラさせる」をコンセプトにしていて、ただ走ってタイム計測をするだけではなく、スイーツ、フード、コスメ、マッサージなど、女性が喜ぶ体験が加わっているところが特徴で、昨年大会では約350人の参加があったそう。

 内訳では市外からの参加者が50%近くあって、初参加という方は約三分の一で、三分の二は常連さん。参加者の年代は50歳代のボリュームが多かったのが最近は30代も増えてきて、さらにはファミリー参加の姿も見られるようになったとのこと。

「最近は仮装して走るという方が増えていて、走る前のフェイスペインティングなんかも大人気です」と前田さんはおっしゃいます。

 以前にはこのスピンオフ企画で、「スイートガールラン・パーティ」という、走らないけれどランニングに興味のある女性限定のイベントなども行い、ランや身体に関するワンポイントセミナーやボディケア体験、ランウエアのファッションショー、コスメブースなどを楽しむイベントも行ったそうです。

 ランニングがウェアや健康、お化粧などの周辺分野ともコラボした、より広範な楽しみ方になっているようです。

 前田さんは、これからの課題として、「本当は同じ走るにしても、みんなに見られるような公道を走りたいと思っているのですが、なかなか警察の許可がおりません。また以前は空き地がたくさんあった区画整理エリアの北彩都も土地が売れてしまって、参加者の駐車場が不足しています」とインフラの不足を嘆いています。

 面白いと思ったのは、小さなチップによるタイムの自動計測で、「道内業者さんに見積もりを出してもらうと90万円くらいで出てくるのですが、本州の企業に頼むとその三分の一でできちゃうんです。本当は道内企業を使ってあげたいのですが、300~400人のイベントだとその経費の大小が収支に大きく影響してしまう」とのこと。

 「でも、『あなたが、旭川だけでやる』というのなら協賛するよ、と言ってお金を出してくれる企業さんもあって、これからも旭川の役に立つと思ってやっていきます」

 ランニングが、女性を中心にした楽しみをコラボして地域の売り込みにつながるイベントになるというのは素晴らしいですね。

 

 そして、「食べマルシェ」と「スイートガールラン」のどちらにも共通して、駐車場などのインフラの不足や、各種の規制による様々な制約が影をさしているという事に繋がって興味深いものがありました。

 会場からは、「人口減少が進んで地域が疲弊していく中で、今あるインフラや先人が作ってきたストックを生かして、もっと富を生み出すにはどうしたらよいか、を地域でも真剣に考えるべきだ」という指摘があり、一同うなずきました。

 足りないものは足りないと言いつつ、今あるものを賢く使う。そんな知恵を地域から発信して、地域の活性化につなげてほしいということで、最後は都市計画学会らしいセミナーとなりました。

 参加して下さった皆様、ありがとうございました。

 

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世界は自分が変えられるかもしれない~まちの床屋談義

2017-02-27 23:54:23 | Weblog

 いつもの床屋さんで、人生を語り合いました。

 この床屋さん、まだ30代前半と若いのですが心根が立派な青年で、いつも感心させられるのです。

 こちらの床屋さんはかくいう青年が経営者で、普段はもう二人と仕事をしているのですが、一人の姿が見当たりません。

「あれ?今日はKさんはどうしたの?」
「今日は、うちの営業分野の一つで、散髪の派遣事業に行っているんです」

「へえー、どこかの施設か何かへ出かけて髪を切ってあげるんだ」
「ええ、今日は病院なんです。うちのお馴染みさんが入院してしまって、もうこちらのお店には来られない状態なのです。そうしたらその方が看護師さんに、『馴染みの床屋さんに来てもらって髪を切りたんだけどどうかな』と相談してくださって、それで行かせてもらっているんです」

「よく病院が許可しましたね」
「ええ、最初は向こうも認めたものの、(どんな手際でやってくれるんだ)みたいな感じだったと思うんです。でも僕らって、以前に福祉施設で出張散髪をした経験があるので、最初からブルーシートを持って行くとか、病院の中を汚さないように気を遣いました。そうしたら、それが良かったらしくて看護師さんが、『床屋さんが来てますよ』と宣伝してくれるようになって、お客さんが増えちゃいました」

