北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

まちづくりの果実は誰のもの?

2006-02-28 23:12:48 | Weblog
 今日も冷え込む一日でした。しかし陽射しは日増しに強くなっています。今日で2月も終わり、明日からは三月春弥生です。

 今日はあるまちづくり計画に関する会議に出席をしました。この計画を策定した区域は札幌でも歴史の古い土地柄で、地元の住民の皆さんが自分たちのまちづくりにものすごく熱心なのです。

 もう何年もまちづくり活動を続け、その結果として周辺地区を賑やかで住んで楽しい地区にするように、周辺の企業、行政、そして住民が協働で計画を作り上げたのです。

 今日はその計画を関係者が一堂に集まって共通認識を持とうという趣旨で開催されたのですが、そこである先生がこんなことを話されました。

「住民の皆さんがこの間何年にも亘ってまちづくりを一生懸命にやって下さった結果、非常にまとまった計画ができましたし、そのことに敬意を表したいと思います。しかしよく考えると、これだけ皆さんが一生懸命にやってきて外から見て住んでみたいと思われるような良好なまちづくりができると、地区の魅力も高まってマンションなどの建設も進むことでしょう。そのことは決して否定しませんが、そこに住み始める新しい人達はその町を楽しむけれど、皆さんは相変わらず我慢しているということにならないでしょうか。皆さんのまちづくりの思いが新しい住民にもつながって行くような仕組みを作らないと行けないのかも知れませんね」

 実は私もその前に「まちづくりは住民が頑張るという風に思われがちですが、地元の企業や事業者の協力も欠かせないのです。そのときには例えばマンションの建て主に対しても、購入者に地元のまちづくりの事情が伝わるような協力をしてもらうような工夫もお願いしたいものです」という発言をしていたのです。

 まちづくりはある瞬間に終わるものではなく、また決して同じ事が繰り返される静的な作業でもありません。

 いつまでも終わらず、それでいて常に新しい問題や課題、そして喜びに満ちている作業なのだと思います。

 それには一人でも多くの関係者が自分のことだと思ってくれるような仕組みや制度、決まり事、ルールが必要になってくるのでしょう。

 福岡市などでは、まちづくりを担う株式会社も誕生して、まちなかの調整ごとを一手に引き受ける組織として活動し、成果をあげているのだそうです。

 一つの町の中でも役場の縦割りに陥ることなく、ある一定の区域であればその区域内の万相談事を横串で指すような地域に根ざした行政や調整が必要になってくることでしょう。

 まさに都市内の地方分権です。ますます自分たちの身近なことは自分たちの参加と協力で決めることが出来、また逆に自分たちで決めなくてはならない時代になりつつあるということです。

 参加しない人には文句を言う資格はないのだ、というコミュニティの常識もまた一から伝え始めなくてはならないのでしょう。

 まずはルールの共通認識から、なのかもしれません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雪国の生涯学習

2006-02-27 23:10:00 | Weblog
 昨日の雨の悪天候が嘘のように、今日は一転して冷え込みました。道路が不自然に丸く凍って歩きにくい季節です。

 今年は冬の前半にだらだらと毎日のように雪が降り積もったのですが、札幌雪祭りが始まる頃から、まとまった雪がほとんど降らないという日が続いています。

 前半にスタミナを使い果たしたわけでもないのでしょうが、もうそろそろ道路はアスファルトが出たところが多くなり、歩道の雪も運搬排雪でどんどん少なくなっています。

 まだまだ油断は禁物ですが、春の足音が聞こえてきているようでもあります。

 現在携わっている調査で、雪国の暮らしについて語る委員会が開かれました。そこで出された話で面白かったことをいくつか挙げてみたいと思います。

 例えば道央のある市では、「今年の大雪には悩まされました。たしかに雪も多かったのですが、夏場の公共事業の減少によってダンプの数が減ったために、運搬排雪が思うように出来ませんでした」という発言をされました。

 公共事業でも何でも、世の中は案外微妙なバランスの上に成り立っていて、一つの目的を果たそうとして、特定の分野を急激に増やしたり減らしたりする激変をすると何かが歪むものです。

