北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

立教大学のシンポジウム【予定】

2005-08-31 23:32:20 | Weblog
 何となく長かった八月も今日で終わり。もう秋に気持ちを切り替えなくては。
 
 さて今日は、
■立教大学のシンポジウム の1本です。

【立教大学のシンポジウム】
 来る10月1日(土)の15時から立教大学が主催するシンポジウムが予定されている。

 会場は札幌プリンスホテルでテーマは「創造都市札幌の可能性~世界に向け、『眠れる資源』を掘り起こす」となっている。

 開催趣旨は、「札幌は人口180万人以上という大都市でありながら、自然が豊かで海が近くスキー場もあるなどの資質を有している。これらの創造的活動インフラは地域の活性化を呼び起こす資源でもある。これらの資源をどうやって活かせばよいのか?さらに眠れる資源を発見再評価してどのように付加価値をつけるのか?そのことを札幌や北海道の特性を活かした仕組み作りにいかにつなげて行くかを考えるたい」とされている。

 掛川で言えば、「地域学事始め」という言い方で我が故郷の魅力を再発見し、ここに済む事への誇りを持つきっかけとしたい、ということと同じと解釈される

 内容は大きく二部構成で、前半は講演で後半はディスカッション形式で進められることとされている。

 講演は北海道新聞社の佐藤光明事業局長が「『文化』がビジョンを持つと~札響再生」というタイトルで、また賀来景英大和総研副理事長が「『眠れる資源』の発見と再評価」というタイトルでそれぞれ45分の講演を行ってくださることになっている。

 そして後半は、上記お二人の講師に加えて立教大学の前田秀樹教授も加えての
パネルディスカッションになるのだが、コーディネーター役がなんと私という汗顔の至り。

 これも関係者で固めておいて、「頼むよ」と言われているのである。

 なんとも自信がないのだが、「まあ何事にも最初があるし…」と思ってお引きせざるを得ない雰囲気である。ううむ…。

    *   *   *   * 

 今日は立教大学のHさんがお見えになって、少し細かい打ち合わせと意見交換を行った。

 そこで、「なぜ東京の立教大学が札幌まで来てこのようなシンポジウムを行うのですか」と訊いてみると、「いまだに立教大学と言えば長嶋茂雄の方が有名なんです。しかしそれではこれからの大学全入時代を生きられません。旧帝大と早稲田、慶応しか大学じゃない、などと言われかねません」

「確かに立教と言えば長島ですね。学生さんはどこから来ている方が多いのですか」
「今は8~9割が東京出身者です。しかしこれって異常だと思いませんか?学問の場に多様な人材がいないというのはやはり良くないと思いのです。このような事が続けば、本学は他の大学からの人狩りの対象になってしまうでしょう」

「少子化というのは大学にとっては大変な危機なのではないですか?」
「もちろん危機です。しかし大学というのは上がいなくなっても、もっと下に仕方なく行って人たちが上がってくるだけという側面もあります。そのときの変化は行きたいところに行けているのか、ということです。大学にとっての少子化の危機というのは、人数減などではなく大学がその質をどう変えられるかということなのですよ。そしてそのための準備として思い切り離れた地域との連携や協働なども試みているのです」

 少子化の危機が「質が変わること」という視点は初めてだったので面白くお話が出来た。他に少子高齢化で、数が増えたり減ったりという視点でなく、質が変化するということがあるだろうか。
 行政的にも面白い視点である。

    *   *   *   * 

 夜に友人と飲みに行って、団塊世代のレクリエーションの話になる。

「小松さんが中川町へ行って三泊した話を読みました。僕も旅の醍醐味の一つには、その土地に地理感や土地勘が生まれることだと思うんです」

 知らないよりは知っている方が共感の対象になるに違いない。我々に必要なのは愛すべき対象だ。
 
 それがペットだったり子供だったり恋人だったり土地だったりするだけ。その数は多いほど良くはないだろうか。

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苗穂のまちづくりフォーラムに出席する

2005-08-30 23:37:34 | Weblog
 涼しいと言ったばかりに今日は随分ムシムシします。口は災いの元です。
 
 さて今日は、
■苗穂のまちづくりフォーラムに参加する の1本です。

【苗穂のまちづくりフォーラムに参加する】
 苗穂のまちづくりフォーラムに参加してきました。タイトルは「第13回フォーラム『苗穂再開発物語』~苗穂まちづくりの実現に向けて」というもの。

 会場は東区民センター大ホールで、参加者は地元住民など約300人。

 苗穂地区というのは、JRで南北を分断され片や中央区、片や東区と別れてはいるものの、道庁から東に延びる北三条通りの終点に苗穂駅を有し、古くは日本の近代化産業のシンボルでもあったサッポロビール工場や雪印乳業の工場などがあり、北海道の数少ない歴史性をくっきりと残す珍しい一角である。

 この地域は大都市には珍しく地域住民活動が活発で、もう13年にわたり住民主体の町作り活動が続けられている。

 平成13年には地区協議会と札幌市との間で「苗穂駅周辺まちづくりガイドライン」も策定され、まちづくりの実現に向けて一歩一歩着実な歩みを続けている。

 最近ではサッポロビール工場跡地にイトーヨーカドーの進出が決まり、併せてビール園のリニューアルも行わている。かつてののんびりとした地区のイメージを一新するような再開発が進められているが、これとて20世紀型の単に箱ものを作れば流行るという時代ではなく、地域との一体となった関係性が求められることだろう。

    *   *   *   * 

 もう13回目となる今日のフォーラムでは、そういった苗穂地区でのまちづくりの取り組みや動きを関係者が共有しようと言うことを目的として行われたものだ。

 まず最初に、この地区の再開発に陰ながら協力をしてきた都市計画家協会の有志作のビデオが紹介され、この地区の歴史が面白く映し出された。

 つづいてはいよいよシンポジウムである。
 出席者は、サッポロビール北海道本社部長、北海道遺産構想推進協議会事務局代表、JR北海道、東区苗穂地区連合町内会、中央区苗穂連合町内会のそれぞれ代表、そして私という組み合わせ。

 最初にこの地区が北海道産業遺産として北海道遺産に名を連ねたという辺りのお話をいただき、サッポロビールやJRからそれぞれの考えを聞かせていただいた。

 住民の皆さんからは路面電車の復活要望などもあり、いろいろな形で町作りに情熱を燃やす人たちがいるものだと感心する。

 私のパネルトークへの要求は、まずは都市再生モデル調査について。

 これは小泉政権になってから都市再生基本方針が作られその一環として始まった調査事業であるが、今回はこの苗穂地区まちづくり協議会が応募して見事当選を勝ち取ったのである。

 是非有効に活用して欲しいものである。

 あとのお話は、東区と言うことで私としてはどうしても大友亀太郎に触れざるを得ない。

 大友亀太郎は1834年に今の神奈川県小田原市に生まれ、22歳の時に二宮尊徳に弟子入りし、報徳の教えに触れたのである。
 その後函館開拓に力を尽くし、その功績が認められて1866(慶応2)年に札幌開拓を命ぜられました。

 今の札幌を開拓するに当たっては舟運が最も有効な物資運搬手段であり、そのため石狩川から茨戸川へ上り、今の伏古あたりから現在の札幌市中心部へと運河を造りました。

 これが世に言う大友堀で、この上流部は現在の創成川となり今も札幌市民の水辺として人々の心を潤しています。

 札幌市東区北8条東7丁目辺りから斜めに走る通称「斜め通り」はまさにかつての大友堀を埋め立てて道路にした名残です。

 札幌開拓はまさにこの東区から始まったのであり、そのDNAを持ち続けている苗穂の皆さんであれば、まちづくりもきっとうまく行くことでしょう。

 開発局も都市再生モデル調査を通じて、できるだけ応援をしたいと思っています。

 札幌市内の再開発では今一番注目すべき地区だと思いますよ。
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滝野公園へ行く

2005-08-29 23:51:31 | Weblog
 晴れていても、もうそれほど暑くはありません。クールビズがちょうど良い季節ですね。
 
 さて今日は、
■滝野公園へ行く の1本です。

【滝野公園へ行く】
 昨日のモエレ沼公園が北の公園の雄なら、南の公園の雄は国営滝野すずらん丘陵公園ではないでしょうか。

 今日は仕事の関係で滝野公園を訪れました。かつて所長までやったこの思い出深い公園ですが、4月に札幌へ帰ってきてからは初めての訪問です。

 公園は現在、敷地面積約400haのうちおよそ半分を開園しています。現在の整備は敷地の奥の方で森林体験ゾーンと自然観察ゾーンを行っているとのこと。

 樹木の生長が早くて、かつて苗木で植えた木も今では数メートルの高さになっていて間伐が必要です。

 自然観察ゾーンでは昔田んぼだった跡を水たまりにして、生き物の増加や変化を見守っています。

 この辺りでは夏にはヘイケボタルが舞う姿も見られて自然度が高いのです。

 水たまりの中にゲンゴロウを見つけました。最後にゲンゴロウを見たのはいつのことだったかの記憶もないくらいで、小学校低学年以来のことでしょうか。

 自然観察ゾーンという公園の中の区域は、面白いと思うネタをどうやって多くの人に見せる仕掛けを作れるかが勝負です。
 
 あまり興味のない人をどうやって植物や生態の面白さに引き込むか、という視点では、これと言って特徴的な動物がいない旭山動物園(失礼!)が、見せ方の工夫で多くのお客さんを迎え入れていることが参考になりそうです。

 いつも決まった視点から対象を見せるのではなく、対象が一番生き生きとする姿を見せるために一ひねり加えた視点に工夫がされています。

 そこにはお客さんに伝えたいものがあるという、おもてなしの心が見え隠れしています。

 滝野公園も民間やNPOなどの力も借りながら、自然の不思議や面白さにより多くの人が触れられるような工夫を重ねて欲しいものです。

 開園までにはもう少し時間がかかりそうですが、今から楽しみな空間です。

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やっとモエレ沼公園を訪れる

2005-08-28 23:51:53 | Weblog
 少し暑さがぶり返したような陽気です。まだ夏も捨てたものではありません。
 
 さて今日は、
■モエレ沼公園へ行く の1本です。

【モエレ沼公園へ行く】
 午前中に家の周りの草取りを終え、思い立って午後にモエレ沼公園へ行くこととした。

 モエレ沼公園は面積が189ha。札幌市が昭和54年からゴミ埋め立て場として使っていた場所の有効利用として作られたものである。札幌市では市街地を緑地が大きく囲むという「環状グリーンベルト構想」を打ち立てていたが、その拠点として昭和57年から造成を始めたのである。

 地域の住民にとって迷惑施設であるゴミ埋め立て場を、感謝の思いを込めて自慢出来る施設にして地域に返すというのは行政にとって最良の方策と言える。

 迷惑施設を受け入れた地域がいつまでも悲しい思いをするようでは、次に受け入れてくれる地域は現れないからだ。公園をそういう視点で見られるのがこの公園の大きな特徴の一つである。

