北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

思い出深い稚内を離れました。皆様お世話になりました。

2016-03-31 23:02:43 | Weblog

 午前に職員の皆さんの前で離任の挨拶をしました。

 一年間という短い期間でしたが、しっかりと職責を全うして仕事を支えてくれた職員の皆さんには改めて敬意と感謝を評します。

 職員数は少なくて一番小さな開発建設部。小さく少ない職場ですが、"弱小"ではありません。小さいゆえに全体としてコミュニケーションが取れるというメリットだってあるのです。

 まちづくりも人数がたくさんいればやれることが多いかもしれませんが、人数が少なければ少ないなりに全員を束ねて乾坤一擲の勝負がしやすいとも言えるでしょう。「小さな組織に幸あれ」です。


      ◆ 


 いよいよ最後に職員の皆さんから花束をいただいて職場を後にし、11時30分発の札幌行き高速バスで稚内を離れました。

 人生最初の記憶が、父に連れられて住んでいた稚内だった私としては人生の節目となる一年を稚内で過ごすことができたことは運命的なものを感じます。

 稚内を離れたことをフェイスブックに載せたところ、各方面から実に多くの「いいね!」とコメントを頂き、バスの中の私のスマホは振動しっぱなし(笑)。朝ドラの最終日みたいに、それまでの登場人物が全員一同に会したような賑わいを呈しました(笑)。

 そして、ご縁をいただいた皆さんからの温かな応援をいただきコメントに返信しつつ札幌までの旅を味わい、そして重たい荷物を大通りのバスターミナルで降ろしたときに、やっと一つの区切りがついたような感慨が押し寄せました。(こういう旅はしばらくはないかもしれないなあ)。

 転勤族は転勤して住む町を渡り歩くうちに、心の故郷がいくつもできるのですが、その一つに稚内と宗谷地域の島や町が加わりました。これからは今までとはまた違った形でご恩をお返ししたいと思います。

 これからも繋がりを大切にしてくださいね。本当にお世話になりました。

 退職の辞令は明日いただきます。

 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

離れてゆくのはどっち

2016-03-30 23:56:08 | Weblog

 深夜バスで朝五時に我が家近くの停留所に到着。

 寝ているのか気を失っているのかわかりませんでしたが、ちゃんと朝に稚内についているというのはありがたいですね。
 
 朝一番に引っ越し業者さんが来てくれて荷物も全部積みこみました。一つずつ残ったことにけりがついて行きます。


      ◆ 


 今日はほぼ最後の一日だというのでいろいろな方々が挨拶に来てくれました。この間のご厚情に改めて感謝を申し上げます。

 結構多くの方が私のブログを読んでくださっていて、「いつも楽しみにしていました。こんなに稚内の事を考えてくださっているという方を始めてみました」という方がいました。

「いえいえ、私などよりもずっと稚内の事を考えている方はたくさんいたし、今この瞬間にもっと多くの方が稚内や宗谷の事を考えているのだと思います。でも見たことや考えていることをいろいろな形で伝えようとしている方は少ないように思えます。どんなに良いことを考えていても声に出さなかったり声が小さかったりすれば、やっぱり聞いてはもらえない、気づいてもらえないのじゃないでしょうか」
「なるほど、聞こえないということはしゃべっていないということと同じなのですね」

「そのとおりです。発信しようというちょっとだけの勇気と継続するという実践こそが大切なんです」


       ◆ 


「それにしても小松さんがいなくなると、いろいろな地域の情報が聞けなくなります」
「まあ稚内は離れますが、それで皆さんと永遠の別れになるわけではありません。『去る者日々に疎し』とは言いますが、今日ではフェイスブックやSNSがありますから、これらを上手に使えばいつでも繋がっていられますよ」

「でも小松さんの稚内への関心が薄れてしまうのではありませんか」
「直に稚内に住んでいれば手軽に訪ねたり見たりすることができるのに、住まいが離れるとそれがしにくくなるということはあるでしょう。でも先ほど言ったようにネットの世界で繋がっていられれば、稚内の最新の情報を得ることはわりかし容易です」

「うーむ…」
「問題は、私自身が地元の情報を得にくくなるということかもしれませんが、その分の地元情報を提供してくれればありがたいですし、そうであれば関心も長続きすることでしょう。なにしろ地元の風景や記憶は生きていますからね」

「はい」
「もし私の稚内や宗谷への関心が薄れるとしたら、それは私以外にでも外部の人たちに対して皆さん自身が地元の情報を出していないということなのではないでしょうか。離れてゆくのは私の方ではなく、皆さんの側なんですよ、きっと」


 もっとも私の場合は、釣りや遊びや地域との関わりの中でときどきこの辺りを走り回っていることでしょう。

 友が遠方から来ることを喜んでいただけるなら、私も喜んではせ参じてきます。

 距離が遠い分、だからこそ地方にいる人には頑張って距離に関係のないネットの世界を上手に使って、友達ネットワークを活かして地域の話題や情報を発信して欲しいと思います。

 いつまでも思い出させてくださいね。

 

   

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最後の初体験

2016-03-29 23:22:20 | Weblog

 

 昨日から最後の札幌出張。

 会議を終えて、この春で退官する友らとともにお別れの懇親会をしました。

「このメンバーでは最後の会議だね」しごく当たり前のことなのですが、その発言を聞くと万感胸に迫るものがあります。

 ある一人は、「思い出と言っても、最後は『何も起きてくれるな!』という気持ちだけだったね」と笑わせようとしましたが、他人事ではなく実は笑えないものでした。

 『何も起きないこと』の幸せをつくづくかみしめた稚内の一年でもありました。

 
 懇親会も終わった後は、今日は札幌からの深夜便で稚内へ戻ります。最後の一日も無駄にしたくはないゆえの強行軍。

 考えてみたら一年稚内で過ごして、夜行バスで稚内へ戻るのは初めてのことでした。最後の最後で初体験ができました。

 これは寝ていればよいので楽なのか、はたまた長時間のバス乗車はつらいのか。ではおやすみなさい。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

転出手続きとマイナンバーカード

2016-03-28 22:40:24 | Weblog

 市内の挨拶回りの間隙を縫って転出手続きを住基カードで行いました。

 私は釧路で作った住基カードをいまだに使っていますが、転出届を書いてこのカードと一緒に提出すると、転出情報がこのカードに入れられます。

 紙による転出証明をもらうことはなく、次の転入先で転入届とともにこのカードを提出するとすぐに手続きをしてもらえるというわけ。

 住基カードはe-taxでの確定申告にも使えますし身分証明書にもなりますが、私は『こういうカードを持つということはどういうことか』という興味から取得して使っています。

 多くの人がこのシステムを使うことは情報面での社会資本の充実ということなのですが、多くの人が情報漏えいや行政不信からシステムに参加していないのは行政の効率化に参加していないということで、私としてはちょっと残念なことだと思います。

      ◆ 
 
 さて手続きが終わったところで、市役所の担当の方から、「小松様はマイナンバーカードも申し込んでおられますね」と言われ、そのことを思い出しました。

 マイナンバーカードは昨年の暮れに申し込んであったのですが、役所からはいまだに梨のつぶてで、一体どうなっているのやら。

 ネットではサーバーの調子が悪くて配布が滞っているようだ、という情けない様子が伺えますが、私も写真まで撮影して申し込んでおり、稚内でもらえなければまた次の札幌で再申請をするのかな、と疑心暗鬼になっていたところです。

「小松様ですが、申し込みが1600番台なんです。それで現在、1300番台の方に配布を行っているということで、まことに申し訳ないのですが転出の時期までには間に合わない恐れが強いと思われます」
「はあ…」

「次の転入先での配布になろうかと思いますのでご容赦いただきたいのですが」
「写真などを送りましたが再申請ということになるとそれが無駄になるのでしょうか?」

「いえ、今お渡しした住基カードのほうに写真データも入っていますので、転入先の窓口でその旨お伝えいただければ写真データはそのままにして配布手続きができるようになっています」
「え?そうなんですか?あ…ああ…」

 ここでカードをもらえなければご破算になってやり直しかと思いきや、このあたりは連携ができているようでちょっと感心しました。

 
 マイナンバーなども、情報漏えいやデータ悪用を恐れて机の奥にしまってしまい関心を失ってしまうよりも、私はシステムに参加したうえで『何がどうなるのか』を関心を持って見届けるという生き方を選択したいと思います。

 新しい時代の到来は何事も逃げてしまっては遅れるばかりなのじゃないでしょうか。これも結構疲れるのですが、関心と興味を失った瞬間に心の青春は終わるんですよ、きっと(笑)


      ◆  


 夕方の飛行機で明日の打ち合わせと会議出席のために札幌に移動。

 機上から利尻富士がきれいだったのと、下を眺めると雪原の中に原野そのものの蛇行河川がくっきりと見えました。本州ではこんな姿は見られないでしょ?
 だからこういう風景も私にはものすごく北海道らしくて新鮮で感動してしまいます。地上の夏にはどういう風に見られるのでしょう。

 稚内勤務もあと三日。今の立場で宗谷の風景が見られるのも残りわずかとなりました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【可笑しい?】ドジな不始末を笑いながら引っ越し準備中

2016-03-27 18:37:52 | Weblog

 引っ越しで荷物を詰めながら、スパゲティの袋がなおもう一枚の袋に入っているのを妻が発見。

「これ、どうして袋に入れているの?」
「うん?それはね…」

 

 

 


「袋を開けているのを忘れて、よりによって反対側も開けちゃったのよ。だからすとんと落ちないように袋に入れてあるんだ」

 その説明に妻は「ドジねー」と大爆笑。私も釣られて大爆笑。

 袋をハサミで切った時に、もう開けてあったことに気がついたときは自分のドジを呪ったものですが笑うことはありませんでした。

 一人なら笑わなくても二人なら笑いが起きてそれが跳ね返ってくるものなんですね。

 荷物もだいぶ片付いて、掃除も進んできました。

 いよいよパソコンも撤収です。 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

離任前のあいさつ回り~北門神社と『あとりえ華』へ行ってきました

2016-03-26 23:05:36 | Weblog

 稚内を発つことが決まって、引っ越しと挨拶が本格化しています。

 一昨日からは妻が稚内へ来て、洗濯やら荷物まとめをしてくれています。転勤のたびに妻には苦労を掛けているのですが、最後までスマン。

 さて、仕事上のお付き合い先への挨拶はもちろんですが、プライベートでお世話になった方へ挨拶ができる時間も少なくなってきました。今日は荷物をまとめつつ、気晴らしにレンタカーを借りて地域のご挨拶です。

 まずは北門神社へのお礼参り。

 冬を迎える前に、夏期のお礼参りと冬の安全祈願のお参りをしたところですが、この一年のお礼参りをしてきました。

 社殿の屋根葺き替えにも一枚奉納。この一年のご厚情に感謝です。


      ◆


 続いて稚内市郊外の勇知地区にあるカフェ『あとりえ華』へ向かって画家の高橋英生先生ご夫妻にご挨拶。今日は二階の窓から利尻富士が実にきれいに見えました。

「『小松さんのブログを見て、私の個展が札幌で開催されているということを知ってきました』という方もいましたからね。嬉しかったですよ」

 先生は私たちが札幌の個展にも行ったことを覚えておられて、今回稚内を離れることもとても寂しがってくださいました。


「僕なんか、歳をとってから稚内に戻ってきたというのに、皆出て行っちゃうんだなあ(苦笑)。転勤族の人たちは仕方がないとしても、元々稚内の人も引退した後に札幌に出てしまう人が多いんです。札幌は遊びに行けば良いところであって、住んでも仕方がないと僕などは思うんですがねえ」
「すみません。とりあえず稚内を離れますが、また季節の良いころに参ります」

 札幌では、化学製品を作っている会社が高橋先生の絵を飾るギャラリーができているとのことで、札幌へ帰ったらぜひ行ってみたいと思います。


       ◆ 


 そんな会話をしていると、「そちらへ行きたいんだけれど生き方が分からない」という電話が入って、奥様がいろいろと説明をしていました。このカフェは口ではなかなか説明の難しい場所にあるのです。

「そういえば、私のスマホでもグーグルマップで『あとりえ華』と探すと、全然間違った場所を指し示すので、最初は戸惑いましたよ」

 そういうと奥様も「皆さんそうおっしゃるんです。私はよくわからないもので…」と困惑顔。

 うーむ、地図の間違いはどうしたものか、と改めてグーグルマップの検索を見てみると…、(あれ?ちゃんと表示されている…?)。なんと地図にこのカフェが示されています。

(でも何かが違うなあ…あ?名前が違う?)。なんと、正しいひらがなの『あとりえ華』ではなく、正しくはありませんがカタカナ表記の『アトリエ華」だったら正しい場所が表示されています。

「奥様、これからは電話で問い合わせがあったら、『正しくはないのですが、カタカナで"アトリエ華"と検索していただければスマホの地図に表示されるみたいです』と言っていただくと分かると思います」

 そういうと奥様は「そうですか、カタカナね。わかりました」と喜んでくれました。こちらのカフェに行きたい方は、カタカナで検索してくださいね。

 さて明日も引っ越し準備を進めます。


   【検索するとひらがなとカタカナがある…】

 


   【ひらがなの『あとりえ華』の表示場所は違うのです】

 


   【カタカナの『アトリエ華』だと正しい場所が示されます】

 


  【おまけ 抜海港からの利尻富士】 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ちょっとした「お別れ」のお知らせです

2016-03-25 23:55:23 | Weblog

 ホタテの加工会社の方にお会いして、最近のホタテにまつわるお話を聞かせていただきました。

 オホーツクでは一昨年の大嵐で海が攪乱されてホタテが砂に埋まり大量に死滅したことで、昨年は生産量が大きく減りました。

「昨年は十月にも大嵐があったので、今年の生産量も心配です」

 自然を相手の産業は、何もなければ安定した経営ができますが、ひと度猛威をふるわれると生産が大きく左右されてしまいます。

 生産量が減ると値段が上がるので、漁師さんは収入の減少がまだ抑えられますが、問題は加工屋さん。加工する原材料が減るとてき面に仕事が減るのです。

 人を雇用している会社にとっては厳しい事態。原材料が獲れなくてはすぐに仕事が減り、それは地域の経済に影を差す。地域の望みは安定です。


       ◆ 

 そうはいってもホタテの殻むきなどの作業には人出不足だと聞きます。

「建設業もそうですが、将来はこの業界に参入する人が減ることが予想され、効率化をしなくてはならない、という機運が盛り上がっていますが、ホタテの加工の世界も同じようなものでしょうか」
「全く同じですね。この業界にも人がどんどん集まりにくくなっています」

「しかしそうかといってロボット導入などで効率化をすると、地域の人口が減るという副作用もあるのではありませんか」
「それは逆ですね。そもそも集まらないと予想されているのですから効率化をしておかないと大変なことになる、という思いです。もう時代の流れは確実にそちらに向かっていますよ」

「ホタテの殻むきロボットはまだ人間に適わない、という話もありましたが」
「はい、やはり実績をもっと積み上げないといけません。こちらも投資をするということになると大きな資金を必要としますから、性能や耐久性もそれなりのものを要求します。そうした技術はまだ発展途上ですが、効率化には国も支援の用意があると聞いていますので、期待しています」

 どんな世界も、人口減少を見越した効率化・省力化を進めなければならないという覚悟を固めつつあるようです。

 人手に頼っている産業は特に対策のスピードを速める必要があるでしょう。なんだか気が焦りますが、着実なロードマップを描いて計画的にすすめなくてはなりますまい。


       ◆ 

 
 さて、この一年間ご愛読いただいた『北の心の開拓記』の稚内編ですが、本日人事異動の内示があり、この四月一日をもって退職し、札幌へ戻ることとなりました。

 稚内や宗谷地域でのいろいろな場面に遭遇して楽しい思いを積み重ねてきましたが、それもあと一週間です。

 公務員生活も34年。様々な場所への転勤や立場を経験させていただき実に充実した年月でした。この間私を支えていただいた諸先輩並びに後輩諸兄、ならびにご厚情をいただいた多くの友人の皆様に改めて感謝申し上げる次第です。

 一年間という稚内生活は振り返るとあっという間のことでした。
 
「その日一日を精一杯生きたか?」と自問自答すると、もったいなかった時間もあったように思います。どうぞ皆様も今この時を大切にしてくださいね。

 詳しい話は明日以降に譲るとして、まずは稚内を離れることのご挨拶まで。

 お世話になりました。


  【この景色も見納めかな】
 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

条件が付いたらもうだめなんです

2016-03-24 23:37:54 | Weblog

 稚内空港は特に冬期の就航率(着陸できる割合)が低いことが課題です。

 飛行機が着陸できないというのは、風向きが滑走路に対して強い横風になり機体が不安定になる場合もありますし、風で新雪が舞い上がって遠くまで肉眼で見とおせなくなる場合もあるなど、いずれにしても気象条件が悪いことが原因。

 飛行機に乗ったことがある方はお分かりでしょうが、着陸予定の空港の天気が悪ければ「天候調査」を行うこともあるし、もし降りられなければ戻るか他の空港に着陸するという「条件付きフライト」ということもあります。

 これらの多くは空港の天候の不安定さと、空港設備ではそれがカバーできていない現状を表します。

 飛行機が目的の空港に降りられないということは、ビジネスや観光に様々な悪影響を与えるもの。

 あるバス会社関係の方が嘆いていましたが、「ツアー会社の中には出発地の空港にお客さんが集まっても、搭乗するフライトが『条件付き』になるともうそのツアーを中止するというところが多いんです。リスクを冒して飛んでみたものの、やっぱり降りられなくて帰ってきた、などというときの後始末のことを考えると、中止した方が合理的だという判断が働くんでしょうね」とのこと。

「なるほど、ツアーがどれくらい中止になっているかということを調べたら、空港のぜい弱さが経済に与えているマイナスの影響を測定することができそうですね」

「それはそうですが、こんなことが繰り返されるとツアー会社も次第にこの季節に稚内空港を利用するツアーを売るのは止めようというマインドになってしまいますよね。そうするとツアーを止めた件数を数えても、そもそもツアー数が少なくなっているということだって考えられます。やっぱり空港が安定的に利用できないというのはハンデだと思いますよ」

 札幌への移動くらいであればバスやJRを選択すると飛行機よりも確実性が高いのですが、東京から来ようとするとそうはいきません。飛行機利用の安定性はこの地域の願いです。


       ◆ 

 
「ツアーは条件付きフライトになったからと言って、必ずしも中止になるわけではないのでしょう?」

 そう訊いてみると「はい、ツアーはとにかく出発してみて、結局旭川や千歳などの他の空港に降りるということもあります。ダイバートと言いますが、これはこれで結構対応が大変なんです」
「やっぱり」

「とにかく稚内へのツアーですから、新千歳に降り立ってもしゃにむに稚内までお連れしようというので、新千歳からバスを出す一方稚内からもバスを走らせて、途中のどこかでランデブーをしてお客様に乗り換えてもらうというような対応をすることもありますよ」
「うわ、大変ですねえ」

「ツアーにはできるだけ中止にしてほしくありませんが、ちゃんと稚内空港へ降りていただくのが一番です」


 交通インフラは早さも求められますが確実性も同様。宗谷の冬の観光を確実に楽しめるようにしてあげたいものですね。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

それはナイショです

2016-03-23 23:56:45 | Weblog

 まさに年度の終わり目が近づいて、この四月に退職したり転勤で他の部所へ移る人たちへの送別会が開かれました。

 稚内での経験をこれからの人生に生かしてほしいと思います。


 今日は宴会のダブルヘッダーで、送別会の次に宗谷地域の観光を考える有志たちと一杯やりました。

 テーマは「どうやったら宗谷地域の観光が活性化するか」というもので、まあざっくばらんな会合です。

 するとホテルに努めている人が、「そういえば、この地域でのワカサギ釣りが楽しいというお客さんがいましてね。『それはいいですね、ぜひどこで釣れるかをブログなどでご紹介してください』と言ったんですが、答えは『いえいえ、そんなのを書いたら自分のポイントが取られてしまいますからねえ。ナイショです(笑)』と言われました」と言いました。

「うーん、魚釣りは自分で独占したいポイントがありますからね。場所はともかく、"宗谷での釣りは楽しい"と言ってくれれば良いのでしょうけれど」

 
 すると今度は別な人が「東京から飛行機で来る仲間で、お昼の便で稚内空港へ到着して午後に近くのゴルフ場でワンラウンドを楽しみ、翌日は早朝からワンラウンドをして午後の飛行機で東京へ帰るという人がいたんです」と言い出しました。

「いいですねえ、飛行機で宗谷ならではの楽しみ方じゃないですか。それももっと広めてもらえばいいのに」
「ところが、『仲間に知れると妬まれるからナイショなんです』って言うんです。ホントに広めてほしいですよ」


       ◆ 


 さらに最後の一人がこう言いだしました。

「昔、九州の温泉観光地で活躍している方の知己を得て稚内にお招きしたんです。そしてその方にとっては初めてこの地域を見てもらったんですが、『いやあ、良いところだね』と大好評でした。ところがその後でこう言われてしまいました」
「なんです?」

「『あなたたちは、地域の日本人の観光客が減っている分をインバウンドで補いたいと思っているでしょう』って言われたんです。図星…かな(笑)そうしたらさらに、『日本人がたくさん来るようになったらもう一回私を呼んでください。そうしたら次にもう一つ教えてあげるから。それまではナイショだな』ですって」
「その次の話は聞けていないんですか」

「ええ、残念ながら。まずは日本人の観光客を増やさないといけません」


       ◆  


 私が思う魅力的で行きたくなる土地とは、「地域の人たちの楽しむ量」×「その情報の発信量」の面積が大きいところではないかと思っています。

 そもそも地域には多様な楽しみのタネがどれだけあってそれを皆はどれだけ楽しい思いをしているのか。そしてどれだけ楽しいことがあるのかをどれだけ発信して知らせようとしているのか。

 地元に長くいると楽しいことも楽しくなくなってしまったりしますが、それを新鮮に感じ続けて、楽しみを追求しようということです。

 わがまちならではの楽しみ方って何がありますか。それを探したら自らが楽しむことです。

 ナイショはできるだけ少なくしましょうね。
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ふるさと納税の返礼品は旬を選びましょう

2016-03-22 23:46:23 | Weblog

 宗谷地域オホーツク海での毛ガニ漁が3月15日に解禁となりました。

 毛ガニはかつて資源量が激減したために、平成21年~24年にかけて年間許容量を1100トンに絞って資源管理を行いその回復を図りました。

 その結果、一定の成果が見られ、平成26年から今年までの三年間は宗谷管内での許容漁獲量を1300トンとして今年の漁に臨んでいます。

 枝幸漁港では260トンの割り当てと聞きましたが、毛ガニは今が旬。どこかお正月の縁起物のような感じがしていますが、春の時期が一番美味しいのです。
 
 ふるさと納税でも返礼品としての毛ガニは大人気で、ネットで応募しようにもすぐに提供枠が埋まってしまいます。

 しかもふるさと納税は、前年12月までの納税(寄付)が今年の還付対象になるので、興味と関心が11月くらいから湧き上がり、12月がピークとなります。

 しかしこの時期の毛ガニは美味しくないのになあ、と思い、枝幸町役場の方に、「この春の時期にふるさと納税をしてもらうと美味しいカニが提供できるのではないですか?」と訊いてみました。

 すると答えは、「実は前年に寄付してもらった返礼は、今年のこの時期のカニを送るという条件でいただいているんです。だから美味しいカニを提供できているんですが、なかにはすぐにもらえるものだと思って、『ふるさと納税で申し込んだのにまだ届かないのですが』と言ってくる人はいますね」とのこと。

 ふるさと納税の返礼品は、農産物だと秋にもらうのが旬ですが、春が旬の返礼品となると翌年送られるのが誠実な対応と言えるでしょう。

 実際に枝幸町のホームページを見て毛ガニの返礼を受けようと思うと、ちゃんと下に注意書きが記されていて、注意を促していました。しかし気が付かないかもしれませんね。

 返礼品は旬の美味しい時期にもらいましょう。そして次年度の還付手続きをお忘れなく。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする