北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

蕎麦研究会の年次総会 ~ 高齢化の波と安定の美味しさと

2024-04-14 23:26:23 | 蕎麦打ち

 

 今日は参加している北海道そば研究会の年次総会が砂川でありました。

 登録会員の通し番号は405番まであるものの、今年は物故者も一名いるなど、今や年会費を払って参加している実数は78名となった我が会です。

 今年は創立以来36年目になり、北海道の手打ちそば愛好会としては最も初めにできた老舗の会で本部は奈井江町にあります。

 しかし手打ちそば愛好家が増えるにしたがって全道各地(もちろん全国各地にもですが)に手練れの方が会を立ち上げて、手打ちそばの会はここだけではなくなりました。

 それに少子高齢化の波を受けて、会の平均年齢も年々向上するばかり。

 会場を見渡しても男性は大体が70歳以上の方ばかり。

 最近は女性の愛好家も増えて新しく入会してくださる方もいますがそれでも50代以上の方が多いのです。

 聞けば、札幌などの都会では退職して趣味を求める方がちらほらと入会してくるようですし、例会と称して月に一度など実際に蕎麦を打つ機会にも恵まれているので都会の会はまだ人数も安定しているとのこと。

 それに比べると奈井江町、砂川市、滝川市、赤平市などの会員を中心とする我がそば研究会は若い人の新規参入と言う点ではどうしても不利のようで、年々亡くなる方もいたりして会員数が減少傾向がやみません。

 会の存続が心配です。


       ◆


 会の活動報告では、昨年まで9月に開催されていた浦臼ぼたんそば祭りが、昨年をもって終了し、今年度からは開催されなくなったとのこと。

 会として参加する蕎麦イベントはとうとう幌加内新そば祭りだけになりました。

 蕎麦イベント以外では例会としてこの地域で蕎麦を打つ会を月に一度開催していますが私はなかなか参加できず、幌加内だけの参加イベントです。

 趣味の一つとしては肉体的健康にも食事的健康にも効果のある手打ち蕎麦なので、退職してからなどと言わずに現役の最中からもっとたくさんの人に参加してほしいものです。


       ◆


 総会が終わったところで、恒例の蕎麦の試食会です。

 今日は昨年幌加内でメニューとして提供して評判の良かったかき揚げをつくり、それを冷かけそばでいただきました。

 なんだかんだいってやはり私が揚げ担当ということになりました。

 かき揚げって、市販の出来合いのものは薄っぺらいという印象ですが、手作りのかき揚げは縦に厚くてふわっとしているものです。

 こつは天ぷら粉とともに片栗粉を混ぜて種に粘り気を出すことで、これがないと具材がばらばらになっちゃいます。

 蕎麦とつゆの組み合わせは安定の蕎麦研の味で、いつもながら大満足でした。

 振り返ると、参加者皆が素人で腕を競って上手になろうと頑張っていた25年前が懐かしいなあ。

 今年の幌加内新そば祭りは8月31日(土)~9月1日(日)の二日間です。

 ぜひご来場ください。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

蕎麦打ちの常識 ~ 「水回しは一発で決めろ」?

2024-03-24 23:29:07 | 蕎麦打ち

 

