北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

稲盛和夫さん逝く ~ 人間力と利他の精神

2022-08-31 22:45:41 | Weblog

 

 名経営家の稲盛和夫さんが亡くなられたとのこと。

 会社を経営するということは常に利益を得て会社を存続させ、さらには拡大するという使命を負うものです。

 そこにはしばしば「安く仕入れて高く売る」から「他人を蹴落として利益を得る」といった自分さえよければ、という考えに陥りがちです。

 もちろん利益を得られずに会社が立ち行かなくなってしまっては困るのですが、それにしてもそこには何をなすべきか、という哲学(=フィロソフィ)がなくてはならない、というのが稲盛さんの基本的な考え方でした。

 稲盛さんはご著書を何冊も出しまた「稲盛和男 OFFICIAL SITE」でも読めるので、その中でご自身の考え方は常に開陳しています。

 そしてその中でも「フィロソフィ」という言葉に強い意味を持たせています。

 稲盛さんの言うフィロソフィとは、①会社の規範となるべき規則、約束事、②会社が目指しべき目的・目標を達成するために必要な考え方、③企業に素晴らしい社格を与えること、を挙げて、この三つのさらにベースとなる四つ目の要素として④「人間としての正しい生き方、あるべき姿」を掲げられています。

 そしてそれらは「知識として理解される」のではなく、実践してゆくことこそが大事なのだ、とも。

 この「人間としての正しい生き方・あるべき姿」として稲盛さんはしばしば「利己的ではなく、利他的であれ」ということを説きました。

 このような稲盛さんの言説に触れるたびに、私にはこのような人生哲学の先駆者でありまた稲盛さん自身も尊敬していたという二宮尊徳翁の報徳哲学との親和性を感じます。


 二宮尊徳の報徳哲学(=報徳思想)では、四つの綱領として「至誠・勤労・分度・推譲」を掲げています。

 至誠とは誠実であれ、ということ。日本人が嘘を嫌い、また日本は落し物がちゃんと届けられる社会であるということの背景には、「誠実であるべきだ」という価値観が広く支持されているのだと思います。

 勤労とは働いて労働の対価を得て暮らせる自立の力をもて、ということ。これが行きすぎると労働時間無制限と言う働きすぎという負の側面も現れますが、やはり日本人には「働くことは良いことだ」という価値観が広がっているのだと思います。

 分度というのは、今日なかなか使われない単語になりましたが、文をわきまえなさいということ。それは収入が少ないのなら倹約をしなくてはならない、という"わきまえ"ですが、一方で金持ちには金持ちなりに使うべきところに使うという"わきまえ"もあるのだと思います。

 そういう意味で借金と言うのは収入以上の暮らしをしているという意味で、分度ということを思い出す方が良いでしょう。

 そして推譲ということ。これは「分度によってゆとりができたならばそれを他のために譲れ、差し出せ」という考えです。

 これが稲盛さんになると「利他的であれ」ということになるのでしょう。

 ただ報徳でいう推譲は、他人のためだけではなく子供や孫、世間、未来にも譲れという対象の広い使われ方をします。

 例えば「目の前の食べ物を今食べてしまわずに明日に譲る」「今年の蓄えを来年に譲る」などで、これらは資源を大切にしてサステイナブルな暮らしを目指す今日のSDGsにも通じる、先駆的な考え方でありましょう。

 
      ◆


 稲盛さんの主催した「盛和塾」では、国内でも優れた経営者を育成しましたが、お隣の中国でも多くの経営者に支持され、拝金主義のはびこる中国でもそんな経営を理想とする稲盛ファンは多かったのです。

 そして稲盛さんが慕われたのはそうした哲学を口で唱えただけではなく自ら率先垂範して実践をしたことです。

 自らは質素で謙虚な暮らしをし、正しい考えで正しいことを実践するというその姿勢が多くの人に慕われた理由です。
 
 二宮尊徳翁は「良いことは多くの聖人君子が言い尽くした。我はただ実践あるのみ」と、理想の生き方を実践し多くの疲弊した村々で村民を改心させた生き方に通じるものを感じます。

 SDGsにも、戦争のない平和な暮らしにも、活力ある地域づくりにも通底する良き価値観を持ちそれを実践をするという生き方を見習いたいものです。

 人間学を学ぶ雑誌「致知」でも良く拝見しておりました。

 稲盛和男さんのご冥福をお祈りします。

 

【稲盛和男OFFICIAL SITE】 https://www.kyocera.co.jp/inamori/
 

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クッチャロ湖エコワーカーズ ~ NPO事務局長にしてカヌーガイドの亀山さんのこと

2022-08-30 23:18:45 | Weblog

 今回のクッチャロ湖カヌーツアーでお世話になったNPO法人クッチャロ湖エコワーカーズさん。

 ガイドをしてくださったのはこちらで事務局長をしている亀山さん。

 お歳は60代後半で私よりも年上。

 ご自宅は埼玉県にあり、IT企業に勤められていたそうです。

 現役時代に北海道を旅してクッチャロ湖に魅せられ、仕事を定年で終えられた次の瞬間にここ浜頓別に4月から10月の半年間を季節移住してNPOの事務局として活動されています。

 私などは気楽にカヌーガイドをお願いしましたが、こちらのNPOとしては①クッチャロ湖を護る、②クッチャロ湖を学ぶ、③クッチャロ湖を広める、活動の3本柱にして多様な活動をしています。

 エコワーカーズさんのハウスの中には植栽用のミズナラの幼木がたくさん置かれていて、「これを子供たちと植樹するんです」とのこと。


     【部屋の中にはドングリを拾って育てたミズナラの幼木が】

 今回は、③の「広める」という活動のおかげで、カヌーツアーを楽しめたというわけです。

 浜頓別では名古屋に本社があり様々な鋼材部品で大きな世界シェア誇る大同特殊鋼(株)さんがクッチャロ湖畔に広大な社有林をもっていて、このNPOへの支援も含めクッチャロ湖の自然保護の強力なサポーターになっています。

 そしてこちらの環境活動は令和3年度の「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰(いきもの環境づくり・みどり部門)を受賞し、その活動の功績が国にも認められた形です。


      ◆

 

 NPO事務局長でカヌーもガイドしてくれた亀山さんは、こちらの事務局長として活動の中心を担っている方。

「会社を辞めてから間髪を入れず、すぐにクッチャロ湖畔に立っていました」と笑います。

「北海道には幾つも自然の湖がありますがなぜクッチャロ湖なのですか?」
「私も道内は好きで随分旅行しましたが、クッチャロ湖のまったり感といいますか、観光地化されすぎていない感じと、それでいて鳥や夕日などの自然がなにしろ美しいです。ここをもっと良くして広めて、少しでも多くの方にここを訪れてほしい、と思ってNPOに参加しました」


 亀山さんはカヌーガイドをしながら、お客さんの動画を撮影してそれを2分くらいに編集したものをプレゼントしているとのことで、私たちにもそれを見せてくれました。

「我々も写してくれますか?」「お客様さえ拒否しないのであればぜひ撮影させてください」

「自前のgoproがあるので、それを預ければそれでも撮影してくれますか?」「もちろんです。その動画を送ってくれれば私の方も編集しやすいですから」

 そんなわけで、自分たちがカヌーを漕いでいる動画の素材も手に入りました。


     【カヤックで素早く追いかける】


     【すぐさま撮影開始】
 
 自分たちで漕ぎながら自分たちを撮影するというのでは、カヌーやカヤックの中からの映像ばかりになり面白みがないのですが、ガイドさんが外から我々の姿を撮ってくれる動画は変化に富んでいて非常にありがたい限りです。

      ◆

 亀山さんはさらに、「情報発信の主流は今や動画だと思います」と言って、NPOの活動を動画でツイッターやフェイスブックなど様々なSNSで積極的に発信しています。

 失礼ながら、こんなに動画編集や情報発信、ゲストへのサービスなどを熱心に行っているとはつゆ知らず感服しました。

 亀山さんは「今欲しいのはドローンですね。本格的なドローンがあれば風景や活動をもっと魅力的に映せるのですが」と発信欲はいよいよ旺盛です。

 話をするうちに地域での野鳥観測などに話が及んだ際に共通の知人がいることもわかり、話の輪がさらに広がりました。

 地域の活動を支えるのはやはり「年齢にかかわらず、人の情熱、パッションなんだな」ということを痛感。

 今回の来訪ではクッチャロ湖の自然の魅力と人の魅力を知ることができました。

 何度でも訪れたい場所の一つになりました。


     【お世話になりました】

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クッチャロ湖でのカヌーガイドツアー ~ ガイドさんとの対話が弾む楽しい時間

2022-08-29 23:07:28 | Weblog

 