 そしてこの公園のさらに大きな特徴は、全体のマスタープランを世界的な芸術家であるイサム・ノグチ氏に依頼したことで、公園の中の大きな地形から小さな遊具まで彼の芸術家としての思いが込められている。

 今までなかなか行く機会がなかったのだが、天気も良いことだしと思い切って妻を誘って見学に行くことにしたのである。

    *   *   *   * 

 出発してから気づいたのが今日は市内で札幌マラソンが行われていて、市の北部では道路交通規制があちこちにかかっていたこと。

 ぎりぎりまで行かないと分からないような規制に迷いながら、渋滞に巻き込まれて苦笑い。わざわざ混んでいるときに混んでいる方向へ行こうというのだから、ドジな話だが、まあこういうことも人生の彩りだ。人生に必要なものは少しのお金と笑い話の種だ。

 やっとのことで着いた公園は、午後2時半ということでそろそろ午前のお客さんが帰り始めた頃。駐車場はちょうど良いくらいに空き始めたようで、タイミングは良かった。

 公園の中ではまず東区で一番高い山になった、標高62mに造成されたモエレ山へ登る。このあたりはとにかく平坦な地域なので、標高62mというのは四方に卒然と立つ単独峰でもあり、眺めは良い。

 手稲山や藻岩山はもちろん、恵庭岳から樽前山、暑寒岳の方まで広がる石狩平野を一望に見渡せるのだ。

 園内は植栽や地形、ときどきおいてある彫刻作品、ところどころにある休憩所までは全て芸術的要素に満ちていて、実に興味深い。

 しかし単に動かずに静的な空間だけではなく、ときどき大きな噴水が登場する「海の噴水」や子供たちが入って歓声が上がる「モエレビーチ」、ガラスのピラミッドなど中で来園者が動きを楽しんだり、自らが動くことで風景になるという仕掛けが随所に伺える。

 もともとが平坦な地形の上に造成をして作り上げた公園だが、一目で全てが見えないように、地形や植栽を上手に使って近くまで行かないと気づかないような小さなエリアが点在するように作り上げられている。

 山を登ったり降りたり、広い園内を歩き回るのは実際にはかなりハードである。

 「お年寄りには大変な公園」と見るか、「これを楽しめるように健康作りをしたくなる公園」と見るか。

 家族連れが思い思いに楽しんでいる様子は実に好もしい。

 今年の7月に全ての施設が完成してグランドオープンをしたのであるが、こういう人気施設というものは、新施設の新規オープンという話題が無くなると入園者の興味を引くのが大変である。

 話題をどういう形で繋いで行くか、来園者と感動を共有する形で繋がり続けることが出来るかどうかが鍵のように思われる。

 それにしてもこれだけの公園が駐車場も入園料もタダだというのだから、札幌市というのはたいしたものである。

 これはまさに市民の財産ですぞ。   
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おやじの会と駒苫の「繋がらない話」

2005-08-27 23:57:17 | Weblog
 望み通り、台風が過ぎ去って天気は晴れ。台風は夏も持って行ったようで、北海道にはそろそろ秋が感じられるようです。
 
 さて今日は、
■おやじの会の役員会 の1本です。

【おやじの会の役員会】
 琴似中学校の父親の会である「おやじの会」の久しぶりの役員会。考えてみれば二ヶ月ぶりなのだが、普段はメーリングリストでやりとりをしているのでそんなに会っていない気がしない。

 秋は生徒との交流会の予定も多いが、学校側と連絡を取って日程調整や参加者募集をしなくてはならず、今日の議題はもっぱらそこにある。

 当面は三角山登山を9月11日(日)、バドミントン大会を9月18日(日)にすることなどを決めて、子供たちに参加者募集の紙を配布することにした。

 9月11日は衆議院総選挙だが、期日前投票か朝早くに投票してから参加していただこう。また18日はバドミントン大会の後に懇親豚汁大会も予定されている。

 豚汁大会になると手が足りず、ちょっと奥さんのご協力も得たいところである。

 おやじの会の最近の悩みは、新規に参加する父親の数が少ないこと。会長と「やっぱり最近のお父さんは忙しいんですねえ」と苦笑いをしあっている。

 もっともその前に、こういう活動があると言うことがまだまだ知られていない、というあたりに問題があるのかも知れない。
 しかし自分自身子供はもう高校生なのでOB会員ということで、学校との縁も直接はなくなってしまった。この会が学校との唯一の繋がりなのだが、その後ろには地域の姿をみていて、まあときどき近場の友達が集まって飲むのも良いかな、と思うくらいなものだ。

 11月20日には日曜参観があるのだが、このときに授業の一こまをいただいて「おやじの一言」という活動をすることになっている。これは授業時間のうちの20分ほどをいただいて、父親が自分の様々な経験や思いを子供たちに講義をするというものだ。

 子供たちだけでなく、PTAの親たちも後ろで聞いているので結構緊張するらしい。「らしい」というのは、私はまだこれに参加したことがないからで、実は楽しみにしていたりする。今度のこの場では統一的におやじの会の宣伝をしようと思っていて、保護者の皆さんにも認識を持ってもらうのが良いだろう。

 知ることは全ての始まりだからね。

    *   *   *   * 

 夜の臨時ニュースで、高野連が駒苫に対する処分を発表。子供や父親との和解も成立して、優勝旗返還の必要もなく秋季大会への参加も認められたとのこと。まずは良かった。

 肉体的接触を伴う(暴力に見える)指導は事実が目に見えるから社会的問題になり、いかなる形であろうが言葉による指導は社会問題にはならないのなら、先生はやはり安全な方に身を寄せたいものだろう。

