北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

自分版今年の十大ニュース

2012-12-31 11:33:47 | Weblog



 毎年恒例の自分版今年の十大ニュース。

 良くも悪くもこの一年を振り返ってみるのは一つの節目であり、頭の体操でもある。

 昨年のブログを見ていたら、30日と31日の二日間に分けて書いていたのですね。今年は今日一日でまとめてみた。

 では早速10位から8位。

⑩MOOのフィットネスセンター廃止条例が可決される

⑨啄木で盛岡へ

⑧「僕等がいた」で生田、吉高に会う


 ではコメント。

 10位のフィットネスセンター廃止条例が可決されたのは今年の2月議会だった。

 昨年の12月議会でこれが否決されたことが昨年の十大ニュースに入っていて、それくらいショックが大きかった。

 条例否決の後は無料バスを一年間走らせるなどの激変緩和措置を講じて利用者の便に配慮する措置を講じて説明を繰り返したことで、2月議会では可決してもらった。

 行政サービスの見直しによる市民生活の変化と、財政改革による将来の市民サービスとのバランスを、もっと市民議論にしなくては行けないと思う良い経験となった。

    ◆  

 9位は啄木没後百年イベントの一環で、釧路市を代表して盛岡市での啄木ゆかりの地サミットへ出席したこと。

 啄木は道内で、函館、札幌、小樽、釧路という四つの町に住み、そして東京へと渡って行った。

 東京ではいくつか住まいを替えたものの、全て今の文京区内での引っ越しで、そして文京区内で亡くなっている。

 サミットのおかげで文京区の成澤区長さんとも知り合いに慣れましたが、釧路から文京区へ移ったという縁がどこかで繋がると良いと思う。

    ◆      

 8位は釧路を舞台にした漫画「僕等がいた」の映画が公開されたことで、地元挨拶で釧路へやってきた主演の生田斗真さんと吉高由里子さんに会えた。

 映画とは違って芸能人ファッションに身を包んだ二人にはオーラがあった。

 地元を紹介してくれるような影響力の強い映画なのですから、地元の人たちはこぞって行きましょう、とあちこちで言って回りましたが、多くの釧路市民が映画を観てくれたようだ。

 地域が外部からの声援を受けて盛り上がると言うことはとても大切なのだ。


    ◆      ◆      ◆ 

 次は第7位から5位まで。

⑦まりもの阿寒湖を世界自然遺産に

⑥メガネ購入

⑤献血百回達成

 
 第7位のまりも世界自然遺産にという動きは昨年末から新年にかけての話題となったのですが、3月に阿寒湖畔で地元の合意が図られた後に、釧路市でも動きが盛り上がってきた。

 これは環境省として、世界自然遺産に推薦する候補地が少なくなったことから次の候補地選定に入りそうだ、と言う動きを察知してのことだ。

 前回は平成19年に日本としての候補地選定をしたのだが、そのときに選定されたのが、知床半島、小笠原諸島、そして沖縄の三つだった。

 全二者が認定された今、次なる候補地を求めているわけだが、前回落選したところはその後になにか新しい科学的な知見があったかどうかが問題となるところで、阿寒湖のまりもはその後もっとも研究が進んで色々なことが分かったものの一つだと言える。

 その動きを展開した一年だったが、国の懇談会はまだ全段の議論にとどまっているようだ。

 政権交代がどのような形で政策に影響を及ぼしてくるかを中止しつつ、地元からは話題の発信に努めたい。

    ◆      

 第6位はメガネの購入。

 免許証の更新でもまだ眼鏡使用を言われているわけではないが、事実上乱視が進んで物が見づらくなったこともあって思い切ってメガネを購入した。

 かけないに越したことはないが、映画の字幕など、本当に見えにくい時には重宝だ。これも自分には大きな出来事だ。


 第5位は献血百回達成。

 思えば高校二年生の時に始めた献血だが、その後ついに37年をかけてついに百回に達した。

 献血は自分自身が健康でなくてはできないボランティアなので、これからも自己管理に努めて献血回数の増加に努力して行きたいものだ。



    ◆      ◆      ◆


 お次は第4位から第2位。

④蝦名市長再選

③歯をインプラントに

②釣りの充実


 第4位は蝦名釧路市長が10月の選挙で二期目の当選を果たしたこと。

 かつて政争が激しかった釧路にしてみれば、事実上無風と言っても良いくらいの選挙戦に終始したが、投票率も34.45%と市長選史上最低を記録した。

 世間の関心を呼ぶと言うことは難しいものだが、二期目の市長として安定的な市政運営に期待がかかる。

    ◆     

 第3位は、歯の手術で奥歯をインプラントにすること。

 年と共に肉体は衰えてくるのだが、QOL(=クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)を保ちながら日常生活を営みたいもの。

 健康はおろそかにせず、前向きに取り組みたい。
 
    ◆      

 第2位は釣りの充実。

 昨年始めたばかりのフライフィッシングだが、今年はそれが爆発的に自分の中でマイブームとなった。

 釣り道具も買いそろえつつ、フライを巻く道具や材料も充実してきた。

 フィールドでの釣りは、近くの渓流はもちろん、阿寒湖での湖の釣りや管理釣り場での練習など、様々な場面を経験することができた。

 キャストの仕方も慣れなかったのを練習に練習を重ねてなんとか見られるようになってきたし、フライの巻き方も教えてもらい、基礎的な技術が何とかわかってきた。

 秋口からは全く釣れない状態が続いたが、年末最後の釣りで2匹を釣り上げて今年の釣りもハッピーに終わった。

 釣りは釣り自体も楽しいが、友人や知人との旅や語り合い、釣り場からの風景など、付属的なお楽しみも多い。

 道東にいる限りは最高のアクティビティの一つだということを改めて実感した一年となった。

 ちなみに今年最大の大物は1月初釣りのときの54センチのアメマス。来年はさらに大物をねらいたい。

 
    ◆      ◆      ◆


 そして今年の第一位は、なんといっても孫の誕生。

①孫誕生!


 偶然にも妻の誕生日と同じ日となったが、ちょうど札幌に出張で来ていたときに出産となり、生まれてすぐに姿を見ることができた。

 新しい家族の一員の誕生を素直に喜びたい。



 そんなわけで、今年の自分版十大ニュース。

 皆さんも自分自身の十大ニュースをまとめてみてはいかがでしょう? 後々の記録になって面白いものですよ。

 さて、今年もお世話になりました。来年も新しいことにチャレンジする一年にしようと思います。

 皆様、良いお年を。
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地域の除雪力

2012-12-30 23:45:50 | Weblog
 雨まで降ってきて大荒れの年末。

 道路は圧雪状態で固まっていたところが各所で融け出して、グサグサにぬかるんでいる。

 この状態で寒波が来るとまたツルツルの氷路面になるに違いない。

 道路を維持している作業部隊の頑張りに期待したいが、皆さんも車の運転にはご注意を。


  ◆   ◆   ◆





 さて、札幌の我が家も家の前の雪山を敷地の中で運び直して除雪への備えをしていた。

 札幌の我が家は昭和30年代に宅地開発された札幌でも割と古い地区に空いた土地を見つけて建てたもの。

 周りを見ると近隣の皆さんは、宅地開発された頃に壮年だった人達ばかりで、つまりは私よりもずっと年上で高齢のお年寄りばかりなのだ。

 そのため年々歳々、地域の皆さんが病気になったり亡くなったたという話が増えている。

 私の家の両隣は、どちらも奥様が今年亡くなられて高齢のご主人一人で生活していたが、どちらも今や施設に入られて空き家になってしまった。

 夏の間は空き家でもどうと言うことはないが、冬になると家の間口の除雪は大きな問題になる。

 幸い、隣家はお子さん達(といっても私よりは年上)が地元の運搬排雪サービスと契約しているので、溜まった雪は週に一度程度運んでいってくれる。

 しかし、まずは日常の道路の雪を左右にはねる作業が残る。

 今のところは隣家のお向かいがそれぞれ元気なので、「協力し合ってやりましょうね」と話し合っているのだが、お向かいも高齢なので未永劫続く状態ではない。

 片方の家ではお嬢さんとそのご主人がやってきて、「ときどき私たちが来て雪かきをしますのでどうぞよろしくお願いします」と丁寧なご挨拶をされていったが、負担になることだろう。

 お隣のご主人は、庭木なども上手に手入れをされていて、景色を楽しませてもらっていたが、これからはどうなることだろう。

 地域に新しい方が住まいされるときは、良い人が来てほしいものと祈るばかりだ。

 地域の世代交代がどのような形になるか、雪国の冬は特に地域の力が試される。
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ネクタイは「となりのトトロ」

2012-12-29 23:45:21 | Weblog
 東京に住む次女が昼の飛行機で札幌へ帰ってきた。

「大きな荷物を持ってくるのは大変だから駅で待っていよう」と言うと、妻は、「あの子は『これだけ?』ってくらいの荷物で帰ってくると思うよ」と言う。

 結局先についた娘は駅前のショッピングセンターで、中くらいのバッグ一つで待っていた。

 実家に服はたくさんあるのかもしれないが、旅上手になったものだと感心する。


  ◆   ◆   


 その娘からのプレゼントはネクタイ三本。

 どれもスタジオジブリの人気アニメ「となりのトトロ」シリーズで、大なり小なりトトロのキャクターが折り込まれている。




「おおー、いいねえ。ありがとう」

「これ以外に猫バスの大きな柄のもあったんだけど、それはどうかなあと思って買わなかったよ」
「ええ、残念。仕事に使わなくてもプライベートなら使うよ」

「あ、そう。じゃあ次はド派手なのもありね(笑)」
「おう、頼むよ」




 夕方には長女も孫を連れて家に寄ってくれた。

 久しぶりの一家団欒。

 皆さんも年末年始は、大切な人達と有意義な時間を過ごしてくださいね。 


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御用納めと補正予算

2012-12-28 23:45:01 | Weblog
 いよいよ今日で釧路市役所の平成24年も御用納め。

 例年は年末の30日が御用納めで御用始めは6日というのが釧路市役所の年末年始なのだが、今年は暦の関係でとても長い休み期間となる。

 一般職員はともかく、各種の書類発行などが滞ると市民生活に支障が生じかねないので、書類発行と市立病院については1月4日を臨時に開いて、その代休を翌月に持ち越す措置を取るとのことだ。

 前回も同じ暦になったときにも同様の措置をしているが、こうしたこともしっかりと記録されていて、対応を取るのは事務方がしっかりしているということでもある。

 いずれにしても長めの休暇となるので、職員には皆しっかりと英気を養って健やかな新年を迎えてもらいたいものだ。

 知人の中には今日は休暇にして、台湾旅行へ行った人がいる、。

 釧路と台北を結ぶ復興航空は今日から機材が大型化されて、これまで約150人乗りだったものを300人乗りにしたのだが、その初便に乗っての台湾旅行とのこと。

 ちゃんともらった給料を使って、経済に寄与しつつ、若いうちに大いに見聞を広めてくれるだろう。


  ◆   ◆   


 今日で一応は御用納めだが、霞ヶ関では補正予算編成のための作業が続いていると聞く。

 当然、我々のような地方自治体にも補正予算で執行可能な事業と執行可能額については調査が来ていて、ある程度のものを固めて提出してある。

 公共事業などはもっとも我々にとってありがたいものの一つだ。

 特に修繕工事などは普通は補助制度がないために自分たちのお金で行う地方単独事業なのだが、これを補助金でできるとそれだけでも助かるし、さらに補正予算であれば補助金の同額の地方負担分も起債を発行することができる特典がある。

 全てを現金でやらないといけない事業が、延べ払いの起債で行えるというのは地方財政にとっては非常に助かるというのが本音だ。

 ただ心配なのは、単に予算を使って修繕をすれば良いというわけではないことだ。

 すでに公有資産マネジメントに着手している釧路市はそういうことはないが、そもそも将来の存廃を議論しなくてはいけないような建築物などを、この機会にと修繕してしまって使わざるを得ないようなものにしてしまうようなことはないだろうか。

 今日地方にとっての課題は、既存のインフラを修繕するということもあるが、その過程で縮小させたりなくしたりするという決断をしなくてはならないと言うことだ。

 職員からは、「今は壊せないでいる建物を壊すような補助や交付金があると良いのですがねえ」という声が寄せられる。




    ◆   


 かつて補助金をもらって建てて、まだ残存価値があるために壊せない建物などというものもある。

 実際にはもう役目を終えたために使うことはないのだが、補助金適正化法という法律によって、補助金は有効に使われないという建前から、残存価値がありながら壊すという場合はその分を国に返還しなくてはならないのだ。

 当然あほらしいからそんな建物は放置されるわけだが、それが適切に除却されていれば何か新しい土地利用が生まれることだって考えられる。

 古いインフラの更新という若返りも良いが、新陳代謝を早めると言うことも認めてくれたり、上記の公有資産マネジメントを全国的な規模で押し進めるための補助や交付金等というのも地方のニーズだろう。

 そうした時代を先取りした制度構築とそれを踏まえた予算ということならば、「古い体質への回帰」などと言われることだってないにちがいない。

 新政権が新しい一歩を踏み出しそうな気運は伺える。

 地方からももっと声を上げて、地方の困り事を解決してくれるような情報発信を行っていきたいものだ。 
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釧路のブログを本にする

2012-12-27 23:45:17 | Weblog



 年の瀬も迫ってきたけれど、年が明けたら一念発起して本を出せないかと考えている。

 釧路でのブログ記事も溜まってきたし、釧路新聞では「巷論」欄に月に一度くらいずつ文章を掲載してもらってもいる。

 掛川にいた際も3年目の終わりに慌ただしく、ブログなどを中心にスローライフについて本を出版したが、今回も似たようなかたちで、よそ者の視点から見た釧路についての記事が中心になるだろう。


   ◆   


 おおむね40編ほどのエッセイの原稿を用意することになるが、実際にやり始めるとこれが結構大変だ。

 いくつかのテーマを設定して章立てにするが、どういうくくりにしたらよいだろうか。

 またブログを書いてはいるものの、ブログは日々の殴り書きでしかない。

 これを改めて嘘や勘違いがないように、またより読みやすくするためにはリライト作業が必要で、ブログはネタにはなるものの文章がそのまま使えることはありえない。

 ただ印象的なテーマについては何度も視点を変えて書いていたりするので、これらをかき集めてリライトをすることになる。

 一日2本ずつ原稿を書いても20日だが、とてもそんな簡単にはいくものではないし、いざ書き始めてみると本当に消耗するものだ。

 原稿を書かなくちゃと思う一方でそういう時に限って複雑な料理を作りたくなってしまうのは、あきらかに脳が文章作成を拒否しているとしか思えない。

 そういう意味で、どこかでめげてしまって書けなくなるかもしれない恐怖があるので、こうやって宣言をしておきたいと思う。

 街で会ったら、「原稿進んでる?」と冷やかしていただきたい。

 弱い自分は自らを鼓舞して退路を断たないとなかなか前に進めないものなのだ。
 


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ある覚悟の仕方

2012-12-26 23:45:04 | Weblog
 知人のAさんが入院したというのでお見舞いに行ってきた。

 月に一度の会合に今月は欠席されたので、会うのは一か月半ぶりだったが、随分細くなられていて、さすがにちょっとやつれたようだ。

 もともと、「葉隠ではないけれど、死生事大《しせいじだい》如何に生きるか、如何に死ぬるかが人生の大事」ということを口癖にしていたAさんだが、いよいよ覚悟があるらしいことがわかる。


 自分の最後を記録するノートがあるんだという。

 見せてもらったら、「もうお寺さんに来てもらって、法名も決めたよ」と言って、法名が書いてある。

「もう葬儀委員長も決めたんだ。小松さんの名前も委員に借りようかと思ってね」
「…」

「これだけやってくれれば安心だ、と息子たちも言ってくれたよ」とAさんはにやりと笑う。

「まあ、まだ寂しいことは言わないでくださいよ」


   ◆   ◆   ◆


 Aさんは独特のイラストが上手でときどき喫茶店などで個店も開いたりする芸術家肌の面もある。

「お願いがあるんですが」
「なに?」

「ちょっとイラストを使わせてほしいと思っていることがあるんです」
「いいよ、なんでも使っていいよ」

 ありがとうございます、約束ですよ。きっと借りに来ますからね。


   ◆   ◆   ◆


 こんなお見舞いの様子をこのような形で書くことに眉をひそめる方がいるかもしれない。

 しかし、こういう覚悟の仕方もあるのか、と私自身は素直にある種の尊敬を覚えずにはいられない。

 先のことなど分からないが、一人の男の生き様として私自身の思い出を記録しておきたいと思った。

 もしご本人が読まれたとしても、「それでいいよ」と言ってくれるに違いない。それだけの信頼関係は互いにできていると信じている。


 さて、次回はちゃんとイラストを借りに行かなくてはならない。

 まだ何回かお見舞いに行かなくては。

 病室の窓から見える海がきれいだった。
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今年一番印象的だったフレーズ

2012-12-25 23:49:03 | Weblog
 今年もいよいよ最後の一週間となった。

 この一年を振り返って印象に残ったフレーズを探してみたが、9月7日付の日経新聞「経済教室」にその答えがあった。

 「経済教室」は学識経験者たちによる経済を取り巻く話題について書いてもらうのだが、幅広いテーマを分かりやすく教えてくれるので人気のコーナーだ。

 この日は関西大学の林宜嗣(はやしよしつぐ)教授による『地方行政、守備範囲を見直せ』というタイトルの記事だった。

 サブタイトルは、『「最少経費で最大効果」実現が真の財政再建』、『投入し原料に基づく政策効果評価は間違い』、『行政サービスごとのコスト計算や開示必要』とある。

 行政の真っただ中にいる我々にとっても常にそうありたいと努力をしている目標でもあるが、時として力不足のこともあり、忸怩たる思いだ。





    ◆   


 記事の中で林先生は、「財政を再建させるには行政の守備範囲の見直しが不可欠だ」と言う。

 かつては担い手がいなかったために行政が行っていた事業も、様々な社会経済状況の変化によって守備範囲から外したり、関与の在り方を見直したりすべきものも存在する。

 そしてそのための具体的な方策として五つの実践項目を挙げている。


    ◆   ◆   ◆  


 一つ目は成果(アウトカム)重視の評価をすること。

 自治体の成果は正確に把握しにくいという宿命を持っているが、だからといって予算や職員や施設の規模などの《投入する資源の量》で評価してはならない、と林教授は言う。

    ◆ 


 二つ目は受益者を正確に把握すること。

 ある施設の利用者数を見た時に年間延べ1万人が利用しているとしても、100人が100回利用しているのか、1万人が年に一度利用しているのかには大きな差がある。

 税金の公正な利用という点では後者が勝っていると言える。MOOのフィットネスセンターの議論も論点はそこにあったと言えるだろう。


    ◆   


 三つ目は具体的ん政策目標を設定すること。

 「活力のあるまちづくり」などというような抽象的な目標ではなく、行政サービスの満足度指数など数値化された目標が望ましいのである。


    ◆   


 四つ目は行政サービスごとのコストを計算して、その情報を開示すること。

 住民にコスト情報を与えられていなかったり、わかりにくい形での資料説明では行政サービスの改善にはつながらない。


    ◆   


 五つ目は自治体間比較が可能な事務・事業評価システムを構築すること。

 住民が自分たちが住む自治体の評価するうえでも、同程度の自治体における行政指標を比較しやすいものとして作成することが望ましいというのである。


   ◆   ◆   ◆


 そして、今年一番印象に残ったフレーズは四つ目の行政サービスごとのコスト情報を開示するということ、の下りの中にあったこの一節だ。


 《「行政需要」という言葉が使われるが、需要とは「支払う意思を伴った欲求」であり、対価を負担する意思を持たないものは単なる欲求でしかない》


 我々はしばしば住民ニーズとか社会の要求という言葉を安易に使いがちだが、そこに要求する人たちが支払う意思があるかどうかを注視しなくてはならない。

 ちゃんと対価を払うから作ってほしい、というのであれば立派な行政ニーズだが、ただ欲しいとか、税金で賄ってほしいというのは行政ニーズとは呼ばない、というのは卓見である。

 財政再建は市役所だけではなく市民の理解があってこそであるし、その成果はのちの世代へのプレゼントとなるべきものだ。

 なお一層、心を強く持ってしっかりとした行政を進めたい。 

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一年納めの釣行

2012-12-24 21:49:54 | Weblog



 釣りの師匠にねだって快晴の一日を、凍っていない釧路湿原の川へと連れて行ってもらった。

 阿寒湖の釣りでは連続三回、一匹も釣れないボウズという状態だったので、このまま歳を越すのがなんとも情けなかったのだ。

 この時期の釣りはアメマス(エゾイワナ)狙いだが、ポイントに着いて片手用の網を持ち出そうとしたら、「そんな小さいの網は役に立ちませんよ」と言われ笑われた。

 考えてみたら50センチで中くらい、70センチオーバーもありえるというのではそんな網では入らないし、「今日は岸からの釣りなので川に入りませんからね」とも。

 釣りにもいろいろなパターンがあるのである。


     ◆   


 雪はそれほど深くないし、氷点下3℃というけれど陽が当たっているのでそれほど寒くはない。まさに最高の一日だ。

 釣りのポイントを代えながら歩いていると、エゾシカの親子に遭遇。

 2mくらいまで近づいてもそしらぬ風で、雪が解けたところの草を一生懸命食べている。

 いよいよ近づくと仕方なさそうに歩き始めたが、鳥獣保護区であることを知っているかのように時々振り返りながら平然と歩いている。

 全くなんてところだ。





   ◆   ◆   ◆


 さて、この時期のフライフィッシングは、水に沈むラインに沈むフライを取り付けて、川底を引きずるようにすることでアメマスの興味を引いて食いつかせようというのだ。

 しかし川底には流木が沈んでいたり、水草の根などがあって、しばしばフライが引っかかってしまう。

 こうなると強く引っ張って糸を切るしかないのだが、そのたびにフライを一個失う羽目になる。

 一個が何千円もするルアーでの釣りならば尻込みするかもしれないが、フライならば次のフライにつけ直せば良いだけのことで、そのために何個もフライを持参する。

 だから弾切れだけは避けたいところで、皆この時期は同じタイプのフライを何個もひたすら巻くのだという。


     ◆   


 さて、この日は35センチのアメマス二匹をしっかりと釣り上げてとりあえず今年一念を締めくくることができた。

 証拠の写真も撮ってもらったが、デジカメを阿寒湖で水に浸してしまって以来発色がおかしくなってしまったので白黒写真でお許し願いたい。

 決して昭和30年代の釣りではありません。

 湿原の夕日も素晴らしかったが、帰るころにはタンチョウの親子が鳴きながら上空を飛翔してゆく。

 全くなんという自然なことか。

 今年の流行語大賞は「ワイルドだろう~?」とのことだが、これこそ本物のワイルドだ。


     ◆   


 写真でもビデオでも下手な文章でも表すことができない自然の魅力は、本当にここで感じていただく以外にはなんともしようがない。

 でも釣り人が増えるのは勘弁してほしいとも思う。

 できれば天国は独り占めしたいのである。
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情報の大掃除 ~ 手帳を替える時期

2012-12-23 23:12:49 | Weblog
 快晴の日曜日。昨夜のうちに年賀状の一言添えも終えて、とりあえずホッと一安心。

 これで歳前の仕事が一つ減った。


   ◆   


 佐藤紙店さんに注文しておいたビジネス手帳が『入荷しました』という連絡が入ったので受け取りに行った。

 私の場合、まだ携帯もスマホにしていないし電子手帳も持ち合わせておらず、スケジュール管理と備忘録を兼ねて持ち歩くのは手書きのビジネス手帳に限る。

 愛用しているのは「手帳は高橋」でおなじみの手帳メーカー、高橋書店製のもの。

 高橋の手帳は種類が多いが、私が使っているのはNO.47の製品だ。

 ワイシャツの胸ポケットに入って、一週間単位でのスケジュール管理と備忘録のメモができる。

 後ろ表紙のポケットにはマイレージカードなどよく使うカード類をいれられるようになっている。

 便利な反面、考えなく使ってしまってスイカ付き郵貯キャッシュカードをなくす羽目になってしまったのは失敗だった。

 ちなみにいまだに無くしたカードは出て来ていない。 



   ◆   ◆   ◆



 備忘録で大切な記録は、なんといってもネット上の各種サイトのIDとパスワードである。

 私の場合、銀行のネット決済や会員制情報サイト、ブログはもちろん、今では確定申告もネットでできるなどこうした情報を散逸させないためにも手帳に記録しておくと便利なのだ。

 今数えてみたところ、IDとパスワードの記録が80件ほどある。知らず知らずのうちにずいぶん増えたものだ。

 ただ、これだけ多いとカード紛失事件のように手帳ごと無くしてしまった時の被害も甚大だ。

 そこで、フェイルセーフの備えをしているのだが、それはIDとパスワードの記録をワープロで作成してそれを印刷して貼り、手帳をなくした時はここに立ち返られるようにしてあるのだ。

 手帳とパソコンの記録の両方を同時に失う確率はかなり低いと言えるので、こういうやり方を続けてみている。

 こうした記録も財産だとは思うが、手帳を替えるのにあわせて年に一度くらいは整理をしてみるのもいいかもしれないね。

 スマホは情報はメモリのある限り溜められるだろうけれど、情報の整理をするきっかけはどこにあるのだろう?

 そろそろ大掃除の時期だ。掃除は家だけではなく、情報も含めて身の周りを見回してみてはどうだろう。
 
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幸せになれない日本人 ~ 国民性かも

2012-12-22 23:42:08 | Weblog
 アイヌの人たちは赤ん坊のことをアイヌ語で「テイネシ(ぬれた糞)」「ソン(糞)」「ソンタク(糞のかたまり)などと呼ぶのだそう。

 これは、喜びのあまり美しい名前を付けると魔物まで寄ってきて不幸なことになるのではないかという心配があるからなんだと。
 
 そのため赤ん坊は敢えて汚い名前で呼ぶことにより、魔者が近づくのを避けようとしているのだ。

 実は似たようなことは日本の歴史の中にもあって、豊臣秀吉と淀君の間に生まれた子供は、最初の子が「捨(すて)」と名付けられ、その子が死んで次に生まれた子は「拾(ひろい)」と名付けられた。

 捨て子や拾われた子の方が育つから、という理由らしいが、乳幼児の死亡率が高かったその昔にあって、アイヌの人たちも戦国武将も素直に喜びを前面に打ち出すよりはひっそりと育ってほしいと願う親の気持ちに切なくなる。



   ◆   ◆   ◆



  新聞を見ていたら今週号の週刊ポストの記事に、「人間を幸福にしない日本というシステム」というタイトルがあった。

 20年以上にわたって日本を研究している、K.V.ウォルフレン氏が書いた記事だが、ネットではこんな記事があった。

【ウォルフレン氏 日本というシステムの本質は権力中心が不在】
 http://bit.ly/12w7hZz

 
 内容は、自民党が政権に復帰することで官僚独裁主義が完全復活を遂げ、それが日本を不幸にするという趣旨だが、あまり共感できないものだ。

 官僚独裁主義がまかり通っているならば国家公務員の給料や退職金が下がるようなことはあり得ないと思うが、民主党の政治の力でちゃんとその法律は成立しているではないか。

 おまけに民主党が国民から厳しい批判を受けたのは、官僚との関係はどうあれ、上手に国を動かせなかったからではないか。

 また、1憶2千万人の勤勉な国民を有しつつ、周辺を欧米の先進国とはやや異なる考え方を持つ国に囲まれながら世界第三位の経済大国として世界を渡り歩く社会を維持しようと思えば、精緻な官僚システムを政治が使いこなす以外に方法はないだろう。

 新しいことをしようという意思は法律を作ることで実施されるし、それを決めるのは国会というシステムで、それは立派に機能している。

 記事の内容はまあそんな感じなのだが、問題は日本人が幸せを幸せと感じるマインドの問題のような気がする。



 【半分しかない、か、半分もある、か】



   ◆   ◆   ◆




 冒頭で子供の名前の話を持ち出したが、もともと日本人には古くから陰陽の循環論のような考え方をする傾向にあって、良いことを素直に喜ぶよりは、「これだけ良いのだから次はそろそろ悪いことが起こりそうな気がする」という方に考えが移りがちだ。

 おみくじで大吉を引くと、「今がピーク、あとは下るだけ」と言われ、忠吉の報を喜ぶ国民性なのだ。

 東日本大震災を持ち出すまでもなく、台風や洪水、旱魃に地震に津波とさまざまな災害を目の当たりしてそれに耐える国づくりをしてきたわが国では、素直に今を喜ぶよりも次への備えという悲観的な見方の方が国民性に合致しているようだ。

 だから我が国の歴史を見ても、よほどバブルな景気が良くて浮かれ騒ぎになっている本の一時期を除けば、普通はは悲観的な将来像を頭に浮かべてそれへの解決に心を痛めるというのが標準的な日本人像なのだと思うのである。



   ◆   ◆ 


 内心は幸せをかみしめつつ、備えとしての悲観論を絶やさないことが「幸せになれない日本人」というのなら、それはそれで国民性なのではないか、と思う。

 そして普段からの悲観論者が多いからこそ、ここぞとばかりの忘年会などでは陽気にはじけることで精神のバランスを取っているともいえる。

 今年もあと十日となった。

 まあ一年を振り返って、自分なりの幸せを噛みしめてみるのも良いのじゃあないかな。
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