北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

サロベツ湿原は原野じゃない、ここは原生花園だった

2014-06-30 23:01:07 | Weblog

 幌延町でチーズパーティに参加し、地元の人たちと語っていると、サロベツ原野のエゾカンゾウががとても綺麗だから是非行ってみてください、という話になりました。

 そういえば、この時期にサロベツ湿原を訪ねたことはないと気がつき、快晴の日曜日はサロベツ原野経由でドライブです。

 豊富にある湿原センターは、単眼鏡やカメラを持ち歩く中年の団体で結構な混雑。

 職員の方に、エゾカンゾウのポイントを尋ねると、「今の湿原内は真っ盛りで、木道を歩いて行くとどこでも見られます。もう少しするとワタスゲなどで風景が白っぽくなります」とのこと。

 木道を歩き始めて湿原の中に入ると、すぐにまぶしい黄色のエゾカンゾウの群落が出迎えてくれました。

 エゾカンゾウは、ユリ科の中でもヘメロカリス属という分類で花は咲いたら一日でしぼんでしまいます。そして次の花がまた翌日に咲く、ということを繰り返して、大体十日間くらいが花のピーク。本州ではニッコウキスゲと呼ばれる花と同じなのだとか。


                 【枯れた花の後には次のつぼみが準備をしています】


           ◆   


                【水平線まで黄色い花が広がっています】


 湿原めぐりは木道の突端まで来ると、自分が見渡す限りのエゾカンゾウの大群落の中にいることがわかります。今日はまさに一年の中でも最もピークの一日だったのです。

 今までこの風景を知らないままに、"サロベツ原野"なんて呼んでいたのが恥ずかしくなりました。

 ここは"サロベツ原生花園"です。この花を見たことがない人は"原野"と呼び、一度でも見た人は"原生花園"と呼ぶことでしょう。

 誰が植えたわけでもないのに同じ花がどこまでも続くさまとそしてその奥にはくっきりと利尻富士が雄姿を見せてくれていて、まさに北海道を代表する風景の一つです。


 豊富町を訪ねる気になったのも、何気ない会話の中からここへ来るべきと教えられたのもご縁だったのでしょう。

 前回秋口に来たときはこの美しさを知らないままに行き過ぎてしまいました。

 今しか見られないこの雄大さと素晴らしさを多くの人に伝えたいものですね。

 

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チーズを紹介して歩く『流しのチーズ屋さん』

2014-06-29 23:39:54 | Weblog

 昨夜は幌延の知人のお寺に泊めていただくことにしていたのですが、「その夜ちょうどうちでチーズパーティがあるから是非参加して」と薦められてその輪に加わりました。

 お寺の本堂でチーズを食べ比べるというのはなかなかに面白い雰囲気でした。

 チーズを手配してうんちくを語ってくれるのは、ナカムラシンイチさんという大阪がご出身の方で、いわゆる出張チーズパーティを生業として求めに応じて全国を渡り歩いているのです。


 【真ん中の黄色いシャツの方がナカムラさん】

 これまで出張した最南端は宮古島で、最北端はというと、「翌日に利尻島でやることになったんですよ」というわけで、利尻島になりそうです。

 さてチーズパーティと言うのは、十種類以上のチーズを持ち歩いて、それをお皿に切り分けて一つずつを試食しながらチーズの説明をしてくれるというもの。 

 チーズの食べ比べと言っても、バーなどでチーズ盛り合わせを頼んだ時くらいのものですが、あまりうんちくを知る機会とはなりません。

 今日ナカムラさんが出してくれたのは、写真の様な十種類のチーズですが、それぞれに特徴があってチーズの世界の多様さを目と耳と舌で知ることができます。


 【今日はこの十種類】

 
 モツァレラチーズは、日本でいうと豆腐の様な新鮮なフレッシュチーズというもので、保存も聞かず出来たてをどんどん食べるというチーズ。

 グリーンチーズは、白カビのついたホワイトチーズですが今日はそれにオリーブの実を練り込んだものが紹介されました。オリーブの塩加減とチーズが絶妙な味わいです。

 ブルーチーズはアオカビによる発酵が独特の臭みを出すために好き嫌いが分かれますが、今日のものはわりとマイルドで普段は苦手と言う妻も納得しながら食べていました。この手のモノは熟成が鍵になるようですね。


 
 スモークチーズはプロセスチーズを燻製にしたもの…なのですが、どうやら市販のモノの中には実際に燻製にするのではなく単に燻蒸液に漬けて作られるものもあるのだそう。
 スモークチーズって外側の茶色いところが難いイメージがありましたが、「そういうのは燻蒸液に漬けて作られるかも。これはちがいますよ」というわけで、全体が柔らかくてスモークチーズのイメージが変わりました。美味しいものはやっぱり美味しいのです。

 
「ハラペーニョチーズってなんですか?」
「えへへ、まずは一口食べてみてください」

 そういわれたのでぱくっと食いついて、もぐもぐしていると、「うわ、辛っ!」
「そうでしょう、ハラペーニョと言うメキシコ当たりの唐辛子を練り込んであるんです。アメリカで近年つくられた、まあ色物みたいなチーズですね」

 チーズも伝統にばかり固執していては発展性がないというわけで、チーズをベースにした新しい食文化を作ろうという試みは熱心に行われています。

 そうしたことが次のゴーダチーズと緑色のバジル入りゴーダチーズにも表れています。クミンシード入りとバジル入りは、チーズの味のバリエーションを広げようというもので、まだ変わりチーズですが、これが50年経てば一つの伝統になるかもしれません。


     ◆   


 オレンジのチーズはミモレットというチーズで、これは森喜朗元総理が小泉首相の元を訪ねた際に「干からびたチーズしか出なかった」と表現して話題になったチーズ。
 まさに表面は干からびているのですが、ここにはなんと"チーズダニ"と呼ばれるダニがいるために表面が干からび、かつそれで内部が熟成するというタイプのチーズなんだそう。表面の干からびた部分は美味しくないのでそこは食べずに捨ててしまうのです。

 オレンジ色をしているのは、敢えてそういう色を付けることで珍しさと共に一つのブランド力を高めようという試みだったそうですが、熟成が進むと日本のカラスミに似た味わいになるようで、味と言い色と言い、美味しさの要素が増すようです。

 オールドアムステルダムは熟成チーズの一種で日本人好みの旨味が出ているタイプ。これはナカムラさんも自分の中で一二を争うほど好みのチーズだそうです。

 最後はピーチメルバという名前のチーズで、桃の果汁が練り込まれているデザートチーズ。甘くてフルーティなチーズというのはイメージにないので印象が深いものです。

 
 …とまあざっとこれくらいのチーズを紹介してくれたのですが、ナカムラさんは関西人らしい柔らかな口調なので、会場も大いに和んで話が弾みました。

 しかしチーズをトランクに入れて全国を渡り歩くなんて、変わった商売。

「まるでフーテンの寅さんみたいですね」と言うと、「ときどきそういわれます。そうでなければ『流しのチーズ屋さん』と呼んでくれる人もいます」

 聞けば、参加した人のつながりやネットで連絡してくる人もいるのだそうで、参加費が一人2千円で今日は昼の部と夜の部の二回に分けて参加者が十数名ずつといった感じ。面白いビジネスもあるものです。

 お酒や飲み物は各自が持参して、酔うほどにチーズ談義に花が咲きました。

 チーズの試食とチーズ語り。お近くで開催の際は参加してみてはいかがでしょう。

 

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地域おこし協力隊という知恵・発想・能力を活かしたい

2014-06-28 23:45:44 | Weblog

 豊富温泉の川島旅館で一泊した後は、天塩町で地域おこし協力隊として天塩町に移住してしまった菅原英人さんに案内していただいて、天塩町近傍の小河川での釣りを楽しみました。

 菅原さんは本州出身ですが、道北地域の釣りの常宿として豊富に泊まるうちに、釣りのみならず温泉の魅力にも惹かれ、ついに移住を希望するようになります。
 
 ちょうどそのころ、地方自治体を支援する国の事業で地域おこし協力隊を天塩町が募集していることを知り、それに応募・採用となり志の通り天塩町への移住がかなったというわけです。

 普段は牧場の手伝いをしたり物産展での販売を手伝ったりと天塩町の活性化に奔走していますが、休日はほぼ釣りに出ているという釣りの大ファン。

 こと天塩川に関しては河川延長約約50キロにわたって徒歩で実況見分をしてイトウのいそうなポイントや釣りのポイントを探して歩いたと言いますから、現場主義の徹底ぶりは只者ではありません。

