北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

平成17年度の締め

2006-03-31 23:54:37 | Weblog
 いよいよ今日で平成17年度もおしまいです。春は別れと出会いの季節です。
 
【雪氷の現地検査と送別会】
 午後に苫東地区で行われている氷づくりの現地検査を行いました。氷づくりの現場といっても、既に上は断熱材と遮光シートで覆われていて、さらにそれらが風で飛ばされないようにネットがかけられていますので、氷を直接見ることはできません。

 土で出来た堤の下には排水パイプが設置されていて、雪や氷が溶けた水はパイプでそとに流れ出るようになっているのですが、まだこの時期ではそれほど多くの水がでているわけではありません。

 約3ヶ月に亘る氷づくりという実験では、現地での作業を通じて多くの知見を得ることが出来ました。例えば寒い北海道といえども、氷が安定的に成長を重ねるのは2月中旬までのことだということも分かりました。

 そこから先は日中の陽射しが強くなるために、まいた水は夜には凍っても日中に溶けるという一進一退がくりかえされるのです。

 こうした知見の積み重ねこそが明日の雪氷輸送の実現に繋がるはずです。氷の東京輸送は6月下旬の予定です。

    ※    ※    ※    ※

 夜には当課の送別会です。当課からは4月1日付をもって6名の職員が転出して行きます。

 最も遠い方は農水省へ帰る方ですが、次の赴任先はなんと私のいた掛川市の隣にある菊川市だとのこと。大地震への備えだけは心する必要がありますが、あとはお茶と日本の農村の風景を楽しんでいただきたいものです。

 皆さんの新任地でのご健勝とご活躍を心からお祈りします。さて、気持ちも新たに新しい年に向かいましょう。

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観光戦略会議でがんばらなくては

2006-03-30 23:47:50 | Weblog
 朝から各種の調査業務の検定作業に追われました。年度末の季節を感じる作業です。
 
【観光戦略会議】
 午後に道庁赤レンガで今年度の作業を総括する観光戦略会議が開催されました。

 ここでこれから北海道内で観光に関わる各事業団体と行政とが一体となった観光戦略をまとめるための会合です。

 私自身もこの原案を作成する企画部会に深く関わって、事業の絞り込みやこれからの進め方に対する意見を随分多く述べて作られた事務局の原案が提案されました。

 しかし委員の中からはやや否定的な意見もだされ、やや紛糾気味のものとなりました。

 現状のままではばらばらに行われていて、なかなか進まない北海道観光の戦略的な一本化のために多くの事業主体が集まったはずなのですが、多すぎたためにそれぞれの思惑が微妙に食い違っていることも、原因なのかも知れません。

 観光という行政テーマを推進すべき主体は一体どこの誰なのか、という原点をもう一度確認しなくてはならないような感じがしました。

 組織を改編しなくては駄目だ、という意見と組織も一生懸命やっているという不毛な議論の応酬はあまり建設的ではありません。

 今という現実からどう変化して行くか、ということを真剣に考えなくてはならないのです。出席者のさまざまな思いが交錯していて興味深い部分もありましたが、何度でも繰り返し気持ちを一つにする努力が必要なようです。

 最後には観光戦略の原案を承認していただいた形になりました。しかし良いことはいくらでも言えますがそれを実践することがなお一層大事です。

 北海道の観光こそ、いよいよ「試される大地」です。
  
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公共事業と景観

2006-03-29 23:32:59 | Weblog
 朝から冬の最後のあがきであるかのようなみぞれ混じりの雨でした。

 雨にあたると、降っても濡れない雪の方が良かったように思ってしまいます。雨も砂や泥で汚れたまちなかを洗い流してくれるようです。
 
【景観アドバイザー会議】
 今日の午前中には我が組織の事業に関して、景観アドバイザーにご意見をいただくという会議が開かれました。

 我々が行う公共事業において、景観という意識をどの要に持ち、どのように対処をするのがよいか、ということにはなかなか一定の方針が持てないでいます。

 しかしその方向を模索するために、現在は大学の先生による学識経験者や建築家、民間のオピニオンリーダーなど6名の皆さんを景観アドバイザーとしてご就任していただき、いくつか選定した事業においてモデル的に景観に配慮する取り組みを行っているのです。

 対象としている事業はダムや道路、港、建築などですが、それらに景観アドバイザーの内お二人に加わっていただいて、景観の取り組みへのアドバイスや要望などを伺いそれを事業に可能な限り反映させるという取り組みを行っているのです。

 きょうはそれらについてアドバイザー全員をお迎えしての総括的な報告会と意見交換会となりました。

 景観の問題は個人差もあるのですが、ほぼ万人に共通する要素もあるはずです。そしてそれが我々の独りよがりではなく、第三者の目を通すことで、気付かなかった視点やより建設的な方策に繋がることを期待しているのです。

 景観は積極的に優れた景観を作ることも出来れば、今の良好な景観を破壊するという両方の面を持っています。我々自身は、とにかく現状の景観は変えざるを得ないという、公共事業のもつ宿命を自覚しつつ、出来るだけ壊さずに良好な物を形成するように努めるべきでしょう。

 最もその際にはコストという制約もあるわけで、そのあたりの加減にまだ社会的なコンセンサスがあるとは言えない状況でもあります。

 我々の事業が独りよがりにならずに景観づくりという意識を常に持つような姿勢がますます求められるようになっています。

 
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お土産と魔法

2006-03-28 23:35:43 | Weblog
 昨日の五稜郭タワーについてもう一言述べておきたいと思います。

【新五稜郭タワーのお土産の品揃え】
 新五稜郭タワーは、降りるときは展望台の1階に階段で下りて、そこからエントランスの二階に降りてきます。

 そのことは乗る人と降りる人の人の流れを分けるためだと思われます。

 それはよいとして、二階に降りたつと一階までは階段で降りてくるのですが、一階の出口までのスペースにはお約束通りお土産が並んでいます。

 こういうミニテーマパーク的な観光地におけるお土産というものは一体何なのか、ということを常々考えているのですが、私の答えは「魔法にかかった証」だというものです。

 ディズニーランドへ行って、帰り際に出口付近に立ち並ぶお土産屋さんで買い物をする来園者の顔を冷静な目で見てみると、皆一様に、今日一日を共に過ごしたディズニーの魔法にかかっている事がよく分かります。

 そしてみんなが残り少ない園内の時間を「今日の素敵だった一日を形に残したい」という一心で、形に残るお土産を買い求めているのです。

 帰りの電車で良くミッキーの耳の形をしたカチューシャを頭につけたまま、お土産の大きな袋を抱えて眠っている女の子を見かけます。

 きっと彼女にはまだディズニーの魔法がしっかりとかかっていて、カチューシャを頭からはずす事が出来ないのです。

 きっと翌朝目覚めたときにやっと、その魔法が解けてそれをはずすのでしょうけれど、そこまでがディズニーランドの魔法なのです。

    *   *   *   * 

 私もかつてある美術館でレオナルド・ダ・ビンチ展を見に行ったときに、小さなデッサンに始まって、「最後の晩餐」の模写にいたるレオナルド・ダ・ビンチの世界を見せられたときには、つい出口で「中世の錬金術について」という小難しい本を買ってしまった事を思い出します。

 まさに私もその瞬間に、中世ルネサンスの魔法にかかってしまっていたのです。

 つまりお土産というものは、それまで引き込んだテーマで来場者に思いっきり魔法をかけて、それが切れないうちに喜んで買い求めていただくものなのだ、というのが私の持論です。

 ですから、そのテーマにはずれたものは置かない方が良くて、逆にテーマにはずれたものは魔法を解いてしまうきっかけにもなりかねないのだ、とすら思うのです。

 今回の新五稜郭タワーのテーマ性は、幕末の動乱からペリー来航、戊辰戦争から箱舘戦争、土方歳三、榎本武揚を初めとする登場人物の魅力なのではないかと思うのです。

 そういうテーマ性を抱え込んだ品物にはお客さんは惹かれるでしょうけれど、それとはさして関係のないような北海道グッズではそのテーマ性が薄れてしまうのではないか、と思います。

 人々の好むテーマをドラマ性豊かに表現し、伝えたときには感動が広がって、それがやがて人々をその世界に引き込む魔法に繋がるのであり、テーマパークを自認するのであれば、訪れてくれた人が魔法にかかるまで洗練された内容にしなくてはなりません。

 そしてお土産もその一番最後に登場する欠かせない要素なのです。

 今日モノにあふれたお客さま達求めているのは感動というコトなのです。

 夢を膨らませるように、夢を覚まさないように、夢を長続きさせるように…。そんな工夫と努力が北海道観光にもっと必要なように思います。あるがままを見せるだけではもはや受け入れられない時代になりつつあるのではないでしょうか。

 「魔法」 これこそが観光のキーワードなのだと思うのです。 
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函館観光の新スポット、新五稜郭タワー

2006-03-27 23:09:11 | Weblog
 週の初めから函館へ出張。道南エリアへはいるともう春が近い事がよく分かります。

【新五稜郭タワー】
 今日は朝から函館出張です。函館へ到着したところで、嬉しい事に新五稜郭タワーの内覧会に参加できることになりました。

 新五稜郭タワーは、今年の4月1日にオープンを予定する新しい函館名所です。

 新タワーはこれまでのものが高さ60mだったのに対して、避雷針高で107m、展望台は高さ90mに2層のものが作られています。

 新展望台及び塔体は五稜郭にちなみ五角形を取り入れた形になっていて、収容人員も現在の約100人収容から約500人と大幅に拡充されるのです。

 一階のエントランスへ入るとまずはエレベーターで展望台の2階へ一気に上ります。新タワーは以前のものからほぼ倍の高さになるのですが、エレベーターが上るのに要する時間は同じなのだそうですよ。

 展望台は二層の構造になっていて、まずは上に到着します。五角形のフロアをぐるりと回ると遠くは下北半島までがはっきりと見えます。もちろん五角形の五稜郭もはっきりと眼下にその形が分かります。

 五稜郭は、安政元(1854)年の日米和親条約以来、北方の防衛強化が政治的課題になり、そのために蘭学者の武田斐三郎(あやさぶろう)がヨーロッパの城郭都市をモデルに考案したものです。

 建設は安政4(1857)年に始められ、完成は7年後の元治元(1864)年のことでした。

 やがて明治になると旧幕府軍が反乱を起こして北海道へ押し寄せ、鷲ノ木(現在の森町)に上陸すると、五稜郭で防御する新政府側の箱舘府をいっきに蹴散らし無血入城。やがて今度は渡島半島の西海岸に上陸した新政府軍の反撃にあい、やがて鎮圧されてしまうのでした。

 新撰組副長土方歳三もこの箱舘で壮絶な死を遂げるのです。

    *   *   *   * 

 展望台の二階は、この間の幕末から戊辰戦争、そして箱舘戦争とその後について詳しい展示がされていて、北海道の明治維新が勉強になります。

 ここでしか手に入らないオリジナルグッズもたくさんあって、函館観光の新しいスポットになる事請け合いです。

 今年の春は函館観光で決まり、でしょうね。


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「不機嫌の退治法」~国土交通省広報誌より

2006-03-26 23:11:21 | Weblog
 国土交通省の発行している広報誌に「国土交通」という冊子があります。今日はこの中の面白かった記事のご紹介です。

【不機嫌退治法】
 国土交通省広報誌「国土交通」は、A4サイズで毎月一冊を発行しています。ページ数にして約70~80ページで、フルカラー。なかなか質の高い冊子です。

 この2006年2月号は通巻の62号にあたります。毎月一定の特集企画と連載企画の二つがあり、この号の特集は「都市と農山漁村の『二地域居住』への提言」ということになっていて、座談会や解説、寄稿、各地の取り組み事例紹介などが続いています。

 それはそれとして、今回目を引いたのは連載の中の「新広報実践教室」というコラムでした。

 このコラムは毎日新聞特別顧問の諏訪正人さんが連載をしているもので、今号のお題は「文章の書き方『不機嫌退治法』」とあります。

 内容を紹介すると、世の中にはいろいろな健康法があるけれど、フランスの哲学者アランは上機嫌療法を提唱した、といいます。要するにしゃくにさわることがあっても、むきにならずににっこり笑って上機嫌に振る舞えば、精神が健康になる、というものです。

 アランはその著書「幸福論」のなかで、「…考えがとげとげしくなるようなときには、人は何でも激しく批判しがちになるが、考えがこういう方向に向いたときこそ、上機嫌療法をする必要がある」という趣旨のことを述べているそうです。

 諏訪さんの文章には「(アランが)同じ『幸福論』のなかの『上機嫌』と題した語録には『私達は、あまりにたやすく、またあまりにもささいなことが原因ですぐ不平を言う。悲劇的な大げさな言葉で自分自身の心を引き裂いたり、それを伝染させて他人の心を引き裂いたりしないようにしなければならない。他人に対しても自分に対しても親切にすることだ。他人の生きるのを助け、自分自身の生きるのを助けること、これこそ本当の慈愛なのだ。親切は喜びである。愛は喜びである』と説明しています」とある。

 相手を目の前に置かないで書く文章はついつい批判の仕方が過激になりがちだし、自分の鬱憤を文章で晴らそうとすれば、気に入らないことをあげつらって溜飲を下げるということになりがちです。

 それはそれで、個人攻撃になりさえしなければ書く側には程の良いストレス解消の方策かも知れません。

 しかし何かの拍子でそんな文章を目にする読者にとってそれが読者を幸せにするか、ということになるとそうはいかないでしょうね、というのが正直な感想です。

 人の不機嫌な様子を見て、こちらの機嫌が良くなることなどないでしょう。

     ※    ※    ※    ※

 諏訪さんによると「このアランの言葉を文章で書く上で実践したのが薄田泣菫(すすきだきゅうきん)だった」といいます。

 大正から昭和の初めにかけて彼が大阪毎日新聞に連載したコラム「茶話」について丸谷才一氏は「泣菫の随筆は暖かい肌合いがある」と述べているそうです。

 その丸谷才一氏自身は今度は著書「思考のレッスン(文藝春秋)」のなかで。「日本の小説はなぜこんなにげんなりするような陰気なことばかり扱うのだろう」と不思議に思ったのだそうです。挙げ句の果てに「どうやら日本の小説というものは、ただいやなことを書く、読んでいて不愉快になることを書くと言うことが大事なことらしい。読者に対して嫌がらせをするように書けば、文学的ということになるらしい」とさえ言っているのだそうです。

 諏訪さんも「文学だけではありません。いまも、社会、政治、経済全般、なににつけ、姿勢を正して、改まって書こうとすると、不機嫌な書き方になるから不思議です」と書いています。

 私の文章も、常々批判がましいことは出来るだけ書かずに、世の中で出会った面白いこと、頑張っていること、嬉しいことを中心に書くように心掛けていますが、それはその方が読者にとってもきっと読んでいて気持ちが楽になるに違いないと思っているからです。

 人の不満や不平を読まされるというのはなんとも時間を損した気分になるのではありませんか。健全な批判は必要なのでしょうが、それとても全体の中ではスパイスの様なものであるほうがよいでしょう。

 スパイスだけでは料理にはなりませんし、少量だからこそ料理を引き立てることにもつながるのでしょう。

 今日から自分だけでも上機嫌療法を取り入れてみてはいかがですか。導入にはお金や高価な道具も必要ありません。気の持ちよう一つで良いのですから。

 こんな広報誌も読んでみると結構面白いですよ
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おやじの会の会誌作成

2006-03-25 23:41:20 | Weblog
 天気はよいのですが気温は低め。それでもこんな日は家の周りの雪を道路に播いて解かす雪割り日和です。

 2本の先のとがった鉄製のピンを備えていて、硬い氷を上から割るのではなく下から持ち上げて効率的に氷割りをする道具が「ぴっける君」として売り出されていました。お値段は3千円くらいで、これは欲しい道具です。

【おやじの会の会報作成】
 午前は雪割りと氷割りに使って、午後はおやじの会の今年度の会報作成のために中学校に集合です。

 1時の集合時間に三々五々集まってきたおやじの面々ですが、広報担当のお父さんがまだメールで集まってきた文章から原稿を起こしているところでした。

 なんだかんだ言っても、一年間に渡って行ってきた事を記録として残そうと思うとそれなりの分量になるものです。少しずつでも作っておけば良かったのと、会報作成に向けて会員のお父さん達にお願いした原稿がなかなか送られてこない事が作業遅延の原因です。

 会報の柏葉は五つの柏の葉からなる中学校の校章からきたものです。会報の題字は毎回校長先生に書いてもらっていますが、今の校長先生も達筆で感心するばかりです。やはりこういうときに教養があるかないかが問われます。これまた普段からの心構え次第なのでしょうね。

 原稿が出来た後は電子ガリ版と呼ぶべきリソグラフで約100枚を印刷し、背をのり付けしてから題字を印刷した緑の表紙でくるむのです。のり付けも自動で出来る機械がある事を初めて知りました。まったく便利な道具を作るものです。

 最後にはこれを裁断して大きさを整えてできあがりです。今年の作成部数は百部です。この会を知らない人にも宣伝する道具として使いたいものです。

    *   *   *   * 

 作成の後は打ち上げです。会合の後に飲む事は滅多にないのですが、こういう節目の機会は大事にしたいものです。

 もう一年も一緒に活動しているのに初めて職業を知ったりするのもこういうときです。「会には仕事を持ち込まない」ということをモットーの一つにしているからですが、それぞれプロの仕事の中身が分かって面白い話が聴けるものです。

 海苔の営業をやっているというお父さんがいました。
「海苔の品質を示す要素って何なのですか?」
「あ、それは香りと色と溶けやすさですね」

「それって安い海苔とたかい海苔では違うものですか?」
「それは断然違いますよ。口に入れたときに上あごにくっついてしまうような海苔もあるでしょう?あれなどは安物の典型ですよ」

「値段は安いものからたかいものまであるでしょうが、なかなか違いが分からないんですよ」
「私たちの一番のライバルは十枚で百円といった類の、とにかく安いだけの海苔なのですよ。そう言う味を海苔だと思ったらたかい海苔を食べなくても良くなってしまうんです。海苔には値段の段階が十枚で百円、2百円、5百円、6百円という風にあるのですが、6百円の海苔しか買わないという購買層も確かにあるのです。それは味とか風味などが分かっている方です。海苔の味の違いを分かっていただきたいものですねえ…」

 こんな話で夜も更けて行く。大人になってからの友達も良いものです。  
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時間通りの公共交通という財産

2006-03-24 23:57:34 | Weblog
 朝一番のANAで東京へと出張です。飛行機はエア・ドゥを愛好してきた私なのですが、最近私が乗ると機材不調による引き返しが相次いでいたためにゲン直しでANAで東京へと向かいました。
 
 東京では桜もちらほら咲き始めていましたよ。  

【日本的サービス】
 朝11時頃までに東京の江東区へ行く事になっていたのですが、どこでどう乗り換えるかについては、同行の同僚が事前に調べてくれていました。

 インターネットを使って調べると、札幌からのJR,飛行機、空港からの電車の乗り継ぎが全て分かり、「○○駅では×時△△分の◇◇行きに乗ってください」という情報がたちまち印刷されて出てきます。

 感心しながら空港からの乗り継ぎを指示通りにこなしてみると、まさにそのとおりに目的地の周辺までつく事が出来ました。

 なんという正確な情報を提供しているのかということと、情報の示す予定通りに公共交通網が動いているという驚くべき事実に改めて驚きです。

 これこそ日本らしい、神経の細やかな社会サービスと評価するか、少々やり過ぎではないかと批判がましく見るかは意見が分かれるかも知れませんが、私は社会の水準をありがたいものだと思います。

 このようなシステムを安定的に動かしているということは社会の財産であるわけで、ここに至るためにさまざまな関係者が努力を積み重ねているのですから。

    *   *   *   * 

 そんな日本の社会を支えている交通分野にあって、秋葉原にほど近い万世橋のたもとにある交通博物館がこの春5月14日をもって閉館するのだそうです。

 新幹線といえばおなじみの0系の胴体の前半分をそのまま展示している印象的な博物館でしたが、閉館の後は2007年10月14日(鉄道の日)に、さいたま市大宮で鉄道博物館として生まれかわるのだそうです。

 一つの時代が変化して行くというシンボリックな出来事かも知れません。変化を恐れずに前に進む勇気もときには必要です。

 さて鉄道はどんな風に変わって行くのでしょうか。


 
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自転車でのおもてなし

2006-03-23 23:10:24 | Weblog
 北海道での自転車文化振興はどうあるべきか、という会合を開催しました。道内の自転車の関係者に加えて東京と掛川からも北海道への暖かいアドバイスをいただきました。
 そろそろまちのなかも自転車が増えてきました。

【自転車というおもてなし】
 先週沖縄ツール・ド・おきなわの関係者にお話を聞いて、すこしは沖縄北部での自転車による地域振興の状況が分かりました。

 そのこと自体は3月14日の本編に譲るとして、改めて沖縄における自転車イベントとは何か、ということを考えてみました。

 ツール・ド・おきなわは二日間でのイベント言う事ですが、イベントの予算はだいたい6千万円~7千万円といったところです。

 参加者による参加料も収入の4割ほどにはなるものの、残りの部分は自治体や自転車振興会からの協賛金によるもので、それなりに安定はしている収入源といえそうです。

 自転車イベントしては収支がとんとん程度なのだが、このイベントに参加するためにはとにかく飛行機で乗り込んで周囲のホテルに1~2泊をしなくてはならないということになるので、終始計算書には現れない周辺への経済波及効果が高いと言えるのです。

 そのことによる周辺の地域振興という事がまず根底に流れているので、イベントの趣旨は「おもてなし」なのです。

 北海道では、イベントに参加してもらう事やすることに特化している風があって、来道者や道内自転車関係者に対するもてなしということへの対応が沖縄に比べるとやはり見劣りをしてしまうようです。

 とにかく全ての事柄は来てくれた人へのおもてなしなのだ、という徹底したマインドこそが沖縄であるようにも思えるのです。
 北海道が見習うべき事は多いように思います。

    *   *   *   * 

 会合で掛川から来てくれたSさんが、自身が手がけた伊豆の狩野川周辺で作ったサイクリングマップを紹介してくれました。

 このマップは、私も存じ上げている自転車文学家を自称するSKさんが作成に深く関わってくれているのですが、川沿いの道をサイクリングするときのサイクリストのためのマップになっています。

 それは単に走る事の出来る道路を指し示しているのではなく、まさにサイクリストSKさんが「自分が走って楽しくて、この楽しみを他のサイクリストに伝えたい」という思いの込められたマップになっています。

 だから安全である事は大前提で、注意しなくてはならない箇所は詳しく書いているだけではなく、道路もただ横断するのではなく、交通量見合いで横断が危険な箇所については、わざわざ「遠回りして信号を渡るように」というルート案内までしています。
 自転車に乗っていて、「ここは横断させるわけにはいかないな」と思った気持ちが伝わってくるのです。

 また景観のポイントも細かくガイドされていますので、ただ疾走するだけでなく、いつでも止まれて時間をスローに過ごす事が出来る自転車を、人生を最大限に楽しむツールとして使おうという主張がしっかりと込められています。

 マップの作り方一つにも、もてなしの気持ちが込められているのかどうかが大事になってきます。すべからく小事を軽く考えない気持ちが大事なのと、仕事を本当に楽しんでいる人の成果はやはり気持ちの入り方が違うということがよく分かります。

    *   *   *   * 

 夜は送別会で、東京から転勤で来ていた友人が1年9ヶ月の道内勤務を終えて今度は横浜へ向かうという。

 本当に数回しか会っていないのだが、マインドを共有出来る人とは会う回数などあまり意味がないものです。また仕事でも何回も会いたいものです。新任でも活躍されますように祈っています。ご苦労様でした。なんだか寂しくなる春でもあります。

 
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恩師の退官記念講演

2006-03-22 23:06:53 | Weblog
 今日は、大学の恩師がこの3月で退官することから、退官記念講演会に出席してきました。春は別れと出会いの季節です。

【卒業生集合】
 大学の恩師の最終講義は、これまでの研究成果から面白そうな話題を取り上げた2時間でした。

 2時間話す、ということはものすごく長い時間に思えますが、これまでの約40年にわたる研究からピックアップしての内容とすれば、語り尽くせないほど多くのことがあるはずです。しかしそのなかのほんの一部を聞かせていただくことができました。

 我が恩師のA先生は、景観の評価ということを数字で表すという研究を早くからされていた方です。

 そして景観評価を構成する要素は、「共通因子」+「個人因子」+「誤差」で表されると考えました。この「共通因子」は何かということを勉強すると、多くの人が美しいと思う要素が分かってきて、今度はそれを利用する事で美しい景観を作ることに繋がる、ということもあるのだということです。

 そしてそのときに多くの人が持つ共通性は、「生得的」→「文化的」→「親密性」→「社会的、経済的、人口学的」な順番に絞られて行くと考えられています。

 しかし例えば日本人に生まれたなら誰もが美しいと思う…というような要素もあるのかもしれませんが、それとても、育ち方で評価は変わるもので、学習で変化する要素もあるのだそうです。

 私も卒論では模型を使って景観の評価につなげるような研究をしました。その節はお世話になりました。これからも健康で、ご活躍されて私たちの指導にご尽力いただきたいものです。

 長い間お疲れ様でした。

    *   *   *   * 

 さて、その後の懇親会の会場では、学年が一つ下だった後輩S君と会いました。彼ももう助教授になったという事で立派に仕事をしている様子は心強い限りです。

「今は何を研究しているの?」
「少し前にはアスパラを研究していました。アスパラってたいてい食べられる若い茎しか研究しないでしょう?でも僕は育ってしまった後を調べてみたんです。」

「へえ、何か見つかった?」
「それがですねぇ、アスパラって成長するとふわっと葉っぱのようなものが広がるでしょう?あの葉のように見える部分は、仮葉とか偽葉とか呼ばれていて本当は葉じゃないんですけど、あそこにルチンがものすごく多くある事が分かったんですよ」

「ルチンって、蕎麦にはたくさん含まれているけれど、他にはあまり含まれないように思っていたけどね」
「でしょう?それが蕎麦よりも多いくらいなんですよ」

「それはなにかビジネスになるの?」
「蕎麦ってルチンが多いのはよいのですが、アレルギーもあるじゃないですか。アレルギーはタンパク質が原因で起きるもので、蕎麦にはどうしてもそのタンパク質が含まれていますよね」

「ルチンはタンパク質じゃないの?アミノ酸?」
「ルチンはポリフェノールの仲間なので、タンパク質とは違うんです。だからこのルチンの多い部分を粉末にしてうどんに混ぜてしまえば、ルチンたっぷりうどんなんてのもできるんですよ」
「あ、それはいいねえ。そういうビジネスに繋がるような研究はいいよ、うん」

 北海道の農業を活性化するためには新しい息吹が必要です。S君はナナカマドの一種でポリフェノールがたくさん入っているものと他の果物との交配なども研究しているのだとか。

 いつしか北海道からポリフェノール高濃度の果物が登場するかも知れませんよ。

 様々な世界で活躍する先輩後輩に会うのは嬉しいものですね。

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