北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

日本一熱い町「熊谷市」と釧路市の電力比較

2012-05-31 23:36:04 | Weblog
 釧路長期滞在ビジネス研究会(通称:ビジ研)は、釧路市役所が事務局となって平成21年に設立された団体です。

 会員は市内のホテル事業者、不動産事業者、タクシー会社、レンタカー会社、観光団体などで、釧路への長期滞在者や移住者の受け入れ窓口としての活動を行っています。

 このたびビジ研では、釧路の涼しさをアピールするためにターゲットを日本で一番熱い街である埼玉県熊谷(くまがや)市に狙いをつけました。

 熊谷市のホームページには、熊谷の暑さを売りにして宣伝をする「あついぞ.com」というサイトがあるのですが、ここの有料バナー広告欄に、「涼しいぞ釧路」というバナーを貼ったのです。



 【あついぞ.com】 http://www.atsuizo.com/



 【貼ったバナー広告】



 【cool946.com】  http://cool946.com/

 日本一暑い町に喧嘩を売るようですが、釧路の涼しさを訴えるには格好のターゲットと考えました。

 今日は市長とマスコミの定例記者会見があったので、そこの場で、『では釧路の涼しさをどう表現したらよいか』ということを市長に発表してもらいました。

 そこでの涼しさ比較は、『熊谷市と釧路市の比較でどれくらいの電力量と電気料金が節約できるか』という試算の結果です。


    ※     ※     ※     ※     ※


 熊谷市と釧路市を平成22年度の国勢調査による人口規模で比較すると、

       世帯数     人口
 釧路市  81,015世帯   181,169人
 熊谷市  75,413世帯   203,180人

 となり、ほぼ同じような町の規模と言えるでしょう。

 
 比較対象としたのは温度の差で、熊谷市の平均気温を室温としてこれを釧路市の平均気温にまでエアコンで下げるとするとどのくらい電力を必要とするのか、という試算です。
 
 時間帯は9時~17時と最低限の日中の活動時間帯として、一か月の気温差を8月の一か月間31日で合計してみると、2,417℃と出ました。

 これを世帯ごとのエアコンの普及台数を3台とし、エアコンの大きさなどを勘案し、これにkw当たり22円という電気料金を掛け合わせて試算してみると、熊谷市の8月でのエアコンによる電力量は約506万kwhとなり、さらに電気代では2億3374万円という結果が出ました。

 資源エネルギー庁が年間のエアコン使用期間は3.6ヶ月という数字を出していて、これにより熊谷市を釧路市並みの涼しさにしようと思うと、少なく見積もっても、1821万kwhで8億4150万円の電気代がかかることになり、釧路は熊谷よりも上記だけお安く夏を過ごせるということになりました。


    ※     ※     ※     ※     ※


 あくまでも試算なのでお遊びが半分ですが、涼しさを何か数字で表現するとどうなるか、という問いを投げかけてみたところ若手の職員が頑張って計算をしてくれたのです。

 当初はもっと突拍子もない比較の数字がないか、と様々なアイディアをブレーンストーミングをしました。

 同じ涼しさにするのに団扇であおぐとどれくらいの風速が必要か、と試算してみたところ、風速60~80mという結果が出て、「これでは竜巻被害を受けたところに失礼だ」ということになって不採用。

 ボツになったネタはもっとたくさんあるのです。


    ※     ※     ※     ※     ※

 
 さて会見場では、マスコミさんから「せっかくなら熊谷市と釧路市でタッグを組んだ仕掛けをすると良いのでは」などといった質問も飛び交いました。

 もっとも今は道内でも節電の話題が大きく取り上げられています。

 道内も7%の節電を求められていますが、エアコンを使う札幌市の人が釧路市へ来るだけでも節電になるはずです。

 釧路の涼しさを都会に打って出るために、マスコミさんの食いつきそうな表現は何か、これからいよいよ暑い夏に向かうにあたって、涼しい釧路をもっとアピールしていきたいと思います。
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水やり三年

2012-05-30 23:45:23 | Weblog
 「水やり三年」という言葉があります。

 園芸の世界の言葉ですが、植物の状態を見極めて必要な時に必要なだけ水をやるというのは実に難しいものです。

 サボテンのように乾燥に強くて水やりがほとんどいらないような植物もあれば、サクラソウ(プリムラ)のように乾燥に弱くて毎日水をやらないと萎れてしまう花もあります。

 松のように砂浜や尾根の頂上など乾燥するところでも平気な木もあれば、ニレのように潤沢な地下水があるところで大きく枝を伸ばす木もあるのです。

 水は植物にとって必須の要素ですが、園芸家にとっての水やりは植物に対して注ぐ愛情そのもの。

 水を媒介にして植物に愛を注いでいると言っても過言ではないのですが、それだけに少なかったり多かったり、タイミングを間違えたりするのは、植物にストレスを与えてしまいます。

 水やりは園芸家は必ず身につけたい素養です。





    ※     ※     ※     ※     ※


 
 植物にとっての水は愛情そのものですが、人間も植物と同じように愛情に対する要求度合いが十人十色。

 日々愛してもらっている実感がないといたたまれなくなる人がいれば、愛情には淡白な人がいます。

 愛情を注いでいないと気が済まない人もいれば、愛を注ぐのが下手な恥ずかしがり屋もいます。

 自分のパートナーは、愛情の要求度が強いのか弱いのかは一度しっかりと見極めたり、対話を通じて互いの理解を深めておいた方が良いでしょう。

 何も言わないから平気なんだろう、などと高をくくっていたら、後になって、「ずっと寂しい思いをしていたのに、あのときのあなたは冷たかった」と言って恨まれたりするかもしれません。

 逆に少し放っておいてほしいのに、良かれと思ってやたらに愛情を注いでくるパートナーだっているかもしれません。

 水は多すぎても花を枯らせるのに、です。



    ※     ※     ※     ※     ※


  
 「水やり」を身に着けるのと同じように、愛情の注ぎ方も難しいもの。

 自分の一方的な思いだけでなく、相手との関係の中で学ぶしかありませんね。

 「水やり」はいいですが、くれぐれも「水を差したり」はしないように。

 
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NASAからの激レアなお土産

2012-05-29 23:45:17 | Weblog
 昨日訪問してくれたNASAのスティーブン・ケインさん、別れ際にお土産の交換をしました。

 当方からは釧路の美しい写真集。あまり見学や観光の時間もなかったでしょうが、せっかく来てくれた町の美しいシーンを思い出にしてほしいものです。

 逆にケインさんからいただいたのは、NASAのオリジナルロゴの入ったコースターセットと、国際宇宙ステーションプロジェクトのバッジ。


 【これが激レアとは…!】


 バッジの淵には、このプロジェクトに参加している国々の国旗があしらわれています。

 ヨーロッパの国々は、ヨーロッパ宇宙機構に19カ国が参加しているのでバッジの大半をヨーロッパ諸国が占めています。

 もちろんアジアで参加しているのは日本だけ。バッジの一番上に見える日の丸が誇らしく思われます。

 素敵なバッジだと思っていたら、「このバッジはレアモノですよ」と教えてくれました。

 聞けば、このバッジは限定百個がスペースシャトルに積み込まれて、一度宇宙へ行って帰ってきたバッジなのだそう。

 宇宙を経験したバッジとは、お土産一つでも付加価値をつけるのが上手ですね。


    ※     ※     ※     ※     ※


 考えてみれば、こうした他にはない際立った差別化こそが付加価値の原点。

 釧路の地酒酒蔵である福司酒造では、太平洋炭鉱の坑道の中にお酒を寝かせて、「海底力(そこぢから)」という銘柄で売り出しています。

 なにしろ本数が少なくて限定なので少々値段は高くてもすぐに売れる商品として大人気。商売はこうやるんだ、という良い見本です。

 
 ちなみに、これを最初に行おうとしたときは鉱山保安監督所とかなりやりとりがあったそう。

 役所というところは、初めてのことで前提を作るときはとても慎重になるきらいがあります。

 このときも、「火気絶対厳禁の坑道にアルコールを入れるとは、燃えたらどうするのか」という質問が真面目に届いたそうです。

 説明の中で最後は納得してくれたようですが、ある方はその話を聞いて、「酒が燃えたらどうするって?酒をかけて消しゃあいいんだよ」と笑っていました。

 さて、お土産の付加価値化はちょっとしたアイディアでできそうです。

 いろいろ工夫してみたいものですね。
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NASAからのお客様

2012-05-28 23:45:37 | Weblog
 今日NASAから、二人のお客様が市役所を訪ねて来てくれました。

 来てくださったのは、シニア・アドバイザーで民間クルー輸送機プログラム担当のスティーブン・ケインさんと、広報スペシャリストのバーバラ・ロックリーさんの二人。

 二人はこの日、釧路工業高等専門学校で宇宙開発技術について学生のために講演をしてくださり、その後の表敬訪問として訪ねて来てくださったのでした。

 NASAではこうした講演をすることで、理数系の学生に技術のすばらしさや魅力を伝えることで優秀で将来宇宙開発技術を担う研究者を育成する活動を行っているのです。

 人材確保や宇宙技術に対する世間の興味を引こうとするその戦略性は実にすばらしいですね。

 本来釧路は講演の対象地になっていなかったのですが、釧路高専におられる小松教授がかつてJAXAにいたときのネットワークを活かして直談判してきてくださることになったのだとか。

 ちなみに釧路高専の小松教授は私と同姓同名の「小松正明」さんというお方。

 釧路には現在二人の小松正明がいるわけでちょっとややこしくなっています(笑)


    ※     ※     ※     ※     ※


 かつては天文小僧だった私としては興味津々のお客様です。

 
「日本の宇宙技術はどのように評価されますか?」と伺うと、「JAXAはとても大切なパートナーです。協力しながら宇宙ステーション計画を進めています」とのこと。

 スペースシャトルが引退した後に、宇宙ステーションへの資材の輸送をどうするかと思っていたら、なんと起業してからまだ十年のスペースX社が先日、ドラゴンという宇宙船で物資を宇宙ステーションまで運び上げることに成功、世界で初の商用宇宙船となりました。

 ケインさんは、「あと数年で、人も送り込めるようになるでしょう。エキサイティングな数年になりますよ」と、民間商用ロケットの成功に力を込めました。


 【写真はスペースX社の打ち上げ写真 同社ホームページより】


「講演で学生さんたちの反応はいかがでしたか?」と訊ねると、「英語で質問をしてくる学生さんもいて、とても賢くて立派な学生さんたちでした。とても感心しました」と高専の学生さんたちを高く評価していました。

 NASAの現役技術者の方から直接講演を聞けるなんて幸せです。これに刺激を受けて、多くの若者が技術への関心をさらに増してくれることを期待します。

 宇宙ステーションに物資を送り込むことができるのは世界でも四つの国と地域しか例がありませんでした。

 アメリカ、ロシア、EU宇宙開発連合、そして日本ですが、今回はこれにスペースX社の民間企業が加わったというわけです。


 日本の宇宙技術を支える若人よ、夢を大きく持って研究の道に志を高く持ってください。がんばれ、若人!
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世界剣道選手権inイタリア~ネット中継の力

2012-05-27 23:45:07 | Weblog
 いま世界剣道選手権がイタリアで行われているのですが、どこかに結果がないものか、とネットで探してみました。

 剣道世界選手権大会は、三年に一度開催される剣道の大会で、男子は47の、女子は30の国と地域が参加して団体戦と個人戦が行われます。

 既に今夜の段階で女子の団体戦と個人戦、男子個人戦は終わっていて、個人戦はそれぞれ日本の選手が、団体戦も女子は日本が優勝ということになっていました。

 最後に残る男子団体戦の模様は、日本剣道連盟のホームページにぶら下がる形で、Ustreamでライブ配信していることが分かりました。

 動画の配信と同時にソーシャルストリームの欄では、世界各国からのコメントが次々に寄せられています。

 男子は圧倒的な強さで、準々決勝でフランス、準決勝でハンガリーを5-0で退けました。

 トーナメントのもう一方では事前の予想取り韓国が勝ち上がってきて決勝は前回に続いて日本対韓国の対決です。

 午後十時過ぎにネットを見始めたら、すっかり目が離せなくなって一気に決勝まで見てしまいました。


    ※     ※     ※     ※     ※




 決勝は韓国との因縁の対決ですが、綺麗な剣道をする相手ではないのでやりづらそう。

 手に汗握る試合が続きましたが、最後は2-1で見事に勝利、優勝を飾りました。

 敗戦が決まってもなかなか礼をしにこない相手に、ネットでは、『*** 決勝出てきたけど、剣道貶めるなら、剥奪だぜ。礼に始まり礼に終わる。それがなければ殺し合い。昇段試験の基本中の基本だぜ』という不満の声も。

 腰に手を当てたままの礼を初めて見ました。礼に始まり礼に終わる武道としては、これはあんまりですね。指導する方はそこからきちんとしていただきたかったです。




 フランスやハンガリー、アメリカなどは武道としての精神性も高かっただけに国による差も目立つようになりました。
 
 アメリカに至っては「日本と韓国のような精神力が自分たちにはなかった!もっと頑張らなくては!!」と泣いたとか。 

 剣道でこれだけ多くの世界の人たちと触れ合えるのは素晴らしいことですが、ブドウがスポーツ化・国際化してゆく中でルールの変化や審判の技量の問題など、課題も多くなることでしょう。

 そうした変化について行くこと、あるいは変化をリードすることが国際化、ということなのかもしれませんが。


 なにはともあれ今年も男女団体、個人それぞれ日本が完全優勝で終えることができました。選手の皆さんご苦労様でした。

 またこのようなネット動画で試合の模様を中継してくれた全日本剣道連盟に心から敬意と感謝をお伝えしたいです。



 【日本男子の表彰式】

    ※     ※     ※     ※     ※

 今年からの新学習指導要領では、中学校保健体育において、武道・ダンスが必修となりました。

 こういう動画がもっとたくさんの人の目に触れて武道を志す若者が増えると良いですね。


 これで剣道がもっと盛んになると良いですね。
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山菜&ホーストレッキングの楽しみ

2012-05-26 23:45:45 | Weblog
 山菜採りと乗馬トレッキングをしてきました。

 東北海道うま会議の春恒例のイベントは、ホーストレッキングと山菜採りのコラボ企画。場所は釧路市の隣にある鶴居村、「日本で最も美しい村」連合の一つです。

 いつもの知人の馬に乗せてもらいますが、今日は放牧地での馬追いから。広い放牧地に放し飼いになっている馬を捕まえるところから始まりました。



 広い放牧地なので六人で向かいましたが、来る人数が多いとそれだけで働かされることに気が付いて逃げ回るのだとか。馬も人も働きたくないのは同じなようです。




 それでもまだ人懐っこい馬を二頭も捕まえると、群れで行動する馬はついその馬についてきます。

 今日は全部を捕まえるのが難しかったので、二頭を引っ張って出口近くの狭い囲いに誘導してそこで身動きできないようにしました。

 身動きできなくなるともうほぼ観念して、おとなしく頭絡という馬具を頭につけさせてくれます。頭絡をつけてしまえば犬以上におとなしく紐に引かれて行くように調教されているから大したものです。




「僕はこれをいつも一人でやるんですよ」と馬会議の事務局長のKさんは笑います。

「六人でも大変だったのに一人でってどうするんですか?」
「いえ、一人の方がかえって警戒されないし、いつも餌をもらえる人と覚えていてくれていますからね。人参とか美味しい餌を持ってゆくと案外すぐに近寄ってくるんですよ」

 いつも乗せてもらうだけのホーストレッキングにも、裏方スタッフのご苦労がありました。


    ※     ※     ※     ※     ※ 

 
 今日は朝から小雨の降るような天気でしたが、馬に乗ったあたりから明るくなってきて乗馬は快適。一緒に乗った妻も、乗馬は二回目で少しずつ慣れてきたようです。




 牧場の高台の頂上付近の笹薮を漕いで行くと、コゴミやタランボ(タラの芽)がたくさんあるあたりに出ました。

 ひとしきり山菜取りを楽しんで下山開始。馬に乗るのもこうした目的があるとまた楽しみが増します。




 去年はホーストレッキングで釧路湿原の北端にある宮島岬の突端まで行きましたが、馬で行けばこその風景に息をのみました。

 単に馬に乗る技術だけではなく、馬でなければ見られない風景を楽しむというのもホーストレッキングの魅力ですし、ここ釧路湿原ならではの付加価値もあることでしょう。

 今しかない、ここにしかないという特長こそ地域が評価を高める最大のポイントですし、それを住民が楽しんでいるということは外へのアピールにとって大きな強みです。

 釧路の地元でももっと多くの人に馬に触れあってもらって実際に楽しんでもらい、自分の言葉で発する宣伝に努めてほしいところです。


    ※     ※     ※     ※     ※


 夜は一緒にトレッキングをした人も、温泉と山菜料理での夜の宴会だけを楽しみに来た人たちも一緒になって懇親を深めました。

 普段仕事で言葉を交わすような人でも、こういう場で会うと親近感がぐっと増すものです。

 こういう機会を大いに使って人の輪を広げたいものですね。

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トップ画面に込める思い ~ 市役所HP改訂

2012-05-25 23:45:10 | Weblog



 釧路市ホームページ改訂作業のワーキンググループ会議が精力的に行われています。

 私は顧問として最後列に座って、余計な意見をできるだけさしはさまずに、議論の進捗を見守りました。

 会議の中では、そろそろトップページのデザインと考え方を決めるタイミングが近づいていて、意見を集約しなくてはなりません。

 受託元のNTTさんからは、「ホームページを作って自己満足で終わるのではなく、外部評価を積極的に取りにいくのが良いと思います」ということで、コンテストなどいくつかある外部評価の事例を紹介して頂きました。

 また、そうしたコンテストなどで「優れている」と評価された自治体のホームページをいくつか見ながら、実際に優れている点やそれでもまだ改善の余地のある点などを勉強しました。

 昨年度最優秀賞を取った甲府市のホームページでは、トップの画像に「武田菱」という武田信玄の家紋である四つ菱を活かしたデザインや、ワインのブドウをイメージした薄紫をテーマカラーにした印象的な作りになっていることを分析。




 では自分たちのイメージ文様は何で、わが町のイメージカラーと言うと何があるのか、といったことでも意見を交わしました。

 イメージカラーというと、夏は緑、秋は夕日のオレンジ、冬は雪やタンチョウの白あたりが思い浮かびますが、どれか一つに絞ると却って他の季節との不整合になりそうで、案外ベースは白が良いのかなあ、などの意見が出されました。


 「これはダメだね」というのはすぐに分かりますが、どう改善したらよいかということをイメージするのは創造力が必要で、なかなか難しいものです。

 もっと目を肥やして、センスを磨きたいところですが、長年多くの自治体のホームページを見てきたNTTさんのアドバイスはかなり有効でした。


 今日の段階では、トップページを縦三列構成で行くか二列に構成でゆくか、ということや、「グローバルメニュー」と呼ばれる、トップページで紹介されるコンテンツのくくり方をどうするか、といったことが議論の中心になりました。

 作業してくれたNTTさんからはいくつかの提案がありましたが、ゼロから作るわけではないので、これまでの各自治体の良い工夫は取り入れながら、さらに改善してゆく方向を模索してゆこうと思います。


    ※     ※     ※     ※     ※


 改めてトップ画面の構成を真剣に考えてみて、自分たちの町のイメージをしっかりと理解して表現しているところとそうでもないところの差がはっきりと分かりました。

 自治体ホームページはトップページの出来一つでも、自分たちの町を積極的に前向きに発信しようという意志の度合いやあるいは関心のなさが伺われて、中途半端なものにすべきではありませんね。

 なにかと目からウロコの落ちる思いがしました。

 こちらにも決めなくてはいけない宿題が溜まっています。

 時間は少ないですがワーキンググループの精力的な議論に期待しています。 
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五月の木鶏会~その位に素して行う

2012-05-24 23:45:13 | Weblog
 木鶏の会の5月月例会、新しい会員が二名加わって今日は7名で開かれました。

 人間力を強くする雑誌「致知」5月号の特集テーマは、「その位に素して行う」というもの。

 これは四書五経の中の「中庸」にある「君子はその位に素して行い、その外を願わず」から取られたもので、その意味は「立派な人物は自己に与えられた環境の中で、運命を呪ったり不平不満を言ったりせず、精一杯の努力をしてそれ以外のことは考えない」ということです。

 世間で言う立派な人には実にこの言葉を体現してきた人たちが多いことでしょう。


    ※     ※     ※     ※     ※


 致知5月号が紹介しているのは、「神様、仏様、稲尾様」と呼ばれ、この人が投げれば必ず勝つという伝説ができた、西鉄ライオンズ時代の稲尾和久投手のエピソードです。

 稲尾選手は高校三年生の時にスカウトされ、卒業前からキャンプに入りました。

 卒業間近になって先生から「お前のために特別の卒業式をやってやるから帰ってこい」と言われ、監督に相談したところ、「そうか、帰りたいだろうな。しかし、お前は過去の思い出に生きるのか、未来に生きるのか。どっちだ、自分で決めろ」と言われたのだそう。

 この言葉に十八歳の稲尾さんは帰るのを止めてキャンプに残りました。

 「過去に生きるか、未来に生きるか」と問うた当時の三原監督も立派ならば、未来に生きる選択をした稲尾さんも立派ですね。




    ※     ※     ※     ※     ※



 そのキャンプで稲尾投手は自分よりもはるかに高額の契約金と年棒でスカウトされた同期が二人いることを知りました。

 自分は打者が撃つ練習をするために黙々と投げ続ける打撃投手なのに対して、その二人はコーチが付いたりして遥かに条件の良い練習待遇。

 しかしここで腐らないのが立派な投手の所以です。

 打撃投手はストライクを投げて打者に打たせるのが仕事ですが、それでもストライクばかり投げると打者も振り続けなくてはならずに疲れて嫌がるということに気が付きました。

 そこで四球に一球、ボールを投げることにしたのだそう。

 四百八十球投げるとすれば百二十球は自分のための投球練習ができると頭を切り替えました。

 そこでそのボールにする一球に精魂を込めて、高め、低め、内外角と投げ分ける練習をして無類のコントロールを観につけていきました。

 おかれた立場を最大限に生かして自己を高めるこの精神こそまさに、「その位に素して行う」のお手本です。

 私たちも素位素行(そいそこう)の精神で人生を歩みたいものです。
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今、海で起きていること

2012-05-23 23:45:07 | Weblog
 五月はいろいろな会合の総会が目白押しなのですが、今日は釧路海上保安協会釧路支部の総会に出席しました。

 この協会は、海上保安部の活動を側面から支援することを目的として作られたもので、水産関係各団体や港湾物流関係者が多数参加しています。

 もちろん、この会員が直接海へ行って活動をするようなことはありません。

 地上の様々な機会をとらえて海上安全活動として海難防止コマーシャルを打ったり、海上保安思想の普及事業としてリーフレットを作成・頒布したりするなど側面から一般市民への啓発活動に取り組んでいるというわけです。

 企業活動って利益を得られさえすれば法律の範囲で何をやっても良い、という利益追求集団という側面もありますが、一方で利益の中からこのような公共的活動に会費を払って参加し社会の役に立とうという側面もあるのです。



 【一年間の海上保安レポート】

 
    ※     ※     ※     ※     ※


 総会の冒頭で、来賓として出席された釧路海上保安部の菅原部長さんからご挨拶がありました。

「この一年間での特筆すべき活動」としてお話されたのは、まず「東日本大震災で東北の第二管区へ派遣されていた釧路の船が4月以降現地の体制縮小に伴って寄港した」ということ。

 三陸沿岸ではまだまだ行方不明のままご遺体も見つからない方が多数いるわけですが、現地の海上保安部隊では「残されたご家族が『もういいです』と言うまで行方不明者の捜索を続けよう」と士気高く活動を続けて来られました。

 四月を迎えて一定の節目を迎えたという判断がなされたのでしょうか。こういうお話を聞くたびに、復興の道は遠いことを感じます。

 現地の復興が一日も早くなされるよう願ってやみません。


 【海上保安レポート】 http://bit.ly/KC4VxL

    ※     ※     ※     ※     ※



 次に述べられたのは「海上警察権の強化に向けた制度や体制の整備」をしているというお話。

 昨年の尖閣諸島での漁船衝突問題でクローズアップされましたが、領海の周辺では多数の外国漁船が領海内で違法に操業をしたり、外国人活動家が遠方の離島に上陸して領有権主張活動などを行う事案が多く発生しています。

 これらに対応するのは海の警察である海上保安庁なのですが、離島の陸上の警察権は陸上の警察が来ないとこれまでは対処ができませんでした。

 それを事前の協議によって、海上保安官に警察権行使ができるような法律改正が行われているとのこと。

 国会はまだ混とんとしていますが、このような国にとって有用な法律は一致協力して成立させてほしいものです。


    ※     ※     ※     ※     ※


 次に述べられたのは、「尖閣諸島問題で、南の守りを固める任務を遂行している」とのこと。

 マスコミではあまり報じられませんが、尖閣諸島周辺では中国漁船がわが国領海内に侵入したり、中国海洋調査船による調査活動などが頻繁に行われており、それを確認するたびに警告等を発し、領海の適切な管理に勤められています。

 国境を接するということはこうしたピリピリした緊張感が続くということでもあるのですね。


 さらに活動の範囲は極めて大きく、南氷洋での捕鯨調査船にも海上保安官が乗り込むようになり、シーシェパードなど環境保護団体と称する団体による鯨類捕獲調査への妨害に対処もしています。

 特に捕鯨調査の妨害活動では、10トンもの網やロープなどを海洋に投棄して、船の舵やスクリューを損傷させようとする行為を平気で繰り返しています。

 どこが『環境保護団体』なのか、と目を疑いますが、こうした投機物のうち2トン余りを証拠として押収しているとのこと。

 毅然とした態度を示せるのもしっかりした制度に基づく対応マニュアルと士気高い現場の力です。

 現場でのご無事をお祈りします。


    ※     ※     ※     ※     ※


 懇親会になり、海上保安部の方と隣りになりました。

「海猿の映画は良かったです。だいぶ良い宣伝になったでしょうね」と伺うと、「はい、前回のシリーズ『ラスト・メッセージ』で終りかと思ったら、今年も7月に『ブレイブ・ハーツ』が封切りになりますよ」

「え、それは知りませんでした」
「柳の下にはドジョウが何匹もいてほしいのですが(笑)」

  
 こうした人知れぬ遠方の地で安全と治安を守る人たちがいるおかげで我々は枕を高くして眠ることができます。

 同時に、水産と物流の拠点である釧路港が立派に機能するのもこうした海の安全が守られているから。

 もし気が付いたら海の安全にもご支援をよろしくお願いします。

 
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釧路新聞「巷論」欄 ~ 逆転の発想、鮭の逆襲

2012-05-23 15:25:33 | 巷論
 本日付の釧路新聞「巷論」欄に、拙文を掲載して頂きました。

 タイトルは「逆転の発想、サケの逆襲~人の心を動かすサムシング」です。

 以前書いたブログのリライトですが、本文は以下の通りです。


    ※    ※    ※    ※


 ゴールデンウィークに摩周湖展望台へ行った際に木彫り風の熊のお土産を買った。

 以前に知床の友人から「鮭をくわえた木彫りの熊はよくありますけど、その逆で鮭に逆襲されている熊の置物があるんですよ」と教えられていたのだが、まさにそれが売っていたのでつい買い求めてしまったのだ。

『犬が人をかんでもニュースにはならず、人が犬をかめばニュースになる』と言うが、まさに逆転の発想で、巨大な鮭にかじりつかれて情けない顔をしている熊の像とは面白い。

 木彫りの熊と言えばアイヌ工芸品としてかつては数多く売れたものだが、いつしか熊が鮭を食うというテーマそのものが当たり前になってしまい、物珍しさが失せてしまったようだ。

 土産物として今まで熊に食われ続けた鮭が逆襲して熊を襲うという突拍子もない発想の転換は、見る者の関心をひきつけるとても気になる商品になった。
 
 さらに一見木彫りのようなこの熊の像は、実は木彫りではなくて型に流し込んで固めて作られた代物なのだが、表面が竹炭でできているので、消臭効果という実用性もあるとか。

 単に置物として飾るだけなら飽きてしまうかもしれないが、消臭効果という実用性によって、買ったとしても部屋に置き続ける理由が一つ加わった。

 家に帰ってきて、改めて鮭の逆襲像を買った理由を振り返ると理由は三つあった。

 一つ目は「デザインの斬新さと面白さ」、二つ目は「竹炭による消臭という実用性への期待」、そして三つ目は「知人からの口コミ」というわけだ。

 これらの理由が重なった結果、つい買う気になったのだが、どれか一つだけの理由だとおそらく買わなかったに違いない。

 消費者の固い財布の紐を緩めさせるには様々な工夫が必要だが、買い手が求めているのはモノではなくて、モノを買うことで得られる幸せだ。

 人の心を動かすサムシングとは何か、改めて考える良い機会になった。

小松正明(釧路市副市長、ガールスカウト評議員)


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