 彼の話を聞いていると、ただお金のために髪を切るというのではなく、散髪を通じて企業として成功しつつ社会に貢献したいという気持ちが伝わってくるのです。
 

 今の理容業を俯瞰すると、お客さんが減っていて、それに伴ってお店を構える理容業はどんどん縮小しているのだそう。

 その結果、お店で修行するという床屋さんが減って、募集に応募して横のつながりの中で仕事をするという職人が増えているのだと。

「そういう状況なので、親方について鍛えられるという経験が少なくなって、人としての成長とか育成ということが疎かになっていると思うんです」

「なにか自分の人生の目標ってあるんですか?」
「最初は、とにかく経営者になろう、自分の店をもって自分の思うような店の運営をしたい、と思いました。でもそれが、実際やってみると、人の育成が大事だな、と思うようになりましたし、今では理容業が社会の役に立つということを追求したいな、と思ったりしています」

 市場が少なくなるから儲からない業態だ、などと知った風なことを言ってビジネスの行く先を暗く思うのではなく、自分のビジネスでお客さんに喜んでもらう、ということに使命感を感じている姿がとても爽やかに映りました。

 経済をマクロな見方でとらえずに、自分の努力でなんとかなるととらえる見方が立派です。

 とても勉強になりました。床屋談義も馬鹿にできませんねえ。 

 

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お世辞が言えなくても旨いものは分かる

2017-02-26 23:55:55 | Weblog

 

 網走湖では初めての一束(100匹)超えの109匹という、初めての出来事に嬉しくなりました。

 そこで孫たちにも食べさせてやろうと、「ワカサギ&蕎麦の会」を急きょ企画して、娘夫婦に声をかけました。

 四歳になる孫は大の蕎麦好き。その歳で美味しい手打ちそばが好きとはそもそも渋いのですが、これまたよくお代わりをしてくれるので、こちらも蕎麦の打ち甲斐があるというものです。

 昨日の網走湖のワカサギをから揚げにして出してやると、最初はなんだかわからず手を出さずにいたのですが、一匹食べてみて美味しいとわかると、今度はどんどん手が出てきました。

 子供は揚げ物が好き、とは言いますが、お世辞も言えないような年頃ながら美味しいものは分かるので、本能に従ってみると、蕎麦もワカサギも美味しいという事になるのでしょう。

 物心つく前から魚料理を当たり前に出してあげると、魚を食べることにも抵抗がなくなるのじゃないか、と少しだけ教育効果も期待してのワカサギの唐揚げ。

 もう少し大きくなったら、釣りに連れて行ってあげましょう。

 釣りは爺さんから学ぶものです。

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アイツに会えなきゃコイツに会いに行くさ

2017-02-25 23:52:56 | Weblog

 昨夜は網走のホテルに宿泊して、まちなかの居酒屋さんへと繰り出しました。

 お酒も酒の肴も良質で、さすがは網走と感心。流氷への名残が少し晴れたかな。

 
 …といいながら、最後のあがきで、今日の朝一番に網走観光センターに電話をして、「もしかして、今日の朝一番のオーロラ号なら流氷は見られませんか?」と尋ねてみました。

 答えは、「残念ながら、浮いている氷は見れますが、流氷の本体は遠ざかっちゃったんですよね」というもの。

 残念ながら、『またいらっしゃい』というサインなのだと受け止めましょう。


 それならそれで、こちらも旅の方向性を切り替えます。網走と言えば、やはり網走湖でのワカサギ釣りは欠かせません。

 単にワカサギ釣りというレジャーだけではありません。網走湖は道内一のワカサギの水揚げを誇り、ここのワカサギの卵が出荷されて全国のワカサギ漁を支えているといっても過言ではないのです。

 スーパーへ行くと、この時期にワカサギが売られていますが、たいていは網走湖産が多いはず。ぜひ今度は産地も見てみてください。


          ◆  

 

 さて、そんなワカサギのメッカともいえる網走湖へようやく来ることができました。

 晴れ上がった土曜日とあって、湖にはかなり多くのテントが張られています。親子連れや友人同士のグループが多いようで、皆さん楽しそうです。

 私の車には、ワカサギ釣りができるように、ワカサギ釣りセットをソリに積み込んであるので、これを車から降ろすとすぐに湖面へと向かいます。

 管理事務所で料金を払いますが、大人一人800円はリズナブルですね。

 ちょうど事務所の方が出てきたので、「今日はどのあたりが釣れますかね?」と訊いてみました。

 すると、「そうですねえ、集金に歩きながら聞いてみたら、ここから遠い方が釣れてるという話でした。誰もいないところへ行ってみたらいいんじゃないですか」とのこと。

 こういうちょっとした話しかけ情報が釣果に大きく影響するかもしれないので、まずは情報収集です。


 言われた通り、集団のいるところからできるだけ離れたところに陣取って、まずは5センチほど積もった雪を取り除いてテントを張るスペースを確保。

 この中に、ドリルで穴を三個開けるのが我が家流なのですが、氷が思いのほか厚くて驚き。

 30センチくらいかと思ったら、1メートルほども削らないと水に達せず、途中に固いところと柔らかいところが交互にありました。

 こういう状態だとテントのペグが効かないので、今度からはいろいろと対策を考えないといけないかもしれません。


 なんとかテントを設営してテントの中で我々なりの釣りのシステムを整えます。

 全部の用意ができたのが9時40分で、大体15時までの5時間勝負です。


 しかしさすがはワカサギのメッカ、網走湖。まずはすぐに妻の仕掛けにヒットして、幸先は良いぞ。

 水深は1.6メートルとそれほど深くはありません。糸を巻き取るのにそれほど時間はロスしないので、手返しという、餌をつけたり魚を外したりする腕勝負と言う感じです。

          ◆  


 釣りはじめは妻の方にヒットが続出しましたが、途中からは私の竿に一投一匹という状態に。

 大きさや型にはばらつきがありますが、とにかく数が釣れるという点ではさすがの網走湖です。お昼の時間帯にちょっとかかりが悪くなりましたが、あとは本当にコンスタントに釣れてくれます。

 
 結局、5時間勝負で、私が109匹で妻が75匹と言う成績。まだまだ爆釣というわけにはいきませんが、初めてのいわゆる「束(100匹)超え」です。魚がいさえすればなんとか釣れるようにはなりました。

 問題は魚がいるかどうか、ですが、これは永遠の課題ですね。しかしさすがの網走湖です。


 網走から帰ってくる途中は各所で猛吹雪で高速道路は一部通行止めで怖い思いをしました。冬道の安全安心を守ってくれている、道路の維持部隊に感謝です。

 

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一夜にして消えたアイツ

2017-02-24 22:36:39 | Weblog

 まだ流氷を見たことがない、という妻と一緒に網走へやってきました。

 二三日前に流氷の動向が心配になって、網走観光協会に電話をしてみたところ、「今日は流氷が来すぎたために船が出向できず、湾内観光になりました」とのことで、ずいぶん流氷が来ているようではありませんか。

 吹雪模様の札幌を出発して、旭川経由で網走へ。途中、紋別自動車道が吹雪のために層雲峡から白滝の間が通行止めとのことで、石北経由で網走へ到着しました。

 網走の流氷観光船オーロラ号は、「道の駅流氷街道網走」が観光案内もかねて発着場になっています。

 今日は15時30分発の船を予約して、30分以上前に到着し受付へ手続きに向かいました。

 すると受付手前の看板にお知らせがあって、なんと「流氷はありません」というショッキングな知らせ。

 網走へ向かう途中でもネットで流氷があることを確認しながら走っていたのですが、現地へ到着してみると、「14時出発の船までは、沖で流氷が見られたんですが、今はいなくなりました」とのこと。

 人間、思いもしないことでショックを受けると、一瞬どうしてよいかわからなくなるものだということがよくわかりました。

 とりあえず流氷が見られない船はキャンセルをしたもの、テンションが下がり、ただうろうろと搭乗口付近を歩き回るばかりでした(笑)。


       ◆   


 気を取り直して、それでもなんとか流氷が見られないものかと、能取岬へ行ってオホーツク海を眺めてみようと能取湖畔の道を走りました。
 
 能取岬の先端には灯高21メートルで、白黒二色の灯台が出てきます。ここへ来るなんて何年ぶりでしょうか。

 
 岬の先端にはものすごい強風が吹いていて、降る雪片が痛くてたまりません。

 でも沖合を見ると岸から離れた流氷が浮いているのが見えました。


 
 強風の中をヒイヒイ言いながらも流氷を眺めていて、オーロラ号のショックが薄れテンションが戻ってきました。

 過去に二回、網走と紋別を流氷観光に訪れた時はいずれも流氷に嫌われていて、一度くらい船から流氷を見てみたいものだと思いましたが、まあ遠くからでもいいか。

 風任せ、運任せの観光って難しいものですね。

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あなたには引き出しがいくつありますか?

2017-02-23 22:56:00 | Weblog

 

 昨日、報徳について講演をして感心されたのは、残り時間3分でちゃんと終わらせたことでした。

 私の場合は作ったスライドに対して、一枚で何分話すかのイメージを決めていて、何枚目が終わったところで何分が経過するかのイメージを持っておきます。

 例えば下図のような感じで、これだと10枚目が終わったところで16分が経過する、という進行表を作るのです。

 昨日は全部で32枚のスライドを用意して、これで53分の進行表をつくりました。途中半分くらいまで進んだ時に、3分ほど遅れていたのですが、それを残りで調整して最後には終了時間をきちんと合わせて終わります。

「あれは5分伸ばしてください、と言えば、簡単に延長もできるのですか?」と訊いて来た方がいましたが、それも可能です。

 講演をするときと言うのは、1分、2分、3分、5分とそれぞれの時間で話すエピソードの引き出しから話題を取り出して話をしてそれを積み上げる作業です。

 だから、一枚のスライドが2分の割り当てだとしても、そこに2分の話題を引き出しから追加して取り出せば、4分の話ができるというわけ。また、そのぎゃくをすれば、4分話す予定を2分で切り上げることもできるのです。

 こうやって、引き出しから何分の話題を出したり引っ込めたりするか、ということを、全体の進行イメージと突き合わせて時間調整をする、ただそれだけのこと。

 つまりは、一話が何分間かかかるエピソードをどれだけ多く自分の記憶の引き出しに入れておけるか、ということが一番のポイントで、そのためには、一枚のスライドで、何分でも話せるくらいの話題を仕入れておくことが大事なのです。

 鍵は引き出しです。

           ◆ 


 その「引き出し」でもう一つ思い出したのは、「釣り」です。

 釣りに行って釣れないときは、(どうやったら釣れるのか?)と考えて、自分の経験と言う引き出しから様々なやり方を引き出して試してみます。

 「餌が悪いかもしれない」「誘い方が違うのかもしれない」「錘が悪いかもしれない」「なんといっても、魚がいないのかもしれない」

 でもそれに対して、餌を変えたり、誘い方や錘を変えたり、魚群探知機で魚がいるかどうかを探せばよい。

 つまりは、釣れるためにできることを自分の記憶の引き出しから取り出して試してみることが大事なのであって、自分の引き出しに経験や試すことのできる技が入っていなければ、お手上げになるというわけです。

 これこそまさに場数を踏んだからこそ得られる経験という財産であって、趣味も長年にわたり、一生懸命に深めてこそ得られるもの。

 つまりは経験と事前準備がどれだけできているかが、本番では生きるという事なのであって、「亀の甲より、年の功」というわけですね。

  
 さて、事に当たって自分はどれだけの引き出しを持っているでしょうか。一瞬一瞬を真剣に生きないと、引き出しは増えませんよ。

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報徳講演会~それは徳が足りないわ!

2017-02-22 22:23:18 | Weblog

 

 今日は私が勤める舗装事業協会の総会が開かれました。

 総会は大きな議論もなく淡々と進み終了しましたが、今回の総会では、「せっかく全道から多くの人たちが集まるのだから、少し役に立つような講演をしてはどうか」ということになり、私に白羽の矢が立ちました。

「小松さん、何かお話をしてくれませんか」

 そういうことなら、(では二宮尊徳の報徳のお話をしよう)と心に決めました。

 二宮尊徳は1787~1856年を生きた、きわめてすぐれた農村指導家であり、かつ思想家、そして実践家でした。

 彼は北関東の飢饉で疲弊した村々を救済して歩き、そのやり方を報徳仕法と呼び、彼を慕う多くの門人たちによってその仕法や考え方が広められました。

 彼の「道徳と経済は両方とも大切」とか、「分をわきまえて節約し、余ったら他に譲れ」という「分度・推譲」、小さなことをコツコツ続けることで大きなことができるという意味の「積小為大」などは、今日なおゆるぎない価値ある考え方だと思います。

 また彼自身の、自らは質素なみなりや倹約を旨とし、人一倍働くことで周囲の人々を奮い立たせるようなリーダーシップの姿も、今日の組織マネジメントには参考になることばかりです。

 しかし、時代背景として社会的な制度インフラが脆弱な時代に農村救済で光を放った報徳仕法でしたが、行政組織が整ってきた今日、また工業や商業、金融などが存在を増している今日では、報徳の思想が生きる場面は、個人の生き方の中だけなのかもしれません。

 私の中では語り慣れた二宮尊徳さんの人生ですが、やはり北海道の中では最近めったに聞かれなくなったようで、聞いた多くの人たちが「初めて聞きました。良いお話でした」と言ってくれました。