 現場のその一瞬における指導とか教育というのは一体どういう事か、という現場感覚を、遙か後ろにいて時間も後知恵で考えられる人たちが論評すると、どうしても「こうすべきだった」という建前論でしか語れなくなってしまうのだ。

 歴史も同じ。その瞬間に立ち会ってその瞬間に判断し行動しなくてはならない現場感覚に対して、後ろにいる指導者は常に共感とあるべき方向を伝え続けなくてはならないのだ。

 ここが繋がっているかどうかが、良い組織とそうでないところとの差になって行く。
 たたいてしまったという部長さんが校長、監督、高野連と繋がっていたか。さらに言えば、たたかれてしまった子供は部長や監督、高野連とまたはそういうことに厳しい社会と繋がっていなかったのだろうな。

 心でも繋がっているかどうかが肝心なんだけど。
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北海道観光をビジネスで考える

2005-08-26 23:53:32 | Weblog
 台風の余波を受けて道内も荒れ模様の天気。これが過ぎれば台風一過ということにならないものでしょうか。
 
■北海道観光ビジネス・フォーラム の1本です。

【北海道観光ビジネス・フォーラム】
 北海道観光ビジネス・フォーラムを覗いてきました。これは今では同じ省庁となった北海道運輸局を始めとする観光関係団体からなる推進協議会が主催するもので、海外客誘致のために主にアジアを中心とした旅行エージェント達に北海道を知ってもらい、北海道の観光を海外に宣伝する大きなイベントである。

 このイベントは今回が3回目ということだが、前回などはこのフォーラムに参加した旅行エージェントにより新たな北海道への旅行商品が造成されるなど、誘客増に繋がりつつあるのだという。

 さて今回のフォーラムは、市内のロイトン札幌ホテルで開催され、午前中に道内有名観光地のプレゼンテーション、午後は値段などの交渉も含めた商談会、そして夜は道内観光関係者も集まるレセプションという訳である。

 海蓋からの参加者は、中国旅行エージェントが5社6名、シンガポールから6社6名、それ以外にもタイ、アメリカ、カナダなどから、エージェントやマスコミなど全部で82社から84名の参加者を得ることが出来た。

 また道内からはPRブースとして14の地域・企業、商談会には49企業・団体が参加をして下さった。

 今回海外エージェントの皆さんに対して行った試みは、札幌から始めて札幌に終わるのではなく、いくつかのコースを設定して先に釧路や函館、新千歳など先に遠くに降りたってもらい道内を見学した上で商談に望んでいただこうというものだった。

「私はその方が現実感を伴うので商談がしやすいように思いますが、いかがでしたか」と訊いてみると関係者の一人は、
「そのことは良かったのですが、今日の午後にはもう疲れてしまった方も多くて、部屋で休んでいる人も多いみたいですね。難しいなあ」と苦笑い。なるほど、気づかない苦労もあるものだ。

    ※    ※    ※    ※ 

 さて私の方は、夕方頃商談会のほぼ終わり頃から参加して、観光関係者が出している暇そうなブースを訪ねて歩いては道内観光の最前線の人達の感想を訊いて回ってみた。

 出展しているブースはファーム富田さんやノーザンホースパークなど有名民間観光どころや、ニッカウヰスキーなどのメーカー、有名ホテル、各地の観光誘致協議会など多彩である。

 日本人が立ち上げたというシンガポールの旅行代理店の美人の女性スタッフがいたので、「北海道がより観光を振興していく上で足りないものはなんだと思いますか?」と訊いてみた。

 すると突然の質問に苦笑いしながら「そうですね、ちょっとしたおもてなしの心が世界標準と違うと言うことはありますね」
「おもてなしの世界標準とはどういうことですか?」

「例えば女性が荷物を持っていればそれを持ってあげるだとか、レディファーストだとかいうことへの気持ちがまだむいていないように思います」とのこと。なるほど。


 札幌市の観光協会にも美人が二人いたので「札幌市は大体海外からのお客さんが立ち寄ってくれるのではないですか?」と訊いてみると、
「はい、確かに最後の帰る前の夜は札幌に泊まってお土産を買ったり、飲食に繰り出すという行動パターンのお客様は多いです」

「安心していますか?」と訊くと、「いえいえ。最後は札幌だとしてもその前にどこの町と組んだプランを出せるか、ということがありますから」とのこと。ふーん、なるほどねえ。

「お客様の不満というのを聞きますか?」と訊くと、「そうですね、特に中国のお客様は食事というのは余らせるくらいに出すのがもてなしだという考えなので、日本の会席料理などには不満を感じることが多いようですね。ですから食事はバイキングにして食べ放題にしていただくというプランは結構人気のようですよ」
「なるほど、お国柄を反映する声にはいろいろありますねえ」


 旭川の観光協会も出展していたので、「旭山動物園が大層な人気ですが、今旭川で動物園以外のお勧め観光スポットはどこですか?」とちょっと意地悪な質問をしてみた。
「旭山動物園は昨年よりも更に入園者が増えていて好調です。その次と言われると新しいところで科学館が宮前通にオープンしましたので、それらを結ぶ周遊コースを売り出し中です」とのこと。

 もっとたくさんお訪ねをしたかったのだが、終了時間でもうブースの片づけが始まってしまった。次の機会はもう少し余裕を持ってお訪ねして、観光地の最前線の現場感覚を養いたいものだ。これこそ現場が一堂に集まる格好の機会だったので、ちょっと残念なことだった。

    ※    ※    ※    ※

 レセプションには400人くらいが参加して、お偉いさん達も多数駆けつけて下さり挨拶をしてくださった。

 今回国土交通本省からは観光担当審議官として文科省出身の大西珠枝審議官がお見えになったのだが、彼女は文科省女性キャリアとして榛村さんに請われて掛川市の教育長をやられたというご縁がある。

 先日も本省をお訪ねした際に挨拶をしてきたところだが、こんなところで私の細い人脈が役に立つとは思わなかった。つくづく掛川での縁の繋がりの面白さを感じずにはいられない。
 
 麻田副知事さんなども見えられて気軽に声を掛けて下さったが、今後の観光問題を是非ご一緒に考えて行動していただきたいものだ。

 観光関係の重鎮に数多く会えて心は大満足。

 3年間のブランクによる人間白地図を塗って歩くのはなかなか大変だが、これにもきっとレバレッジポイントがあって、ある程度の人脈の広がりが出てくればそこから先は急速に知り合う人の数が増えるという現象が起きるものだ。

 まだまだ名刺の数も足りないし、関係構築が加速するのはこれからですぞ。
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雪氷輸送シンポジウムin東京

2005-08-25 23:56:05 | Weblog
 雪氷輸送物流システム検討調査(詳しくはここ)の意義について東京でシンポジウムを開催しました。台風11号の本土直撃を受けながらの綱渡りでした。

 今日は、
■北海道の氷が東京を冷やす の1本です。


【北海道の氷が東京を冷やす】
 テレビの天気予報では各局がこぞって台風11号の本土上陸に警戒を呼びかけるなか、北海道から嵐の中へ飛び込んでの雪氷輸送シンポジウム「北海道の氷が東京を冷やす」を開催した。

 会場は築地にある朝日新聞本社横の朝日ホール。

 雨の東京へ向かうのに傘を忘れて、地下鉄大江戸線築地市場駅のコンビニで傘を買ったら、なんとホールまでは地下鉄駅から雨に濡れずに行けるのであった。
 ほんのちょっとしたうっかりのダブルで傘が一本無駄に増えました。

 写真にあるように、会場の入り口には今回プレ輸送調査で用いた氷を切って並べてみた。

 北海道の自然の氷でひんやりを味わってもらいつつ、北海道の氷を見てもらい、シンポジウムの関心を高めようと言う試みである。陰ではスタッフが2m×1m×45cmの氷を地下の駐車場で汗をかきながら大きな氷切り鋸で切り出して、台車で3個ずつ持ち上げるという苦労があった。

 氷には潜熱という性質があって、「0℃の水」と「0℃の氷」の間には80calの熱量が潜んでいるのである。水1gの温度を1℃上げるのに1calの熱量を必要とするから、「0℃の水を80℃のお湯にするだけの熱量」と「0℃の氷と0℃の水にするだけの熱量」は同じなのである。

 だから氷を運んでいるということは、同じ重さの水に加えてそれだけの冷熱エネルギーを運んでいるということにもなり、これを冷房のエネルギーにしようと言う発想なのだ。しかし実際に扱ってみると氷は重くて滑るので扱いがなかなか難しい。また自然状態での保存も課題だ。

 こういう可能性や課題についてお伝えをしようと言うのが今日のシンポジウムなのである。

    *   *   *   * 

 14時半から始まったシンポは、大規模長期食料備蓄基地構想推進協議会事務局長の小嶋英正氏による氷と我々の社会の関わり、そして今日までの経緯などが紹介された。

 この中では選挙で話題の国会議事堂も氷冷房のシステムが作られているという秘話が紹介された。今は使われていないが国会議事堂も建築された時代にあって、最新でかつ環境に優しかったのである。
 小嶋さんの夢は、「いつか国会議事堂を氷で冷やしてやりたい」というもの。実現の正否はこの雪氷輸送プロジェクトにかかっていると言えよう。

 続いては各界の皆さんによるパネルディスカッションで知見紹介と意見交換。

 コーディネーターは、朝の情報番組「みのもんたの朝ズバ」に月曜日のコメンテーターとして出演中のジャーナリスト木元教子さん。

 パネリストとして、建築分野から横浜国立大学の佐土原聡先生、室蘭工業大学の媚山政良先生、環境ジャーナリストで東京の打ち水プロジェクトの仕掛け人でもある枝廣淳子さん、国土交通省からこの雪氷プロジェクトの仕掛け人の川合紀章調整官、そして小嶋英正氏をお迎えした。

 コーディネーターの木元教子さんはさすがに場の仕切が上手で、シナリオからはずれる話題を誘いながら、しっかりとポイントを抑えて元に戻してくださる。

 枝廣淳子さんは環境問題で、「海外の情報は日本にたくさん入ってくるけれど、日本の環境対策などの情報が世界になかなか発進されないのが残念」という立場から、Japan for SustainabilityというNGOを立ち上げて、英語で情報発信をされている、環境の世界では著名な女性である。(ホームページはこちら

「環境は少しずつ変化していく中で、突然自己増殖的に劇的に変化する瞬間があって、それをレバレッジポイント(テコの点)と呼んでいます」というのは怖い話。

「例えば北極の氷が今溶け始めていますが、最初は氷は白いので光が当たってもほとんど跳ね返してしまい熱の均衡が保たれるのですが、氷が溶けて海面が出てしまうとそこは黒いために熱を吸収して海水温が上がりさらに氷の溶けるスピードが上がるという悪循環が急速に広がるのです」

「また、今ロシアの永久凍土が融け始めています。これは二酸化炭素の増加などによる大規模な地球温暖化が原因と言われていますが、永久凍土が融け始めるとそれまで地下に押さえ込まれていたメタンが放出し始めます。メタンの温暖化促進率は二酸化炭素の16倍と言われていて、じわじわとした温暖化がメタンの放出に繋がるとある時点で一気に温暖化が進むということになりかねないのです」

