北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

フライフィッシングのバイブル

2011-09-30 23:45:42 | Weblog
 先日、「ドクター川野」こと川野信之さんが一週間にわたって道東を訪れて、多くの魚との出会いを楽しんいかれました。

 川野先生は脳外科医の権威でありながら、若い時に留学した先でフライフィッシングに出会い、以来その世界に引き込まれたのでした。

 フライフィッシングをやるうちに、40代後半になって「なんとなく物覚えが悪くなったように感じだして」、知識や経験を紙に書いておかなくては消えてしまう、と思ったのだそうです。

 そこで海外から本や雑誌を取り寄せて、人のためと言うよりは自分自身のために少しずつフライフィッシングに関する単語の説明を書き始めたのだそう。

 それがやがて結実したのが「フライフィッシング用語辞典」という大部。


   【ついに届いた!】


 執筆には14年の歳月がかかり、「いつできるの?」と問われることもしばしば。しかしついに3275語を納めた日本のフライフィッシャー待望の書として完成したのでした。

 川野さんは、執筆に当たっては医師と言う職業柄、英語やラテン語に接することが多かったために翻訳などの作業にはそれほど苦労することもなく、かえって楽しかったと振り返ります。

 そんな川野先生の「フライフィッシング用語辞典」ですが、最初にお迎えして酒を飲んだ時に、「まだ何冊か初版本があるんですよ」という言葉を聞き、「ぜひ一冊、それもサイン入りでお願いできませんか」とおねだりをしたのが届きました。

 
 まだまだフライの世界は淵に立った程度の私ですが、その奥深い世界を歩く道標としては最適の書が、最高の形で手に入りました。


   【中身には川野先生の経験がたっぷり】



    ※     ※     ※     ※     ※


 扉を開くと、お願いした通りのサインと、川野先生自筆のメッセージが書かれていました。

 「今回の道東釣行はとても楽しいものでした。Fly Fishingは長く楽しめる奥の深い遊びです。奥さまと長くお楽しみください。Tight Lines!」


   【自筆のコメント付きでしかも初版本!】



 川での実践とともに、背景の文化や先人達の多くを学ぶことでより深いフライフィッシングの世界を味わえることでしょう。

 新しいことを始めるときに、四分の一は実践から、四分の一は理論から、四分の一は歴史から、そして四分の一は道具から入るのが習い性になってしまった私には、格好の、そして記念になる宝物です。

 よし!がんばろう! 
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釧路からの生中継~テレビ東京系ワールドビジネスサテライト

2011-09-30 21:48:58 | Weblog
 今夜のテレビは是非ともテレビ東京系列、北海道ならばテレビ北海道の『ワールドビジネスサテライト』をご覧ください。


   【今日の23時からこのセットで釧路をお届けします】


 美人女性キャスターの小谷真生子さんが釧路へ来て、MOOからの生中継。


   【天気は何とかもってます】


 番組表では「…ビジネスや生活に役立つ経済ニュース…」などとあって、釧路からの中継とはどこにも書いていませんが、この夏中継エリアを釧路を中心とする道東エリアに拡大したテレビ東京のスペシャル中継と言うわけです。

 会場はMOOに隣接する植物園eGGで行われることになっていて、現場には既にキャスターが座る椅子などがセットされています。

 天気は曇りで、背景には幣舞橋が良く見えますよ。

 今日は北海道の優良企業ニトリさんの社長も登場して北海道をテーマに語られることになっています。

 少し涼しいとは思いますが、キャスターの机の下には赤外線暖房が…。まだそこまで寒くはないだろう…(笑)と思いますが、東京と釧路では気温が随分違うのでしょうね。


   【ほら赤外線暖房が机の下に】



   【後ろから見るとこんな感じ】


 途中の地元紹介で前撮りしたビデオでは岸壁炉端の賑わいが放送されることになっていて、私ももしかしたらサラリーマンに交じって映るかもしれませんよ。


   【私もこの中で飲んでました】


 放送は本日23時からです。では釧路からの映像をお楽しみください。



   【放送直前のスタッフミーティング、そろそろ緊張してきました】
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阿寒湖畔のライバルはどこ?

2011-09-29 23:45:05 | Weblog
 観光にかかわる知人のAさんと話をしていて、観光地の現状の話になりました。

 私は、「この秋以降は北海道横断自動車道が開通することもあって、道東がブームになるだろうし、ブームにしなくてはいけない。タンチョウの話題も上手に使いたいと思うのです」と話したところ、「こままささん、阿寒湖畔のライバルはどこだと思いますか?」と返されました。

「ライバルですか?知床ですか?十勝川温泉と言うことはないでしょうねえ」と答えると、「こままささん、ライバルは九州ですよ。今九州は観光客が押し寄せてすごいんです」とのこと。

「それは東北大震災と放射能が影響して、北よりは西という選択なのでしょうか?」
「いえいえ、九州が人気になっている最大の要因は九州新幹線の開業なんですよ」

 九州新幹線の開業!確かに旅行関係者にとっては話題性のある出来事には違いありません。また震災の影響もないとは言えないでしょうけれど、それほどの差になっているのでしょうか。


 するとAさんは、「九州はもう2003年頃から、JR九州が中心となって、九州という島全体で観光客を誘致するために九州観光推進機構をつくって準備を始めていました。まずは九州に来てもらおう、そしてその後で7つの県が切磋琢磨しながら観光客に地域の魅力を訴えていこうという作戦なんです」

「新幹線が地域を変えたということですか」
「もちろんです。地域を訪れる手段と席数が増えるのですから、不安定な飛行機よりは有利ですし、新しいものが好きという心理もあるでしょう。しかしまずは、県ごとにバラバラに自分たちへと誘致合戦をするよりは、『まず九州へ』と言うところではスクラムを組んでいるんです。北海道全体の動きと比べると雲泥の差がありますよ」


 実際、釧路空港でも発着する便数は変わらないとしても、機材が小さくなる傾向にあってなかなか元には戻りません。

 一便で300席を運んでいたのが150席になると、同じ便数が着陸しても輸送客数は半分になるのです。

 しかしそのために搭乗率は上がるものの、飛行機の座席が取れないということも多くなっています。会社の利益と地方の活性化は相反していることだってあるわけ。

「ううむ、航空会社に対して機材を大きくしてくれるように陳情をしないといけませんね」

 するとAさん、「機材繰りが大事なのですが、航空会社によっては大きな機体をもうもっていないところもあると聞きます。お調べになった方がよいでしょう」というアドバイスをくれました。

 大きなエリア選択で北海道を優位にするという取り組みも必要なようです。

 九州は地道ながら長く誘致活動を継続してきたようです。北海道も負けてはいられないはず…なのに。

 地域の連携が大切です。



【九州観光推進機構とは】 http://bit.ly/pROtB7
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PTA研修会での講演~教育における父親の役割

2011-09-28 23:45:30 | Weblog
 釧路市PTA連合会からの依頼を受けて、「単P会長・事務局長研修会」で約1時間の講演をしてきました。

 タイトルは「教育における父親の役割」にして、子育ての体験記から得られたこと、考えさせられたこと、反省すべきことなどについてお話をしました。

 子育ての最中には、親が子供のためによかれと思う気持ちが結果として、却って仇になるということもあって、それもまた親としての成長の糧というわけ。

 こちらも親は初めてやるのだから失敗はあるわけで、失敗したとしてもそこから這い上がるのは自分自身の責任と覚悟でやらなくてはいけないのです。

 家庭の中にあっては、その瞬間逃げてはいけない場面が必ずあります。その刹那の態度が父親としての覚悟を問われるときに、自分は正しく行動できるでしょうか。日々反省するばかりです。


    ※     ※     ※     ※     ※


 講演の後には懇親会に招待されました。自分から話題を投げかけた時は、それをどう思ったかを聞くことを楽しみにして、各テーブルを回ります。

 そうすると案外思いもよらない考え方や情報が得られたりすることがあって、それがまた自分への褒美でもあるというわけ。

 一つの話題を中心に、お互いにインスパイアし合うというのは楽しい時間です。

 今日は各PTAの役員さんや各学校の事務局長さんの自己紹介があって、各テーブルを回りきれなかったのがちょっと残念。

 別な機会にでも感想など教えてほしいものです。


 またPTA会長さんの中には知人も多く、こういうところで学校が地域に支えられているんだ、ということが分かります。

 中には、「親もそうでしたが、私もともに親子二代のPTA会長となりました」という方もいて、ボランティア精神も遺伝するのか、やはり親の背中教育の結果なのかわかりませんが、頭が下がりますね。

 
 さて子育ての悩みは案外他人には言えないものです。

 しかし周りの手助けを借りないことで、解決を遅らせるということだってあるかもしれません。

 私もできることがあればどんどん助けたい側の人間です。今日の会合が釧路の教育環境の向上に繋がれば幸いです。

 お聞きいただいたみなさん、ありがとうございました。
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発すれば届く…かもしれない

2011-09-27 23:45:49 | Weblog
 私はevernoteというネット上の個人用ドキュメント管理システムを使っています。

 evernoteはスキャナーとも相性が良いので、新聞のスクラップ記事などはスキャンしてすぐに送ってしまえば、あとはなんとかなるのです。

 特に、日々の予定などは紙でもらうとすぐにどこかへ行ってしまうのですが、現物をもらうと同時にevernoteへ送ってもらうことにしています。

 evernoteには無料でのお試し利用と、年間使用量を払うプレミアム利用がありますが、プレミアムにすると月々1GBまでデータを送ることができるようになります。

 ハードディスクがクラッシュしてデータが吹っ飛んじゃうことを考えたら、データのリスク管理上もメリットは大きいのです。

 
    ※     ※     ※     ※     ※


 ところで、このevernoteはネットの向こう側にデータがあるので、我が家で作業をした後に職場のパソコンでその続きの作業をする、という芸当ができるのも嬉しいところ。

 いちいちデータを持ち歩かなくても良いのが嬉しい…と思っていたのですが、今日職場でパソコンを開いてみると、昨日の作業を反映したデータが見つかりません。

 送ったデータはevernoteのサーバーと同期をすることでどこでも使えるようになるのですが、この同期がどうやらうまくいっていないよう。

 職場では何度トライしてもだめで、とうとうさじを投げてフェイスブック上で「evernoteの同期がうまくいかなくて使いにくい」と愚痴をこぼしたところ、たちまちネット上の友達何人かから反応が返ってきました。

 曰く「私はdropboxを使っていますがこちらも便利ですよ」、「単純なファイルの共有化であれば、Dropboxのほう​が使いやすいですよ」など、Dropbox派による「evernoteやめたら?」という逆襲のアドバイス。

 ところがその一方で「私はevernote派。スキャナーと連動など便利な機能が多いですからね」、「自動で同期する時間を短くしてみてはいかがですか」などといったevernote派からの応援もあって、結局一体どっちが良いかよくわからない(笑)。

 多分自分の使い方により合う方があると思うのですが、しばし試行錯誤の時間が必要かもしれません。


    ※     ※     ※     ※     ※


 ところで、こんな風にフェイスブックなどで繋がっていられれば、ちょっとした悩みなどはすぐにネット上の友人たちからのアドバイスの輪が広がります。

 悩みは声や文字にして外に出さないと誰も気づいてはくれませんが、逆に出しさえしてみれば誰かが気付いてくれるかもしれません。

 繋がっていることを資産だとする考え方では、これを「関係資本」と呼びます。関係しているというのは新しい価値を生む源だというのです。

 でもただ関係しているだけではいけません。この関係の中に情報や行動を放り込まなくては化学反応は起きません。

 だから、気づいたことでも考えたことでも、やってみたことでも、何でもよいから情報を発信してみましょうよ。

 自分には当たり前のつまらないことでも、他の人に刺激を与えることがありえるのです。





    ※     ※     ※     ※     ※


 幕末の日本からは陶器がヨーロッパに向けて輸出されましたが、その隙間に間詰めする梱包材に使われたのが浮世絵の版画が印刷された紙で、これがゴッホなどヨーロッパの印象派に深い影響を受けたのは有名な話。

 
 発しない声は聞こえないけれど、発すれば誰かが聞いているかもしれないのです。

 まずは自ら発するという実践をしてみてはいかがでしょう。 
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自分の覚悟はどこにある

2011-09-26 23:45:42 | Weblog
 先週末に開催された建築士会全道大会を皮切りに、市内を始めあちこちでお話をする機会をいただいています。

 明後日の夜は市内のPTA研修会で、テーマは「教育と父親の役割について」と題して1時間ほどお話をします。

 子供との関わりの中で、普段からの、そしていざと言うときの父親の役割について考えてきたことについて聞いてくれた方のお考えもぜひ聞かせていただきたいものです。

 話は私の子供のことが発端となって、父親としての自分について考えさせられたことが中心です。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」とは当時はプロイセンと呼ばれたドイツの鉄血宰相ビスマルクの言葉。

 自分のつたない経験を全てのように思うことは慎まなくてはいけないと心がけてはいるものの、それでもやはり自分の身に起こったことは強い印象を持つものです。

 要はそこから何を学び、それをきっかけとして一般的に敷衍(ふえん)できることは何かを学び取れば良いのではないかと思うのです。

 
    ※     ※     ※     ※     ※


   【自分の決断の結果には責任をもつべし】


 ほんの一端だけお話すれば、人生には自分自身の覚悟が問われる場面があるということ。

 苦しくて困った時には専門家や友人から、「こうすべきだと思うよ」、「こうした方がいいよ」などとアドバイスを受けることがあるでしょう。

 しかしそれらのアドバイス通りにやってみて巧くいかなかったときはどう考えるでしょう。

 アドバイスをしてくれた人を恨んだり文句を言ったりしますか。あるいは「言われた通りやったのにうまくいかなかったのだから責任を取れ」と言うでしょうか。


 今はそんなことをする人も案外いるのかもしれませんが、本来は自分の悩みを解決するときには様々なアドバイスをもらったところで、最後に決断するのは自分自身に外なりません。

 そうした決断に対する結果の責任を負うのも自分だと考える、責任を他人には求めない、それを覚悟と言います。

 この精神を今は誰も語らなくなったような気がします。 
 
 
 勉強などは学校であっても社会に出てからであっても、自分自身を高めるために行うものであって、その結果については自分自身が責任を負う覚悟をもってしなくてはならないはず。

 それなのに、「先生の教え方が悪いから」「ちゃんと指導してくれないから」と自分以外に責任を転嫁するなんて、自分の行く末に対する覚悟ができていないのだと言えるでしょう。


 
 詩人茨木のり子さんの詩、「自分の感受性くらい」の後段の一節は、

  初心消えかかるのを
  暮らしのせいにはするな
  そもそもが ひよわな志しにすぎなかった

  駄目なことの一切を
  時代のせいにはするな
  わずかに光る尊厳の放棄

  自分の感受性くらい
  自分で守れ
  ばかものよ


 …でした。心にしみる良い詩です。


    ※     ※     ※     ※     ※


 はてさて、では今日の自分に覚悟はあったのか。

 この際「日に三度吾が身を省みる」しかありますまい。 



 週末は全国まちづくり会議で埼玉へ行き「港町のまちづくり」について話をし、週明けは市民大学の開講に合わせた講演が予定されています。

 再来週は恵庭市で自転車のまちづくりについての講演。この間、生涯学習についての学習会や市議会議員の皆さんとの勉強会などもあります。

 秋は勉強の秋です。
  
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寿命には限りがありますから

2011-09-25 22:51:50 | Weblog
 今日は札幌経由で東京から来た友人ハマノさんを迎えての道東釣り紀行。

 ライフスタイルプロデューサーを名乗り、常に新しい生き方の提案を続けまちづくりの世界でも知られたハマノさんですが、6月に掛川の人たちと一緒に道東へ釣りに来て以来、川の持つポテンシャルとともに地元のロコ・ガイドのレベルがとても気に入ったようで、札幌での仕事の旅に足を延ばして来てくるようになりました。

 生き方提案の中でも、釣りの世界では自他ともに認める「プロ」のハマノさんだけあって、道具立てからスキルも半端ではありません。

 その世界では影響力のある人が喜んで楽しみにして来てくれる道東の川。真の魅力は常にヨソ者が評価してくれるのです。


    ※     ※     ※     ※     ※



 

 さて、せっかく来てくれたこの週末ですが、台風15号による雨以降、釧路周辺の川はどうにも濁りが収まらず、今日も場所選びには苦労しました。

 下流はともかく、上流は濁りが取れていることを期待して茶路川を目指します。

 かなり上流で川の近くに車を止めて流れへと足を入れてみましたが、やはり濁りはかなり強くてこれでは魚もフライが見にくいだろうなあ、と皆ちょっとがっかり。




 もう季節的に川に浮かせるドライフライではきつかろうと、ベテランたちはルースニングと言う、沈めて水中の餌に似せたフライを使っています。

 魚にとっては水面に浮く虫を食べるというのは鳥などの外敵に狙われる危険性があるのでとても勇気のいる行為なんだと。
 
 それでも空腹には勝てないわけで、できるだけ動かずに済むところに落ちて来た虫だったら食べてみようか、という気にさせるのが水面上のドライフライのコツ。

 それに比べると魚卵や川エビなど、もともと水中にあるようなものに似せた餌だったら安心して食いつけるので釣れる確率はかなり上がるのだそう。

 それでも濁りが強いとそれ自体なかなか見えないので、錘(おもり)や浮きの加減や投げ入れる場所などに工夫が必要で、そうした経験の引き出しを持っているのがベテラン。

 ところがそのベテラン陣も、「今日は渋いなあ」と難しさを隠せません。条件が悪いと難しいのです。

 
    ※     ※     ※     ※     ※


 一緒に参加させてもらった妻も、何度目かの釣り行になる今日は釣りをあきらめて、もっぱらキャスティングの練習。

 ありがたいことにハマノさんからも直接手ほどきを受けたりして、キャスティングが少しは上手になりました。

 
 しまいには、急流での釣りをあきらめて、釣り堀のようになったたまり水に投げ入れてみたところ、10センチくらいの小魚がツンツンとつつくものの、ことごとくはずして馬鹿にされる始末。

 今日は本当についてない…、と思った瞬間に、「来た!」という声が聞こえました。

 すると上流の方で、ガイド役のHさんが釣竿を大きくしのらせています。

 「おお~!」と駆け寄ると、大きなアメマスがかかっています。あまりにも大きくて、タモ網でもすくうのに苦労するほど!

 やっとのことで捕獲して計ってみると、なんと72センチの大物。初めてみる大きさの魚にちょっと感動です。こんな魚が本当にいるんですねえ。



   【これは大物でした!】


    ※     ※     ※     ※     ※

 
 計測やら写真やらで苦しがっていたアメマスは、最後は水中での呼吸を促して回復させてから川に返してあげました。魚に人工呼吸をしてやるというのも初めて知りました。

 是非次は私と遊んでほしいものです。

 
 大の大人が子供に返ったようにはしゃいで興奮し、何もかも忘れて没頭できる世界があるというのは楽しいものですね。

 ハマノさんもかなりの大物を釣り上げたようで、ご満悦の旅となりました。

 ハマノさんだって、一人で来て勝手に釣るよりは、友人を訪ねて来て一緒に同じ時間を共有した者たちが語り合う時間の方が価値があると知っているのでしょう。

「寿命には限りがありますからね(笑)」(by ハマノ)

 
 人生には躊躇している暇はないのかもしれません。



    【みんな子どもになってます】  
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建築士会全道大会イン釧路

2011-09-24 23:45:43 | Weblog
 建築士の集まりである建築士会の全道大会が釧路で開催されました。

 基調講演は釧路公立大学の小磯学長。北海道開発の意義を再認識することが、東北太平洋沖津波での被災地復興にも役立つはずだ、という趣旨でのお話を面白く聞きました。

 わずか百年の間に、人口5万人を500万人に増やして、しかもそこそこの国民所得レベルを獲得させることに成功した北海道開発は、南イタリア開発、アメリカのTVA開発、ドイツのルール地方などと並び称される、世界でも指折りの地域開発事例なのだそう。

 歴史的に見ても、明治維新と同時におかれた開拓使時代は安定していて、それを全国統一の3県(函館、札幌、根室)時代は混乱し、またまた北海道開発組織として内務省北海道庁が置かれたときは安定したなど、全国の一部として扱われたときは混乱し、地域独自の開拓事業として行われたときは安定していたという歴史が物語っているのだ、とも。

 北海道は自らありたい方向性をしっかりと打ち出して国と戦うくらいの気概が必要だ、というのが小磯先生の主張でした。

「北海道の釧根地域の酪農は、今日EUを超える生産地となりました。しかしこれも楽な話ではなく、当時の農林省はとにかく北海道でもコメを植えろの一辺倒だったのを、開発のための借款をしようと世界銀行に行った際に、世界銀行の方から、『米じゃ無理だろうから酪農にしてはどうか』と逆提案を受けて始まったのが釧根パイロットファームということ」

 道民が自らの開拓の歴史をしっかりと頭に入れたうえで、それをよしとする価値観を醸成することが大切なのかもしれません。



 
    ※     ※     ※     ※     ※


 基調講演の後は、私もいくつかある部会の一つでパネラーとして登場。釧路市役所として災害時に何をどう考えたか、というあたりをお話しできました。

 全部で約380名もの方が釧路を訪れて一拍以上してくるという嬉しい催し。

 明日のエクスカーションも天気は良さそうなので、良い思い出を作ってほしいものです。

   
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個店の魅力が地域の魅力

2011-09-23 23:45:54 | Weblog

   【ここのおでんは絶品でした】


 釧路へ遊びに来ている妻と、近くの居酒屋へ入ったところ、「あら~、こままささん!」と声をかける人がいました。

「はい?」と返事をしてよく見ると、旭川在住で小さな居酒屋をやっている知人のAさんではありませんか。

「これはまた、どうしたの?」と訊いてみると、キャンピングカーで三泊の旅をしながら今日は釧路で泊まるのだそう。

 釧路で昔馴染みだったお店を巡って青春のノスタルジーに浸ろうと思って入ったのが偶然私と同じだったこの店と言うわけ。

「最初は別な居酒屋に行こうと思ったんだけど、そこはもうお店がなくなってました」とちょっと寂しそうなAさん。

「でも明日は増田誠展を見に行こうと思っています。こういう画家を支えた当時の釧路の人たちを思うと、文化のレベルが高かったんだな、と思いますし、今でも『ジス・イズ』のようなジャズ喫茶が残っているでしょう?釧路ってそういうところが面白いですよね」

 なるほど、余所の町の人の方がよほどわが町をよく見ているのが分かります。

「そうですね、旭川に負けないように頑張りますよ」

 仲は良いけど、まちづくりは切磋琢磨。地域間競争と言うこともありますしね。


    ※     ※     ※     ※     ※


「それにしても…」とAさん。「ここのおでんは本当に美味しいですよね」
「そうですか、私はこのお店は初めてなんですが、混んでるし席の予約も入っているところを見ると人気なんですね」

「そうですよ、もっとたくさんお店に行かなきゃだめですよ」
「はいはい(笑)」

「地域を代表するのはこういう個店だと思うんですよね~」
「あ、それは賛成です。私も釧路を見ていますが、今まだ残っている個店をなくしたくはありませんね」

「でもね、今の政府は個店を残すのではなくて、潰す方向の政策しかやっていませんからね」
「それは厳しい。どういうことですか」

「例えば消費税ですよ。かつては3千万円以下の売り上げのお店は消費税を払わなくて良かったですが、それが払わないといけないようになりました」
「でもそれってお客さんから預かっている税金でしょ?」

「そうじゃない面があるんです」

 聞けば、消費税は小さなお店では値上げをしてお客さんに転嫁することをはばかる風があるし、大きなスーパーなどに卸しているところでは、「消費税はめり込みでいいよね?」と言われて断れないことも多いのだとか。


「だから、消費税率を上げたりしたらこういう個店はどんどん潰れてゆくと思います。外国では小さなお店ほど税制などで守るという制度をもっているところも多いのに、日本ではとにかく効率化できるようなある程度の規模をもつ企業だけが生き残れて、写真屋とか豆腐屋などのように『○○屋』と呼ばれるような小さなお店はどんどん淘汰されていってそれが当たり前だと思っていますよね」
「なるほど、そう言われれば確かに」

「そうやって地域のお店がどんどんなくなって、コンビニみたいなものだけが残り、それがまたあっさりと廃業して買い物難民が増える、なんてことを繰り返しているんです。小さな商店を守る、ということにもっと力を入れる政策を取らないと、個性のないチェーン店ばかりになって、地域の魅力も半減ですよ」

 
    ※     ※     ※     ※     ※ 


 地域の魅力を高めるのは個性ある個店の存在に負うところが大きいことでしょう。

 しかし今の日本では効率化を求めつつ、大企業と中小企業にも同じような公平性を求めるきらいがあります。

 これを新自由主義の呪縛と呼ぶべきか、それとも時代の流れなのだと受容すべきなのか。

 おそらく答えはその中間にありそうですが、どこまで行政が介在すべきなのかについては私にも答えが見つかりません。

 
 外の人ほど、町を定点観測する目は鋭いものがありそうです。

 個性と魅力のあるまちづくりについて考えさせられました。 
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活イカの会 ~ 志は千里にあり

2011-09-22 23:45:06 | Weblog
 釧路にいるといろいろな会合に出席させてもらえるのですが、昨夜は『活イカでイカした街を創ろう会』という会に出席しました。

 この会合、今年で六回目となるもので、文字通り地元産の美味しい活イカにひっかけて、イカした街をつくろうという呼びかけに、市内各界の同好の士約70人が集まってくれました。




 要は活イカとサンマをさかなに一杯飲みながら友好を深めようというものですが、単に飲もうと言うだけではなかなかこれだけの人たちは集まれないものです。

 ちょっとしたコツですが、人を集めるにはしゃれっ気が必要ということでしょうか。

 元々は漁組の親分と商工会議所の幹部が意気投合して始まったということですが、地元の産物の良さを改めて感じながら知らない同士が名刺交換もできるという場になっています。

 この活イカの会、ただでさえ九月に入ってからイカもやや不漁だったのに加えて、台風15号の影響で船が漁に出られず、満足な活イカが手に入るのが危ぶまれた中で開催されましたが、「活イカに準ずるイカ」でも十分に美味しさを堪能できました。

 この活イカの会には会友の掟というのがあって、①は「活イカを普及させること」、に始まって、③には、「ちょっとイカした男女(おとな)になることを心がけること、と来て、最後の⑥には「郷土を愛すること」とされています。

 しゃれでもなんでも大の大人が集まってワイワイやるのは楽しいものです。




    ※     ※     ※     ※     ※


 …で、なんということもないのですが、思い出したのが漢詩の一節。

 三国時代の魏で活躍した曹操(そうそう)の詩で『歩出夏門行(ほしゅつかもんこう)』という詩の一節です。武人として、兵法化として、また詩人として知られている彼ですが、なかでも秀逸な一節は、


神亀雖寿 神亀は寿(いのちなが)しといえども
猶有竟時 なお終る時あり
騰蛇乗霧 騰蛇は霧に乗ずるも
終為土灰 終には土灰となる

老驥伏櫪 老驥は櫪に伏すも
志在千里 志は千里にあり
烈士暮年 烈士暮年にして
壮心不已 壮心やまず

 実はこれ、本当はもっともっと長い全体からの一部の抜粋。西暦207年、当時曹操32歳、。

 北方の大敵袁紹をすでに破り、その残党を攻めていたときに創った詩だそうですが、どこを取っても秀逸な出来栄えです。

「老驥は櫪に伏すも 志は千里にあり」とは、老いた馬は厩に寝ていても志は千里の先を見据えている、という意味。

「烈士暮年にして 壮心やまず」とは、思いの強い人は晩年になっても意欲が衰えないものだ、というような意味。

 素晴らしい一節でずっと覚えておきたいものです。


    ※     ※     ※     ※     ※


 この詩の中の他の一節には「故郷を離れて北の地は寒い」などという部分もあって、釧路で単身生活をする身には余計にぐっとくるものがあります。

 しかしそれでも節の最後は、

辛甚至哉 幸甚に至るかな
歌以詠志 歌を持って志を詠まん

 で締められていて、前向きでいたいという作者の性格も良くあらわれていて実に共感できるのです。

 こういう良い作品は暗誦できるように覚えておきたいものです。
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