 誰も、なぜ学校の校庭に二宮尊徳の幼少時代の二宮金次郎の銅像があるのか、なんて考えたこともないし、聞いても教えてくれる人もいなかったことでしょう。

 中には、「ぜひうちの会社でも話をしてほしい」と言ってくれる方もいて、細々ながら、報徳思想の浸透に向けて努力していきたいと思います。


          ◆ 


 すると懇親会で挨拶に立った方が、こんな話を聞かせてくれました。

「今年のお正月にある銀行が、百年続く企業がどのような企業理念で会社を経営してきたかを調べてみたのだそうです。するとそれが『カ・キ・ク・ケ・コ』の頭文字で表現できることが分かったというのです。それは、
カ=感謝
キ=勤勉
ク=工夫
ケ=倹約
コ=貢献、という五つのことで、先ほどの小松さんの話にどこか通じるものがあるように感じました」

 まずは組織としてしっかりした理念をもった企業になり、それを実現するという目標を明確にすることが大事、ということなのでしょう。


 何人かと話をしながら、私のプレゼンへの感想を聞いているとある若い方がこんな風に言ってきました。

「いや、とても良い話で、もう少し勉強したくなりました」
「それは良いことですね、良い本もたくさんありますよ」
「ええ、それをわかりやすく教えてくれる漫画なんてありませんかね」

 ガクッ

「そんな徳のないことでどうしますかーー!(笑)」

 まだまだ話の通じない人がいるとは、私の努力が足りないのか。もっと精進しないといけませんね。

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新しい酒は新しい革袋に

2017-02-21 23:31:00 | Weblog

 以前伺った地方都市での農業の話。

 どこの町も同じでしょうが、人口が減り農業人口も減っています。

 ただその分は機械化と大面積化で効率を図り、大規模農業への変貌を図ろうとしているとのことでした。

「ところが、農業用機械はどんどん大型化しているのに、道路や橋などのインフラは昔のままです。機械は海外製で必ずしも日本の規格を意識するわけではありません」
「ははあ、なるほど」

「それに作業をするときは、ホースを背負ったり、薬剤を噴霧するようなスプレイヤーと呼ばれるような付属機器を装着して移動します。するとますます移動するときに幅が必要になります。狭い橋だと欄干にぶつかったりするからです」
「どうするんですか?」

「もちろん、その橋は通れないので、ぐるっと遠回りをすることになります。すぐそこにある圃場に行けずに遠回りをせざるを得ない。機械力で効率化をしようとすると、非効率が増すというのは矛盾ですね(笑)」
「効率化を古いインフラが阻害しているというのでしょうか」

「すでに出来上がっているインフラも時代遅れになることはありますよね。ただ維持管理をするだけではなく、やはり積極的な投資によって効率化を促進するインフラに衣替えをするようなことも考えるべきだと思います」

 既に多くの道路や橋が出来上がっていて、もう新しい施設はいらないのではないか、という声をよく聞きます。

 しかし時代が発展するためには、常に新しい時代に即したインフラが必要となります。時代遅れのレガシーになってしまっているのだとしたら、どうあるべきでしょうか。

 人口減少をイノベーションと効率化で乗り越えなくてはならない我が国のありようとして、いろいろと考えさせられました。


 産業の現場もそうですが、一人一人も時代の進歩についていこうという強い意志が必要になるのだと思います。今何が必要か、を考えて実践をする「生涯学習」は生き方の作法として必要なんだと思います。

 

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ネットでの買い物でのトラブル対応

2017-02-20 23:56:56 | Weblog

 私も時々ネットショッピングを利用するのですが、何もかもがうまくいくとは思わない方が良いという経験をしています。

【その1】
 昨年末に外国人アーティストの中古CDを注文しました。そしてその品の発送元はドイツということで、到着は1月中旬という事でした。

 ちょっとくらいの遅れなら、まあ待とうと思っていたのですが、二月になっても届かないのにしびれを切らして、Amazonまでメールを出しました。

------------- メッセージはここから -------------

1月12日に到着予定のこの品が、いまだに届きません。どうなっているのでしょうか?


------------- メッセージはここまで -------------


 するとAmazon側で調べてくれたようで、こんな返事がきました。

この度は、長らくお待ち頂いたのに商品が届いておらず、誠に申し訳ございませんでした。

何らかの郵送事故が発生したものと推測いたしますが、お客様には大変ご迷惑をお掛けいたしました。

大変申し訳ございませんが、弊社では商品の交換・再発送をすることがシステム上致しかねないため、本日弊社 (Importcds.com) システムにおいて返金処理を行いました。
返金は、お支払い時にクレジットカードを使用された場合はそのカードに返金され、コンビニ払いを使用された場合はアマゾンギフト券が発行されます。

           ◆ 

 続いてこんなメールも。

Amazon.co.jpをご利用いただき、ありがとうございます。

ご注文(注文番号:×××-●●●814-▲▲▲4644)に対して、importcds_comからお客様へ¥1,326の返金処理が完了しましたので、ご連絡いたします。


この返金は以下の商品に対する返金です。

商品: ◆◆◆◆◆◆
個数: 1
ASIN: ーーーーー
理由: 商品を受け取れませんでした

返金の詳細は以下の通りです。

商品の小計: ¥976
配送料: ¥350

以下に返金いたします。

Visaクレジットカード[有効期限 ××/▲▲]: ¥1,326

クレジットカード会社の対応により、返金されるまでに時間がかかる場合があります。

  ------- ここまで -------------------


 ネットで買えば全部確実に届くというわけではないことと、それでもちゃんとクレーム対応はできていて、返金するシステムができているという事がわかりました。


         ◆   


【ネット買い物 その2】
 もう一つは、ネットで購入したイヤホンの不具合。突然右側のスピーカーから音が出なくなり、それを報告したのです。

 すると、一年間は補償期間なので交換に応じます、という連絡が来て、「ただし、購入後一か月を過ぎているので、返送料金だけは負担していただきたい」とのこと。

 郵送で品物を送ると、今日になって「不良品が届きましたので、交換品を発送させていただきます」という返事が来ました。

 
 実は、商品が届いたのでもう過去のメールはいらないかな、と思ってメールを削除しようかと思ったのですが、ちょっと不安になって残しておいたのが功を奏した形になりました。

 
 ネットでの買い物でも、注文しっぱなしだとか、送りっぱなしというようなことでは困ります。

 上記のような返金対応や交換の対応など、ネットの向こうにいる人たちとのコミュニケーションを上手にとって、適切な対応をしたいものです。

 大切なのは記録をちゃんと残しておくということにほかなりません。肝に銘じておきたいことです。

 

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共感と参加を見える形で~冬季アジア大会開会式

2017-02-19 23:03:09 | Weblog

 今日から開幕の冬季アジア札幌大会の開会式を見てきました。会場は札幌ドームで、本当に久しぶりのドーム訪問です。

 この大会、あまり知名度もないためか札幌市内でもなかなか盛り上がらず、関係者は相当やきもきしていたようで、札幌市の秋元市長が、お正月の新年挨拶では必ず冬季アジア大会に触れるようにして、盛り上がりを訴えていたのが印象的でした。

 また一月末からは札幌市役所も様々な各種団体に対して宣伝活動を強め、わが舗装関係の協会にも宣伝に来られていました。

 そうしたこともあるのですが、やはり地元札幌市民としては、海外からの選手団を迎えるような国際イベントにはお金を払って参加するという姿勢でいたい、と思うので今回も妻と一緒に開会式のチケットを買って見に来たのです。

 
 札幌ドームへ来るのはもう思い出せないくらい昔のことですが、地下鉄福住駅から大勢のお客さんたちと一緒に歩いてゆきます。

 日ハムがもし球場を移転させるようなことがあるならば、こういう風景もなかなか見られなくなるかもしれません。

 
 開会式は、選手入場、主催者挨拶、皇太子殿下による天皇陛下の開会宣言代読と続き、セレモニーは終了。

 ウェルカムイベントとして、アイヌ舞踊、よさこいソーラン舞踊、ダンスなどがあり、大会の聖火点灯へと移ります。


 聖火点灯の前に会場が暗くなったところで、観客席からは沢山の人たちが、各自が持っているスマホをペンライトのように点灯させて応援しています。暗闇に星が光るようで、参加者の共感と応援が手に取るようにわかります。


  【暗闇にスマホのライトが光る】

 この時初めて、スマホを懐中電灯のように光らせるアプリがあると知り、その場でアプリをダウンロード。やり方を覚えると、その後は一緒にノリノリになり、ドリカムのミニライブでも大いにライトを使って盛り上がりました。

 
 もはやスマホには当たり前のアプリかもしれませんが、ようやくたどりつきました。これで暗い夜道も安心です(笑)。

 
 

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