 あまり根拠のない公共事業悪玉論は除いても、夏と冬にも公共事業のバランスがあるのですね。

 また今年も役場には除雪に関連して多くの苦情が寄せられたのだと言います。しかしそのことに関連してある学識経験者の先生は、「世の中の不平に対して、対話をする場所がないのだと思います。向かい合って文句は言っても、同じ方向を向いて勉強をしたり建設的な意見を出すような機会がないのです」とおっしゃいました。

 そのとおり。まちづくりは不平を黙らせることが大事なのではなくて、不平をどうやったら解決できるのかを自分のこととして考えてもらうことが大事なのです。だから対話こそが非常に重要になるのだと思います。

 重ねてその先生は「図書館には『利用者教育』という分野があるのです。ただ利用してもらうだけではなくて利用の仕方を教育するという視点です。雪に関するまちづくりにもそういう視点が持てないものでしょうか」ともおっしゃいました。

 市民に雪国での生き方を説教するようでは首長は次の選挙に落ちてしまいそうです。特定の事柄に対して、突然お説教をするのではなく、常日頃から「かくありたい市民像」を共有するような運動が必要なのでしょう。

 生涯学習などはまさにそういうことだったのでしょうけれど。雪国の暮らしに関する生涯学習も必要なようです。

 大事なことこそ普段からさりげなく始めて、続けていることが大事なのですね。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

観光も現場主義で

2006-02-26 23:49:10 | Weblog
 いよいよ道東流氷観光の旅も今日でお終い。どうやら帰りは悪天候。昨日までが良かったからまあ良いとしましょうか。

 朝ホテルを出るときにこのホテルのO社長さんとお会い出来て、しばし北海道観光のお話に花が咲きました。

「先日国土交通省で観光をご担当のお役人様とお話をする機会があったんです。そこで『観光振興のためにどうしたらよいでしょうか、何でも言ってください』ということを申されましたんですよ」
「そうですか、社長さんはどういうご意見だったのですか?」

「私は『縦割りをなくしていただけませんか』とお願い致しました(笑)。…と申しますのは、今観光業界で問題になっているのはやはり予約管理などでのITによる支援・バックアップの貧困さと遅れなのです。しかしそれを言い出すと、それは経済産業省さんのお話になってしまうんですね」
「なるほど、本当に観光を所掌する省庁はないということですね」

「今朝の地元の新聞には国土交通省で外国語によるカーナビガイド事業を始められるという事が書かれていましたね。大きな期待を寄せております」
「それぞれの省庁でできることから早く始めたいと思います。ご期待に添えるようにがんばります」

 かつてのような旅館や旅行業者を対象とした業行政が規制緩和によって相対的に少なくなった今日、行政として観光をどのように支援出来るのかを省庁横断的に観光というくくりで対応出来る窓口が欲しいものです。

 とりあえずその日までは自分たちの出来る事で頑張っているのですが。

    *   *   *   * 

 環境省の阿寒湖エコミュージアムで阿寒国立公園の成り立ちと自然を勉強してからいよいよお別れ。

 帰りはみぞれ混じりの悪天候の中をひた走って帰ってきました。

 途中で足寄町に二つ目の道の駅を見学してきましたが、その正体はなんとふるさと銀河線の足寄駅と一体になった物産館&ホールでした。

 道の駅が誕生したてのときには単独での建物や物産館が多かったのですが、今日では次第に機能を複合化した建物を道の駅として利用するというやり方が多くなってきたようです。しかしそこにも地域の必死な努力の姿が見えるのです。 

 やはり旅はいろいろなことを実地に見てものを思う事が多くなりますね。

 私たちは自分たちの故郷である地元の観光地を本当に真剣に見ているでしょうか。真剣という意味では、他の人たちに説明出来るくらいに思いを巡らしているでしょうか。

 まちづくりも観光も、その目で見て体験する現地主義、現場主義でまいりましょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