 土曜日に中頓別でのロングトレイルシンポジウムを終えて、私はその後に浜頓別へ向かいました。

 翌日の日曜日の午前中にクッチャロ湖でカヌーツアーをするつもりだったのです。

 カヌーにはガイドをお願いしようと、クッチャロ湖で自然保護活動を行っている「クッチャロ湖エコワーカーズ」さんにお願いをしました。

 こちらは自然保護活動やクッチャロ湖の利用増進活動なども行っており、カヌーガイドもその一環なのだそう。

 実はカヌーツアーを申し込む際に、「自前のカヤックを持ち込んで乗るとしたら、そのガイドをしていただけますか」と質問を送ってありました。

 すると「ご自身のカヤックは持ち込み自由で湖面に漕ぎ出せます。ガイドはこちらで用意するカヌーを使っていただきますので、カヤックを使うようであればガイド予約をキャンセルしてくださって結構です」という答えが返ってきました。商業主義が強くなくてとても親切な対応だと感じました。

 そこで今回は自前のカヤックは諦めて、ガイドさんとの対話を一つの目的として、カヌーを借りることに。


 前日の夕方には浜頓別についていたの翌日の集合場所を確認する意味でもエコワーカーズさんの常駐するハウスを訪ねました。

 ハウスには翌日にガイドをしてくださる事務局の方がいてお話ができました。

 ガイドさんには心配があって、それは「どうやら明日は風が出て来そうなんです」ということ。

 朝九時からのツアーをお願いしてあったのですが、先方の方から「どうやらその頃から風が強くなってきそうです。もしよければ早朝は風が穏やかなことが多いので、早朝に変えませんか?」という提案をしてくれました。

 クッチャロ湖も結構大きな湖なので、強い風では向かい風に漕ぐのが大変なのと風で波が立つと転覆の危険も出てきます。

 こちらとしてはガイドさんの準備の方が大変かと思っていたので、お申し出を受けて、朝6時からのカヌーにしました。

 実はこれが大正解で、早朝は風が少なく快適なカヌーを楽しむことができました。前日に訪ねて打ち合わせをすることができてとても幸運でした。


      ◆

 

 翌日は予定通り朝6時に大沼湖畔にあるエコワーカーズの建物に集合、すぐにこちらの車に乗り換えて、発着場へと向かいます。

 カヌーの発着場は上流の小沼と下流の大沼を結ぶ細い水道があるのですが、その少し小沼寄りのところにあり、車で数キロを移動します。

 国道からは一応車の走れる道があるのですが、あちこちに「熊出没注意」の看板があり、また道路以外は見渡す限り背の高い草木に覆われていて、いかにも熊や鹿がいそうなところです。

 ガイドさんは発着場に着くと、まずは車のクラクションを数回均し、さらに車を降りてからは電池でボタンを押すとものすごく大きな音の出るブザーを鳴らして熊に人が来たことを知らせます。

「こうしておけば熊は近くにいても近寄りません。存在を知らせることが一番大事です」

 発着場には数艇のカナディアンカヌーが置いてあって、我々夫婦はそのうちに一艇を借りて幅50センチほどの水道から大沼小沼間の水道に出てゆきます。

 ガイドさんはその後をダブルパドルのカヤックでついてきて我々をガイドしてくれます。

 しかもこのガイドさんはサービス精神が豊かで、スマホでカヌーをしている客の姿を撮影して動画を編集してプレゼントするのが趣味なのだそう。

「こういう動画は、お客さんが許可してくれればクッチャロ湖での体験動画として使えるので、これらをまとめて発信することで認知度が上がります」

 こうした動画や画像を、フェイスブック、ツイッター、インスタグラム、tiktokなどにどんどんアップしていて、フォロアーを着実に獲得しているのだそう。

 これからの情報発信は動画だということは私も感じていて、今回はgopro持参でカヌーに臨みましたが、ガイドさんとは動画に対する興味・関心、編集の苦労などで話が合い、その点でもとても楽しく勉強になりました。

 私のgoproもガイドさんに預けて動画を撮ってもらいましたが、こういうチャンスってなかなかないのでこれもとてもありがたいサービスです。


      ◆


 カヌーは大小の沼をつなぐ水道から小沼の方へ漕ぎ出しました。

 はじめは久しぶりのカヌーで操船に戸惑いましたが、少し漕いでいるうちに勘を取り戻して、そこからは楽しい湖面の旅。

 幸いに風も少なく、実に良い感じでした。

 カヌーやカヤックでの湖面利用は、白鳥が飛来したら禁止というのが役場の方針で、大体9月いっぱいまでは楽しめるとのことです。

 当日の天気は曇りでしたが、小沼の岸側を少し漕ぎまわった後は元来た水路を引き返して、少し大沼よりも目指してみました。

 しかしそのあたりで遠くに雨雲らしい不穏な雲が近づいているのが見えて、今回は少し早めに1時間半ほどでツアーを終了。

 実はこの日は午後にも一組カヌーツアーの申し込みがあったのですが、後から聞いたら「午後の方は風が出てきたので中止になりました」とのこと。

 自然相手のアクティビティは天候を始めとして情報収集が極めて大事だという事を改めて実感しました。

 こちらのクッチャロ湖畔にはキャンプ場もあって、晴れた日の早朝だと朝焼けが見えたり、湖面越しの夕焼けがまた素晴らしいのだそうで、次回はもっとゆったりした時間を過ごしたくなりました。

 次回は自前のカヤックも持参したいところです。

 クッチャロ湖でのカヌー体験はお値段も格安で、今回は結局3時間コース扱いで二人で6千円でした。

 カヌー申し込み件数もこういう湖情報を発信するうちに年々増えてきていると言います。

 とっても楽しいカヌーツアー、クッチャロ湖はお勧めです。

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屈斜路湖外輪山ロングトレイルの実践事例 ~ 大空・美幌・津別三町のロングトレイルの先進事例

2022-08-28 23:34:41 | Weblog

 昨日中頓別で開催された「天北線軌道跡をかつ利用したロングトレイルの実現可能性」を考えるシンポジウムが開催されました。

 ロングトレイルとは「歩くこと」そのものを楽しむ旅のスタイルのこと。

 歩く道も、林道や遊歩道はもちろん、あぜ道や田舎道、それらをつなぐための国道だって良いのです。

 登山のように苦労してピークハンティングをすることはなく、歩きながら景色や自然、歴史を楽しむのが良いところです。

 今回は道内の先駆的な事例として、美幌町・大空町・津別町の三町で連携して進めている「屈斜路カルデラ外輪山トレイル整備について」を取り上げ、美幌地区三町広域観光協議会事務局長の信太真人さんにこの三町が進めているロングトレイル構想とその進捗状況について基調講演をしていただきました。

 「屈斜路湖カルデラ外輪山トレイル」(以下「屈斜路湖トレイル」)については、屈斜路湖の外輪山東側の尾根筋を通る22㎞ほどのコースです。

 もともとそんなことをやりたいね、という声は地元に以前からあったものの自然破壊を恐れる環境省がなかなか許可しなかったもの。

 それが国立公園の魅力を向上して外国人観光客などにも利用してもらおうという政府肝入りの「国立公園満喫プロジェクト」が2016年に始まってからはその態度ががらりと変わって、積極的になってくれたとのこと。実際に実施に向けた合意ができたのは2019年だそうです。

 令和元年度には尾根筋のクマザサの試験伐採をしてみたが、三日間でやっと1kmしか進まず、その大変さに心が折れたそう。

 並行して先進事例の勉強として長野県の信越トレイル視察研修も行い「当時16市町村が連携し、平成12年からやって20年に開設」と聞いて、時間がかかりそうとは思ったものの感銘を受け、2020年には外輪山コース22㎞を調査しました。

 令和2年にコロナ対策助成金を環境省からアドバイスされて、「ハンマーナイフモア」という笹や細い樹木もハンマーでなぎ倒すという高性能の機械が買えて、これで道づくりが格段に進んだ。

 令和3年度はまた笹が生い茂ったが機械で道を確保し、モニターツアーを何度も行って、ルートの問題点や良さを確認しあっているとのこと。

 少しずつ認知度が上がってきたが、町民にはまだ広く知られておらず、その一方で「いつやるんだ」「早くしてくれ」という声も増えてきた。
 
 令和4年度になって補助金頼みから脱して、三町の行政から150万円が確保できた。  

 行政界としては三町の枠組みの外の弟子屈町にも土地が入り込んでいて関わりがあるが、そこは美幌町からサポートしてもらっている。

 
 最終的には林野庁などの地主から土地を借り受けて管理することが必要になるが、林野庁は土地を町になら貸したいという意向で、今後の調整が必用。 

 トレイルルートのモニターツアーをやると、アップダウンはないし、湖の景観は良いし、参加者はその良さを実感するが、一方でやはり「トレイルづくりは自然破壊、やってほしくない」という意見を持つ勢力もあり、そうしたことも今後の調整材料になるだろう。


     ◆


 信太さんは、何年もモニターツアーを行う中で、広大な笹原の風景や眺望の魅力で、ツアーを商品化して売り始めたら売れる、という感触はもてているのだそう。

 エージェントからは「早く売り出してくれ」という声も増えているが、土地の借り受けなど事前の手続きがまだ終わっておらず、実現に向けて調整を急いでいます。

 今後の課題としては、「一番はやはり管理体制です。協議会でやってゆくには限界があり、しっかりした団体、会社に委託できるような形が望ましい」と言います。


 また信太さんは「屈斜路湖外輪山のトレイル開設時期は令和6年ころを予定している」と言い、「今回天北線の軌道後を試歩してみたが、古い鉄橋や駅関連の施設などが残っており、鉄道ファンのアンテナにうまく引っかかれば大いに人気が出そうと感じた。開設時期ももしかしたら我々よりも早く使えるようになるのではないか」という感想を述べられました。

 ただ道を歩くだけ、というロングトレイルの取り組みですが、地域の資源を新たに発見する一つのツールにはなりうるはず。

 お年寄りや鉄道ファンなど様々なジャンルの方にこの地域を歩くことの魅力をうまく訴求して、中頓別町を歩いて楽しい町にしてほしいものです。

 

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天北線廃線跡のロングトレイルの可能性 ~ シンポジウムの前夜祭

2022-08-26 23:07:04 | Weblog

 

 明日中頓別町で「天北線起動跡を活用したロングトレイルの実現可能性に向けて」というシンポジウムがあるので、それに参加するために今日は中頓別入り。

 幸いなことに道の駅ピンネシリ横のキャンプ場にあるコテージが取れたので今日はこちらに一泊です。

 夜はこのシンポジウムの中心人物である北大の木村先生を囲んでの懇親会。

 木村組のメンバーと今回のシンポジウムの関係者の集う中になぜか私も紛れて参加して大いに盛り上がりました。

 天北線の廃線跡は、しっかりした道として残っているわけではないので部分的に草刈りをしたりしてその痕跡をたどれるようにしているだけ。

 シンポジウムの今日の事前の取り組みでは廃線跡をたどって駅舎や敗戦の名残を確認するという現地調査が行われたとのこと。

 かつて線路だった橋梁が残されているいところがあったりして、「こんな橋は、配線マニアには垂涎の風景なんじゃないかな」と思うところでもあります。

 今日は北大の公共政策大学院のメンバーの方がサポートとして参加していて、社会人として各方面からの多様な人材が集まると面白いことになるなあ、と感じた次第。

 天北線って、私が幼い時に稚内にいたころはまだ汽車が走っていた風景の記憶がある路線です。

 それが今は廃線になってしまいましたが、かつて鉄道で結ばれた町やその痕跡を今に生かしてその魅力を再発見しようというロングトレイルの取り組み。

 明日のシンポジウムが楽しみです。

 明日中頓別町で「天北線起動跡を活用したロングトレイルの実現可能性に向けて」というシンポジウムがあるので、それに参加するために今日は中頓別入り。

 幸いなことに道の駅ピンネシリ横のキャンプ場にあるコテージが取れたので今日はこちらに一泊です。

 夜はこのシンポジウムの中心人物である北大の木村先生を囲んでの懇親会。

 木村組のメンバーと今回のシンポジウムの関係者の集う中になぜか私も紛れて参加して大いに盛り上がりました。

 天北線の廃線跡は、しっかりした道として残っているわけではないので部分的に草刈りをしたりしてその痕跡をたどれるようにしているだけ。

 シンポジウムの今日の事前の取り組みでは廃線跡をたどって駅舎や敗戦の名残を確認するという現地調査がお壊れたとのこと。

 かつて線路だった橋梁が残されているいところがあったりして、「こんな橋は、配線マニアには垂涎の風景なんじゃないかな」と思うところでもあります。

 今日は北大の公共政策大学院のメンバーの方がサポートとして参加していて、社会人として各方面からの多様な人材が集まると面白いことになるなあ、と感じた次第。

 天北線って、私が幼い時に稚内にいたころはまだ汽車が走っていた風景の記憶がある路線です。

 それが今は廃線になってしまいましたが、かつて鉄道で結ばれた町やその痕跡を今に生かしてその魅力を再発見しようというロングトレイルの取り組み。

 明日のシンポジウムが楽しみです。

 

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札幌でカレーを3割引きで食べる方法 ~ アプリでクーポン

2022-08-25 22:11:33 | Weblog

 

 先日家族であるスープカレーの老舗のお店に入りました。

 注文を終えてテーブルを見ると、「カレーのマチさっぽろ推進委員会」のアプリ登録の案内状が置かれていました。

(カレーのマチさっぽろ推進委員会ってなんだろう?)と思ってロゴを見るとコート姿の髭を生やした男性の像が手にスプーンを持っています。

 これを見てピンとこなかったら札幌市民としてはちょっと困ります。

 そう、この男性は紛れもなくクラーク博士。

 そしてクラーク博士とカレーと言えば、クラーク博士が日本人の米食を禁止せよと言ったことが有名です。

 その理由は北海道では米が育ちにくかったからなのですが、ただ米を食べるのを「カレーの時以外は禁止」と言っていて、これゆえ北海道にカレー文化を根付かせたのはクラーク博士、ということになっています。

 特にカレーの具野菜の代表であるジャガイモ、ニンジン、玉ねぎなどは北海道の特産品と言っても過言ではなく、今では美味しい米も食べられる北海道。

 カレーのスパイス以外は北海道産の農産品で美味しく作られるということから、札幌をカレーのマチとしよう、という取り組みが続けられているのです。

 で、この「カレーのマチさっぽろ…」のアプリですが、登録すると浸かったお金の額によって異なりますが、カレー割引のクーポンがもらえるという嬉しいしかけ。

 今回は親子3人で4000円以上カレーを食べたのですが、そうするとなんと400×3=1200円割引ものクーポンがもらえ、支払ったお金は2800円で済みました。

 かなりお得なクーポンになっています。

 アプリではこの取り組みの対象のお店も検索できますが、これを見る限りまだまだ発展途上という感じで登録されているお店はそう多くはありません。

 有名どころのスープカレーやさんもまだ未登録なので、これからクーポンをもっと使える提携店が増えることを期待したいところです。

 美味しいスープカレーを三割引きで食べられるなんて、札幌でヨカッター。

 ぜひお試しを。

 

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白河の関から蝦夷地に繋がる物語

2022-08-24 21:58:17 | Weblog


   【奥州三古関の一つ『鼠ヶ関』(山形県)】

 

 今年の夏の甲子園大会は宮城県の仙台育英高校が優勝。

 深紅の大優勝旗が「白河の関を超えた」と話題になりました。

 白河の関というのは、その昔に都と陸奥の国の境として作られた古関で、勿来の関(福島県)と鼠ヶ関(山形県)と共に「奥州三古関」と言われます。

 ただ調べてみると、実はどこも"ここにあった"と確信を持って言えるようなところはなさそうです。

 それぞれ古い書物にあったり歌枕として和歌に詠まれたなどの曰く因縁から推定して「このあたりだろう」と言うところに比定して石碑などを建て史跡とされています。

 今日では東北地方と関東地方を分ける境のシンボリックな場所として使われることの方が多いでしょう。

 ちなみに白河の関は、江戸時代老中田沼意次による政治の後を受けた寛政の改革で知られた松平定信候が長く藩主を務められたところで、この松平定信候が文献による考証を行い寛政12(1800)年に今の白河神社が白河の関跡であると論じ、その後昭和41(1966)年に国の史跡に指定されています


     ◆


 さて、賄賂政治として評判の悪い田沼意次候と寛政の改革で緊縮財政をやりすぎて評判を失った松平定信候が登場しましたが、この二人はどちらも蝦夷地開拓には所縁のある方です。

 まず田沼の方は、天明元(1781)年から天明6(1786)年にかけて老中を務めましたが、この間には天明3年の岩木山と浅間山噴火による噴出物で太陽光が遮られ後に江戸四大飢饉の中でも最もひどかったといわれる天明の大飢饉に見舞われます。

 それらの対策に追われる中、ロシアが北方の島々でアイヌを懐柔しているという風聞を聞くに及び、天明5年6年と蝦夷地を東西から船で一周する調査団を送り込みました。

 調査団は「樺太、国後、択捉などの北方の島を含め蝦夷地を耕作適地と判断し、蝦夷地を新田開発すれば幕領の400万石を超える583万石の収入が手に入り、それはアイヌを3万、穢多・非人を7万人移住させれば賄える」と主張し、北海道開拓と北方警備への関心を引き寄せます。

 しかし二度目の調査活動実行中の天明6年に田沼失脚となり、調査の結果は沙汰止みとなり大きな動きにはなりませんでした。

 対ロシア防衛や蝦夷地開発という機運が初めて芽生えたのが田沼意次治世であり、この間に蝦夷地探検が行われたということは道産子ならば知っておいてほしいと思います。


     ◆


 また松平候は、田沼の評価を否定して反田沼キャンペーンを張ったと言われているのですが、最近の研究では、田沼の財政改革手法など良かれと思う点は引き継いだ是々非々の対応をしたとも言われています。

 ロシアからの蝦夷地の防衛について松平候は、『蝦蝦夷地の支配は、従来通り松前藩に任せる。数年に一度、幕府役人を巡回させる。大筒を配備する。御救貿易を行う。オランダの協力の元で様式軍艦を建造して北海警備に当たる』などの基本方針を策定して海防強化に努めています。

 つまり決して田沼のやったことを全否定したわけでもありません。

 逆に、その松平候が失脚した後には、蝦夷地防衛の考え方は中止され、結果として1804年にレザノフが来航した際の強硬な拒否の態度は彼の部下だったフヴォストフによる樺太、択捉、利尻などが襲われる事件(フヴォストフ事件=文化露寇(ぶんかろこう))を巻き起こしています。

 さらに松平候と北海道の関わりでいうと、松平候は人材登用の手段として昌平坂学問所で学力試験を行い、その際に好成績を上げた近藤重蔵が登用され後に寛政10(1798)年の蝦夷地探検隊を率いたということがあります。

 田沼、松平と蝦夷地開発と対ロシア防衛への関心が高まっていたのに対して、その後の幕府の対応は稚拙で、レザノフ来航後にフヴォストフ事件、ゴローニン事件といった緊張状態を招きました。

 ゴローニン事件は高田屋嘉兵衛の活躍などにより無事に解決し、またロシア帝国がナポレオン戦争で東方への関心がそれどころではなくなったことで、蝦夷地をめぐる外交軋轢は消え去ったことは日本にとっては幸運でした。

 結局、蝦夷地は一時の幕府直轄から松前藩に差し戻され明治維新を迎えます。

 江戸時代の後半に蝦夷地開発が始まっていたら今のような北海道開拓のスタイルにはならなかったことでしょう。

 しかし本格的な北海道の開拓が屯田兵と言う形で北方警備と共に始まったのが今の私たちの暮らしに繋がっています。

 歴史のちょっとしたアヤも面白いですね。

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我が家に新しい給湯器 ~ 注文してから7カ月

2022-08-23 21:55:36 | Weblog


     【古いコントロールパネル】

 やっとのことで新しい給湯器の交換ができました。

 家を建ててから約20年になりますが、この間一度の故障もなく働いてくれた給湯器。

 給湯器などは大体寒い季節に何の前触れもなく壊れるということは良くある話。

 この手の設備系の寿命は概ね10年と言われますがその倍近くも働いてくれました。

 冬の間に壊れることを恐れて1月に注文したのですが、その当時から「品物不足で今は全く入荷のめどが立ちませんよ」と言われていました。

 コロナによる物流の滞りと半導体不足がその理由ですが、まずは注文をしておかないと絶対に届きません。

 今家についている給湯器を前提に交換するのにちょうどよい機器を選んでお願いをしておきましたが、この8月末になってようやく届きました。

「壊れていないのなら交換せずにそのまま使っている方がお得なのではないか」と思うかもしれませんが、20年前の設備と今の設備では熱効率も向上していますし、電力関係も圧倒的に低消費電力に変わっています。


   【新しいコントロールパネルがかっこいい】

 またecoモードというスイッチがあって、設定によって1分間にお湯として出せる量を8リットル/分、10リットル/分、12リットル/分と変えることができます。

 無駄に強いシャワーを出さずに省エネと水の節約が行えます。 

 冷蔵庫やエアコン、給湯器など熱を使うものは新しいものほど効率が上がっているので、古いものを我慢して使い続けるのは必ずしもエコではないということなのでしょう。


    【エコモードで省エネ】


     ◆


 夕方にリモコンを取り付けに来てくれた担当の方に、「新しい給湯器も定期的にメンテナンスする方が良いのですか?」と訊いてみました。

 すると答えは「いいえ、給湯器は故障しなければメンテナンスはまず必要ありません。暖房のストーブの方は不凍液を循環させるので2~3年に一度はメンテナンスをする方が良いと思いますが、給湯器はそのままですね」とのこと。

「古い奴と新しい奴では熱効率も違うでしょう?」
「ええ、機能的に排熱利用で効率がアップしていますしそれに長年使っているとやはりススなどで熱効率が少しずつ下がるものですから」

「機材はそろそろ入荷され始めているのですか?」
「いいえ、決して潤沢な感じではないです。申し込まれた順番に届いたら取り付けるという感じで。今回も随分お待たせして申し訳ありませんでした」

 
 商品なんて注文したらすぐに届くものだ、というのはもう昭和~平成の時代の昔話になってしまうのかもしれません。

 これが令和という時代なのかなあ。

 

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健康診断の健康結果に憮然 ~ 数字は嘘つかないのか

2022-08-22 22:45:10 | Weblog

 

 先月行った人間ドックの結果が届きました。

 これまで数字で表されるような体のデータには割と自信があったのですが、今回は今までなかった「C」の「要経過観察項目」が2つに加えて、聴力が「D2」と「要精密検査」項目として指摘されました。

「D2」へのコメントは、「異常所見と思われますので3か月以内に医療機関の受信をお勧めします」というもので、ドクターへのお手紙も同封されていました。

 左の耳は以前から頻繁にキーンという音がするようになっていましたが、一度耳鼻咽喉科へ行ったときは「一過性のもの」として治療らしい治療もせずに今日に至っていました。

 今回はそれが聴力の衰えとして顕在化したので、いずれ改めてちゃんと耳鼻咽喉科とお付き合いを始めないといけないようです。

 
 また眼も衰えていて視力がめっきり落ちてきました。

 加齢によるものには治らないものも多いですし、一度悪くなってしまったものを元へ戻すのは難儀です。

 これからは検査項目数字が悪くならないように、いよいよ体を大切に扱わないといけないステージになってきたようですね。

 薬漬けというのは避けたいところですが、体の衰えを補うのがそれしかないとなるとそれも仕方がないのかな。 

 もちろん年相応と言われればそれまでです。

 しかし衰えを自覚してみすみす諦めてしまうこともありますまい。

 少しは衰えに抵抗しようと新しい健康グッズを導入しました。

 詳細は後日。簡単には諦めないぞ。

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後ろにいる人

2022-08-21 23:38:07 | Weblog

 

 先日友人と話をしていたら、その友人が結構なご年齢の母親のためにスマホを契約してあげたのだそう。

「最近のスマホの契約って、基本契約がどんな形でさらにどのオプションをつけるかつけないかでかなり複雑なんじゃないの?」と訊くと友人は、「そうなんです。僕なんかじゃとても理解できないのでやはりショップの担当者と入念に打ち合わせをして契約内容を決めました」とのこと。

「しかしショップの方って、あれだけ複雑な契約オプションをよく理解しているよね」

 するとその友人は、「実は僕、気づいちゃったんです」と言います。

「何に気づいたの?」
「実はショップの店員の方が、いざ僕と打ち合わせをしようというときに、胸には前を映すカメラが付いていて耳にはイヤーモニターをしていたんです」

「ほうほう」
「で、このオプションをつけてください、って注文したときに、一瞬その方の手が止まって、目が画面を追うようにして正しいチェックにたどり着いた『ように見えた』んです」

「それってどういうこと?」
「僕も店員さんに敢えて訊きはしませんでしたが、どうも胸のカメラで店員さんの見ている画面を映して、バックヤードのどなたかとイヤモニでやりとりをしながら僕らの対応をしていたのじゃないか、と感じたんです」

「ははあ、なるほど。それなら悩むような選択肢でも席を外さずにより詳しい人の指導が受けられるという事か」
「はい。訊いていないので確信はありません。でもちょっとした仕草に不慣れな点を感じていて、それが指示を受けて自信をもって契約書類の作成ができたように見えましたね」

 わからないからと言って、そのたびに席を外してバックヤードの方に聞きに行っていたのではお客さんの印象が悪くなるでしょうし、仕事の効率も落ちるでしょう。

 でもこういう形ならリアルタイムでやり取りを見てもらいながら正しい書類作成を行うことができて、担当者も少しずつやり取りに慣れることができそうです。

     ◆
 
 でももしそれが本当だとしたらそれもまた効率性を向上させる有効な手立てのように思えます。

 以前ある学校の先生が、「授業提供なんて個別の教師が行わずに、予備校で人気のあるような最高の指導ができる先生の教えをネットやビデオで配信すれば、先生による指導力のばらつきがなくなる」という趣旨のことを言っていました。

 そして生徒の方の理解力のばらつきは、詳細なテストを繰り返すことで、どこでつまづいているのかを解き明かし、そこを理解させるような生徒主体の個別指導を(それとてもネットで)繰り返すべきなのだと。

 今日のネット社会であれば、そんなことも実現してしまうのかもしれません。

 正しい知識や指導は行き渡るかもしれませんが、では担任の先生や教科担任の先生の役割とは何になるのでしょう。

 目の前のスマホの担当者の立ち居振る舞いはやはりそのショップのイメージにもつながるはずですが、人と人の触れ合いや好悪の感情はだれが支えるのか。

 もちろん間違った契約や指導では困ってしまうのですが、それらを前提としつつも、結局人は正しい知識だけでは満足できないのではないか、と思います。 

 そこに人同士の触れ合いがあるから安心したり満足したり幸せな感情が湧いたりもするのではないでしょうか。

 ネット時代の良いところは十分に利用しつつ、人間が人間であることの現実をどのように考えるか。

 効率化だけに目を奪われずに、それがこれからの時代の課題のように思います。 

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