今日は釧路市と合併した旧音別町の音別地区と、旧阿寒町の阿寒地区で、今市役所が行おうとしている財政健全化の取り組みについての説明会を開催しました。
地域の住民の皆さんへの市政報告については、市長も出席する市政懇談会というのがあるのですが、今年は上記の二地区については8月の上旬にすでに行ってしまい、そのときには財政健全化への取り組みについての説明ができる状態ではなかったため、追加の説明会となったものです。
釧路市ではすでに平成18年から今年度平成22年度までの5年間にわたり「集中改革プラン」として毎年度50億円に上る財源不足の解消をめざして、行政改革に努めてきました。
しかしながら、その5年間も終わろうとしている今段階で、やはり毎年の財源不足を埋められずにいるという状況なのです。
それは一つには景気の悪化によって市民税が予想を超えて大幅に激減しているということです。本来であればその不足部分を埋めてくれるのが地方交付税交付金であるはずですが、国の財政も厳しいということで小泉改革の時に全体枠が大幅に抑制されて、不足分を補うに至っていません。
そのため、この5年間の間も、毎年の財源不足を減債基金という借金の償還に充てるための、いわゆる市における貯金を切り崩して帳尻を合わせてきました。
ところがいよいよその減債基金も底をつき始めているため、本格的に穴埋めなしで財政が収まるような体質づくりを迫られています。
しかもそんなときに、市が出資している第三セクターである、土地開発公社と振興公社という二つの関連公社の負債があまりにも大きいということで、国から解散を含めて早期の問題解決を図るよう求められています。
この二つの公社は、主に市が行う公共事業のために必要な土地を事前に購入して事業をしやすくするという部分を担っていたのですが、買っていた土地で必ずしも事業が行われず、しかも地価下落により買った時の価格よりも現在価格が大幅に下がっているという状態です。
つまり、市中銀行などから借金をして買った土地がもはやそれだけの価値がないということで、足りない部分を補ってお金を銀行に還さなくてはならないのですが、その借金をしたときに保証をしたのが市であるために、市としての責任は免れないというわけです。
そしてこの二つの公社の負債総額が二つ合わせて約140億円にもなっていて、これは年間の一般会計予算が960億円の釧路市としては、一気に支払える額を超えているため問題を解決できずにいました。
そこで国では、市の厳格な財政運営を条件に、この負債に相当する部分を新たに市が起債として借金をすることを認める「三セク債」と呼ばれる制度を5年間に限って実施することとしました。
そのため釧路市では、この時期に解決させず先送りをすることは、いつか一気に支払いを求められることになるわけですから、今こそ解決しようという重大な決断をしました。
そしてこの前提となるのが厳格な財政運営であり、年間の収支がきちんと収まるような財政計画を作らなくてはならないのです。
※ ※ ※ ※ ※
財政の収支を合わせるには二つのアプローチしかありません。すなわち、収入を増やすか、支出を抑えるかの二つです。
収入を増やすためには経済の活性化が必要で、市としても観光の振興や水産業の振興のために事業を行っていますが、将来に向けて安定した財源にはなりえません。
そのためまずは支出を抑える方向での調整も行わなくてはならないわけで、今日の説明会はそうした釧路市財政を取り巻く背景の説明ということで行われたものです。
※ ※ ※ ※ ※
会場からは、穏やかなもの言いながらも「具体的な対策がまだ示されていないのでなんとも言えない」という意見や、「市役所職員の数や給与が多いのではないか、そちらの改革も先ではないか」といった厳しい意見も出されました。
また合併を選択した町として、「釧路の借金を合併時に隠していたのではないか」とか、「旧の町部の話題よりも、釧路市の事情を説明に来ただけのようだ」といった意見も寄せられました。
ごもっともな部分もあれば、まだ説明が不足している部分もあるという印象ですし、具体的な解決に向けた方策の提示はこれからとなります。
対策が具体的になればなるほど、「なぜこういう対策しかないのか」というさらに厳しいご意見や質問もあるでしょう。
しかるべき時期には、市の幹部も率先して現状や対策について説明に伺うことを考えています。
地方都市財政の厳しい現実を感じながら、現段階で最も良い選択について考え行動してゆくこととしています。
9月には定例議会も始まります。厳しい日が続きます。
なお、明日から来週の月曜日までは道東地区の観光PRのために、地域の首長さんたちとともに上海へ出張してきます。
現地ではネットが使えるようですので、引き続き日々のレポートをお届けするつもりです。それでは行ってきます。
地域の住民の皆さんへの市政報告については、市長も出席する市政懇談会というのがあるのですが、今年は上記の二地区については8月の上旬にすでに行ってしまい、そのときには財政健全化への取り組みについての説明ができる状態ではなかったため、追加の説明会となったものです。
釧路市ではすでに平成18年から今年度平成22年度までの5年間にわたり「集中改革プラン」として毎年度50億円に上る財源不足の解消をめざして、行政改革に努めてきました。
しかしながら、その5年間も終わろうとしている今段階で、やはり毎年の財源不足を埋められずにいるという状況なのです。
それは一つには景気の悪化によって市民税が予想を超えて大幅に激減しているということです。本来であればその不足部分を埋めてくれるのが地方交付税交付金であるはずですが、国の財政も厳しいということで小泉改革の時に全体枠が大幅に抑制されて、不足分を補うに至っていません。
そのため、この5年間の間も、毎年の財源不足を減債基金という借金の償還に充てるための、いわゆる市における貯金を切り崩して帳尻を合わせてきました。
ところがいよいよその減債基金も底をつき始めているため、本格的に穴埋めなしで財政が収まるような体質づくりを迫られています。
しかもそんなときに、市が出資している第三セクターである、土地開発公社と振興公社という二つの関連公社の負債があまりにも大きいということで、国から解散を含めて早期の問題解決を図るよう求められています。
この二つの公社は、主に市が行う公共事業のために必要な土地を事前に購入して事業をしやすくするという部分を担っていたのですが、買っていた土地で必ずしも事業が行われず、しかも地価下落により買った時の価格よりも現在価格が大幅に下がっているという状態です。
つまり、市中銀行などから借金をして買った土地がもはやそれだけの価値がないということで、足りない部分を補ってお金を銀行に還さなくてはならないのですが、その借金をしたときに保証をしたのが市であるために、市としての責任は免れないというわけです。
そしてこの二つの公社の負債総額が二つ合わせて約140億円にもなっていて、これは年間の一般会計予算が960億円の釧路市としては、一気に支払える額を超えているため問題を解決できずにいました。
そこで国では、市の厳格な財政運営を条件に、この負債に相当する部分を新たに市が起債として借金をすることを認める「三セク債」と呼ばれる制度を5年間に限って実施することとしました。
そのため釧路市では、この時期に解決させず先送りをすることは、いつか一気に支払いを求められることになるわけですから、今こそ解決しようという重大な決断をしました。
そしてこの前提となるのが厳格な財政運営であり、年間の収支がきちんと収まるような財政計画を作らなくてはならないのです。
※ ※ ※ ※ ※
財政の収支を合わせるには二つのアプローチしかありません。すなわち、収入を増やすか、支出を抑えるかの二つです。
収入を増やすためには経済の活性化が必要で、市としても観光の振興や水産業の振興のために事業を行っていますが、将来に向けて安定した財源にはなりえません。
そのためまずは支出を抑える方向での調整も行わなくてはならないわけで、今日の説明会はそうした釧路市財政を取り巻く背景の説明ということで行われたものです。
※ ※ ※ ※ ※
会場からは、穏やかなもの言いながらも「具体的な対策がまだ示されていないのでなんとも言えない」という意見や、「市役所職員の数や給与が多いのではないか、そちらの改革も先ではないか」といった厳しい意見も出されました。
また合併を選択した町として、「釧路の借金を合併時に隠していたのではないか」とか、「旧の町部の話題よりも、釧路市の事情を説明に来ただけのようだ」といった意見も寄せられました。
ごもっともな部分もあれば、まだ説明が不足している部分もあるという印象ですし、具体的な解決に向けた方策の提示はこれからとなります。
対策が具体的になればなるほど、「なぜこういう対策しかないのか」というさらに厳しいご意見や質問もあるでしょう。
しかるべき時期には、市の幹部も率先して現状や対策について説明に伺うことを考えています。
地方都市財政の厳しい現実を感じながら、現段階で最も良い選択について考え行動してゆくこととしています。
9月には定例議会も始まります。厳しい日が続きます。
なお、明日から来週の月曜日までは道東地区の観光PRのために、地域の首長さんたちとともに上海へ出張してきます。
現地ではネットが使えるようですので、引き続き日々のレポートをお届けするつもりです。それでは行ってきます。