流氷観光…のはずが

2006-02-25 23:10:26 | Weblog
 今日も天気は快晴。いよいよ今回の旅の目的である網走流氷観光へと遊覧船乗り場へ向かいました。

 実は昨日、サロマ湖、能取湖のあたりの高台をドライブしながら網走へと入ったのですが、沖の遙か彼方にわずかに白い流氷が見えたものの、網走港付近には流氷がいないのがわかりました。

 それでもせっかく流氷観光船を予約してあったのでとにかく乗ってみる事にして乗り場まで行ってみました。

 乗船場は団体の観光客の皆さんでごった返している状態で、さすがに流氷観光の魅力は大きいものがある事を感じさせました。

 切符売り場では一応「今日は流氷はご覧になれませんので遊覧観光になりますがよろしいですか?」と訊ねてくれます。残念ですがしかたがありません。

 それでも流氷があるときは一人3千円の料金が流氷が見られないときは一人2千5百円に割引になるのだそうです。流氷が有りさえすれば観光船ももっと儲かるのにとこれまた残念な限りです。

 快晴のオホーツク海での海上遊覧は、べた凪のなかを能取岬の見えるところまで行って帰ってくるという一時間の旅でした。

 網走で見られなければ知床の近くまで行こうかとも思いましたが、どうやら今回はそれでも見られないほど流氷が沖に離れていたようなので、それもまた断念しました。乗客全員、船内のビデオで流氷を楽しむということになりました。

 でも旅は望みが全て叶ってしまえばもう訪れる理由もなくなりそうです。次回への期待を高める事に考えを切り替えました。観光は何度でも来たくなる要素があってこそ、ですね。

    *   *   *   * 

 船の後には網走天都山にある北方民族博物館で、イヌイット(エスキモー)、コリヤーク、アイヌなど北方の狩猟を生業とした北方民族に関する様々な展示を見て勉強を深めました。

 大事にすべき文化も歴史に埋没して行くのは残念です。

 さてそこからは小清水経由でドライブをしながら、夕方に今夜の宿泊場所である阿寒湖畔のお宿、「鄙の座(ひなのざ)」へ到着。素晴らしい室内とおもてなしに感動の連続です。

 夜にはアイヌコタンでアイヌの人たちによる古式舞踊を見に行き、その文化の一端に触れる事が出来ました。

 ここのホテルには図書コーナーもあって、アイヌ文化に関する本もたくさん置いてあります。アイヌの人たちの信仰や文化を感じ取るきっかけの旅にするには阿寒湖畔は最適な場所の一つでしょう。

 もちろん夏の間は豊かな動植物や自然景観も自慢のタネです。季節を変えて何度もこなくてはなりませんね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

網走監獄へ行ってきました

2006-02-24 23:41:31 | Weblog
「今日の休暇を含めていよいよ道東方面へ夫婦での観光地調査です。いつも出張のおりにいろいろなものを仕事として見せてもらっていますが、プライベートに立ち返って、自分でお金を払う旅行者という立場になるとなにか違ったものが見えるでしょうか。

 車はまずまずの天気の下で網走方面へ出発。セレナで初めての遠乗りでもあります。」

【道東への道すがら目にしたもの】
 セレナにしてから車にETCを搭載したのですが、使うのは今回が初めてです。カードの入れ方すら分からずに裏と表を間違えて入れて、あやうくそのまま高速道路にはいるところでした。

 この機械とカードでは初めてのETCによる走行で、ゲートが開くかどうかも心配でしたが無事に開いてくれました。スタートは順調です。

 高速道路をナビに従って走行していたのは良かったのですが、高速道路が愛別インターまで伸びている事をDVDが認識していなくて、しばし山の中を走っていました。

 高速道路は一度一般国道に降りる事になるので、そこで道路脇のドライブインで昼食をとりました。ちょうどこのあたりはきのこの里のまちづくりで有名なのでお土産に味付けきのこを買おうと思ったところ、売っているきのこ商品は地元産のものがなくてちょっとがっかり。

 まちづくりのイメージをもっと商売につなげられたらよいのに、なかなかむずかしいものですね。

    *   *   *   * 

 やがて白滝から丸瀬布にかけての高規格道路も走破しました。この道路に面した道の駅として道の駅「しらたき」にも立ち寄りました。

 有料道路を示す緑色の道路標識で案内された道の駅を始めてみましたが、こんなのでもありなのですね。地元の強い意志があれば、大抵のことは出来る世の中になったという事なのかも知れませんが。

    *   *   *   * 

 今日の宿泊地網走へ到着してからは網走監獄博物館を見学しました。時代の大きな変革期で反体制派を始め多くの罪人が出た明治という時代背景や、開墾や道路造りなどの開拓事業のための労働力としての囚人など、北海道の歴史の一面が勉強になりました。

 さぞ寒かったであろう当時の北海道の冬を思い、また一目会いたいと身内がここまで必死の思いで面会に訪ねてきた様子などが人形で再現されていて、胸に迫るものがありました。

 こうした一つ一つのエピソードも北海道の今日を形作っている歴史であり文化なのでしょう。

 まだまだ知らない事が多いものですね。

 今日は網走湖畔に宿泊です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

道東流氷観光

2006-02-23 23:26:02 | Weblog
 一日中雪氷輸送プロジェクト関係の打ち合わせに追われました。年度末と言う事もあって大詰めです。
 そろそろ新年度の実験計画もまとめなくてはいけないのです。

 今日は
■明日から道東へ夫婦で流氷観光 です。

【明日から道東へ夫婦で流氷観光】
 明日24日は休暇を取って、その後の土日も含めた2泊3日で道東方面へ流氷を見に行ってきます。

 うちの奥さんは北海道生まれでありながら、いまだに一度も流氷を見た事がないのだそうで、ずーーーっとその事を言われて続けてきたのでした。

 今は折角観光に関する仕事もしている事ですし、流氷観光とは一体どのようなものなのかという事について自ら体験をしてこようと思っています。

 北海道はもてなし心、ホスピタリティが悪いと言われますが本当にそうなのでしょうか。仕事上の見学で行くと地元の方は構えてしまって良いところしか見せてくれないかも知れません。

 夫婦連れの一観光客となったときにどのような北海道観光を見せてくれるのかも楽しみです。

 明日は網走に宿泊して明後日は阿寒湖畔に宿泊です。

 網走では流氷観光船のオーロラ号にも乗船する予定ですが、流氷は近くにいるのでしょうか。

 明日からブログのアップが遅れるかも知れませんがご容赦を。では行ってきます。

 
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

心の故郷稚内

2006-02-22 23:13:11 | Weblog
 札幌は夜に雨が降るほど暖かくなっています。おかげで、冬の間は雪でかちんかちんに凍っていた道路がゆるみ始めてあちこちで車が埋まってうごけなくなっています。
 除雪をしっかりやっていないと春になってしっぺ返しが来るのです。

 今日は
■心の故郷稚内 です。

【心の故郷稚内】
 稚内市役所から知人のN君が訪ねてきてくれました。今度は3月12日に稚内市でまちづくりの講演をしてくださいという依頼が来ているのです。

 稚内は私が3歳から小学校3年生までを過ごした町です。当時は人口が5万人と言っていましたが今では4万人になってしまったのだそうです。

 今でも帽子をかぶって鉄人28号の絵のついた靴袋を下げ、ランドセルを背負って稚内東小学校に入学した日の事をはっきりと覚えています。

 その後私が旭川の高校2年生だったときに父が転勤になり、旭川に下宿をした私は帰省先が稚内になりました。

 夏休みに深夜発の急行利尻に乗ると、日の出の頃に記者は荒涼たる宗谷丘陵の中を左右に振られながら走っている中を目が覚めてしまいます。

 ダケカンバと千島笹の生い茂る丘陵の姿は私の青春の原風景の一つでもあるのです。

    *   *   *   * 

 さて、そんな心の故郷である稚内ですから、このような依頼があったとあれば受けなくてはなりますまい。
 
 ご要望は、現在稚内駅前を中心に進めている都市再生に関連して、市民と共に歩むまちづくりについて参考になるお話をしてください、というものです。

 もちろん掛川で観て学んで、心に感じた多くの事柄が少しでもお役に立つのであればと思います。本当ならば現地で地元の皆さんとともに過ごして、共に悩み共に笑い、酒を飲んで夢を語り、一つの事を一緒になって実行するようなことこそが私が本当にやりたい事なのですが、残念ながらそこまで力を尽くす事が出来ない以上、お訪ねしてたくさんの人にお会いする事がまずは始まりだと思っています。

 折角お招きをいただくのですから、面白い人たちに会わせてくださいというお願いをしました。「そうだ、この地域の事はあの人に訊こう」と思わせてくれるような、印象深く共に共感出来る心の灯台のような人にたくさん出会いたいものです。

    *   *   *   * 

 最近の稚内市の状況やNさん自身の印象を訪ねてもあまり芳しい答えは返ってきませんでしたが、北海道遺産の話になったときにはNさんの顔が輝きました。

「そう言えば、稚内市には北海道遺産が二つもあるんですよ」
「あれ、稚内にある北海道遺産は何でしたっけ?」

「稚内港の北防波堤ドームと宗谷丘陵ですよ」
「なるほど、昔樺太との定期航路のためのドーム状の屋根のかかった防波堤ですね。もう一つが宗谷丘陵でしたね。私のような外の人間から見るとそのような他にはないものこそが宝物に見えますよ」

「でもなかなかそれを活かして何かが出来るというものでもなくて…」
「地元だけでできなければ、外の人間の力を借りるのも良いですよ。そうやって、価値を感じて行けばよいのです。ところで私は今ガーデンアイランド北海道という運動を応援しているのですが、稚内には花の名所はありませんか?」

「そう言われれば、空港の回りにはハマナスの群落がありますし、原生花園の花もきれいですよ」
「そうそう、そうやって少しずつ自分たちが持っているものを探して、磨き上げましょうよ」

 3月に稚内市をお訪ねするときには市長さんともそんなお話をしてみたいものです。


 子供の時は狛犬が怖くて怖くて、稚内神社の境内には入れなかったこの私。少しでも恩返しが出来ればよいのですが。

  
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

観光振興と地域振興

2006-02-21 23:24:31 | Weblog
 思いの外暖気が入っている今日この頃です。春らしい陽気が現れ始めました。

 今日は
■ニューカントリー講演会 です。

【ニューカントリー講演会】
 今日は開発局が進めているニューカントリー構想の関係者を招いてのまちづくり講演会がありました。

 私に下された指令は、私の所属する課がまさに所掌している事業であるので、何か地域作りやまちづくりの最前線で活躍されている人たちに対して役に立つお話をせよ、ということでした。

 そこで折角ですから「観光振興と地域振興」ということについてお話をしました。

 実は北海道では農業生産額が年間で1兆500億円ほどであるのに対して、観光による消費額は1兆2000億円を超えているのです。北海道は農業の島であると同時に、観光の島でもあるという事です。

 観光を経済に結びつけてより地域振興を計るための式があって、それは(観光入れ込みを増やす)×(宿泊率を上げる)×(消費単価を上げる)×(域内調達率を上げる)ということで表されます。

 つまり、他の地域との競争に勝って自分のところを観光地に選んでもらい、ただ通過するのではなく、自分の町に泊まってもらえるようにすることが大事なのです。

 そしてそのうえで、より多くお金を使ってもらえるような魅力や仕掛けをつくり、使ってもらったお金が遠くの仕入れ先ではなく地元の産物につながるような連携を計りましょう、ということなのです。

 そうすることで観光という産業を三次産業ではなく、一次産業と二次産業と足し合わせて全部で六次産業にするということになるのでしょう。
 これが観光を経済面で地域振興に結びつける考え方です。

    *   *   *   * 

 そして同時に、観光をちいきづくりやまちづくりの面から観る視点も大事にな事です。

 「観光」という言葉は、中国の古典『易経』の「観国之光、利用賓于王」(国の光を観るは、もって王の賓たるによろし)から採られたのだそうです。

 それは、「その“国の光”(政治、文化、風俗など)を観察して、よく治まっていることを観ること。それによって王の人徳を知ること。そして、その国がよく治まって光輝が観られたならば、王の賓客として迎えられ、仕えるのが相応しい」と解されているのだそうです。

 そこから出た観光という言葉ですが、まさに観てもらうべき自分たちの国の光は何か、ということをもう一度考えて再評価する作業こそが必要なのだと言えるでしょう。

 地元に長くいると、地域の宝を客観的に評価出来なくなり、課題評価か過小評価のどちらかに偏りがちだと良く言われます。

 つまり「おれのまちには何にもない」というか「(じつはそれほどでもないことを)これはすごいだろう」と思うかのどちらかになりがちだということです。

 こういう思いこみから脱却するのには、外からの目が必要です。大いに外に応援団を持ちたいものです。

 そして同時に、地域の中で自分たちの町を本当に知るという仕掛けも必要です。自分たちの町を知り、地域に住んでいる人たちを知るその関係性の強化こそがまちづくりなのです。

 そこから生まれる、自分たちの町を楽しんでいる様子こそが外から来る人たちの魅力として写る事にも繋がるでしょう。

 論語には「近者悦び遠者来る」という言葉があります。近くの人たちが楽しんでいれば、それを面白がって遠くの人たちが訪れて来るということです。

 まずは他にはない自分たちの町を楽しむところから始めてはいかがでしょうか。

 掛川では自分自身本当に楽しみました。考えてみれば自分もよその人間でした。よそから来た人間を、まだ目が曇らないうちに存分に活用しましょう。

 我々転勤族は、転勤先で「早く帰りたい」などと思わずに、その地域をたっぷり楽しんで楽しませて帰ってくるような気構えでいたいものですね。

 
  
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雪氷輸送プロジェクト~氷づくりの取材

2006-02-20 23:31:56 | Weblog
 西日本は雨模様だったようですが、北海道は快晴です。道路は雪が溶けてきました。

 春が近いのはよいのですが、雪氷の氷にとってはまだまだ冷たい冬のほうが良いのです。

 今日は
■雪氷輸送プロジェクトの取材 です。

【雪氷輸送プロジェクトの取材】
 苫東で氷を作り、夏にはそれを東京まで持っていって冷房に使おうという雪氷輸送プロジェクトですが、今日はマスコミ関係の取材が現地でありました。
 
 先週から天然池の氷を切り出して山積みにする作業が始まっていますが、マスコミ各社も映像を撮り溜めておきたいようです。

 現地では氷をほぼ性格に1m×2mの大きさで切り出していますが、現在の池の氷は厚さが約40センチほどに成長しています。これを大きな特注でソリ付きの大型ノコギリと、チェーンソーで切り出しています。

 切り出した氷は水の上にぷかぷか浮かぶので、それを長い棒のついたとんびでたぐり寄せながら岸に近づけ、それをバックホウでトラックに積み上げるという作業をしています。

 トラックは約100m離れた保管場所までそれを運ぶと、今度は現地にあるバックホウでそれをつかみ上げて、3~5段に積み上げておくのです。そろそろ断熱材で覆って保管作業に入らなくてはなりません。

 冬とはいえ太陽が当たるところでは氷も少しずつ溶けているからです。

 氷も、要らない時には凍るくせに、いざ作ろうと思うと結構難しいということがよく分かります。

 氷は膨張したり収縮したりするので、扱いが悪いと割れたりひびが入ったりします。またなにか人工的なものがあるとその回りでは氷が溶けたりもします。

 北海道なら氷など当たり前に出来るかと思いきや、品質を要求するような氷であれば、製造にはそれなりの気をつかったりノウハウの蓄積を行わなくては行けないのです。

 今回はそれらの苦労も含めて、実際に実験をすることで課題を明らかにすることが重要です。

 今日の外気温は0℃くらいですが、氷にとっては暖かい気温です。もっと冷え込んでもらって氷の成長を期待したいものです。

    ※    ※    ※    ※

 北海道はかつて石炭を日本中のために生産して、黒いダイヤと呼ばれましたが、石炭産業が斜陽になった今日、冷たい氷を首都圏に運んで冷房のエネルギーにしようというこの試みは、「白いダイヤ」づくりだね、と言っています。

 白いダイヤは北海道を救えるでしょうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

おやじの会のバスケット交流

2006-02-19 23:24:00 | Weblog
 今日は気温が上がって、湿り気味の雪が降りました。雪がだんだん重くなってきて春の雪のようになってきました。
 今年は80センチのようなドカ雪がまだないので助かっています。
 
 今日は
■おやじの会のバスケット交流 です。

【おやじの会のバスケット交流】
 午後におやじの会対琴中スポーツクラブの交流があったのですが、今日はバスケットです。

 なにしろダッシュの連続なので年々辛くなるのですが、今日も参加してきました。

 中学校のバスケットクラブとは言え、この時期はもう3年生はいなくて2年生と1年生の若いチームです。

 しかし部員はざっと見たところ30人はいるようです。スポーツクラブの人数が多いと言うことは頼もしい限りです。

 試合は8分のセットを全部で4本。しかも親父側の交代は自由です。子ども達のほうも部員全員が出場することということになっています。

 親父側は全部で10人しかいないので、交代は自由といっても攻撃にダッシュして、取られた時に戻るのにダッシュをするのは実にしんどくて、心臓がもちません。

 それでもほぼ現役に近い中学校の先生を助っ人に入れたほか、昨年卒業の野球部のエースも助っ人に来てくれて一応ゲームらしい形になりました。

 試合はこびは、子ども達が1年生主体の時にどんどん点を入れて、2年生の時はどんどん追いつかれるという展開になりましたが、最後は1年生の数が多かったために、60対44で親父チームの逃げ切りとなりました。

 最近こんなにダッシュをしたことがなかったので本当にキツかったです。だらだらした運動ではやはりだめですね。こういう負荷をかけるような運動をたまにしなくてはね。

 でも子ども達は真剣に相手をしてくれましたし、何より先生達の指導が良くて、とにかく挨拶など礼儀正しいのが非常に印象的でした。

 こういう子ども達の姿を目の当たりにしていると、これからの世代に非常に期待が持てます。こういう子ども達の生の姿をもっと多くの父親達に見てもらいたいものなのですが、なかなかお父さん達も忙しいのか、参加者は多くありません。

 教育もまちづくりも全て、自分自身が飛び込んで関わりを持つこと、その現場を自分の目で見ることが大事なのです。

 「自分の子どもは家でしっかり見ている」というだけではなく、友達との関係の中で、あるいは先輩達、先生達の係わりの中でどのような振る舞いをしているかを気にすることこそが本当の子育てであり、手をかける、愛情を注ぐことなのだと思います。

 ついでに親同士が交流を深めるということも大事です。姿を見せること、それが関わることのまず第一歩なのです。

 滋賀県の長浜市で、幼稚園児二人が殺されるといういたましい事件が発生しました。誰かもう少しこの犯人になった女性と関わってあげられなかったのだろうかと残念でなりません。

 何度も登場するマザー・テレサの言葉です。「愛情の反対は憎しみではありません。愛情の反対は無関心なのです」

 世間に関わっていく一歩の積み重ねの向こうにこそ、共同体としての幸せがあるように思います。

    ※    ※    ※    ※

 読み進めている「ローマ人の物語」はいよいよ3世紀に突入しました。皇帝が非常に短い期間で次々に変わっていった、混迷の時代です。

 そしてこのあたりから、ローマ人達に共同体を守る意識から個人主義が台頭し始めたのだ、と著者である塩野七生さんは書いています。一体どういうことでしょうか。
 一段落したらいつかご報告します。

 それにしても怪我をしなくて良かった、ふー。 

    ※    ※    ※    ※

 夜にやたら蕎麦が食べたくなって、残っていた粉で700gを一打ち。やたらに辛い大根と一緒に食べると、これがもう最高。4人前くらい食べてしまいました。
 
 全く自画自賛ながら、自分の蕎麦に大満足。いやあ、蕎麦は腹一杯食べるのが良いですよね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする