札幌では蒸し暑い日が続いている、とテレビで放送がありましたが、どうやら今年の稚内もここ数日は例年になく蒸し暑いらしいです。
といっても最高気温は26℃程度なもので、それでも暑苦しく感じるのは75%という高い湿度のせいでしょうか。
幸い稚内は風が強いので、窓を少しでも開けておくと風が室内を通り抜け涼しさを感じることができます。
夜ともなると、部屋が暑いからといって窓を開けているともう寒いくらいの風が入ってきます。稚内の夜の涼しさというか、寒さは半端ではありません。
釧路にいた時も思いましたが、本州の猛暑で暑さのために死ぬくらいだったら、移住とは言わないまでもせめて北海道、それも道東か道北に一定の期間避暑に来ればよいのです。
仕事がある人は休みが取れないにしても、老親を涼しいところに移して少しでも楽にさせるという仕組みはどうでしょう。もっともこの時期、宗谷地域も観光のオンシーズンということで、なかなかホテルや宿は取れないし、取れてもお値段が少々お高い価格になっていたりします。
行きたくても宿がなかなか取れない…、というそんなニーズにネットで答えつつあるのが「Airbnb」というネットサービスです。
全国の地方都市には空き家や貸しても良いという空いた住まいが結構多いはずです。供給者さえいるのであれば、それを借りたいという人と結びつければビジネスになる、と考えたのがこのAirbnbというシステムです。
元々はアメリカの企業家が考えたもので、自分の借りている家の居間に、3名が泊まれるエアマットレスを備えて自家製の朝食を提供することで、居間を小規模宿泊施設(B&B=bed & breakfast)にするというビジネスを始めました。
これを会員登録性のネットビジネスに仕立て上げて、多くの投資を募りビジネスは急拡大。今や会社は百億ドルの企業評価額になったと言います。
このビジネスの肝は、建物や寝具もなにも持たずに部屋を提供したいというニーズと部屋を借り受けたいというニーズをとマッチングさせるだけのことなので、一切在庫を持たなくて良いということです。
建物を抱えてしまってこれを埋めなくてはいけないとばかりに部屋を安売りしたりするような苦しみを感じる必要はありません。ニーズとニーズをネットで結びつけるだけ。まさにネット時代が生み出したニュービジネスと言えるでしょう。
しかし全てが善良な貸し手と借り手というわけでもなく、当然様々な軋轢やトラブルも生み出します。
まず既存のホテルや旅館はこれで宿泊客を奪われてはたまりませんので、当然大きな議論を呼ぶことでしょう。責任を持って安全に人を宿泊させるための資格や最低限備えておかなくてはいけない要素は何でしょうか。
また所有している自宅ではなく大家さんから借りている家だったら、当然賃貸契約に違反するかもしれません。
さらに借主や貸主もなりすましやネット上での詐称やトラブルがありえます。犯罪の温床になったりもするのでしょうか。
これはまさにネット時代の、既存の枠組みに対する破壊的なイノベーションと言えるでしょう。しかし安全性や確実性を担保する代わりに高い宿泊料を強いられる旅に一石を投じて、民間人同士の触れ合いや出会いを演出する新しい化学反応を呼び起こすのかもしれません。
既存の業界に配慮して全部がダメなのか、繁忙期で宿泊希望者があふれてしまう季節に限って認められるのか、それとも安い旅を誘発して新たな旅行スタイルとしてどんどん進めるのが良いのか、いろいろと議論を呼びそうなシステムです。
もはや国内に限らず海外からも多くのインバウンド観光客を受け入れようという日本において、わが国社会はどこまでこれを受け入れられるでしょうか。
わが宗谷管内でも安い一夜の宿を提供して触れ合いを増やす起爆剤になるのかもしれません。皆さんはどうお考えですか。
【おかえりなさい~aribnb】 https://www.airbnb.jp/