北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

北海道ガーデンショーのパネルディスカッション

2015-02-28 21:06:40 | Weblog

 

 さて、昨日に続いて「北海道ガーデンショー2015大雪」のシンポジウムの御報告を。今日は基調講演と、その後のパネルディスカッションの様子です。

 まず基調講演は、元NHKのアナウンサーで「プロジェクトX」などの人気番組を担当した国井雅比古さん。

 講演のタイトルは「田舎町には宝がある。だから挑戦できる」というものでしたが、「実はこれはスタッフが勝手に設定してくれたものなんです。北海道へ来れるなら何でもいいや、と思って受けちゃいました」と笑わせながら、独特の渋い低音で取材で訪れた全国の町の印象的な出来事を語ってくれました。

 実は国井さんは、昭和52年から56年にかけて旭川放送局に勤務していたそう。子供達もそこで生まれ育ったことから、北海道にはやはり懐かしさを感じるのだそうです。

「北海道が本州と違うのは、空港を降りたときの空気のピンとした感じです。ただ涼しいとか寒いとか言うのと違って、やっぱり独特の空気感があります。今は都会に住んでいますが、あるとき息子が『お父さん、北海道の匂いがする』って言うんです。本州にしてはひんやりした天気の時でしたが、息子が北海道の匂いを感じるんだと思って印象的に覚えています」

「取材に行って、とても美しい町ですばらしいなあ、と思うんですが、人が歩いていないのに困りました。やっぱり人が写っていないと町が生きているという感じがしないんですねえ」

「実は渓流釣りが好きで、もう二十年も毎年夏に北海道へ来て宗谷から道東を車で寝泊まりしながら移動する旅をしています。北海道の自然は本当に素晴らしい宝物です」

「ある道東の酪農の町へ取材に行ったときのこと。その町では交流事業で本州の子供達を一定期間受け入れることになりました。受け入れるとなると大体高齢者が働きの中心になるので最初は不安だったんですが、実際に受け入れてみると子供達は大喜びで、帰るときにはみんな笑顔で『ありがとう、さようなら。又来るね』と手を振って別れたんです。

 世話をした人たちは、『子供達が笑顔で帰って良かったね』と思ったんですが、ふと、じゃああれだけの笑顔が地元の子供達にあるんだろうか、ということになりました。それでそれに触発されてお年寄りが地域の子供達のための活動を始めたと言うんです。偉いと思いませんか。結局は地域の宝って人だと思うんです。今回のガーデンショーも、一過性のイベントじゃなくて、北海道の花文化を育てるという高いビジョンを掲げておられるんで、ぜひ皆さんも行って応援してあげましょうよ」

 地域の宝は人。一人ひとりが自分も宝になろうと努めて欲しいですね。


       ◆     ◆   


 続いてはパネルディスカッション。

 コーディネーターはラジオパーソナリティの竹本アイラさんで、パネラーは、基調講演の国井さんに加えて、ふらのまちづくり株式会社社長の西本伸顕さん、山岳写真家の市根井孝悦さん、そして今回のガーデンショーの名誉ディレクターである高野文彰さんの四名です。

 パネルディスカッションのテーマは「まちづくりの視点から~北海道ガーデンショーへの期待」と題して、まちづくりとしてのガーデンショーを語ります。

 まずはまちづくりの先行成功事例である富良野の西本さんから。

西本「まちなかの病院が移転することになり、その跡地をどうしようかということになりました。結局役所だけには頼れないと言うことで、民間主導で出資をしてフラノマルシェという地元の産物の物産施設を作りました。

 実は富良野には数えてみると地元産の商品が2千点もあったんです。ふるさと創生で1億円をもらったときに、全国で温泉が掘られましたが富良野ではジュース工場を作りました。そういう先見の明がある先輩達が営々と地元産のモノをつくってきた。

 そしてこれが皆さんに支持されて、昨年は年間85万人の利用がありました。利用者が伸びてきたことも嬉しいですが、地元の人がちゃんと利用してくれているのが嬉しいです。まちなかの活性化も地域が一体になったという感じがします」


 続いて写真家の市根井さん。今の佐藤上川町長に誘われて、層雲峡大雪山写真ミュージアムの館長をされています。
市根井「元々函館に住んで教師をしていました。山に登ったり写真指導などもしていましたが、三年前にようやく住民票を上川町に移して存分に写真が撮れるようになりました。大雪は本当に『花の山』なんです。それもイワウメだとかチングルマなど同じ花がずーっと2キロも3キロも続いて一面に咲き埋め尽くす。

 こんなところは日本中探してもどこにもありません。皆さん紅葉ははかないと思うでしょ。大雪では8月中旬に秋風が吹き始め、8月下旬に紅葉が一部で始まります。そして9月中旬に頂上が紅葉し、層雲峡に降りてくるのは10月中旬。二ヶ月も紅葉が続くんです。どうかこの山の花を見てあげてください」


 そして名誉ディレクターである高野文彰さん。
高野「前回のときですが、最初はガーデンショーって言われても乗り気ではありませんでした。これまでの世界のガーデンショーは、大都市で大資本が庭を造ってコンペして一番を決めて、短期間開催してすぐ壊す、そんなイベントだったからです。実は高野ランドスケープという会社は、フランスショーモン国際ガーデンフェスティバルに二度出品しています。そこでは人口800人くらいの小さな町が生き生きとして暮らしている。ガーデン文化があるなと思いました。

 北海道では2004年にガーデンアイランド北海道という市民運動が立ち上がって、花を巡る文化づくりを地道にやってきましたが、やはり北海道は花の島になる要素がたくさんあると思います。

 仕事でクウェートの豪族と仕事をしたことがあります。『打ち合わせのために迎えをやります』というのでホテルで待っていたら車がやってきて、『どこで打ち合わせるのかな…』と思っていたらどんどん砂漠の中へ入っていく。そしてついたのは大きなテントの張られたところで、その中で打ち合わせをしました。

 後でそんなことがあったよ、と言うと、ある人が『高野さん、それはすごいことだよ。砂漠の民が本当におもてなしをするときは砂漠で迎えるんだ』と言います。なるほど、それじゃあ花の島北海道でお客様をもてなすような庭があるだろうか?それがあると良いな、と思いました。

 上川町さんは、『町に活力を求めるのには庭が良い』という明確な意思があって、三年前から森のガーデンを作ってきました。今回のガーデンショーはそうしたことの延長にあります。

 造園の手法に「借景」という遠くを庭の風景の一部に拝借するという技法がありますが、この借景が大雪山だなんてスケール感が普通の借景と全く違う。
 ぜひたくさんの方にご覧いただきたいと思います」

 
 国井さんも感想を一言。
国井「元気のある町の共通点は、皆が楽しんでいるというコトだと思います。お客を迎えるのに、頑張らなくちゃいけなくて疲れ果てているようじゃ困っちゃいますね」

高野「今度のガーデンショーでは美人のガーデナーが案内をしてくれることになっていますが(笑)、僕は本当は、上川町民の皆さんがガーデンガイドになって欲しいと思うんです。自分たちの町を自慢の種にして欲しいんです」

西本「富良野って、フラノマルシェが出来る前にはホテルにしかパン屋さんがなかったんです。『富良野じゃパン屋は流行らないよ』っていうのが定説でした。でも地元に美味しい食材があるんだから、って都会で修行したパン屋さんを入れてみたら、とてもクオリティの高いパンを作ってくれたこともあるんですが大人気になりました。

 そうしてパン屋がなかった町に、今では5軒もパン屋さんができました。できないと思っても、潜在的なポテンシャルを引き出すことはできますしね。

 そして僕は売り子の女の子に、『あなたはあなた個人のファンを作らないと行けないよ』と口を酸っぱくして言っていたんです。そうしてこっそりある朝、店の中を見ていると、パンをどっさり買った女性がいて、その方が『あんたの顔を見ているとつい買っちゃうのよね』と言っていた。もう私は涙が出てきました。

 あとマルシェの中には基本的に飲食店を入れていません。商売とすれば出しても良いんでしょうが、それでは町中の飲食店のお客をただ取っちゃうだけになる。だからうちは『近くにこんな食べ物屋さんがありますよ』ってお知らせをしています。ビジネスが儲かるのも結構ですが、地域全体が潤うような形じゃないとまちなか全体が活性化したことにはならないからです」

国井「僕は北海道は、日本にとって絶対に宝の島になると思います。それに百年…はかからないと思いますが、でも五十年くらいはかかるかもしれない。僕はもう生きていないけれど、あの世からずっと見守っていますよ(笑)」

 
        ◆  


 パネルディスカッションが終わったところで、大学の先輩の高野さんに声を掛けました。

「お疲れ様でした。今回の目標入れ込みってあるんですか?」
「一応17万人にしていますが、本当に頑張らないといけないとおもいます。是非多くの方に上川と大雪のガーデンを見てほしいなあ」