 先週朱鞠内湖へワカサギ釣りへ行った帰りに幌加内町のまちなかで蕎麦粉を買ってきました。

 折角なので新しいうちに、と今日のお昼は蕎麦に決定。

 食べたいときに美味しい蕎麦が食べられるというのは日常の中の大きな幸せの一つです。


 ただ二人前だと粉の量がせいぜい300g程度と少なくて、打ちにくいということがあるのですが、まあお客さんに食べさせるわけでもないので気楽に打ち始めました。

 ところがちょっと水加減を大きく間違えて入れ過ぎてしまったよう。

 石臼挽きの粉はロール挽きの粉に比べてたくさん水を食うというのが定説です。

 なので何の気なしに粉の量に対して46%くらいの水をいれてこね始めたのですがこれがどうにも多すぎました。

 蕎麦打ちでよく言われるのに「こね三年、延し三月、切り三日」という言葉があります。

 蕎麦を細く一定の幅で切りそろえるのはパフォーマンスとして見ても面白いのですが、実はコツさえつかめば案外簡単で、まあ三日もあればできるようになる。

 蕎麦粉の玉を大きな生地にする"延し"も三月もあればできるようになる。

 ただ粉に水を入れてちょうど良い加減の玉を作る"こね=水回し"は最も難しくて、三年はかかる、という例えです。

 水回しに失敗して水を多く入れてしまったら、もうそれは後から蕎麦粉を足しても修復ができない、というのも蕎麦打ちを始めた初期の頃によく聞かされたものです。

 ただそれには理由があって、蕎麦粉は小麦粉などに比べると水を吸いにくい性質があって、水を加えた玉に後から蕎麦粉を追加するとそれには水を吸わせるのが難しく、水を吸収していない粉が混じることで延して切った時に、そこから蕎麦が切れる、ということを言われます。

 今回はまあいい加減に水を入れ過ぎたのですが、もったいないのでとにかく蕎麦粉を足してゆき、ちょうど良い加減になってから再び延してゆきました。

 蕎麦打ちの会合では叱られるところですが自家用なのでいいのです。

 で、蕎麦粉に水が入りにくいならと、とにかく十分に玉をこねてから延しと切りに移ります。

 
 結果的には全然問題なく、いつものように細く長い蕎麦が出来上がり、茹でても切れることなく美味しい蕎麦をいただくことができました。

 いわゆる「世間の常識」というものも、一度疑ってみれば案外当たっていないこともあるわね、という話。

 まあ使った粉が少量だから大丈夫だった、ということもあるでしょうけれど、教科書に書いてあることをなんでも鵜呑みにしない方が良くて、まずは何事も自分で試してみるのが一番です。

 頭で考えずに体で感じましょう。


 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自分なりの楽しみの追究 ~ 皆様、良いお年を

2023-12-31 22:59:48 | 蕎麦打ち

 

 先日漫才の賞レースであるM-1を観ました。

 決勝は勝ち残った3組による二本目のネタ勝負で、私はヤーレンズの方が上かな、と思いましたが審査員の票は令和ロマンに軍配。

 どちらが勝ってもおかしくない勝負でしたが笑いと共に緊張が広がる"勝負"という感じがしました。

 1本4分のネタで勝負し、審査員の点数による勝ち負けなど独特のレギュレーションの下で戦うのですが、令和ロマンは自分たちの順番が先だったり後だったりしたときにどうするか、という作戦や戦略があったというネット記事がありました。

(なるほど、ただ面白いだけではだめなのか)と改めて、ルールを熟知したうえでの勝負に臨む心構えのようなものを知らされてハッとしました。

 ある審査員は「競技漫才」という表現をして、ある敗者の芸人に「競技ではなく劇場でのネタを見てあげて欲しい」と言っていましたが、ルールの中での勝負ではあるのでしょうが、本当に面白いものを見るならば制約のないフィールドで勝負させてあげたいとも思います。


      ◆


 実は蕎麦打ちにも似たようなことがあって、プロではない素人の蕎麦打ちには段位認定試験があります。

 全国麺類文化振興協議会(通称全麺協)という団体が認定する蕎麦打ちの技術を段として認定するもので、初段は700gの蕎麦粉(+割り粉)を40分以内に細い蕎麦にする技術を問う、ということから始まって、技術的には五段位が最高で、今は名誉上位段として「八段位」まであるようです。

 これらも特定の粉を使って指定の量を制限時間以内に打つことで技量を試されるのですが、私は二段まで取ったところで転勤で北海道から離れてしまったために連続して段位認定試験を受けることがなくて、次第に段位取得から離れて行きました。