 なかなか怖い話だが、メタンハイドレートの問題はまた別の機会に譲ろう。

 佐土原先生からは、「エコアイスは本来は水でも良い冷房を氷で行うので省スペースで冷房をするのに良いが、これまで自己閉鎖システムが前提であるので、水の管理や安定供給に難があります。神戸の六甲アイランドなどでは供給出来るときだけ温水が利用出来るという『なりゆき供給』ということも始まっているので、参考になるかもしれません」とのこと。

 媚山先生からはこれまでの沼田や美唄での雪冷房の取り組みが紹介され、また氷で直接冷房をすることもありえるのではないか、との提言があった。

 枝廣さんからはさらに「『環境意識が高まれば…』と言う前提は難しいと思います。環境コストの負担に対しては一般の人たちの応援が必要で、そのときにはロマン、楽しさ、恋人との共有、見えやすさといった要素が必要なのだと思います。私も今回初めてこのようなプロジェクトが動いていることを知りましたけれど、もっともっと私も含めて情報発信をしていただきたいと思います」とのこと。

「アイディアですけれど、都会から委託を受ける冷蔵庫をつくってはどうですか?」との枝廣さんに、木元さんが「そうよ、巨大な雪のワインセラーを作るのよ」で会場は爆笑でした。

    *   *   *   * 

 枝廣さんは今年札幌へ来たそうだが、「とても良い言葉を知りました。『もったいない』は最近話題になってよく知られていますが、北海道では『いたましい』って言うんですね。東北では『いだますぅい』です。この『もったいない』という概念は韓国、台湾、タイ、フィリピンなど東アジアの人たちは感覚的に分かるのですが、英語で説明ができません。『もったい』というのは、そのもの自身が持つ『全うすべき役割』でそれが中断されるから『もったいない』なんです」

「北海道と東京が氷で地域連携をするのに加えて、意識の地域連携も出来ると良いですね」とのこと。

 木元先生は最後に「台風なのに来てくださった会場の皆さんに感謝申し上げます。このように、氷の冷熱エネルギーを使おうというので、ものは冷たいんですけれど、やっている人たちは熱いんです。これからも関心を持ってください」と言ってくださった。

 会場からは「台風で来るのを止めようと思ったけれど、来て良かった」という声が聞こえた。

 今日の参加者は約250人とのこと。第二弾、第三弾の東京シンポジウムや札幌での開催なども考えられるかも知れない。

 我々ももっと情報発信をしなくてはならないことを痛感した。この東京で多くの人たちの関心を呼ぶことは簡単ではない。

 しかしまずは情報発信第一弾が成功と言って良いだろう。関係者の皆さん、ご苦労様でした。

    *   *   *   * 

 帰りの頃には静岡県が暴風圏内に入っていて、9時の最終便が飛ぶかどうか冷や冷やしながら空港へ向かう。

 飛んでしまいさえすればなんとかなるとは思ったが、なんとか欠航にならずにすんだ。航空会社もがんばっている。

 ま、皆がんばっているのだ。

 


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野生の厳しさと苫駒

2005-08-24 23:55:32 | Weblog
 昨日の室蘭市に関して言い忘れたことが一つ。室蘭市のホームページには市内の企業さんのバナー広告が貼られている。収入確保の一策だが、なかなか面白いではありませんか。

 今日は、
■野生の厳しさ
■駒苫の不祥事 の2本です

【野生の厳しさ】
 東京から知人が来て、懐かしく一杯飲みながら情報交換。

「北海道の知床が世界自然遺産に登録されて、一体何になるのかね」とその知人はやや懐疑的。

「北海道では普通の国立公園から頭一つ抜けたと言うことで喜んでいますが、それは単に観光客が物珍しさからたくさん来るだろうと言うことではなく、これを機会に自然と人間との関わり方をもう一度見直すきっかけにして欲しい、という事だと思っていますよ」と私。

 すると山登りが趣味の知人は「そうそう、来年は知床に行こうと言っているんだけど、道内の山に詳しい人に『知床半島の先頭まで歩いていけないの?』と訊いたら『道がありません』と言われましたよ。だから『それなら、春先で残雪がまだ残っているときならどう?』とさらに訊いてみたけれど『それでも無理』なんだって。やっぱり秘境なんだね」と感心している。

 しかし地元では人間と自然との関わり方が間違った方向に行っていると感じている人も多く、斜里町長などもその一人だ。

 私も以前長野で公園を作っていたときに、公園敷地の中に野生の猿が多くいたりツキノワグマも出るようなところだったので、来訪客を条件分けして、フリーに誰もがいけるところに制限を加えることを考えたことがある。

 そのときは、来園者に30分程度のオリエンテーションを受けてもらって自然に対する簡単な関わり方の講習済みの人に対してバッジや手帳で認証を与えて、そのバッジが無ければここから先は行けないというような制度を作ってはどうかと考えたのである。

 来訪者にも自然のことがちゃんと分かっている人もいれば、全くそういうことを考えずに遊び半分で来る人もいて、そのようなグループを自然認識能力に応じて適切に分けるということが必要なのだと思うのである。

 その能力はちゃんと講習などでスキルアップ出来るようなカリキュラムを組んで、素人でも回を重ねたり経験を積むことで知識や行動を身につけて行くというシステムを組めばよいと思うのだ。

 かつて楽しんだダイビングの世界では、段階試験を受けなければ潜らせてはくれないシステムが組まれていて、オープンウォーターという資格が最低のものだ。

 この上に認定組織にもよるがアドバンス、レスキュー、ダイブマスターなどといった資格があって、ダイビング本数も充分無ければ受験も出来ないという厳しいものだ。なにしろ事はまかりまちがうと生き死にの問題になるので真剣さが要求されるのだ。

 ダイビングが面白いのは、潜ったときに必ずログブックに潜った日時や状況などを記録することが約束になっていて、バディというペアを組んだ人やインストラクターのサインをもらって、何本ダイバーかということがそのまま経験の重みに繋がるようにシステム化されているのである。

 だから知床など一定の条件の自然の中を訪ねるときもしっかりとしたインストラクターと一緒に散策やトレッキングを楽しんだら記録を取って、その回数で他人を指導出来たりするような資格を作ることが有益だと思うのだ。

 そういうシステムはおそらく今日の環境保全の観点からは利用者にも受け入れられるだろうし、そのことが新たなビジネスを生み、来訪者のレベルアップにも繋がるという効果も期待出来ると思うのだ。

 登山やキャンプなど、回数をこなすことで経験を積んで行くタイプのレジャーについて、このような資格制度を社会が認知することが必要な時代になりつつあると思う。

 そうしなければ、本人の経験や実力が客観的に明らかにならず、まさに自然と人間の関わり方が乱れてしまうことに繋がって行くに違いない。自然と付き合うには経験故に身に付く眼力が必要なのだ。

 ちなみにダイビングの免許には公的な免許はなくて、民間団体がいくつかあってそれらが似通いながらも異なる免許を発行している。そうやってしっかりした団体とだらしない団体を競争させて、互いを切磋琢磨させるというのが理にかなっているだろう。

 私はレジャーに公的な免許制度などは必要ないと思っている。

    *   *   *   * 

 飲んでいるときに別な知人からは「キタキツネだって、完全に野生のものと人間からもらう餌を当てにするようになってしまったものとは、しっぽの形が変わってしまうんですよ」と教えられた。

「野生のキタキツネにとっての武器はおよそしっぽくらいしかないから、獲物と格闘するときにも大事なんだと思うのですよ。まさに人間が背筋がちゃんと伸びているようなもので、餌をもらうようになればしっぽがピンとしなくなるんです」とのこと。

 そういえば自分も背筋が伸びていたかなあ。

【駒苫の不祥事】 
 高校野球に連覇を果たした駒大苫小牧が部長の暴力事件という不祥事に揺れている。

 学校だったかメディアだったか忘れてしまったが、外からの電話では6割が「子供たちには関係ない話だから優勝の剥奪はしないで」というもので、4割が「不祥事で出場を辞退した明徳義塾高校と同じ扱いにしないと不公平だ」というものだったとか。

 今回の場合は生徒の不祥事ではなく、どちらかと言えば先生の不祥事とも言えるもので、まさに「子供たちには関係ない話」である。

 これで優勝が剥奪されるようなことがあっては、教育的配慮も行き過ぎという意見の方が多くなるだろう。

 どのような状況の下でどのようなことがあったのか、という事実関係を把握することがまず第一だと思うが、その後の判断が「暴力絶対悪」という狭量な思想に貫かれるとすると、暴力肯定とは別に個別の事由について判断する常識力を自ら放棄することになると思うのだ。

 愛のムチなら良くて、感情をぶつける暴力行為ならいけないというのは簡単だが、その瞬間にそれらがどれくらいの割合で混じり合ったものなのか、ということも重要なように思うが、どうだろうか。

 「殴られるようなことをする子供も問題だ」と切り捨てるのも逆な意味でやはり間違いだ。問題を白黒二元論で切るのではなく、社会とはそれらが複雑に混じりあった存在なのだ、ということへの真摯な眼差しが必要。

 そういう意味では教育的な事件だが、はてさてどのような裁定が下るのか。

 興味というようなものではなく、固唾をのんで見守っているのが道民のほとんどですぞ。
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室蘭市でITの講演をする

2005-08-23 23:58:05 | Weblog
 午後に室蘭市に招かれて北海道開発やらITに関する講演をすることになっている。実は室蘭市はわが生まれ故郷なのである。さてさて…。

 今日は、
■室蘭市での講演 の1本です。


【室蘭市での講演】
 午後一番の電車で室蘭市に向かう。

 今日は室蘭市で開催されるIT勉強会の講師としてまちづくりやらITに関するお話をして欲しい、と言う要請を受けてお訪ねをするものである。

 我が課は北海道開発行政に広く薄く関わっているので、北海道開発に絡めばかなりの課題についてお話が出来る立場なのが嬉しいところ。

 室蘭市で行われる勉強会は室蘭市と岩手県の水沢市と掛川市が総務省から委託を受けて社会実験的を行いその成果を持ち寄ったりそれぞれのITの状況を勉強しあおうという趣旨で開催されたものである。

 講演の前に市の助役さんに挨拶かたがたお話を伺うと、「ITなどはアウトソーシングに一番適しているように思えて、民間にやってもらう方が良いと思っているのです」とのこと。

 一方私の方は、「そういう面もありますが、掛川などではシステムエンジニア級のを雇用していることで、メーカーからの見積もりなどにしっかりとした目でチェックをしたり、カスタマイズやちょっとしたソフトなどはメーカーに頼らずに自分たちで使いやすいように作れてしまうという面もあります。ITに関するメーカーからの見積もりは分かりづらくて額が大きいので、ちょっと中身をつつくだけでウン百万円くらいは浮いてくることもありえますよ」というお話をした。

 「しかし職員を抱え続けても業務とのバランスがとれないのでは」というので、「そういう意味では周辺の自治体とITに関する共通の職員を一部事務組合的に確保しておいて、それぞれのITの問題を解決してもらうことも良いのでは」という思いつきだが、面白そうな発想も出た。

 メーカーやソフトの統一はいつか来るかも知れない合併にとっては大きなプラスの要素である。なにかそういうことも考えられるかも知れないね。

    *   *   *   * 

 さて、講演の中身の主な部分はITに対する職員マインドの確保、何のためにITを導入するのか、といった視点が中心。

 職員の中にもITが苦手という人がいて、特に幹部職員にそういう人が多いことがその推進のネックになっている場合も多い。

 こういうことの導入にはスピードが大事なので、自治体とすれば部課長任せにするのではなく、首長もしくはせいぜい助役が先頭に立って部長以下を指導しなくてはならない、と言うのが私の持論。

 その際の改革も、叱られて不満を持ちながらやるのではなく、どこか遊び心を加えながら楽しみながらやれるような事がよいと思うのである。

 掛川では各課対抗ホームページ競争を行って、ホームページの優劣を争ったが、優秀なところには金一封をポケットマネーで出し、劣悪なところには助役と懇談をするという信賞必罰体制で臨み、推進を図ったことが面白かった。

 またITの推進は、市長が自慢話にするためでも自治体対抗ITランキングをあげるためでもない。市民がその事で満足と幸せを増すことになるか、市役所と市民がより繋がる機運を醸成出来るのか、といった視点を持ち続けることが重要だ。

 何のために、という視点をぶれずに持ち続けてよりよい社会をITが黒子になってサポートして欲しいものだ。

 こういう話は、助役さんに聞かせたかったけどなあ。

 
    *   *   *   * 

 さて、室蘭市は私の生まれ故郷なのだが、生まれた後の記憶は全くない。幼いときの記憶は3歳の時の稚内から始まっているのだが、実は生まれた後すぐに室蘭を離れているのである。 

 室蘭市はかつては人口16万人ほどの鉄の町で、四つの高炉で鉄を生産していたものだが、今では高炉も一つになり人口がこの4月でついに10万人を切ったのだそうだ。

 それでも町の面積は80平方キロメートルほどだから、こじんまりした町の感じ。

 小さい町には小さい町なりの良さがあるはず。行政からの声を市民により効率的に伝えるツールとしてのITの役割もあるはずだ。

 次に来るときは明るさが増していることを願っています。お世話になりました。


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珍客と氷の行方

2005-08-22 23:35:48 | Weblog
 曇り。そろそろ涼しくなってきました。

 今日は、
■珍客来訪
■雪氷輸送の氷 の2本です。


【珍客来訪】
 机の電話が鳴って、「小松です」と言うと、電話の向こうからは「実は私、掛川へ研修に行って、『出身が札幌です』というと現地の方から『それだったら、是非帰省したときに小松にあってくれ』と言われました。本もいただきました」と言う。

「つきましては、今日よろしければお訪ねしたいのですが良いでしょうか」と言うので、「じゃあ午後二時にお待ちしています」と答え、さんざん会話をした後で「ところで、お名前は?」
 
 まだ名前も名乗ってくれていなかったのだ。さらに良く聞けば、中央大学の法学部に所属していて、良く存じ上げている中央大学のK先生のゼミで掛川を現地視察した際に、地元のNPOスローライフ掛川の皆さんたちと仲良くなり、そこで出た話なのだという。

 なるほど、K先生の学生ならばこちらも縁があるのだろうと思って、訪問を受けた。

 やがて午後に訪ねてきたのはまだ幼い感じの男の子。

「誰に『あうように』と言われたの?」と訊くと、「ええと、忘れましたけど髭を生やした人でした」とのこと。

 まあ吉○さんだろうとあたりをつけてみれば「そうそう、その人です」とのこと。

 やっぱり。

 札幌の学生さんが東京の大学で勉学に励み、研修で静岡県の地方都市を訪ねたというのだから、まあそれまでの自分の知らない日本を少しは味わえたことだろう。

 それにしてもわざわざ掛川の縁を引きずって、訪ねてきてくれるとはありがたいものだ。

 私の本もぼろぼろになるくらい読んでくれたようで、これまた嬉しい限り。

 こういう縁がどうなるかは分からないけれど、新しい人と会うことは楽しいことだ、というマインドを持てば、「犬も歩けば棒に当たる」ような気がする。

 H君、がんばって夢を実現してください。

    *   *   *   * 

【雪氷輸送の氷】
 25日の雪氷輸送シンポジウムに向けて、花を添える意味で北海道で保存されていた氷を東京のシンポジウム会場に向けて運ぶ計画を立て、その実施に向けた詰めに追われる。

 氷は大きさが2.1m×1.2m×45センチという大きさの大きいものだが、これを6枚運んで、プレ実験的にどれくらい融けるかということも併せて調査しようというものだ。

 しかしシンポジウム会場に積む氷は1~2枚もあればよいので、氷が余ることになる。それをどこで処理しようかということが問題になり、いろいろと話をしているうちに、お台場でフジテレビが開催している「お台場冒険王」に持ち込んでも良い、という話が浮上した。

 先方からはいろいろと条件が付いたのだが、その一番は「25日に台風が上陸するという情報もあり、その場合はイベントは中止になるので受け入れられません」というもの。

 25日の台風上陸なんて事になると、その日の朝一番で飛ぼうと思っている私も危ないと言うこと。

 うーん、どうなるんだろう。参ったなあ。

 天気を祈るばかりである。


 
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