 そんな菅原さんに案内していただいて、魚を求めて小河川を渡り歩きました。

 この日は気温がだいぶ上がってきたために魚の活性が期待されましたが、逆に水量が少なくなっていて大きな魚がつきそうなポイントもしぶい状況。

 10センチ以下の小魚はさかんにフライに食いついてくれてアタリは数知れずあるのですが、とにかく小魚はフライの見極めが早いのですぐに離れてしまって釣り上げることができません。

 一方菅原さんの方は小さなルアーで20センチクラスのニジマスなどを釣り上げて見せてくれます。

「魚はいるにはいるんですが、フライとルアーでは食いつき方が違うのか、フライではちょっと難しい日ですね」

 結局この日の釣果は8センチのヤマベが一匹と渋い結果に終わりました。しかし天塩川に注ぐ中小の河川をいろいろと見せていただいたおかげで次回の釣行が楽しみになりました。


     ◆   


 菅原さんは過去にここ天塩川で、最大で1m級のイトウを釣り上げた経験が何度もありますが、それは相当に川を見ぬく眼力があればこそ。

 場所を教えられるだけではなかなか釣れるものではありません。

 いつかイトウに巡り合える日を夢見て、少しずつ道北での釣りの経験を増やしていこうかと思います。

 菅原さん、お世話になりました。またいつかご一緒いたしましょう。ありがとうございました。
 

 

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豊富温泉には来たい人が大勢いる

2014-06-28 00:46:33 | Weblog

 豊富町にいる知人の女性に誘われて、休暇を取って豊富温泉まで来ました。

 豊富は駅周辺の市街地付近をドライブで走ったことはあるものの、豊富温泉街へ来るのは人生で初めて。

 今回来た目的は、豊富温泉で地域づくりをしている、知人とその仲間たちにまちづくりに関するエールを送ってほしい、というもので、私が軽く一時間ほどお話をしてそれから意見交換をすることに。

 講和は「まちづくりのキーワード」ということにして、地元からに加えて隣町の幌延町からも知人が駆けつけてきてくれて、全部で十人ほどが集まってくれました。

 ところが地元の方というその多くはあくまでも仮の姿で、その本当の姿はアトピー性皮膚炎に困り果ててここの豊富温泉を知り、長期滞在~定住を模索した結果、役場などの有期付雇用契約で豊富温泉にいる人たちが多いのでした。

 私自身、医者ではないので皮膚の疾患とその原因の因果関係については私自身はよくわかりませんが、食物や空気中の成分、都会のストレスなどから皮膚炎に苦しむ人は大変な数に上っています。

 そうした人たちがステロイド治療薬に頼りすぎず、民間療法で効果のあるところとして血眼になって探した結果、多くの湯治客がいて「ここで症状が改善した」という声の多かったのがここ豊富温泉でした。

 そして、遠くからここへ通ううちに、長く滞在する手段として上記のような有期付雇用制度を活用して1~3年ほどの期間で地元に住んでいるというのです。

 世代的にも30代の方が多いようで、全国が人口減少に悩んでいるというのに、ここへ来たい・定住したいというニーズには強いものがあり、しかし雇用や受け皿の面でそれを実現してやれない悲しい現実があるようです。


       ◆  

 さて、私も豊富温泉の川島旅館に夕方に到着して、着くなり真っ先に向かったのが町営の「ふれあいセンター」で、ここには湯治用の濃い温泉槽と一般客用の薄めた浴槽のお風呂があります。

 お湯に入ると石油系の油が浮いていて全体は白濁していますが、この油の成分が肌の保湿に良いようで、一週間とか一か月という風に長く滞在して湯治をするお客さんも多くいるのだそう。

 実に個性的な温泉の泉質です。


       ◆   


 ところで、そういったよそ者たちには外部からの視点が備わっているために、地域の本当の価値が良く見えることから、いろいろな思いや提案もあるのです。

 そんなよそ者の一人である女性は、「私たちはよそから来た支援隊みたいなものだから、提案や応援はできるけれど、本来の地元民たちがその気になってくれないことには力が及ばないところも多く疲れてしまう」とやや嘆き気味。

 支援の方向としては、アトピー性皮膚炎などに効果のあるこの豊富温泉の名を知らしめて効能を伝え、症状に苦しむ人たちに期待と共感をもってもらい、この地を訪れできれば住んでくれるような人が増えることが求められます。

 ネットなどの活用には大いに可能性があるので、豊富温泉のポータルサイトをちゃんと作り、利用者なんだか宣伝なんだかわからないようなブログだけに頼らずに、しっかりとした情報発信をしようと考えているのだそう。

 実物の温泉を運んでデモ的な温泉を本州の都会に作るとか、濃縮温泉水を作って自宅で豊富温泉が楽しめるような商品は作れないか、など空想的なアイディアは思い浮かびますが、実現にはそれぞれにハードルがあるようです。

 しかし言わないよりは言った方が良いし、関連記事を掲載しておくことに損はありません。

 願わくば、もっと地元から情報発信の質と量に磨きをかけて、今現実に困っている人たちの悩みを軽減してあげてほしいものです。

 温泉の多い道内でもこのような泉質の温泉は極めて珍しいと思いますし、応援したくなりますね。

 道北旅行の際はぜひお立ち寄りされてみてはいかがでしょうか。


  

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もう少し周りを見てほしい話

2014-06-26 23:01:07 | Weblog

 出張からの帰りの電車の中の話。

 札幌駅で乗り換えた電車は、帰宅時間のピークと言うことですごい混み方をしていました。

 到着も遅れましたが、乗り込むのにもまた時間がかかりなお遅れが出るほど。

 それが次の桑園駅では降りる人よりもさらに乗るお客さんが多いために乗り切れずにドアがなかなか閉まりません。

 駅員さんが駆け寄ってきて、入り口で何か会話をしていましたがそれでもお客さんが中に入れないのは、入り口付近が混みあい過ぎていたため。

 駅員さんは窓のところで、大きく腕を振って中のお客さんにもっと奥に詰めてくれるようにというサインを送りました。

 それに反応した何人かが無理を押して奥に詰めたのですが、入り口の近くにいた20代後半と思しき女性が一人スマホに見入っていて気が付きません。

 そのため、奥に無理に詰めた人とその女性の間には三、四人が立てるくらいのスペースができたのですが、入り口付近で混雑している乗客はその女性が奥に入らないためにさっぱり詰めることができません。

 そうしている間に、どうやら入り口付近では乗りたいお客さんを無理やりつめたらしく、ドアが閉まり電車は走り出しました。

 見ているとその女性の周りの乗客は皆、その女性の奥にスペースがあることには気づいていて、彼女が動かないために自分たちはぎゅうぎゅう詰になっていると思っているのですが、それでも誰もその女性に「もう少し詰めてもらえませんか」という一言を発しません。

 スマホに見入って周りが見えなかった彼女は周囲の顰蹙(ひんしゅく)を買っていましたが、そういう彼女にだれも注意もお願いの一言もないというのが、ちょっと不思議な感じでした。

 もっとも、私も奥に詰めた一人でその一言を発しなかった大衆の一人だったのですが、彼女も彼女なら周りも周りだと、気遣いとコミュニケーション力のバランスについて考えさせられました。

 まあせいぜいスマホや携帯を見入っていたとしても、公共の場ではやはり周りにも気を配った方が良い、というお話。

 他山の石といたしましょう。

 (写真は本文とは関係ありません)

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もっともっと説明を

2014-06-25 23:27:08 | Weblog

 今日明日で久しぶりの東京出張。来年度の機械関係の予算要求の説明に同行してきました。

 除雪車などの機械類は、10年を超えると故障率がぐんと跳ね上がります。

 さらに、部品関係では「購入から10年間」は供給を保証することをメーカーに求めていますがメーカー側ではさらに+5年の15年間までは保有もしてくれています。

 しかし10年を超えると故障の種類も「重故障」と呼ばれる修理までに多くの時間とお金を要する故障が発生しやすくなります。

 こうなると15年を超えるような機械類は、現在は不具合がなくても、故障が起きた時に使えない可能性が高くなります。

 そのため、そうしたことから一つの目安として15年を超えた機械類を優先的に更新したいという更新計画を立てました。

 そして、これまでの予算制約のために更新がままならず積み残している老朽機械を優先的に更新したいという予算要求として説明をしました。

 ヒアリングをしてくれた担当者は、全体としてはシンパシーを示してくれたものの、「15年でなくてはならないという理屈をもっと補強できないか」といったアドバイスがありました。

 こうありたい、という感覚を数字でしっかりと補強するような資料と説明が必要です。

 それでも、これからの社会の変化を見越した機械のあるべき姿を意見交換できて有意義な時間でした。

 社会を支えているつもりでも、まだまだ関心の低い機械力の保持というジャンル。もっともっと理解と共感が得られるような説明とプレゼンテーションが必要です。

 

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ペットロス~55歳からのハローライフ第二話

2014-06-24 23:41:26 | Weblog

 NHKで土曜日の夜に放映している連作ドラマ『55歳からのハローライフ』。

 第二回目は、可愛がっていた犬のペットが病気になった妻(風吹ジュン)と夫(松尾スズキ)の物語。

 夫が「買うなら猫にしようよ」というのを押し切って犬にした妻淑子は、定年後家にいる夫が鼻についてたまりません。

 夫は夫で、家では妻に無愛想なくせに、自分の都合のよいパーティに淑子を連れ出しては元取引先の奥方を大層ほめそやす。その内と外のギャップもたまらなくいや。

 夫は家ではいつも部屋にこもって誰が読むのか分からないようなブログを書いてばかりいて、こちらのことには一向に関心がない。

 そんな淑子は愛犬を連れて公園へ散歩に行き、そこで愛犬家仲間の男性の義田(世良公則)と二人だけで会話をするのが密かな楽しみ。

 妻を亡くしている彼にほのかな感情を寄せたりもしますが、あくまでも想像の中の話。

 そんなある日、義田が淑子の愛犬の様子がおかしいことに気づき、動物病院の受診を勧めます。

 苦しそうな愛犬の診断結果は心臓弁膜症で、もう無理はできないし寿命も長くなさそうだ、というショッキングなものでした。

 家の中で看病しようとすると、「毛がおちるから気をつけろ」という夫の愛のない言葉が返ってきて淑子の怒りは頂点に。

 納戸に犬とともに籠って、そこで寝起きや食事をとるようになり夫はあきれつつも、妻のただならぬ様子にうろたえます。

 いよいよ最後の時が近づいたかに思えた時に、夫から「居間に移してここで看病をしようよ」という思いがけない言葉。

 愛犬は夫も見守る中、淑子の腕の中で静かに息を引き取ります。

 愛犬にはペット葬儀を行いましたが、夫はついてもこず、(あの夫の態度は何だったのか)と落ち込んでいた時、ふと夫のブログなるものが一体何を書いているのかと思い、ノートパソコンを開きます。

 そこに書かれていた夫の心情は…(以下、NHKオンデマンドへ)


       ◆   


 子供も独立した二人だけの夫婦には、愛情を注ぐ対象が必要でした。

 しかしペットは人間よりはどうしても早く死んでしまう。夫婦同士の愛と、ペットへの愛情は比較できるのでしょうか。

 そして一見無愛想で、自分にもペットにも関心がないとばかり思っていた夫も実は淑子と同様にペットロスを感じており、淑子のこともちゃんと見守っていたということがわかりました。

 夫婦がペットを失ったことで、お互いの関係をを見つめ直すきっかけを得たという、最後は心温まる物語でした。

 夫婦とはいえ、ペットとブログという互いが関心を持っていることに自分も関心を寄せる様な心の"のりしろ"を互いに持ち寄った時に、再び相手のことを意識する気持ちになったのではないかと思いました。

 夫婦と言うのは、1+1=2ではなくて、1+1=1.5くらいに互いが重なっているそんな関係なのかもしれない、と気が付きました。

 そして、実はこの家が先週放送されたキャンピングカーの夫婦のお隣だったことが映像で分かってきます。

 どうやら同じマンションの住人たちの生き様模様がこれからも写しだされそうです。

 見逃した方は、NHKオンデマンドで有料で視聴することもできます。

 観られた方はどのように感じられましたか。来週も楽しみです。

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楽しみながら効果絶大ダイエット

2014-06-23 23:16:35 | Weblog

 

 先週末の道央の釣り小旅行ですが、金~日の三日間で私は2kg体重が減りました。

 妻も私と同じくらい体重が減っていたと言っていたので、釣りには相当なダイエット効果があったものと思われます。

 普段なかなか体重がキログラム単位で変化することは滅多になく、たった三日で2キロの減量とは驚くべき効果ではありませんか。

 釣りはダイエットに良い、ということがなんとなく分かっていましたがその背景要因を考えてみました。

 この三日間の食生活を振り返ると、初日の金曜日は昼にホッケ定食を食べて、夜は仲間とバーベキュー。二日目は朝昼とおにぎりで、夜は仲間たちが持ち寄った料理によるパーティとなり、お酒類は自然体で飲みたいだけ飲んでいました。

 つまり、決して空腹を我慢したり飲みたいのを抑えていたりしていたわけではありません。

 それどころかお腹いっぱい食べた満足感はあったので、脳が食べたいだけは食べた上でこのダイエット量なのです。

 もちろん、釣行の際は2時間も3時間も渓流の中を歩き、おまけにフライのキャストを繰り返しているわけで、軽めではありますが全身運動の連続ではあるわけです。

 しかし釣りがダイエットに効果絶大な理由は、ただ体を動かすこととはもう少し違うところにありそうです。
 
 それは、釣りをしている間は「次のキャストには魚が出るか」とか「ちゃんと思い通りにキャストが出来ているか」などとずっと考えていて体は高いレベルの興奮状態が続いているということです。

 この興奮状態が続くと体内では神経伝達物質のアドレナリンが分泌され、これにより肝臓にエネルギーとして蓄えられているブドウ糖が血液中に放出されます。その結果、血液中の血糖値が下がらなくて空腹だというサインが脳に送られないのです。

 事実二日目のお昼は、釣りの休憩中に残っていたおにぎり一個を妻と分け合って食べただけでしたが、それでも夜まで全く空腹感は感じませんでした。

 二日目はなかなか釣れないところを再度の挑戦ということで余計に興奮していたのですが、まさにアドレナリンの効果恐るべし。

       ◆   

 さらにアドレナリンには、脂肪分解酵素のリパーゼを活性化させる働きもあるのだそうで、空腹が分からなくなるだけでなく運動による脂肪燃焼効果も上がるというわけです。

 実際釣りの最中は頭の中が完全に釣り一色になっているので、空腹もトイレも喉が渇いたという気持ちもありません。しかしそれは逆にこわいことで、脱水症状になっても気がつかないということがあり、水だけは意識的に口にしないといけません。

 さて、私たちの場合はフライフィッシングでダイエット効果を大いに感じたのですが、別に釣りでなくても興奮状態が長く続くある種の運動を継続するのであればそれでも十分にダイエット効果は期待できるでしょう。

 好きなアーティストのコンサートや、山菜採りやその他のスポーツだって良いでしょう。

 頭を興奮状態に長くおけるような趣味で、余計な薬やサプリメントなど飲まず、また苦しさに耐える辛さを感じずに、幸せなダイエットを成功させてはいかがでしょう。

   
 

 

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大人の遊びはこうでなくては、ね

2014-06-22 20:41:15 | Weblog

 朝起きた支笏湖畔は快晴。気温もぐんぐん上がる絶好の行楽日和です。

 今日は昨夜キャンプした仲間たちによる、『ワンフライフェスタ』。たった一つのフライを使うことだけが決まりで、フライを木に引っかけてもダメだし、魚に糸を切られてもダメというなかで、どれだけ魚を釣れるかを競うゲームなのです。

 参加者は、釣れた魚の魚種と大きさを自己申告するという紳士的なルールですが、魚種は限定されていて、ニジマス、イワナ(アメマス)、ヤマベとされ、雑魚扱いのウグイはダメ。

 昨年参加した時は、釣れたウグイを喜び勇んで報告したところ、『残念、ウグイはダメでした』と言われて悲しい思いをしたものです(笑)。

 
       ◆   


 参加者は湖に出たり、近くを流れる美笛川を遡上したりと思い思いに散らばって行きました。

 私たちは美笛川へ出ることにして、やはり大きめのフライで少し流れのありそうな所へポンポン入れながら移動してゆきます。

 昨日一匹だけ釣り上げたことで、少しは釣りの調子も揚がることを期待していましたが、割と流れのあるところでニジマスを一匹ゲット。

 サイズは17センチと小振りですが、ニジマスらしい暴れっぷりが嬉しいところ。

 久々に暖かい日になったせいかその後も反応は良くて、結構フライに食いついてくれるのですが、なかなかフィニッシュまでは行きません。

 ようやく釣り上げた二匹目のニジマスも同じく17センチでしたが、楽しい釣りになりました。


       ◆ 

 楽しいキャンプも終わりに近づいたところで、仲間の一人から提案が一つ。

「みなさん、釣りの時は背中にネットを背負っていきますよね。釣りから帰ってくるときはどうかそのネットを空のままではなく、川辺のゴミを拾って帰りませんか。北海道ならまだ釣り人がその気になって拾って来れば維持できるくらいの量です。残念ながら関東から行ける川ではマナーの悪い釣り人が多すぎてそのレベルを超えています。今からの釣りで北海道の釣り環境を守りましょう」

 もちろん参加者全員で賛同です。

 次回からは背中のネットにはゴミを入れて帰ってくることにします。遊びを提供してくれるフィールドへのリスペクトと恩返し。大人の遊びはこうでなくては、ね。

 
 
 一番上の写真は朝三時の星空。下弦の月がとても綺麗でした。

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立っているのは誰でしょう?

2014-06-21 23:22:12 | Weblog

 冒頭にクイズです。この写真で立っているのは誰でしょう?答えは文末に書いてありますよ。


      ◆  


 さて昨夜は余市町内のコテージに宿泊して、今日からは道央釣り旅行のいよいよ本番。

 午前中はまだ雲が低かったものの、静岡からの知人たちが太陽も持ってきてくれたようで、昼前から日差しが強くなってきました。久しぶりのお天道様です。

 皆で入った道央の中河川は、まだエゾハルゼミがジージーと泣いています。

 前日とは様変わりで、川面からは水生昆虫が次々と羽化していて一気にざわめき始めた感じがします。

 何組かに分かれて川に入り、それぞれに気持ちの良い渓流をえっちらおっちら川上へ向かって歩きながら、魚のいそうなポイントを狙います。

 しかしこれがなかなか釣れません。投げ入れるフライにちょっとは反応してくれるものの、すぐに逃げられてしまうし、どうもこの時期の魚の居場所がまだ良くわからないのです。

       ◆   

 昼に合流して釣果を確認し合うと、皆さん「出た出た」とご満悦。

「小松さんも今日は良かったでしょう!」
「それが…、釣れません」

「ホント…!?なんで?」

 なんとも言えない気まずい感じが漂います。

「どんなフライ使ってるの?」
「飛んでる虫に近い小さなカディスですが」

「それはだめだよー。今なんかセミとか大物をバンバン食べまくっている時期なんだから、『これでもか』ってくらいでかいフライで、流れの本流近くに勇気をもって投げ入れるんですよ。大きな虫が流れてきているときに、小さな虫なんか効率が悪くて食べようとは思わないじゃないですか」

 そうか!

「じゃあ、こんなフライはどうですか?」
「いいじゃん!これは挑戦し甲斐がありますよ」

 そう聞くともう一度チャレンジしたくなって、「じゃあみなさんとはここで別れてもう一度挑戦してきます」
「いいですね、健闘を祈ります」


       ◆  


 再チャレンジで大きな蝉のフライで再度挑戦しましたが、釣果はイワナが一匹だけ。

 言われるほどにはバコバコは釣れませんでしたが、それでも今シーズン初の魚に巡り合えてまずは良かったというところです。

 夜は支笏湖畔の美笛キャンプ場で、今度は釣りを中心にした仲間たち40人が集まってのキャンプ大会。静岡組のこちらに合流しての楽しいひと時です。

 仕事以外の大人の友達が多いのは楽しいですね。


       ◆  


 さて、冒頭のクイズの答えは、『誰でもない』が正解。ただウェイダーを乾かしているだけでした。

 下だけ写すとなんだか人がいるように見えますね。ちょっと面白かったので写してみました。

 乾いてくれないと困りますしね。

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