 自分自身の価値観も、指定の粉で制限時間以内に打つということよりも、より美味しい蕎麦粉を探してそれを上手く細切りの蕎麦にすることや美味しい蕎麦汁を作ることを合わせて、美味しい蕎麦を食べることに関心が移って行き今に至ります。

 私の場合は「細く長くコシのある蕎麦」が好みなので、生地の長手をできるだけ長くしてできるだけ薄く熨すことで"細く長く"を実現させます。

 コシは、できるだけ挽きたての蕎麦粉を使うことが大事なので、ここが旨いと思う馴染みのお蕎麦屋さんから自分で打つ直前に粉を分けてもらって調達しています。

 蕎麦汁も蕎麦研究会で馴染みの鰹節屋さんから薄削りの本枯節と宗田鰹を仕入れて食べる直前に出汁を取り、半年以上寝かせている"返し"を合わせて作ります。

 余計なものを一切使わずに使っているものは全部自分で納得の安心の材料で、結果的にはお店へ行くよりも格安で美味しいお蕎麦が食べられます。

 段位認定の蕎麦打ちからはある意味脱落したのですが、自分的にはこの到達点で十分だな、と思っていて良い趣味を持ったものだと様々な出会いをありがたく思います。

 今日も午前中に両親などに配る分と自分たちで食べる分を打ち、午後には歳前の挨拶と共に、汁と一緒に蕎麦を配って歩きました。

 
 振り返ると今年もいろいろなことがありましたが、大晦日に蕎麦を打って美味しくいただいて年を越せ、平和で安寧な時を過ごせるということにも感謝です。

 多くのお世話になっている皆さま、こんなブログを読んでくださっている皆さまにも感謝です。

 今年もお世話になりました。

 来年が皆さまにとっても健やかな年になりますようお祈り申し上げます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

手打ちそばの会の3年ぶりに開催された総会

2023-04-16 21:52:26 | 蕎麦打ち

 

 参加している手打ちそば愛好会の総会が砂川市で開催されて出席してきました。

 コロナのせいで過去2年間の総会は書面による開催となり、また各種のイベントも過去3年間にわたり開催されませんでした。

 3年ぶりの総会という事で、会長や役員の皆さんなど懐かしい人たちに会えると思っての参加でしたが、3年ぶりに会う皆さんは予想以上に老け込んで見えました(笑)。

 昔は紙の黒かった人がすっかり白髪になっていたり、しわも増えて年寄りになった感じ。

 もちろん私も3年前に比べると格段に歳を取った感じになっているのですから当たり前なのですが。

 総会の冒頭では、この1年間に亡くなった物故者4名に対する黙とうから始まりました。

 会員は、番号で言うと400番台の人までいるのですが、中抜けの数字も多くて今では実質の会員数は84名だそうです。

 やはり寂しくなりました。


      ◆


 特にショックだったのは、蕎麦イベントの度に一緒に天ぷらを揚げてくれた先輩が退会されていたこと。

「いつもお世話になっていた◆◆さんはどうされたんですか?」
「ああ、あの人はもう年で車の運転ができないから参加できないって言ってきましたよ、寂しいね」

 イベントではエビ天を二日で400匹揚げるという大変な役回りを一緒に演じて、エビ天の準備から揚げ方までを丁寧に教えてくれた先輩でした。

 こうやって一人ずつ年上の先輩がいなくなってゆくのかと思うと寂しい限りです。

 大体が年上だろうな、とは思う先輩の皆さんの年齢を聞いてみると、いつも精力的に参加してくださる方でも大抵が70歳代半ばです。

「今年で75歳になります。後期高齢者ですよ(笑)」と笑っていますが、さてあと何年参加してくださるものか。

 
 そして案外この会がすごいなと思うのは女性が多いことです。

 それも大概は私と同世代か年上の皆さんなのですが、皆さん蕎麦は立派に打つ打ち手でもあります。

 それでいて主婦の方が多いので、イベントでは配膳や片付けなどにも大活躍。

 女性が多いのがまだ救いです。


      ◆


 会議では、今年の各種蕎麦イベントには積極的に参加してゆく方針が確認されましたが、各種イベント自体がまだ実行委員会をこれから開催するというところが多く、もしかしたら開催されないイベントもあるかもしれません。

 それも自治体に職員の高齢化や予算の問題など、イベントをやるだけの力がなくなってきているからです。

「幌加内の新そば祭りもだんだん大変になってきた感じだものね」

 以前の幌加内町は、町長自らが高名な蕎麦打ちだったときがあって、そういう時代は町を挙げて蕎麦イベントに力が入っていたものですが、代替わりすると共に過疎化や高齢化など、良くなる要素はありません。

 この手の会も少子化で若い人たちがなかなか入ってこないのが悩みの種。

 手打ちそばの文化はどのようなことになってゆくでしょうか。


      ◆


 さて、手打ちそばの会の総会と言えばつきものなのが総会後の蕎麦の試食会です。

 名人クラスが事前に2種類の蕎麦粉で打ち分けた蕎麦の味比べをします。

 今回は、ぼたん種という有名の蕎麦を石臼挽きしたものと、甘皮を少し入れてロール挽きで作った粉の二種類。

 石臼挽きはコシが強く、一方ロール挽きでも甘皮が入ると蕎麦らしい風味が際立ってどちらも美味い。


                      【石臼挽き】

 


                      【ロール挽き】

 冷かけの蕎麦を4杯もいただいて大満足。この味をイベントでもぜひ食べてもらいたいものです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

打てるもんだなあ ~ ケガからの復帰後初の蕎麦打ち

2022-04-10 21:08:28 | 蕎麦打ち

 

 久しぶりに蕎麦を打ってみました。

 1月に手の怪我をしてから3か月。

 この間全く蕎麦打ちからは離れていたのですが、リハビリなどを経てようやく手の調子が少しずつ戻ってきたので久しぶりにチャレンジをしてみました。

 まずは家族3人分の600gからをおずおずと始めます。

 もう大丈夫じゃないかな、と思いながら始めてみると実際には、(ああ手首の関節がまだ少し痛いんだな)とか(この辺の動きがまだだな)という気づきがあって今の現状が分かりました。

 それでも粉の量が少量という事もあって、切る分にはそれほどの苦労もなく、まずまず細く長い蕎麦ができあがり。

 蕎麦粉は近くのお蕎麦屋さんから手に入れたもので、鮮度も良くてコシのある美味しい蕎麦が楽しめました。

 この間、蕎麦を食べるのには蕎麦屋さんへ行くしかなかったのですが、蕎麦打ちが何とかできそうだということが分かってほっとしています。

 蕎麦打ちと釣りができないとちょっと辛いところですが、逆にこれらができればまあまあ残りの人生は十分楽しめることでしょう。

 とにかく良かった、というのが本音です(笑)。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

美幌町産蕎麦粉を打ってみた ~ ふるさと納税返礼品

2021-11-14 22:58:31 | 蕎麦打ち

 先日友人から紹介された「美幌町産石臼挽き蕎麦粉セット」。

 ふるさと納税の返礼品で手に入る、というので早速美幌町に寄付をして蕎麦粉を送ってもらいました。

 内容は、一番粉の1kgが一袋と田舎風二番粉の500gが二袋、そして打ち粉500gが一袋のセット。

 今日は、私と妻と次女の大人三人なので、500gの田舎風蕎麦粉につなぎの小麦粉を100g足して、600gで打ってみました。

 水分量は270㏄で始めて足りない分を補ってゆき、最後に296㏄でちょうど良い感じで水回しを終えました。

 

 粉の量に対して水分量が49%ということで、やはり石臼挽きの粉は水を食いがちになります。

 水回しがうまくいけばあとは熨して畳んで切るだけ。

 ちなみに江戸時代の蕎麦職人の間では「切りべら23本」と言って、畳んだ蕎麦の生地幅一寸(=3.03㎝)を23本に切るのが基本の太さと言っていたのだそう。
 …ということは、3.03÷23≒1.317ミリというわけ

 今回私も挑戦してみましたが、二寸の幅で38本に切れましたがこれでは6.06÷38=1.595ミリと江戸前よりは気持ち太かったか。

 ちなみに、8層に畳んだ蕎麦生地の厚さを図ってみたところ15ミリで、これは15÷8=1.875ミリということになります。

 普段と同じくらいに薄く熨したつもりでしたが、これでも厚かったとは感触としてもう一段薄く熨して一段階細く切らなくてはいけない。

 最後に茹でて食べましたが十分に満足のゆく細さでしたし、挽き立てでコシがありまた田舎らしく黒い色をして蕎麦らしい味がする良い粉でした。

 次回は1番粉をまだ挽きたて状態が続くうちに早く打たなくては。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日は蕎麦の日 ~ 牡蛎蕎麦の話題を二つ

2021-10-08 23:02:47 | 蕎麦打ち

 今日10月8日は「蕎麦の日」なのだそうです。

 その由来は、10=十は「そ」、8=八は「ば」と読めることから、「美味しいそばをもっと多くの人に味わってもらいたい」という語呂合わせ。

 この記念日は、一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されたものらしくて、特に蕎麦に関わるところからの発想ではないようです。

 秋は新蕎麦の季節で蕎麦の美味しくなる季節です。

 ここのところ、お昼に「牡蛎そば」を食べる機会が続きました。

 はじめは、釧路市の「玉川庵」さん。

 こちらの牡蛎蕎麦は、暖かい蕎麦にごろりとした牡蛎が6~7個入った豪華なもの。

 釧路の近くでは厚岸湾の牡蛎が大きくて美味しいことで有名ですが、こちら玉川庵さんはご主人が元々厚岸でお蕎麦屋さんをやっていて牡蛎との出会いがあったのだとか。

 釧路では東屋さんという更科系のお蕎麦屋さんが地元民のソウルフードになっていて、田舎系の太い蕎麦はあまり人気が出ないように思います。

 そんな食文化風土の中にあってこちら玉川庵さんは、牡蛎蕎麦で、しかも野太い感じの田舎蕎麦で頭角を現しているお店です。

 鰊番屋を模したという店構えも風情があって、釧路へ行く機会があれば、牡蛎の季節にはぜひ訪れてほしいお店です。


     ◆


 お次は札幌市南区の「正直庵」。国道453号沿いで「札幌芸術の森」の手前にある手打ちのお蕎麦屋さん。

 私が札幌市内で一押しのお蕎麦屋さんなのですが、今回は約10年ぶりの訪問です。
 
 こちらでの「牡蛎蕎麦」は、冷たい蕎麦を牡蛎の入った暖かい汁につける蕎麦。

 蕎麦はいつもどおり美味しかったのですが、牡蛎の風味が強くて、蕎麦の美味しさを味わうならシンプルな方が良かったかな。

 しかしこちらは店内に、使っている蕎麦粉が茨城の「常陸秋そば」と道東摩周の「きたわせ」です、とまで掲示してあって、蕎麦粉へのこだわりが伺えます。

 滝野公園事務所に勤めていたときは、こちらから蕎麦粉を売っていただいて職員と蕎麦パーティをやったことを思い出しました。

 以上、牡蛎そばの話題をふたつ。

 新蕎麦の美味しい季節になりました。

 蕎麦を通じて季節をお楽しみください。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

良い道具は「世代送り」をしよう

2021-04-25 22:49:22 | 蕎麦打ち

 

 先日甥っ子がお嬢さんの入学内祝いの品をもって我が家を訪ねてきました。

 甥っ子のお嬢さんと、私の二人目の孫は同い年で、学校は違えどどちらも小学校入学。

 将来は仲良くなってほしいものです。

 ところでこの甥っ子が一年ほど前から蕎麦打ちを始めたのだそう。

 蕎麦打ちと聞いては黙っていられないのですが、本人は「いえいえ、まだ全然素人です」と謙遜することしきり。

 内祝いの品に添えて、地元の知り合いから手に入れたという挽きたての蕎麦粉もプレゼントしてくれました。

 蕎麦打ちの先輩としてはぜひ一緒に打ちたいところで、「今度札幌へ来るときは一緒にそばを打とう」と約束しました。

 ついでに何かあげられるようなものはないかと蕎麦打ちこーなーを見渡して、最近はほとんど使わなくなったイベント用の"のし棒"をプレゼントしました。

 蕎麦を薄くのすときに使う"のし棒"は、長さ90センチほどの丸い棒ですが、ちょっと上手になって1㎏以上の量を打つようになると、一本では足りなくなります。

 のす長さが長くなるので、のしながら蕎麦を巻いてゆく"巻き棒"という長さ110~120センチほどの棒が必要になってきます。

「まだ持っていないようだからこれをあげるよ。いずれ上手になると必要になるけれど、なかなか売ってないからね」

 そば打ち道具も面白くなる頃からどんどん道具が増え始めます。

 次第に友達が増えると蕎麦打ち道具も買ったりもらったりして数が増えるのですが、その一方で手になじんだ道具がだんだん決まってくるものです。

 わたしももう今では使う道具が決まってしまっているので、ちょうど(使われずに眠っているだけの道具はもったいないなあ)と思っていたところ。

 飾られている道具が使われるのならば道具も嬉しいことでしょう。


 アマチュアそば打ち仲間が高齢化しています。

 やがてそば打ちから離れてゆく人も増えるし、高価な道具も使われずに眠っているものが増えるはずです。

 趣味において、手に馴染んだ道具は良いものです。

 良い道具こそきっちり世代送りをして生かし続けたいものですね。 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

酒と蕎麦 ~ 北海道の幸せがここにある

2020-12-06 23:42:00 | 蕎麦打ち

 

 娘たち一家が「美味しいお酒が手に入ったよ」ということで我が家へやってきました。

 なるほど、上川にある上川大雪酒造(株)が、十勝の帯広畜産大学内に作った酒蔵「碧雲藏(へきうんぐら)」で作ったお酒です。

 原材料は米も米麹も北海道産のお米。

 口に含むと、甘目ながらきりっとした感じも出ていて、北海道産日本酒万歳、です。

 美味しいお酒を持ってきてくれたお礼に、先日「蕎麦屋大節」さんから譲り受けた蕎麦粉で蕎麦を打ちました。

 粉は二種類あったのですが、試しに打ち分けてみると江別産の新蕎麦粉が実にコシが出て美味しい蕎麦になりました。

 良い蕎麦粉は打っている最中から手に弾力が返ってくるのでわかります。

 上手な蕎麦は「一寸で23本に切る」と言われますが、今日はどれくらいだったでしょう。今度計ってみようかな。

 「切り」の際に蕎麦がきれいにならないのは、ほんの少しだけ加水が多い証拠。

 切った断面の粘りがちょっとだけ強くて包丁についてしまいぴょんと跳ねるのです。

 水分量は粉に対して48%入れたのですが微妙に多かったか。

 しかし茹でて冷水で〆れば取り返せます。いや、今年でも指折りの美味しさでした。

 親類に配る年越し蕎麦はこれで行こうっと。

「酒と蕎麦」 北海道暮らしの幸せがここにある。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

桜蕎麦に挑戦~ぶらっと掛川ツーリングの二日目

2008-04-13 23:58:25 | 蕎麦打ち
 「ぶらっと!」ライターによる掛川ツーリングの二日目です。

 昨夜泊まったならここの里キャンプ場では、今日は桜祭りが開かれます。盛りは過ぎたもののまだきれいな桜が残っていました。市役所の諸君の皆さんが自主的にうどんの販売をして賑わいに一役買うのだとか。こういう姿勢がとてもいいなあ。

 天気も好天で、さぞ賑わうことでしょう。

  

    ※    ※    ※    ※

 朝みんなで朝食を取った後、私は別行動でならここの里を離れて、昼食会場で蕎麦研究会に合流。今日の昼食は蕎麦研の手打ち蕎麦でおもてなしをするために、準備をするのです。

 さて、せっかくのおもてなし。ただの手打ち蕎麦ではつまらないので、季節感を活かした蕎麦として「桜蕎麦」に挑戦することにしました。桜蕎麦とは、更科粉に桜餅に使う桜の葉の塩漬けを粉砕して練り込んでみるというものです。

 私も噂に聞いたり、ネット上でやられているサイトを覗いたりしてみましたが自分自身で打つのは初めてなので勝手が分かりません。でも、なんでも挑戦する勇気が必要ですからね。

    ※    ※    ※    ※

 記憶と記録を残す意味で少し写真を多用しながら様子をお知らせしましょう。

 まず桜の葉は近所のお菓子屋さんに桜餅用のものを分けてもらいました。50枚が一束で160円とのこと。思いのほか安いものです。

 実はこの場で袋を開けてみると、塩漬けの塩が多くてものすごくしょっぱいことに気がつきました。すこし塩抜きをしてみましたが、なかなか塩は抜けません。

  

 ミキサーへ50枚全部を入れて細かくくだきます。できるだけ細かくしたかったのですが、一定の限界もあります。これを容器に移しておきます。水を換えたりして少しでも塩が抜けるようにしてみます。

  

  

 さて、いよいよ蕎麦打ちの始まり。粉は更科粉なので熱湯を使ったりして蕎麦を打つのも田舎蕎麦よりは高度な技が要求されます。分量は更科粉が1kgに、つなぎの小麦粉を0.3kg入れます。いわゆる「外三(そとさん)」という割合です。二八よりはつなぎの量を多くしてつながりやすくしました。

 玉にする直前に桜の葉を入れます。ここで少し食紅を入れてみました。桜の花びらをイメージしてほのかなピンク色にしようというのです。分量が分からずにいたら、お手伝いに来てくださっていた画家の女性から、「ほんの少しで良いと思いますよ」というアドバイスがあり、分量も適切なものになりました。打ち粉の白とは違う淡いピンク色が分かりますか。

  

  

  

 さて、この玉をのすのですがこれが一苦労。少し水が多かったのと、桜の葉が入っているために生地のつながりが悪くて、端の方も真ん中も力無く割れて行きやすくなっています。時間をかけずに、薄さも追求せずに早さだけを求めて手早い作業に努めます。

 生地はこんな感じ。自分としてはもう少し薄くしたいのですが限界です。

  

 包丁を入れると案外良い調子で切れてくれます。あまり細すぎると茹でるときに切れそうなので、更科蕎麦としてはやや太めに切って行きます。

  

  

 さていよいよ茹でです。食紅の分量がちょうど良くてほのかな桜色になりました。アドバイスをくださった女性画家の方からは「雅(みやび)な色が出ましたね」という感想が。まさにその表現が雅です。

  

 盛りつけるとこんな感じ。

  

 実際に食べてみると、葉の塩味が抜けずに面に塩味が残りました。汁をつけずに食べてもらうのがよいか、やはり葉の塩抜きをしてから使うのがよいのかは今後の課題です。そのままで水蕎麦で食べてもらうという趣向も案外面白いかも知れません。隣で仲間に茶そばを打ってもらったので、並べてみるとこんな感じです。随分色が違うものです。

  

 さて、いろいろと反省点もありますが、初めてにしては上出来です。打っている最中は「駄目かも知れない」「桜散る…にならんように…」と悪いジョークを飛ばしながら作業していましたが、結果は「桜咲く!」合格です。

 会食に参加してくださったぶらっとライターからも好評でした。

 蕎麦研に、季節限定の変わり蕎麦として新しいレシピが加わりました。食べたい人はいますか~?

  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする