北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

掛川茶ブームのその後

2011-01-31 23:45:15 | Weblog
 今日の夜の懇親会では、知人のところで「お客様にお茶を出したところ『これは掛川茶ですか?』と訊かれましたよ」とのこと。

 掛川茶がどんなお茶かもよく知らないままに、掛川茶が健康に良さそうだ、ということだけが独り歩きしているみたいです。テレビで大々的に取り扱われるというのは良かったのか、悪かったのか…。

 そんななか、掛川の友人サトー君からメールが来ました。彼はずっとお茶があるライフスタイルの良さを売ることが先だ、と言い続けてそうしたマーケティングを地道に続けてきた人です。

 そんな彼からのメールを、本人の許可をいただいて掲載します。


---------------≪ 以下引用 ≫--------------

 掛川深蒸し茶ブームは、『いっときのブーム』に終わりそうな気配が漂ってきました。他の茶産地からNHKへの尋常とは思えないクレームが殺到し、2回予定していた再放送が1回に減った、という驚愕の事実を知り、その確信に至ってきました。

 NHKが‘健康のためなら死んでもいい’健康オタクの皆さんに、掛川の深蒸し茶を‘健康食品’や‘医薬品’のように認知させたことは、宣伝の仕掛けがあったわけではありません。

 20年以上も前から榛村元市長が緑茶と医療の関係性をひもとく研究をスタートさせ、緑茶の全国シンポジウムを開催し、書籍を著し、市立病院と東北大学でチームをつくるなど、緑茶を生涯学習の重要なネタとして取り組んできたことが、仕掛けと言えば仕掛けでしょうか。

 地域の主産業の将来を憂え、長期的な視点と業界を超えた位置から取り組んだ結果が、年月を経て、いま日の目をみた、ということになると思います。

 これは、まさに業界が目先の商いに終始し、緑茶という商品の可能性を追求することを怠ってきた証しでもあります。

 掛川の事例は、深蒸し茶を飲むライフスタイルが、結果的に『健康』を実現させていたという、茶業界にとっては、まさに好事例であり、この現象を利用しない手はありません。

 『掛川の深蒸し茶が、ガンを予防する』のでなく、『掛川の人たちのように緑茶を(しかも深蒸し茶を主に)飲むライフスタイルが、ガンを予防する』のです。

 茶業界は、そこを大きく取り違えているようです。茶産地間競争は、品種改良や新品種開発、商品開発で競えば良いのです。緑茶を飲むライフスタイルを世の中に普及させることまで、足を引っ張り合う業界に、果たして明るい未来はあるのでしょうか。


               コンセプト株式会社/佐藤雄一

---------------≪ 引用ここまで ≫--------------

 
 NHKが再放送の回数を減らしたかどうかは私自身確認できませんが、掛川茶ブームをどう受け止めるかについて、地元でも多少の戸惑いがあるようです。

 期待が高まるのは良しとして、今はまさにブームを消費してしまうのではなく、このときこそ盛り上がった期待を着実に真の魅力に繋げる努力が必要でしょう。
 
 テレビによるブームはこれまでの努力へのボーナスだと思って、まさに報徳で言う「分度」を守って地に足の着いた茶文化を浸透させてほしいものです。

 ボーナスで得たものを使い切ることなく、明日の未来に推譲する頭の切り替えが良さそう。

 報徳の教えを実践するときではないでしょうか。

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日本は外からどう見られているか

2011-01-30 23:29:25 | Weblog
 やりました、ザック・ジャパン!

 見事にオーストラリアを延長戦の末に1-0で勝利しました!

 高さを武器にして、やみくもに高いパスを放り込んでくるオーストラリアに対して、体を密着して最後のチャンスは作らせないディフェンス陣。攻撃では低いパス回しで攻めようとしますが、相手のフォワードが高い位置でボールを取りに来て、ひとたび奪われると一対一という目を覆う場面も。

 これに対して最後までゴールの前に立ちはだかったのはGK川島選手。決定的な場面でも鬼の形相でファインセーブの連発。セーブした後の「どや顔」からこれからは「どや島さん」と呼ばれる日も近いことでしょう。

 延長でもなかなか点が入らず、PK戦を覚悟しかけた頃に左に切れ込んだ無尽蔵のスタミナ男長友からのセンタリングを後から入ったサンフレッチェ広島の李選手が豪快なボレーシュート!

 鉄壁の守りを誇った相手GKシュウォーターが一歩も動けない突き刺さるようなシュートで、実に見事でした。

 最後までハラハラドキドキでしたが、この最少得点差を守り切っての勝利、そしてアジアカップ4度目の優勝です。すごいなあ。

 テレビにかじりついて最後まで観ましたが、本当にいい試合でした。生で観られて良かった。

    ※     ※     ※     ※     ※

 アジアを制した選手たちは「サムライ・ブルー」と名付けていますが、ほかの国から日本はどう見られているのでしょうか。

 つい先日は宇宙ステーションへの二機目の無人補給機「こうのとり」がドッキングに成功し、宇宙技術でも信頼を勝ち得つつある技術立国日本。

 その一方で、経済ばかり大きくて政治の力の弱い東洋の小さき島国。

 自分たちは誠実に対応しているつもりでも、世界から見ると交渉力の弱い世渡りの下手な国…。

 時に賞賛され、時にバカにされ、時にはあきれ返るような変態性も併せ持った不思議な国、日本。外からの評価って何かと気になるものです。

 これに対して2チャンネルで面白いコメントがありましたのでご紹介しておきます。日本の本質とは…


---------------≪ 以下引用 ≫--------------

182 :おさかなくわえた名無しさん :2010/03/30(火) 20:24:24 ID:ErEPKQhE
身体の大きなクマみたいな青い眼のオッサンが、こんなこと言ってた。

「日本ってのは没個性というより鏡なんだ。
 拝金主義者が見れば拝金主義者に見える。
 スケベが見ればスケベに見える。
 好戦的な者が見れば好戦的に見える。
 差別主義者が見れば差別主義に見える。
 けれど礼儀正しい者が見れば礼儀正しく見える。
 優しい者が見れば優しく見える。
 好奇心旺盛な者が見れば好奇心旺盛に見える。
 義理堅い者が見れば義理堅く見える。
 みんなの言うことを聞くとわけわからないよ。
 確かに日本人は、相手に染まりやすいね。
 けど一枚の鏡だと思えばどうだい?
 日本人がどう見えるか聞けば、そいつがどんなヤツなのかわかるんだ」

 和めるかどうかわからんけど、思いだしたから書いてみた。

---------------≪ 引用ここまで ≫--------------

 どうあがいたところで、多様な人種と多様な文化に満ちている世界中から同じように称賛などされることはない、と割り切って、自分たちの世界で信じる道を行くのがよさそうです。

 評価は後からついてくるものですから。

 
 それにしてもザッケローニ監督って、全然イタリア人のイメージではありませんね。日本人より日本人みたいな控えめで謙遜的なのがまた良いのであります。
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IT時代の都会のオアシス

2011-01-29 23:45:43 | Weblog
 昨日は国交省で全国の地方自治体へ出向している職員達が東京に集まっての情報交換会。

 現在国土交通省では約40人が、人口百万人を超える政令市から人口4万人くらいの小さな市まで多様な地域へ出向しています。

 最も東と北に位置するのは私ですが、昔一緒に仕事をした知人は最南端で鹿児島市の副市長になっていました。

「霧島山地の新燃岳の噴火は大変じゃないですか?」と訊ねたら、「いや、火山は鹿児島より東にあって、冬のこの季節は西風が吹くから今は影響がないんだけどね。でも早く収まって欲しいものですよ」とのこと。

 全国各地に友人が多いのは心強いところがありますね。

    ※    ※    ※    ※

 夕方の飛行機まで時間があったので都内巡りをしていました。

 休憩の時はついついノートパソコンを取り出してネットを楽しみたくなりますがこれがなかなか大変です。

 まずはネット環境の問題。Wi-Fiのようにどこでもネットに繋がるサービスまでは手が届かないので、月額300円くらいの契約で決まった無線LANスポットでネットにアクセスしています。

 私の契約ではマクドナルドに大抵スポットがあるのと、最近は空港や公共施設でのスポットも増えてきました。その一方で公共の無料無線LAN環境サービスも目に見えて増えてきたのでアクセスはだいぶ楽になりました。

 新千歳空港も、以前は地下のJR駅付近での有料LANスポットしかなかったのに、今回の出張時は空港待合室で公共の無料無線LANが使えるようになっていました。
 もはやネットサービスはトイレと同じくらいに「無料が当たり前」の時代が近づいて
いることを感じさせます。


                 【新千歳空港も無線LANが整備されました】


 ところが、こうした無線LANスポットは増えているにも関わらず、見落としがちなのがバッテリーの補充です。無線LANはつかえても電源コンセントまで貸してくれる奇特な場所はなかなかありません。

 羽田空港ならばそんなビジネスマンのためにビジネスコーナーがあって、こちらで携帯電話やパソコン用の電源がサービスされていますがこれは実に助かります。


                 【羽田空港はさすがです】

    ※    ※    ※    ※

 では都内で困ったらどうするか。
 
 ファーストフードのマクドナルドも時々使いますが、こちらはネット環境は整備されているのですが電源サービスがほんのごく一部にしかないうえに、店内も混雑してゆったり楽しむというわけには参りません。

 そんなとき私は、無線LANも使えて電源も貸してもらえる喫茶店に入ります。私が時々使っているのは品川駅近くのルノアールさん。こちらでは美味しいコーヒーと静かでゆったりした席での無線環境に加えて電源を無料で貸してもらえて、まさにバッテリーを気にせずに存分にネット環境が楽しめるというわけ。


                 【品川駅傍のルノアール】


                 【電源は各椅子のすぐ後ろに】

                 【喫茶店の中でゆったりと】



 携帯やパソコンのバッテリー残量は砂漠の隊商にとっての水のようなもので、隊商がオアシスに水を求めるように、現代社会では電気を供給してくれるスポットがオアシスのようで見つかるとホッとしますね。

 携帯電話くらいならば替えの電池をもっていれば良さそうですが、バッテリーを交換出来ない道具も多いのです。

 こうした電源サービスのようなちょっとした気遣いも積もれば立派にニッチなサービスと言えるでしょう。困っているところにはビジネスの種があるものです。


 さて、今夜はアジアカップサッカー大会の決勝戦、対オーストラリア戦です。明日は休みだし精一杯応援しましょう。日本ガンバレ!
 
 
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サッカー日韓戦の場外乱闘

2011-01-28 23:49:25 | Weblog
 それなりに良い試合だったアジアカップ日韓戦。

 しかし永遠のライバルというだけあって、ファンやマスコミを含めた場外乱闘がおこるのもお約束。

 今回は、①得点を入れた選手が興奮のあまりアジア人を人種差別する猿真似をしたことと、②日本サポーターがスケートのキム・ヨナの悪魔仮面を被って馬鹿にした、という記事が出て話題になっていました。

 ①の猿真似事件は、選手が最初「会場に掲げられた旭日旗を見たために 

---------- 【以下引用】 ----------
msn産経ニュース【韓国選手、PK後のサルまねポーズに「日本人をばかにした」 ネットで議論沸騰】2011.1.26 13:44
  http://bit.ly/dS8Sk0
 
 先制ゴールを決めた後、カメラに向かってサルまねをしたとされる韓国代表のMF、奇誠庸選手(16)。ゴール後にはこんな表情も見せていた=25日、ドーハ・アルガラファ競技場(AP)
 サッカー韓国代表のMF奇誠庸選手が25日の日本戦でPKを決めた後、カメラに向かってサルのまねをしたことが韓国のインターネット上で論議を呼んでいる。「日本人をばかにした」との批判が出ており、中央日報(電子版)によると、奇選手は26日、短文投稿サイト「ツイッター」で観客席の旭日旗を見たためなどと釈明した。

 ツイッターによると、旭日旗を見て「私の胸中で涙が流れた」と説明。その後「私は選手である前に大韓民国の国民」と主張した。

 中央日報は、旧日本軍が旭日旗を使用していたため、怒りを抑えられなかったとみられると指摘した。

 奇選手は25日のアジアカップ準決勝の前半にPKを決め、頬を膨らませながら左手で顔をかくふりをした。(共同)

---------- 【引用ここまで】 ----------

 この記事を伝えたテレビ朝日が番組内で、本当は会場になかった旭日旗を別の試合の写真を使うことで捏造したのではないか、という疑惑が浮上。

【旭日旗を捏造?】http://bit.ly/e5gDh6 こういう事に対して過去のデータを探し出すネット住民の力には脱帽ですね。
 そしてその結果


【「旭日旗映像は別試合のもの」 テレ朝が謝罪】 http://bit.ly/giYeOJ サッカー日韓代表選の韓国選手による「サルまね」問題で、その発端と指摘された観客席の旭日旗映像を巡り、テレビ朝日が日韓戦のものだと紹介したのは全く別の試合の観客席映像だった。テレ朝は2011年1月28日、情報番組「ワイド!スクランブル」で「お詫びして訂正します」と司会者が報告した。(J-castニュース)

 …なんだそうで、いやはやどうしたらこういう事が起こるのか。

    ※    ※    ※    ※

 そして②の方は、韓国の人気スケーターキム・ヨナを鬼のように茶化して馬鹿にしたお面をつけた日本サポーターとのことで、さすがにやりすぎか、と思ったところ、
有名な韓国ウォッチャーのブログ「こりあうぉっちんぐ」でこの顛末が紹介されていました。

【こりあうぉっちんぐ】【韓日戦、「キム・ヨナ悪魔仮面」「旭日旗」に非難集中】
 http://bit.ly/gyIMx0
 「キムヨナ仮面なんぞは太極旗やらパク・チソン仮面と一緒に韓国の応援グッズとして売られとりましたがな…」、なんだそうで、なんのことはない、単なる勘違いとイチャモンでしかなかったという…。

 ファン同士の場外乱闘にマスコミが鬼の首を取ったようにしゃしゃり出てくるとろくなコトはありませんな。

 まあお笑いで済むことですが、ニュースもネットで裏を取らないと信じられない時代になったようです。
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「幸福」にみる「幸」と「福」の違い

2011-01-27 23:52:48 | Weblog
 札幌は思いの外雪が多いです。

 普段通る道も道幅が狭くて、住宅街の道路は太い通りを走らないと車同士の交差に難渋することもしばしば。いやはや今年の冬は大変です。

 雪国の冬は毎年のことながら大変ですがこれを不幸と呼べるでしょうか。


      ※     ※     ※     ※     ※

 
 中国古典の碩学、安岡正篤先生は「幸福と言うが、これは二種類の良いことの集まりだ」とおっしゃいます。

  「幸」の方は、その原因が自分の中にはなく、自分が努力しなくても向こうからやってくる偶然的な良いことなのだそう。

 たまたま金持ちの家庭に生まれたとかいうのはまさに「幸」で、実はこれは当てにはならないものなのだと。

 これに対して良いことの原因が自分の中にあって、自分が苦労して苦心して勝ち得た良きことを「福」というのだそう。

 福という文字は示偏が表す「神」と、つくりが表す「収穫を積み重ねた姿」の合成でできていて、農家で言えば神様の前に俵を積み重ねた姿なのです。これは当てにしてよろしい。

 つまり、自分にとって良きことも、自力で得るものと偶然に得るものの二種類があり、これを同列に感じることなく、福を得られるように精進すべきなのだと言います。

 
 普段使う何気ない「幸福になりたい」という言葉も良くかみしめて味わいたいものです。
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人はそれを献身的という

2011-01-26 23:53:31 | Weblog
 昨夜のアジアカップサッカー大会準決勝、日韓対決には心底興奮しました。

 まさに永遠のライバルらしく一進一退の攻防で、90分では1対1で決着がつかず、延長戦に入ってからの得点で2-1で勝利目前も、次第に体力的に劣勢に回り残り時間あと2分足らずのところで力尽きるように失点。見ているこちらはガックリ、ため息が出ました。

 しかしPK戦に突入してからは逆にGK川島の鬼気迫るセービングで韓国に一本も決めさせないという勝利。スポーツ新聞は「どや顔」とはやし立てましたが、カタール戦でのミスを帳消しにするまさに守護神復活でした。

 マン・オブ・ザ・マッチは本田選手で決まり。120分に渡る安定した献身的な働きと存在感には貫禄がただよいます。ちなみに、ネットでは本田選手をよく「本田△」と表現していますが、これは「本田さんカッケー(カッコイイ)!」の「さんカッケー」を「△」で著した表現なんだそう。

 ネット住人の表現力は今日も豊かです。

    ※    ※    ※    ※

 今日は一日だけの臨時市議会が開かれて、補正予算で組まれた「きめ細やかな交付金」と「住民生活に光を注ぐ交付金」の補正予算案を審議して頂きました。

 これらの交付金については、一時配布分を今回の補正予算で計上しましたがさらに追加の分もあるようで、そちらは2月の定例議会でご審議をいただく予定となっています。

 一月は予算査定と夜の新年交礼会にだいぶ時間を取られましたが、そろそろ春に向けていろいろな仕掛けをしておきたいところで、いろいろな人に会っておかなくてはいけません。  

 ちょっと現場への足が遠のいていた分を取り返さなくては。

    ※    ※    ※    ※

 サッカーを見ていて感動する表現に「献身的なプレー」という言い方があります。

 最前線まで攻撃をしていながらボールを奪われると一気に自陣まで戻ってディフェンスに参加し、敵のチャンスを潰す。疲れているのでしょうけれどそれを感じさせずに見方のために身を投げ打って働くそんな姿を人は「献身的」と賞賛します。

 真面目はもちろんですが、なお一歩踏み出して求める以上の働きをすれば人は必ずそれを評価してくれるものです。

 決まり切った役所の中での献身的な仕事ぶりとは一体何なのでしょう。よく考えてみなくては。



 さて、明日は札幌で市内の関係部局巡りをするために今夜から札幌へ帰ります。

 札幌は雪が多そうですが、家の前の道路除雪も献身的なお家は回りから評価されていますね。

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身の丈を考えなくては

2011-01-25 23:50:04 | Weblog
 来年度の予算がほぼ固まってきました。

 最終的な精査を行っているものの、ここまで来ると大きく動くことはないでしょう。

 予算は来年度から始まるもの、あるいは来年度限りで実施する計画のものを臨時費と呼び、一度認められて毎年行われるものを経常費と呼びます。

 予算項目はあまりに多岐にわたるために、幹部の目を通してのチェックは新しい目玉的な事業が含まれる臨時費に関して行うのが精いっぱい。

 そうなると、財政が苦しいことは十分にわかっているので、チェックできる臨時費要を一生懸命削ろう削ろうとするのですが、一度認められた経常費を削るという作業はなかなかできません。

 なにしろ経常費となるとほとんどは施設の管理費などの義務的な経費なので、これを削り込むためにチェックをし直しても効果があがりにくいのです。

 そうした経常費に本当に無駄がないかをチェックしようとしたのが国でも行われて話題になった【事業仕分け】なわけですが、だれの目にも触れずにこっそりと行われていたようなことに虫干しをしたような効果はあったかもしれませんが、国レベルでもほとんど無駄を削り込むことはできませんでした。

 自治体レベルでも経常費の使われ方を市民の目線でチェックしてもらおうという意図から実施されるところが多くありましたが、評価・判定の中に「廃止」などという強い表現があったりしたために世間では話題に。

 しかしその狙いは経常費への切り込みだったわけです。

    ※     ※     ※     ※     ※

 自主財源のほとんどない地方都市が予算を組んでみると、そのほとんどはやるしかない行政サービスだということがわかります。

 持っている施設の管理費がどうしてもかかる現状からは、いかにして管理する施設を少なくしてゆくかということも課題ですし、市民の皆さんにも参加してもらって、施設を統合したりしてどうやって少なくするかを一緒に考えてゆかなくてはならないでしょう。

 本当に自分たちの身の丈を考えなくてはなりません。
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思う、そしてホラを吹こう

2011-01-24 23:55:48 | Weblog
 札幌の友人が釧路に出張で訪ねてくれました。

 こりゃいい、というので、地元で彼を知っている友人が集まって、例によって飲み会で怪気炎を上げました。

 廃れる一方の地方都市を救う手だてはないのか、とさんざん議論をかわしましたが答えがあるわけもなく、なかなか意気が上がりません。

 そんななか、一人の地元の企業家が、「ちまちましたことを言っていないで、もっと大きなホラを吹きましょうよ」と言い出しました。





「アメリカ大統領はキャンプ・デービッドに外国の要人を迎える別荘をもっていますが、それを首都圏近郊のちまちましたところにつくるのではなく、自然豊かなこの地に持ってくるくらいの構想はないもんですかね」

「そうしたら、周辺の空港だってもっと整備をしなくてはいけなくなりますし、道路も貧相な路線ではいけなくなるでしょう」

「そのころにはこの地域にカジノだってできているはず。本音では作りたいのに、風紀が乱れるから反対というのなら、北海道と沖縄に隔離的に作ればいいんですよ」

 挙句の果てには「これだけ土地があるんだから、一部を皇室に献上して軽井沢以北で唯一の『北の御所』をつくるというのはどうですか。地域のステータスがこれで一気に上がるというわけです」とまで。

    ※     ※     ※     ※     ※

 (それは良い!)

 そういうホラでもなんでも、大きな志をまず頭に思い描くことが大切なのではないか、と改めて思いました。自分たちがこの程度にはなりたいと思う理想が低ければ、それだけ低いところにしか到達しません。

 どうせ届かないにしても、とてつもなく大きなホラ話から初めて見るくらいの気概が必要です。

    ※     ※     ※     ※     ※

 かつて松下幸之助が昭和40年ころに、なぜ松下電器はうまくいったのかという講演会があったときに、会場から「どうやったらそれがうまくいくのか」と質問を受けました。

 そのときの松下幸之助の答えは「そうですなあ、まず思うことでしょうなあ」というもので、会場は狐につままれたようになったのですが、そんななかただ一人「そうか!まず思うことだ!そうか、そうだったのか!」と欣喜雀躍して帰った経営者の卵がいました。

 それが後に京セラを立ち上げて平成の「経営の神様」と言われた稲森和夫さんでした。

 まず「強烈に思うこと」こそがすべての始まりだというのは彼の経営哲学の中にもしっかりと息づいています。

 どんなホラだろうとまずは「思うこと」。思うことがなければ叶うべきなにものもないということです。


 よし、まずは思おう。そしてホラを語れる人たちで集まってホラ話をさらに膨らませるのもよし。

 そろそろ春に向けて仕込みの時期なのです。
 

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将来を全く考えていない?~まちなか居住のススメ

2011-01-23 23:44:18 | Weblog
 先日釧路のまちづくりについて意見交換をする機会がありました。

 話題の中心は、コンパクトシティを実現する手段として、まちの中心部での居住を推進する事業に関する現実と課題について。

 私のかねてからの主張は、「住民は二種類に分けられる。自家用車などをもって自由に行動できる『モビリティ(交通機動性)を持つ人』と、高齢者や障碍者など『モビリティを持たない人』の二種類だ」というもの。

 モビリティを持つ人はどこに住んでいようがどこへでも買い物に行けるので、自分の住所の周辺で買い物や医療、娯楽などのサービスが備わっていなくても気にしないもので、必要とあれば車でそこへ行けばよいと考えている。

 それに対してモビリティを持たない人たちは、買い物や医療などの日常サービスを徒歩圏内で済ませることが必要となってきます。

 もちろんバスなどの公共交通はそうした人への移動の保障のためにあるわけですが、地方都市にあっては経済性が低いために、どうしても便数や路線の設定などでは十分なサービスができないものです。

 だからどうしても行動できる範囲が限られることになり、その範囲内に必要な商業機能や医療、行政機能がないと不便極まりないことになるのです。

 しかしそうした地域のニーズに応えようと思うと、茫漠と広がった都市のままでは経費がかかります。これが都市経営では難しい課題になりつつあるのです。

    ※     ※     ※     ※     ※


 そうした課題を脱却するためには、モビリティを持たない人を便利なところに住まわせることが考えら、それがいわゆる『まちなか居住』と呼ばれる考え方です。

 しかしこれはまちなかが商業的にもサービス提供の視点からも便利だという前提のお話であって、いまや中心市街地の商店街は疲弊し、かわりに郊外のしょっぴんつセンターが隆盛を極めています。これもまた、モビリティを持つ人たちをターゲットとしたビジネスだからです。


 意見交換の中で、「結局郊外に住んでモビリティを持つ人たちと言うのは、自分の住んでいる徒歩圏の地域には関心を持たなくても生きてゆけるので関心を持ちようがない」という声が上がりました。

 しかし実は今モビリティを持つ人も、やがて高齢になり生涯を持つようになったりするといつかはモビリティを持たない人の仲間入りをするかもしれないのです。

 昨年釧路市が調査したアンケートの中にも、「将来自動車が運転できなくなったらどうしますか」というような質問があったそうですが、回答者はまったくそのことに対する回答を持っていなかったのだとか。

 つまりわかっている未来なのだけれども、考えてもどうしようもないので考えないようにしている、ということなのでしょう。

 そうした仮定を真剣に考えて将来の生活リスクを今から軽減させるように努力できないものでしょうか。

 まちなか居住にはそうした意味合いがあります。住人が増えることとスーパーなどの商業機能や医療機能が充実することには、どちらが先になされるべきか、という「鶏と卵」の関係があるのですが、まちなか居住という政策をゆっくりながら確実に打つことで地域の将来に対する信頼を得たいところです。

 自分の将来を「まあそうなったら施設に入るからいいさ」と安易に考えてはいないでしょうか。

 そこへ至るまでにできるだけ地域で健康に暮らせるような地域での仕組みも必要になりそうです。

 さてさて、知恵とビジネスのプロたちが集まれるテーブルを作るとしましょうか。
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この道具は何?~SL冬の湿原号、出発!

2011-01-22 23:34:54 | Weblog
 道東の冬を楽しむ一大イベント、JR北海道による「SL冬の湿原号」が今日から始まるということで、冬ばれの明るい日差しを浴びながら出発式に出席してきました。

 釧路湿原をSLが客車を引っ張って走る観光列車と言う企画は2000年から始まったもので、今年が11年目の新しい節目とのこと。これまでに約19万人のお客様を運び、今や道東地域の冬の観光名物企画として人気が高く、なかなか列車の予約が取れないのだそうです。

 この列車、普段は釧路~標茶間の一日一往復ですが今日と明日の二日間だけは標茶を通り越して摩周そして川湯温泉まで足を延ばす特別列車となります。


                 【記念乗車券】


【SL冬の湿原号運転情報】 http://bit.ly/em7OOb
 式典では本来、釧路地域冬期観光開発協議会の会長である市長が出席するところでしたが、今日は別の公務のため急遽私が代役で出席することに。

 駅のホームには本日の乗客や式典関係者などたくさんの人がSLの写真を撮りたくて黒山の人だかり。SLの煙の独特の匂いは子供のころに嗅いだ記憶があって、とても懐かしい思い出がよみがえりました。


                 【SL周りは黒山の人だかりです】


 それに、釧路の観光を語る上で一度は乗りたいと思っていたところだったので、とんだ役得となりました。

 SLは昔の駅長の服をまとった協議会副会長の徳永弟子屈町長の合図で出発。湿原へ向かってゴトゴトと走りはじめました。

    ※     ※     ※     ※     ※

 SLが駅を出るとやがて釧路川をわたる鉄橋がありますが、このあたりは絶好のカメラポイントと言うことで、カメラを持った鉄道ファンが大勢待ち構えていました。今日は天気も良かったのでさぞよい写真が撮れたことでしょう。


                 【鉄道ファンの人、人、人】


 ゴトゴトゴト…

 SLって案外スピードは出ないもので、時速60キロくらいのスピードで湿原には程よい速度で湿原の中を走ります。

 途中は釧路川が遠くなったり近くなったりし、シカの姿も見え、標茶駅ではタンチョウヅルが乗客を出迎えてくれました。


                 【タンチョウヅルのお出迎え】

 
 客車の中には昔懐かしいだるまストーブが置かれていて、そのうえでスルメやシシャモを焼いて食べることもできます。石炭ストーブも懐かしいけれど、必ず脇にあった道具も懐かしい。


                 【昔だったら豪華だったろうな内装】



                 【スルメなんて何年振りだろう?】


 ところでこの道具の名前を覚えていますか?現代っ子はまず知らないでしょうね(笑)


                 【正解は「デレッキ(左)」と「じゅうのう(十能)(右)】




    ※     ※     ※     ※     ※

 摩周駅で足湯を楽しみ、川湯温泉からは折り返しの運転。SL機関車は着た線路を帰るために客車の先頭に付け替えますが、ここには転車機がないために、後ろを向くことができず、ここからはバックで走ることになります。

 実はこれがまた珍しいというので、鉄道写真ファンにとっては撮りたい写真にもなっているのだとか。   




 また釧路のコールマインの石炭は品質が良いために煙が少ないのだそう。煙を黙々吐きながら走る写真を撮りたい鉄男たちのために、少し品質の悪い外国端をブレンドしてわざと煙が出るようにしているとも聞きました。これもまたサービスの一環なのでしょうか。

    ※     ※     ※     ※     ※

 折り返しの汽車は、今頃の季節は標茶駅付近で夕日が沈みます。

 オレンジ色が美しい釧路の夕日も楽しめるSL冬の湿原号。1月29日から3月6日まで毎日一往復が営業です。

 道東の冬をSLで満喫してはいかがでしょうか。 


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