小樽がダメで余市もダメ、古平もダメとなればさらに西へ行くしかありません。
マメイカ釣りの話ですが、この時期マメイカは群れが西へ移動して言って終わるというのが釣り人の間では定説になっています。
せっかくの土曜日でしかも割と温かいとなれば古平のさらに西を目指すしかありません。"GO,GO,WEST"なのであります。
そこでどんどん車を走らせて時々訪れる積丹半島の小さな港へ行ってみると…、ありゃりゃ、すごい釣り人の群れ。
こんなにも人がいるということは何かが釣れているということではありますが、何が釣れているんだろう。
ちょうど帰ってくる若者がいたので声をかけてみました。
「こんにちは。たくさん人がいますけど何が釣れているの?」
「ホッケです」
「ホッケ!」
なるほど、積丹でいよいよホッケが釣れているという情報は耳にしましたが、まさにここでもホッケが釣れているというのです。
「仕掛けは何で釣っているの?」
「餌釣りが釣れていて浮き釣りの人がたくさん釣っていますね。僕はサビキだったけど全然ダメでした」
浮き釣りというのは1~2本程度の針先に餌をつけて10~30mほど先に投げ込んで魚を釣る方法で、サビキというのは数本の針がついている仕掛けで、岸壁からすぐ近くに投げ入れる仕掛けです。
聞けば、撒き餌をして岸に寄せてはいたようですが、浮き釣りはイカやサンマなどのエサが魅力的なのに対して、サビキの針にはオキアミのような小さな餌しかつかないのでそこで釣果に差が出ているようです。
時間はまだ3時。今の時間はマメイカよりもホッケを狙う方が良さそうです。
幸い餌釣りではないのですが、こんなこともあろうかとルアー釣りの道具は車に積んでいたのでそれで狙ってみることにしました。
釣り道具を抱えてとことこ歩き、岸壁に着くとまだ周りにはたくさんの釣り人。しかもそこここで結構ホッケを釣り上げています。
人がたくさん並んでいてなかなか入る場所がなかったのですが、帰った人の後にようやく入れてもらえました。
餌は周りの人が捲いてくれているので、私はワームという柔らかいゴムでできた仕掛けでトライします。
これは、針のついた錘にこれを装着して30mくらい先に投げ入れ、それをリールで手繰り寄せる釣り方です。
ラインを手繰るとワームが水中でゆらゆらと怪しげに揺れるのですが、撒き餌に飽きたであろうホッケをそれで誘おうというのです。
周りにはワームで狙っている人もいるのですが、「ワームで釣れますか?」と訊いてみると「全然だめだね」という反応。
多分使っているワームの色や形が違うのだろうと、周りが使っていないワームを選び、第一投。
なんと、一投目からドン!という反応があって、小さいながらホッケがちゃんとかかりました。
周りのワームで釣りをしていた人も「おー」という声。
「多分この色形だと反応が良いと思いますよ」と言いながら、その後も2匹目、3匹目と釣り上げると、皆ワームを私の使っている色と形に替えて投げ始めました。
すると周りの人も釣れ始め、「いや、もっと早く指導してくれれば良かったのに」と感謝される始末。
なんだかんだで7本ほど釣り上げたところで辺りは暗くなりホッケは打ち止めにしました。
あまり釣りすぎてもそれからが困りますので、ここから先はいよいよマメイカ狙いと参りましょう。
◆
ホッケの血抜きをしてから車に一度戻り、マメイカ用の道具に替えて再び釣り開始。
さっきまで一緒にホッケを釣っていた現地のワーム仲間も「お、じゃあ俺もマメイカやってみよう」とマメイカ釣りに加わりました。
すると開始早々にマメイカ一匹。これは幸先が良いと喜んでいると、なんと二匹目はヤリイカがかかりました。
「今日はついてる。いよいよ俺の時代が来たか!」とウキウキして釣りを続けたのですが、なんとそこから先がパッタリ。
粘れども粘れども釣れず、周りの人たちも最初に1、2匹上げた後は誰の竿にもかかりません。
やがて一人去り、二人去りして、私だけが残って再び釣れる波が訪れるのを待ち続けたのですが、むなしい時間が過ぎ去ります。
結局9時まで粘ってみましたがそこであきらめて本日の釣りは終了。
結局は今年最後のマメイカ狙いのつもりが、ホッケの方をたくさん釣って帰ることになりました。
釣りに来ればとにかく釣果があると心が満たされます。
車の足取りも軽かったです(笑)