 北海道のおもてなしのガーデン文化。北海道の産業の柱の一つの観光に、品の良いコンテンツを一つ加えましょう。

 今年の夏はガーデンショーへどうぞ。

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今年の夏は大雪で北海道ガーデンショー

2015-02-27 22:57:07 | Weblog

 「北海道ガーデンショー2015大雪」のカウントダウンシンポジウムが道新ホールで開かれたので観に行きました。

 北海道で「庭」というよりも花に囲まれた「ガーデン」の島にしよう、という運動は、2004年に「ガーデンアイランド北海道」という民間有志による個人庭園の登録、紹介という形で始まりました。

 その後2009年には、その中の7つの庭(現在は8つの庭)が結ばれて上川から富良野経由で十勝に至る「ガーデン街道」という一連のドライブ観光のコンテンツとして進化しました。

 そしてその3年後の2012年には、このガーデンを見て楽しむ北海道文化の新たなステージとして、「十勝千年の森」を舞台に北海道で初めてのガーデンショーが開催され、約20万人の来場者を迎えて大成功となりました。

 この2012年に十勝で開催されたガーデンショーを、北海道の庭園文化の花として大雪を舞台に再び開催しようというのが「北海道ガーデンショー2015大雪」です。

 今度のガーデンショーは5月30日から10月4日までの期間で、会場は上川町の「大雪森のガーデン」、旭川の「上野ガーデン」そしてなんと"神々の遊ぶ庭カムイミンタラ"と言われる大雪山そのものが会場とされています。

 前二者が人の手によって作られているガーデンなのに対して、大雪山というのは自然による花の山。それこそが神からの贈り物に等しいガーデンだというコンセプトで開催されるのです。北海道を代表する花のエリアとして上川一帯が大きく評価を上げることでしょう。


        ◆  


 今日はその開会を3カ月後に控えて、改めてこうした形で開催される二回目のガーデンショーの意味を知ってもらおうというシンポジウムでした。

 まず最初に今回のガーデンショーの実行委員長である上川町の佐藤芳治町長がご挨拶。「名誉ディレクターの高野文彰さんから『上川町でやりませんか』と誘われたときに、二つ返事で『やりましょう』と答えたものの、今になって大変なことを引き受けてしまったと身が引き締まります」と心境を語ります。

 そして「このイベントによって、町のPRや観光振興、経済発展などの期待もあるが、それ以上に二つの視点を持っています。それは一つは知事にも名誉会長になってもらっていて、北海道全体を観光の島、ガーデンツーリズムの島にして花の文化の醸成につなげたい、という思いがあるということ。そして二つ目には、人口減少時代を迎えて『こんな小さな町でも頑張ればやれるんだ』という高い意識につなげたいということです。どうぞ皆さん上川町へお越しください」とイベントにかける思いを熱く語ってくださいました。

 そもそも上川町は、このイベントを開催する前から「大雪森のガーデン」を整備し、この一大プロジェクトは、「まちば、まきば、おんせんばの連携によるまち全体の発展につなげよう」という壮大なコンセプトを元にして実施されています。

 単なる一過性の庭による話題づくりとは違う、ある意味上川町と町民の今後をかける大きな意味を持ったプロジェクトなのです。

 そしてそれを、上野ファームの上野砂由紀さんや笠康三郎さんなどの著名なガーデナーがサポートし、さらにはガーデン内にフレンチの巨匠、三國清三さんがオーナー・シェフを務めるレストラン「フラテッロ・ディ・ミクニ」がオープンし、食でも世界レベルでサポートしています。

 ガーデンショーの期間中は、世界トップクラスのガ-デナーによる講演会やワークショップの「ガーデンアカデミー」やコンサートがなど各種のイベントが開かれ、またガーデンガイドによる庭の案内も受けられるとのこと。

 北海道の夏の観光として、また小さな町が一丸となって挑戦するまちづくりの姿として、雪が融けたら上川町と「北海道ガーデンショー2015大雪」に注目です。


 講演会とパネルディスカッションの模様は明日の記事に続きます。

【北海道ガーデンショー2015 大雪】 http://hgs.co.jp/ja/

 

 

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おいおい、今度は新千歳空港と旭川が中国で大評判になってる!

2015-02-26 22:53:30 | Weblog

 

 昨日、中国からの観光客を機転を利かせて助けた女性の記事を書きましたが、今度は中国観光客が道内旅行で体験した話題の記事です。

 おいおい、札幌と旭川が全中国レベルで宣伝されていますぞ!


【レコードチャイナ】 http://www.recordchina.co.jp/a102831.html
 訪日中国人女性「どうしよう!?」と悩むも、意を決してバスに乗り込む=それは「日本人への信頼」


 2015年2月19日、中国のインターネット上にこのほど、北京在住の20代の女性が日本旅行に訪れた際の体験をブログにつづった。

 日本で落し物をしても、必ず見つかるという話はよく聞いていたし、私自身も実際に体験した。新千歳空港でなくした「JRパス(※外国人観光客を対象とした乗り降り自由の特別乗車券)」が遺失物預り所に届けられており、後で札幌駅まで送ってもらって無事に手元に戻ってきたのだ。

 そんな経験をしていたせいもあり、私は日本ですっかり油断していた。悲劇はそういうときに限って降り掛かるもの。旭川駅の近くの百貨店で買い物をし終え、荷物をロッカーに預けたときに、今度は携帯電話が見当たらないことに気付いた。

 探そうとしたが、バスの出発時間が迫っている。どうしよう!?JRパスの一件から、私の心臓は強くなっていた。意を決してバスに乗り込み、戻ってきてから探そうと決めた。実はこの決定は根拠のない自信によるもので、さらに言えば日本人に対する信頼でもあった。

 結果はどうなったか。雪山から戻ってきてから、閉店間際の百貨店に駆け込んで尋ねたが、届けられていないとのこと。ガッカリしていたときに、警備員のおじさんが近くの交番で聞いてみるよう身ぶり手ぶりで勧めてくれた。

 そしてなんと、私の携帯電話はまさにその交番に届けられていたのだ。どうやら、私の日本人に対する信頼に間違いはなかったようだ。(翻訳・編集/北田)


 -------【引用ここまで】-------


 すごい!具体的な地名として新千歳空港や旭川が登場して大きく評価されています。

 ちゃんと落し物を届けた道民、旭川の市民の皆さんは立派ですねえ、すばらしい!旭川市民は大いに誇るべきです!

 こういう一つ一つの善行が、地域の名を高めて次の観光客が安心して訪れてくれるというものです。

 それにしても、ここまで「日本は落し物が必ず届く国だ」という評判が経ってしまうと逆に、恥ずかしくて落し物をちょろまかすということができなくなりそうですね。

 良い評判は、強迫観念になってますます良い国になりそうです。

 これはおもしろいなあ(笑)

 
     ◆ 


 ちなみに、私のブログの読者からこんなメッセージが届いていました。

「札幌市の場合、市役所のコールセンター(011-222-4894)が、英中韓で旅行者の質問も受け付けるシステムになっていますが、あまり知られていません。一応電話は、8時~21時で年中無休でオープンしています。困ったら、この電話番号にかけてみるのも一つです」

 皆さんも困ったらこちらの電話を教えてあげてはいかがでしょうか。こういう良い情報を拡散するにはネットが一番ですからね。

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困っている外国人観光客へのヘルプ

2015-02-25 23:15:29 | Weblog

 

 訪日外国人観光客が対前年比でとても増えているそうです。

 なかでも中国からの観光客はより低い収入の人たちにもビザの要件が緩和されたことなどで爆発的に増加しています。

 海外からの観光客が日本に来て一番驚くのは、日本人が親切であるということのよう。

 我々にはまあ当たり前くらいの親切が、彼らにとっては非常なる驚きだというのは、それだけ自国の中は厳しい雰囲気だということの裏返しの様な気がします。

 中国情報サイトには、「日本に旅行してきて、こんなに良いことに巡り合った」という手合いの記事があふれていてちょっと面映ゆいのですが、中にはこんな新説に巡り合ったという記事がありました。

 対応した二人組の女性の機転がきいています。


【「フォーカスアジア」より】 
 「母国語が聞こえて、思わず涙が・・言葉が通じない訪日中国人、『日本人の助け方』に感動  


 旅慣れない外国で困難に遭遇した時、現地の人から親切を受けると、冷めかけていた旅行の楽しみが一転して幸せな気持ちに変わる。言葉がうまく通じなくとも、助けようとする気持ちや感謝の気持ちはお互いに感じ取っているのではないだろうか。

 中国のあるブロガーが最近、日本を旅行した際の感想をつづったエントリーを公開した。地下鉄で困っていた時に助けてくれた日本人のことにも触れている。内容はこんな感じだった。

 わずか1日や2日では日本人と触れ合う機会もないが、助けてもらった経験から、日本にも親切な人がいるんだなぁ、と感じた。

 地下鉄に乗ろうとした時。私は期限切れの切符を持っていたために改札を通れず、焦っていた。人に尋ねようとしたけど、私が自信を持って話せる言葉と言えば、「エクスキューズ・ミー」ぐらい。英語が話せそうだったので、2人組の女の子に助けを求めた。しかし彼女たちも英語は上手ではなくて、私たちの会話はうまく通じなかった。彼女たちは私の言いたいことを必死に理解しようとしてくれたが、私の方があきらめて、私たちは別れた。

 すると彼女たちが追いかけてきてくれて、私に電話を渡す。友達の中国人に電話をして、通訳をお願いしたのだ。電話から母国語が聞こえて、思わず涙が流れた。その友達の中国人は私に行きたい場所を聞き、彼女たちに伝えてくれた。彼女たちは私のために切符を買い、乗り場の方へと案内してくれた。

 私はこれを書いている今でも、彼女たちに「本当に、ありがとう!」と伝えたい気持ちでいっぱいだ。あの時、私は慌てていて、お礼を言い忘れてしまったのだ。

(編集翻訳 恩田有紀)

 --------【引用ここまで】-------

 
 機転の利いた女の子たちでしたが、それにしても中国語の話せる友達がいたというのが良かったですね。

 自分で語学を勉強するのも手ですが、あまりに時間と労力がかかりすぎます。それよりは、日本語の得意な外国人の友達を作る方がたやすいので、まずはそこに努力したいところ。

 しかしそれにしても、困っている人を放っておけずに追いかけて助けようとした心根が立派です。

 こういう行為の一つ一つが日本社会、日本と言う国、日本国民に対する評価を高らしめてゆくのでしょう。

 多くの観光客が日本各地を訪れています。困った素振りをしていたら、勇気を奮って声をかけてあげてはいかがでしょうか。

 困ったら交番へ連れて行くだけでもいいんです。自分でもできる外交です。 

 

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今年は春が早そうです

2015-02-24 23:49:29 | Weblog

 この季節にしては随分暖かい日が続く札幌。

 日中の気温がプラスになり、雪が少しずつ融けていきます。

 雪の山が解けるのは良いのですが、凍って固く締まっているはずの道路の雪が緩んでグサグサになりとても歩きにくくなっています。

 通勤の際も、(歩きにくいなあ)と思っていたところ、帰りの道はきれいに削られていて、重機のタイヤの跡も見えました。

 家に帰って妻に、「家の前の道路を削ったんだ」と言うと、「うん、町内の運搬排雪が入っていたよ」とのこと。

 毎年この時期には町内会で積もった雪を外に運び出して、除雪をしやすくするのですが、今年は持っていくほどの雪がないので道路を削ってくれたようです。

 二月末にしては積雪は少ないので、これからは少し暗い雪が降ってももう大騒ぎをすることはなさそうです。

 妻は陽気に誘われて、少しずつ氷割りを始めています。

 今年は春が早そうです。

 

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妻にも夫にも家庭にも笑いを

2015-02-23 21:54:02 | Weblog

 

 WebR25というサイトに、「『理想の妻=良く笑う女性』を実証」という記事がありました。

 男性目線のちょっと都合の良い記事に見えますが…


【理想の妻は良く笑う人】
 http://bit.ly/1FOeMjX

 最近はあまり耳にしないが、「男の出世は嫁次第」という言葉がある。家庭を支えてくれる良き伴侶を得てこそ、男は仕事に打ち込めるというわけだ。

 しかし、結婚後も共働きを続ける夫婦が増える今、男性にとって「理想の妻」とはどんな女性なのか? じつは心理学的にはひとつの“答え”があるという。心理学者の内藤誼人氏はこう語る。

「それは間違いなく“よく笑う”女性でしょうね。笑いというのは伝染しますから、よく笑う人と一緒にいれば、自然に笑顔でいられる時間が増えます。“笑う門には福来る”ということわざがあるように、笑う頻度が多い人というのは、人脈形成やチャンスの獲得の面で有利なんですよ」

 これは実際に心理学的な調査で実証されているという。

「米カリフォルニア大学の心理学者ダフィン・ビューゲンタル氏は、複数の母子のやり取りをビデオで撮影し、笑いの回数を測定しました。さらに、その世帯の社会的な属性(裕福度)を同時に調査して比較したところ、下層階級の母親の笑いの頻度は13%にとどまったのに対し、上流階級の母親のそれは77%に達したそうです。この結果からビューゲンタル氏は、社会的な成功を得るために笑顔は非常に大切な要素であると結論づけています」

 もちろん、もともと裕福だから笑顔でいられるという、逆説的な見方も成り立つかもしれない。けれど、貧しさから抜け出すためには、笑いの作用は無視できないはずだと内藤先生は補足する。

「笑いが伝染するのは、ミラーニューロンという神経細胞の働きによることが判明しています。映画を観て泣いたりするのも、これによる共感が起こす現象です。笑うことで免疫が活性化するのは有名ですし、いつも愚痴ばかりいっている人よりも、苦しいなかでも笑っていられる人が身近にいた方が良い影響を受けられることは間違いありません」

 笑う門に福が来るのは、仕事も恋愛も同様なのだ。
                    (友清 哲)

  --------【記事ここまで】--------


 男性にとっては「理想の妻は笑う人」かもしれませんが、裏を返せば、女性にとっての理想の夫は、「ちゃんと笑わせてくれる人」ということですよね。

 笑うネタを提供もせずにぶすっと不機嫌でいながら「おまえは笑え」なんていう昭和オヤジでは通用しません。

 こと笑いに関しては、男女どちらにもユーモアのセンスがあった方が良いのはもちろんですが、夫婦が仲睦まじくいようと思うと、大事なことはお互いに「不機嫌でいない」ということなのだと思います。

 ユーモアのセンスは持って生まれた性格や才能によるところもありますが、不機嫌でいないようにするというのは自分の意思と考え方の練習で実現できることです。

 練習によって身につけたい能力は、自分が今不機嫌であることに「気がつく能力」と「機嫌を直す能力」の二つです。

 面白くない、不満だ、という感情が頭を覆うと冷静に次の一歩を踏み出せません。怒りや不満は「それはひどいね」と伝えるにしても、だらだらと態度で表し続けたり、過去に遡って「あのときはひどかった」と蒸し返したりしないことです。

 「過去と他人は変えられない 変えられるのは未来と自分」なのですから、未来志向で「では何が出来るか」を考える方が建設的です。ここの持ち方は練習一つです。
 そうしたうえで、次は家庭に笑いを持ち込むような努力があると良いですね。


        ◆   


 さて我が家では「一日一笑い」を目標にしています。私はなんとか妻を笑わせてやろうと会話の中に笑いのネタを振りまいているのです。

 くだらないことでも貧乏ネタでも下ネタでも恥ずかしい話でも、とにかく一日ひとつの笑いがあれば家庭は円満で過ごせます。

 たとえ笑えなくても、「話題が面白くない」とぶすっとしていずに、お互いに笑いのハードルを下げてちょっとしたことでも笑ってあげると言う気遣いもありでしょう。

 理想の妻も良いですが、「理想の家庭は笑いあり」

 これで参りましょうよ。

  
 

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たった四つのセリフでOK

2015-02-22 19:15:57 | Weblog

 

 ここのところ歳のせいと運動不足が続いているせいか、夫婦して肩や足腰が痛い状態が続いています。

 そこでお互いにマッサージや指圧をしあうのですが、その効き具合によって使うセリフはたった四つであることに気が付きました。


 気持ちが良い時は「うーーー」

 痛みのツボにはまって指圧などが効いているけれど、まだ耐えられる状態の「あ"ーーー」

 コリに効いているけれど痛みが耐えられなくなった時の「痛すぎ!痛すぎ!」

 「ここでしょ?」と言われても、そのポイントがずれているときの「変に痛い!変に痛い!」

 以上、「うー」「あ"ー」「痛すぎ」「変に痛い」というこの四つのセリフでマッサージは成り立っています。

 夫婦二人で「考えたらこれしか言ってないよな」「本当だね」と言い合って笑っています。

 人間って本当に驚いた時は「あーーー」しか言えないように、案外使うセリフって決まっているものですよね。

 皆さんは言い方が決まっているってことありませんか?

 「メシ」「風呂」「寝る」じゃありませんが、使う単語が少なくなるのは老化の証かもしれませんよ。

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歳を取るっていうことは

2015-02-21 23:45:13 | Weblog

 たまには老親に蕎麦でも食べてもらおうと、午前中に蕎麦を打ち実家まで持っていきました。

 実家を訪ねるのは一か月ぶりくらいでしたが、二月に入ると雪がパタッと降らなくなり、それどころかこの一週間は春の陽気が続き、実家周りの雪は相当減っていました。

「去年なんか、今より1メートルは多かったけどね」

 まだ二月なのにこの暖かさというのはちょっと気持ちの悪い気がしますが、雪の降らない日が続くのはありがたいことだと思います。


      ◆ 

 
「変わったことはないかい?」と訊くと、母が「つい最近、近くのマージャン仲間がくも膜下出血で倒れたんだとさ」とのこと。

「朝に一緒にラジオ体操をして、家に帰ってからすぐ倒れたんだって」
「亡くなったのかい?」

「いや、娘さんが気がついて救急車で運ばれて手術して今は入院中」
「ああ、それは良かったねえ」


 すると今度は父が、「亡くなる人は多いよ。この家の前の通りなんか『未亡人通り』って呼ばれているんだ。不思議に旦那が亡くなって奥さんだけが残っているんだわ」と言い出しました。

「未亡人通りとはまたひどい名前だなあ」
「それが、ちょっと前には奥さんの方が亡くなった家もあるんだ」

「だんなさんは助かっているんだ(笑)」
「でもひどいよ。お葬式に行ったら旦那さんの方がすっかりボケちゃって、お悔やみの挨拶をしてもこっちを分かっているんだかいないんだかわからないような状態さ。先に奥さんが死ぬと旦那はだめなもんなんだなあ」

「だんだんマージャンやカラオケの仲間が減っていくということなのかい?」
「ああ、歳を取るっていうのは地域の友達が減るってことなんだなあ」


 自分自身の体力の衰えも一つの喪失感ならば、地域の中での友人や仲間がいなくなる喪失感も大きなものがありそうです。

 もう新しい何かを得ることは難しく、失うことを少しでも後ろに遅らせられればそれだけでも幸運ということ。

 歳を取るっていうのはそういうことなんだと改めて思いました。


   【写真は本文と関係ありません】

 

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歯科衛生士さんが薦める一番良い歯のメンテナンス方法

2015-02-20 23:45:04 | Weblog

 

 上の奥歯の詰め物が取れたのをきっかけに、治療やメンテナンスを続けていた歯科治療が今日で終わりました。

 治療らしい治療は詰め物を取り替えたくらいで、あとの2回で口腔内のチェックと歯石の除去をしてくれました。

 いつも担当してくれるのが割とチャキチャキした可愛らしい歯科衛生士さんで、話しかけるとノリが良いのです。

 といっても話題は歯のメンテナンスに関することばかりで、今日は「一番良い歯のメンテナンス方法はなにか」という話題。

 私は一日二回歯を磨き、電動歯ブラシを使い、毎日の歯間ブラシと一週間に一度程度の糸ようじを使います。

 歯磨き粉は研磨成分のないモノと殺菌とフッ素の入ったジェルを使って丁寧に手入れをしています。しかしこれだけ一生懸命にメンテナンスをしても、歯石はつくものでこれはもう日常のメンテナンスでは取れないものだ、とあきらめた方が良いようです。

「…で、一番良い歯の手入れ方法は何なんでしょうか?」と訊いてみると、「私はデンタルフロスだと思います」

 デンタルフロスと言うのは細い糸で、これで歯と歯の間のくっついている部分や歯の根元についている思考を除去することができる歯の手入れ道具です。

「僕も糸ようじを使っていますよ」
「あれは糸が広がりませんよね。歯科専用の良い製品は、糸が撚ってあってスライドしているうちにほどけて薄くなるんです。そうすると狭い歯と歯の間の隙間にも入りやすいですし、根元を包むように掃除ができるんですよ」

「電動歯ブラシと歯間ブラシも使っているんですが…」
「歯間ブラシはお薦めですが、歯と歯の間に届きませんからね。でも毎日そうやって丁寧にやって、たまにフロスをかけ、半年に一度くらいは歯医者さんでプロにメンテナンスをしてもらう、というような取り組みが良いと思います」

「先のとがった道具を買って自分で歯石を取るのはダメ?」
「それは絶対にやめた方が良いです。傷をつけますよ。最近は予防扱いで保険がきかないんですが、一回で全部きれいになるというメンテナンスもやっていますから、ご興味があったら受付で訊いてみてください」


 私のように歯が弱い体質だったり、インプラントを入れているような人は特に、定期的な歯科検診を受けて、そのたびにしっかりとメンテナンスするのが良いようです。

「8020運動ってあるでしょう?80歳で20本の歯を保とう、ってやつ」
「はいありますね」

「僕は今何本自分の歯があるの?」と訊くと彼女はカルテを眺めながら、「今26本ですね。もう一本も無くさないつもりでがんばりましょう」とエールを送ってくれました。


       ◆ 

 公共施設も、壊れてから使えない時間を過ごしながら修理するよりは、定期的にメンテナンスする方が全体の経費もかからないし、大きな事故が防げるということが経験的にわかっています。

 体の健康、特に歯も同じですね。定期的なメンテナンスで健康を持続させましょう。 

 

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次世代には育ってもらわなくては困るのだ

2015-02-19 23:45:18 | Weblog

 

 地方にいる知り合いの建設業者の知人が訪ねてきて、色々な地域の話題になりました。

 そのなかで、「最近の新規採用はどうなっていますか?」と訊くと、これがやはり大変なんだとのこと。

「ここのところ新規採用が取れていなかったので、一転して最大6人くらいは取りたいね、ということで、大学や高校を走り回ったのですが、新年度から2人ですね」とのこと。

 やはり大変なのはせっかく採用しても結局辞めてしまう子が多いのだとか。

「そんなに持たないものですか?」
「そりゃあ仕事していたら、壁にぶつかったり辛かったりすることもありますよね。で、『辞めたい』となる。昔だったら親御さんも『そんなこと言ったって、もう少し頑張りなさい』と言ってくれたものですが今では『そんなに大変だったら帰っておいで』ってなことになっちゃうんですよ」

「随分と甘やかしている感じに聞こえますよね」
「うーん、やっぱり地元出身の子が地元に就職していればまだ頑張れるんですが、余所の出身でうちに就職してきた、となるといつまでもここで頑張ろうという気力が弱いですね。ちょっと心が弱ったときに『地元へ帰っておいで』なんて言われたら、地元に戻っちゃうんですから」

「ははあ、なるほど」
「それと、うちのように建設業ですから、近くの中核都市の工業高校卒業生を採用したいと思うでしょ。昔だったらさらに地方の子供が中核都市の工業高校へ通ったり下宿してそこで学ぶという姿が良くあったんですが、いまでは地方の子は中核都市の普通高校へ入っても工業高校へ行かないんです。だから地元出身の工業高校卒業者が出てこない」

「うーん、やはりそもそもの数の問題ですか」
「だから今は、地元出身の普通高校の卒業生がターゲットですよ。普通高校卒業生を採用して、会社のお金で専門学校へ通わせて資格なんかを取ってもらうんです」

「うわー、結構な投資ですね」
「いや、それを惜しんでいたら人材確保、人材育成なんて出来ません。それに大卒だったら奨学金返済の特典もありますよ」

「なんですかそれ?」
「今は大学生活で奨学金を借りて大学を卒業し、卒業して就職してから奨学金を返済するという子がとても多いんです。そんな子達に、3年勤めたら50万円とか5年勤めたらもう50万円とか、奨学金返済のためのボーナスをあげるんです。奨学金って、在学中はよいけれど、卒業したら借りているお金に利子がつきますからちゃんと仕事に就かなかったりしたらもう大変ですし、仕事に就いたって返済は厳しいですよね」

 地域の建設業者さんは大変なんだろうな、と思っていましたが、ただ嘆くばかりではなく、こうした制度を作りながら若者採用に向けて努力されている事を知って勇気が湧きました。
 
 地元でなければ子供が定着しないとか、皆都会に行ってしまうなど、地域の安定した人口維持は大変ですが、いずれにしても次世代を社会がしっかりと育んで健全な社会生活を営めるように導くことが肝要です。

 

             ◆   

 

 目白大学の宮武剛先生は、社会保障国民会議のなかで、年金積立金を活用した『若者・皆奨学金』制度を創設してはどうか、という提案をされていて、社会保障研究の大家権丈善一先生から大絶賛を浴びています。

 社会保障のための積立金を、次の世代を担う人たちの育成に使い、支払いは最後には本人の年金によってまでカバーしようというのだから積立金運用サイドは絶対損をせずに次世代の育成が出来るというアイディア。

 持てる力を全て使って、次世代を育むことに現世代はもっと知恵も行動力も使わないと行けないと思います。良いアイディアは次元の違う行動力で採用して欲しいものです。


【若者・皆奨学金制度の提案】 http://bit.ly/17hmW5v

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