北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

転勤族が地元の人たちからの信頼を得る方法とは

2015-06-30 23:39:35 | Weblog

 札幌日帰りの用事は職場内研修での講師でした。

 私の依頼された講義テーマは「地方自治体から見た北海道開発局」というもので、新しく管理職等になった人たちに、わが組織が外から、特に地方自治体からどう見えているか、ということをお話しするもの。

 地方自治体に二度勤務している私からの経験が中心ですが、普段あまり地方自治体との付き合いのない職員にはこの機会に地方自治体への理解を深めてほしいという狙いがあります。

 また同時に、今後地方自治体とお付き合いをしていく上での心構えや地域での信頼を得るための工夫や知恵などについても話をしてきました。

 
 ところで、一言で「地域の信頼を得なさい」と言われも、これは相手のある話なので簡単ではありません。
 
 コミュニケーション能力の問題もあります。

 伝えたいことをちゃんと伝えられる能力はトレーニングで養われるべきです。しかしただ能弁であるだけではいけません。

 その人が地域のことを本当に思い関心と心を寄せてくれている人かどうかを地域の人は鋭敏に見抜きます。

 人に好かれようと思ったらまずはこちらが相手に関心を寄せて好きになることです。そしてそれは地域に溶け込もうとしたり理解しようとする態度や姿勢で表されます。

 地域の歴史を学んだり、観光地や景勝の地を訪ねたり、イベントに積極的に参加したりして地元の友人知人を増やしてゆくといったことは、好きな土地ならばきっとすることでしょう。

 それに好きな土地には良い友達がいるものです。地域に心を通い合わせることのできる友達を増やしましょう。

 もちろんごく自然にそういう振る舞いができている人たちもいるはずですが、敢えて研修という形であるべき姿について語らせてもらいました。

 
 問題はここから先です。「なるほど」と思って行動に移せる人と、分かったけれど行動に移せない人、そして研修が終わった時にすべてを忘れてしまう人。

 人は何を思うかではなくて、行動によって表現されるのです。

 「いいな」と思ったことを行動に移せる自分でありたいものです。

 

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掛川のキウイを豊頃町で冷やす~互産互消のプロジェクト

2015-06-29 23:21:49 | Weblog

 明日札幌で仕事があるので札幌の我が家へ帰省してきました。

 夕方に知人から連絡があって、「あなたも会員になっている雪室保存のキウイが届いたから取りに来てください」とのこと。

 このキウイ、私がかつて勤めていた掛川のキウイ農家である平野さんが、道東の豊頃町とコラボして、掛川で取れたキウイを豊頃の雪室で保存して熟成させようという取り組みが行われたものなのです。

 最近は雪氷冷熱での保存ということでいろいろな取り組みが行われています。

 稚内では勇知いもを雪氷で保存してみると春先にはとても甘くなるということがわかってそれがブランド価値を持ち始めています。

 雪室でのキウイ保存はどんな感じでしょう。

 生産者の平野さんの弁では、「気温2℃、湿度90%の静かな環境で熟成すると冷蔵庫よりも長期の保存ができました」ということだそうです。

 静かな環境ってなんだろうと思うと、実は冷蔵庫でも扇風機でもちょっとした振動が発生するので、そういうことが痛みに関係しているのかもしれないとのこと。いろいろなことがあるものです。


      ◆  


 掛川市と豊頃町は実は二宮尊徳の報徳でつながっているマチ同士。二宮尊徳さんの孫の尊親さんが豊頃へ入植して報徳の教えで街づくりを行ってきたのが今日の豊頃町なのです。

 地産地消も良いですが、両方のマチの良さを合わせるとより魅力が増すような組み合わせってありそうですね。

 ただの姉妹都市でいるよりももっと突っ込んだ互いにビジネスとして成功するような協力の仕方ってありそうです。

 スノーキウイの行く末を見守ろうと思います。

【北海道・静岡互産互消プロジェクト】 www.kiwicountry.jp

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Where're you from? ~ビッグデータじゃない外国人観光データ

2015-06-28 23:01:36 | Weblog

 昨日の毛ガニパーティでの出来事。外でバーベキューをしていると、外国人の中年夫婦が近寄ってきました。

 我々のパーティをニコニコしながら見ているので、つい「(下手な英語で:以下同様)どこから来たの?」と声をかけました。すると夫婦は「フランス」と言います。

 フランスから稚内とは珍しい。「旅の目的は何ですか?島へ渡ってみるのですか?」

 すると旦那さんの方が「ビフカ」と言います。(び、美深?こりゃまたピンポイントな目的地だなあ)とこちらはなんだか狐につままれたよう。

「ビフカに何があるの?」
「ジュウニタキ、ハルキ・ムラカミの小説に出てくる場所」

「村上春樹!僕は読んでいないけれど、なんて言う小説ですか?」
「"A wild sheep chase"」

 聞こえた単語を頼りにスマホで検索をしてみると、村上春樹の三作目の小説で『羊をめぐる冒険』という本があり、これが北海道を舞台にしたもので『十二滝町』という架空の町が登場します。そしてこれが美深の仁宇布(ニウブ)地区がモデルらしいとファンの間で有名になり、美深にはハルキストが集うているのだとか。

 ハルキストは世界にいて、しかもその部隊が見たくてわざわざ海外旅行をするなんて、その影響力は大きなものがありますね。

 私などは北海道に住んでいてもこの小説は知りませんでした。皆さんはご存知でしたでしょうか。


       ◆ 


 フランス人夫婦とのやり取りが落ち着いたところで今度は二十台と思しき若い東洋人の女性がふらりとやってきました。

 我々の姿を見てにこっと笑ったので、またまた「(下手な英語で:以下同様)どこから来たの?」と声をかけると「香港から」とのこと。

「一人旅なの?」
「友達も誘ったのですが、利尻・礼文を巡る旅には休暇が長すぎて友達は来られなくて一人できました」

 翌日から礼文島をめぐり野草を巡るトレッキングをして利尻島では自転車を借りるかバスで島めぐりをするつもり、と言っていました。興味深いので我々のパーティのホタテやら肉やら飲み物を出してあげていろいろな外国人目線の話を聞くことができました。

 彼女は「まちなかの看板にロシア語が多いけれど、ロシア人観光客が多いのですか?」と訊いてきたので、「観光客もいるけれど、昔は魚を持ってくるロシア人漁師が多かったよ」と答えておきました。

 外国人目線の興味や不思議、面白い点などを少しずつこうやって聞き取っていると面白いデータになりそうです。


 外国人観光客って、もちろん他の都市ならばもっと多いのでしょうけれど、ふらりときて声をかけて居酒屋に引っ張り込んで旅の思い出をお互いに作るというフランクなところは小さな町だからかもしれません。

 ビッグデータも良いけれど、その一方で小さな町の面白さとフランクな市民性を地道に印象深く伝えられたら面白い評判にならないものかとも思います。

 酔っぱらって外国人に声をかけるオヤジでいようと思います。

 

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美味しい毛ガニの食べ方伝授~稚内の教科書

2015-06-27 22:29:39 | Weblog

 稚内の知人から、「毛ガニパーティをやるので来ませんか」というお誘いがありました。

 毛ガニがふんだんに食べられるというのでまちなかの「ペチカ」というロシア風居酒屋へと向かいました。

 今回の毛ガニは宗谷岬で漁師をしている加賀谷さんのところのものですが、「収穫は三月までで、冷凍していたものですがあまり時間がたつと旨さがおちるものですから今が頃合で食べてしまおうということなんです」とのこと。

 毛ガニの山から一パイいただいて開いてみるとカニみそもたっぷりで夢中で食いつきました。

 一生懸命食べているとカニを提供してくれた宗谷の漁師のKさんが、「カニの美味しい食べ方を知っていますか?」と話しかけてくれました。

「いやあ、ちゃんと習ったことはありません」というと、「じゃあ教えましょう」と漁師風の食べ方を教えてくれました。

 Kさん曰く、「まずカニの甲羅を取りますが、取ったところでミソを食べてしまわないでください」

「あ、だめなんですか」
「はい、甲羅を取ったらフンドシとエラと足を取ってしまいます。足は足で食べてしまってください」

「はい」
「甲羅は、口の周りの部位をとってしまってミソの残った甲羅に、胴体の足の付け根の部分の実を取って入れてゆきます。ここを"ダキ(=抱き)"といいますが、ダキは真ん中から割ります。足の付け根の部分は薄い仕切りの部屋になっているので、足を取ったところからつつくと塊になって取りやすいです」

「なるほど」
「ダキの部分の実だけで甲羅が大体いっぱいになりますから、いっぱいになったところで全体を箸でまぜてミソの味を全体に伸ばします」

「ミソだけで食べちゃダメなんですか」
「実全体になじませてミソの風味を味わう方が美味しいと思うのでそちらを勧めているんです」

 なるほどダキの部分で甲羅に山盛りの実が取れて、混ぜるとカニミソ風味たっぷりのカニが楽しめました。


「こういう食べ方って初めて聞きましたが、どこかで教えてくれるものなんですかね」
「漁師としてこういう食べ方が美味しいと思ってきましたが、誰かに教えたということはありませんね」

 
 身を全部食べてから甲羅にお酒をいれるとほんのりカニミソ風味のお酒が楽しめます。カニミソが多すぎるとくどいとKさんは言います。


「うーん、稚内でカニを食べるときに必要な知識として教科書に載せたいですね。そもそも『稚内の教科書』なんてないですもんね。これは稚内の教科書がいるなあ」


       ◆  


 カニの食べ方だけじゃなくて、ホタテの剥き方や焼き方一つだって、どうやったらいいかという情報って少ないものです。

 稚内に観光で来るときに事前に必要な知識をまとめた教科書ってあっても良さそうだと思いました。
 
 『稚内の教科書』ってどうですか。

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オホーツクのホタテ被害

2015-06-26 23:45:33 | Weblog

 大学の同窓会で集まろうということになり、ごく少人数で顔合わせ会をしました。

 名簿を見ると私ももうかなり上位の年齢層に区分されています。若い人たちがちゃんと地域社会にも入ってきてくれていてうれしくなりました。

 今日は水産関係の方が多く、話題がオホーツク海一円でのホタテの不漁問題になると顔が曇りました。

 昨年は特に豊漁だったオホーツクのホタテですが、昨年の冬12月中旬に道北地域一帯を嵐が遅い、海底の砂が大きく巻き上げられてホタテが砂の中に埋まってしまったことから死滅した貝が非常に多いのだそう。

 ホタテで有名な猿払村で三割減産、それより南側の浜頓別町、枝幸町では五割くらい減産になるのではないか、と言われています。

「でも漁師さんはいいのさ。取れる量が少なくなれば浜値が上がるし共催に入っていたり、ある程度の補償もされるからね。問題は加工場ですよ。外国から人を寄せて雇用していてそういう人たちにやってもらう仕事がないから困るわね」
「今年だけの問題じゃないんですか」

「海の広い範囲で砂が巻き上げられてしまったから『三年はだめじゃないか』という人もいますよ」
「そんなに…」

「海も今や農業の畑と同じで、稚貝を撒いて成長を待って収穫をするというサイクルです。そして今年はこの畑、来年は隣の畑…と年ごとに順番に収穫をする。こんなことができるようになったのは、GPSの発達です。広い海の上でどこで区切るかが分かるようになりましたからね。技術の進歩で助けられていることは多いです。それにしても今回はやられた範囲が広すぎますね」

 
       ◆ 


 すると別な方が、「まあ今回は被害が大きいですが、長い目で見ると悪いことばかりではないんですよ」と言い出しました。

「え?どういうことですか」
「海の底って、ある程度かき混ぜてやらないと海底の酸素が不足して硫化物によってイオウが増えてきます。そうなるとホタテが生育しにくくなって北寄貝が優勢になってきます。ホタテを育てようと思えば海底をかき混ぜる必要があり、地域によっては人為的にかきまぜているところもあるんです」

 海底をかき混ぜた方が良いことはなんとなくわかりましたが、その強さを自然任せではコントロールできません。

 ほど良くっていうのは人間のご都合でしょうか。被害が少なくて地域経済への影響が小さくなるように願っています。

 

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ネットは地方を救うのか、それとも潰すのか

2015-06-25 23:45:14 | Weblog

 宗谷管内はラジオの聴取環境がよくありません。

 レンタカーを借りてドライブしていても、FM局のAIR-GはNHKFMは入らず、地元局のFMわっぴーは聴取範囲が極めて限られています。

 そのうえAM局のNHK、STVそしてHBCまでも雑音がひどくて聞き取れるエリアが限られています。

 もうこちらではラジオを聞くことを諦めていたら、ある知人から「小松さん、スマホを持っているんでしょ?だったらネットラジオで聞けるじゃないですか」というアドバイスがありました。

「そうでした!Radikoがあったんだ!」

 Radikoというのは、道内では民放FMのAIR-GとSTV、HBCがネット上で聞けるサイトです。スマホ用のアプリもあるので、スマホがあれば民放ラジオは聞けるのです。

「でもRadikoではNHKは聞けないんですよね」と言うと、「何を言っているんですか。NHKは専用の『らじる★らじる』というサイトやアプリがあるので、それでAMもFMも聞けるんですよ」
「ああ、そうだったんですかー、知らなかった…」

「それに全国の地域FM局は『サイマルラジオ』や『TuneIn Radio』という無料のアプリがありますから、これで聞くことができます」
「なるほど、パソコンでは聞いたことがありますがスマホがあれば今やネットでラジオを聞く時代なんですね」

「はい、ただしスマホの電池とネット使用量の限度には注意してくださいね」というアドバイスももらいました。

 実際にラジオを聞いた後で調べてみても、ネットの使用量はそれほどでもないと分かりましたが、ラジオを長時間聞いているとスマホの電池がどんどん減っていきます。

 ましてスマホをカーナビとしても使うようならさらに電力の消費量が増えることでしょう。車のシガーライターなどから充電できる備えは今や必需品です。

 都会ではわからないかもしれませんが、地方ではラジオが聞けないというようなちょっとしたハンデが多いのです。

 便利なことは都会から始まって、地方にまで到達するまでは時間差があったり、あるいはやっぱり届かなかったりすることがよくあります。

 最近稚内にあったヤマダ電機が閉店しました。現物を買うという買い物スタイルが、現物は見るけれど買うのはネットで安いところを探して買うという形に変化して、地方の店舗が赤字になっていたからだそう。

 地方のハンデの補うのはやはりネットであり、ネットが地方のリアルを潰すこともあることを目の当たりにして、現代社会の変化を感じました。

 時代について行くのもなかなか大変です。
 
 

 

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感動する心を新鮮に保つために

2015-06-24 23:45:21 | Weblog

 先日名寄で開催された「ビッグデータを活用した観光振興」についてのセミナーでは、終了後に参加者による簡単な交流会が開かれました。

 セミナーの中では道北地域にある観光資源の可能性について、かとうけいこさんが熱心に語ってくれて、改めて自分たちの資源について考える良い機会になりました。

 かとうさんはご自身の活動の一環で、全道をくまなく訪ね歩いて自分自身が納得したことを話していたので説得力があるものでした。

 私自身も転勤した先ではできるだけ現場やフィールドに多く出て、より多くの人と語り合い、地域の実相を探るというフィールドワークをしているつもりで、かとうさんと同じようにその可能性を追求しているつもりです。

 しかしながらここで、やはりいつかはこの土地を離れてゆく風来坊の私と、長く地元に暮らしていてこの土地に責任を持たなくてはならない人たちとの違いということも考えさせられました。

 それは、その土地の資源に感動して「すごいじゃないか!」と言う人でも少しそこに長くいるとその感動が麻痺してしまうといういたしかたのない事実があるからです。

 私自身、稚内に赴任して部屋の窓から外を見ていると、高台の向こうに利尻富士がドーンと見えることに感動し、また、北側の海の水平線には天気の良い日にサハリンがくっきり見えることにも大感動でした。

 今でも訪ねてくる知人に、「この部屋から利尻富士が見えるんですよ」と晴れた日に見せてあげると皆大喜びなのですが、私自身の感動は初期の頃よりも確実に薄れていることが分かります。

 まだヨソ者であることをいつも自覚し、新鮮さを失うまいとしているつもりの私自身でもそれを受け入れざるを得ないのです。

 まして、地元に長く暮らしている人たちにとってはどんなに美しい風景や資源でも毎日接し続けていることで感動が薄れてしまうことは仕方がありません。

 では感動を少しでも取り戻したり新鮮に思うためにはどうしたらよいか。

 私は二つのことが思い浮かびます。

 一つは自分自身がそのマチを離れて旅をしてみること。比較する視点を多様に持つことで、他との違いを再認識し、自分たちの立ち位置を見直すということ。

 もう一つは常に外から新しい人を呼び寄せて新鮮な感動の声を浴び続けること、この二つです。

 外との視点の違いというもの、他との差を認識できなければ自分たちを相対的にみることができなくなってゆきます。そうならないように自分かよその人が動かなくてはならない、新鮮さを常に取り戻せるような仕掛けを用意しておかなくてはならないのです。

 私は自治体職員などは、ずっと地元の役場にいるだけではなく他の自治体や国とでも積極的な人事交流を行うことで他者の視点を手に入れられると思います。

 そしてその先で、知り合いや友達を増やすことがお互いの自治体や職員にとってもメリットの大きいことだと思うのです。

 マンネリに陥っているなあ、と気がついたら旅をするか、他者の話を聞く。このことを知って実践すればきっと新鮮な感動が長持ちすると思います。

 
       ◆ 


 たとえば地酒の良さ、というのはそういうところにあります。

 わがマチを訪ねて来てくれた友には、全国の美味い酒でもてなすのではなくて、美味かろうがイマイチだろうが地酒を出しましょう。

 「これは美味しいねえ」となるか、「申し訳ないけれど、私の故郷のお酒の方が美味しいです」となるかなんてどちらでもいいのです。

 要はその違いを味わってもらえれば良いのです。

 ただしそのためには地酒に自信が持てるように日頃から頑張っていることが前提です。そしてわがマチの自慢としてお出しをする。そして評価をいただき、それをネタにしてさらに話が弾む…。

 こういうことを繰り返して成長をする過程こそが楽しいし大切な時間なのだと思うのです。

 自分自身の感性を新鮮に保つための工夫について、皆さんはどういうことをしていますか。

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ば、ばふん焼き…って、一体何?

2015-06-23 22:32:25 | Weblog

 先日敏音知岳登山を楽しんだ中頓別町ですが、下山した時に道の駅ピンネシリではテントのお店が出ていていろいろな食べ物の提供がありました。

 肉の大きな焼き鳥(120円)やシカ肉ソーセージ(200円)は価格もリズナブルで美味しくいただきました。

 シカ肉ハンバーガーは500円とちょっとお値段が張りますが、モスバーガー風で肉のボリュームもありソースがたっぷりで結構美味い。

 中頓別町では数が出ないかもしれませんが都会だったら数も出るでしょうし珍しさも加われば結構勝負になるかも知れません。都会人に一度食べさせてみたいものです。


       ◆ 


 そんな売り場の中に「ばふん焼き」という品書きを見つけ、(ばふん焼き?なんだろ)と思って一個買ってみました。

 一見するとあんこの入った大判焼き風ですが、中身は…なるほど道産素材のカレーが入っていました。カレーを「うん●」に見立てた洒落っ気のあるネーミングです。

 面白かったので売っていた若い男性に質問をしてみました。

「どうして『ばふん焼き』なんて名前にしたんですか?」
「はい、中身どおりに『道産素材のカレー焼き』といったって面白みもなければ注目もされないと思いまして、シャレで名づけました」

「ああ、それはいいですね。どうも日本人はバカ正直なネーミングをしてしまって面白みに欠けますからね。大賛成です」
「ありがとうございます」

「ところで、せっかくカレー素材を詰めた大判焼きだったらいっそのこと激辛のバージョンも作ってさらに注目されるというアイディアを思いついたんですが、どうでしょう?」
「実はそれも考えました。ところがこれをやってみると、子供には大受けで子供たちは買ってくれるんですが、お年寄りはあまりこういう新しいものに手を出してくれなかったんです。地元のイベントってお年寄りが多いものですから、ちょっと激辛は売れないねということになって優しい味の一種類でやってます」

 ちょっとしたイベント用の食べ物ですが、ネーミングや味わいまでいろいろと考えた末の商品でした。

 しかし多様性がウケないのが人口の少ない市町村の悲しいところ。地域限定にしておくのは惜しいなあ。一度都会で勝負してみせたいとちょっと悔しい思いが残りました。

 

【こちらが鹿バーガーです】


   【ほのぼのしたイベントでした】

 

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あなたのスマホもデータかも ~ 観光戦略にはビッグデータを使おう

2015-06-22 23:02:16 | Weblog

 旭川、留萌、稚内という道北の三つの開発建設部が連携して、地域の観光振興を考える勉強会が名寄市で開催されました。

 今回のテーマは、「ビッグデータで見る観光動向と今後の可能性
 ~道北地域連携・地域づくりセミナー~」で、最近流行のビッグデータを使って戦略的な観光振興策を練りましょう、というもの。

 ビッグデータとは、従来のデータベース管理ツールでは処理しきれないほど巨大で複雑なデータの集合体の事。

 何百万人もがどこにいてどう移動したか、といったことが、今日ではカーナビやスマホなどから取得することができます。

 冒頭で旭川開発建設部の丹野弘部長からは、「かつて道路計画を作る際には、アンケートや少ない調査データから全体を類推するしかなかったが、今日ではそれがより正確なデータとして収集できる時代になった。これからの観光振興策はこうしたビッグデータをうまく利活用して行うべき時代になった」という、今回の勉強会の意義が説明されました。


 続いてドーコン交通部の松村次長さんからは、ビッグデータに対する国レベルの動きが紹介されました。

 ビッグデータと言っても様々な収集元があり、またデータにも種類があります。その中から目的に応じて必要なものを選別して集めなくてはなりません。

 またデータを集めるだけではだめで、それを現状分析や観光振興の戦略策定に用い、さらには戦略のチェックやフォローアップにも使われます。

 そうしたことへのサービスとして政府の「まち・ひと・しごと創生本部」では、地方自治体が地方版総合戦略を策定する際の情報支援ツールとして、平成27年4月21日より、地域経済分析システム」(RESAS(リーサス))の供用を開始しました。 http://bit.ly/1FwsiDl

 データは分かりやすいように「見える化」されることが大事です。例えばこのRESASの中には、携帯電話のソフトバンク所有者による人々の移動データが見えるようになっています。道内都市から稚内への移動データを観てみましょう 

 

【RESASによる分析】道内都市から稚内への移動データ
 http://bit.ly/1H6iNA3

 まだデータ数が少ないのでこの程度ですが、今後様々な種類のデータが増えてゆくでしょうし、分析の品質も向上してゆくに違いありません。
 

   ◆   ◆   ◆

 

 第二部は、「道北地域の観光振興の可能性を考える」というテーマで、これまでの成功事例とこれからのアイディアが紹介されました。

 登場したのは留萌観光連盟事務局長の佐藤太紀さんと、宗谷シーニックバイウェイルート運営代表者会議事務局長の杉川毅さん。

 留萌の佐藤さんからは、「情報発信から情報伝達へと意識を変えたいと思う。情報のフィードバックを行って留萌管内として観光まちづくりを進めている」とのこと。また、「留萌管内はホスピタリティが弱いので、それを強化したい」とし、さらに「最近は天売焼尻での体験キャンプを進め、また道北最大級の吹奏楽合宿のメッカになりつつある。楽器を運ぶには質の高い道路が必要で、良いインフラが地域に目を向けるきっかけになる」とも。

 また稚内の杉川さんからは、「利尻・礼文も含めてかつて81万人の観光入れ込みが、今では約50万人に減った。特に、道外客はともかく、道内在住者が利尻礼文へ行ったことがない人が多くなっている。その原因としては、団体での旅行が減り個人旅行が中心になってきたことが大きいと思う」という現状分析がありました。

 また、「以前札幌でレンタカーを燃料付きで10台貸して稚内への旅をまかせてみた。多分日本海川沿いに北上するのじゃないか、と思っていたら、半数は深川まで高速できて、そこから国道275号線を使ってなんとオホーツク海側の浜頓別へ抜けてそちらを回って稚内へたどり着いた。それで初めて観光客は目的地があっても最短の道だけではなく周遊ということをするんだと思った。今日の勉強会を踏まえてビッグデータについて勉強してみたいと思った」と感想を述べられました。


       ◆  


 最後に道北地域の観光の可能性として、まちづくり観光デザインセンター代表のかとうけいこさんから、道北地域の観光資源のすばらしさについてあらためて多様な視点が提供されました。

 なかでも大雪山の素晴らしさは、外国人旅行者ほどよく知っていて道民や上川管内の人の方がそれを知らずにいるという指摘がありました。

 非日常を求める外の人の憧れと、地元民としては日常の暮らしの中にある当たり前の価値とのギャップを考えさせられます。 

 そして、「美しい風景や美味しい料理はもう当たり前で、北海道はそれだけハードルが高い大変な地域とも言えます。だから『今だけ、ここだけ、私だけ』の特別感や暮らしを感じるストーリーを提供しましょう。地域の資源をさらに楽しくするにはもう一味を加えて、誰に合わせるか。どこで誰と何を食べるかを鍵にしてはどうでしょうか?」という提言。

 かとうさんとは長い付き合いになっていますが、最近は現場をよく見る機会に恵まれて、自分自身の腹落ちした情報を力強く発信してくれるようになりました。

 さて、では地元民の我々はどう提言を実践してゆくか。ビッグデータという新しいツールを活用しつつ、地元の「人」を活用してゆくという王道は変わらないような気もします。

 道北の観光振興は、隣り合った開発建設部が連携して支援してゆきますよ。

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中頓別町敏音知岳(ピンネシリダケ)山開き登山

2015-06-21 22:49:11 | Weblog

 今日は中頓別町の敏音知岳が山開きだというので登山をしてきました。

 その途中で知駒岳山頂付近から中頓別方面を見るときれいな雲海が広がっていました。

 よく見ると、頓別川の上空に沿って雲がたなびき、その雲も結構速く流れていています。九州は高千穂で見た雲海が忘れられませんが、それに劣らないくらい幻想的な風景です。

 全体で見ても綺麗ですが、雲に木々が隠される感じが墨絵のようで、写真のポイントを探して走り回りました。

 地元のセイコーマートで買い物をしたときに、「今朝高い山から雲海が見えましたが、地元ではそんなことをしってますか?」と訊くと、「さあ、聞きませんね」とのこと。

 案外中頓別では雲海が売り物になるかもしれませんぞ。


       ◆ 


 さて敏音知岳の登山。標高は700mくらいとのことで藻岩山よりも少し高い感じの山。頂上には三吉神社の小さなお社があるというので、上り口には鳥居が。登山道も参道なんですね。

 さてまずは植林されたトドマツなどの林の中をだらだらしたのぼりが四合目くらいまで続きます。

 そこからさきは角度が急になるのでつづら折りで道は左右に大きく振れながら上り続けます。

 八合目を過ぎたところにある船のへさきの様な形をした軍艦岩を過ぎると、頂上付近が見え始めます。そしてここからは急な坂を一気に登るのですが、登山道の土が乾いて滑りやすくちょっと危険。

 しかも今日は山開きを記念するイベントとして、「登山道マラソン」なる催しが開催されていました。これは道の駅のスタート地点を出発して、山頂をゴールにする登りだけのマラソン。

 先に出発していた私などは次から次に追い越されてゆきましたが、参加者はもう真っ赤な顔をしてぐんぐんと登って行きます。後で聞くと、トップの人は下から山頂までを29分で登ったそうな。

 私の足では1時間50分、普通の人なら二時間と少しくらいの時間を見る登山で、29分とは考えられないスピードと体力であります。

 今日は快晴の天気で日差しも強く、木陰から離れるとじりじりと焼かれる暑さに耐えつつ汗びっしょりになりながらひたすら山頂を目指すこと二時間あまり。ようやく頂上に到着です。

 ここからの眺めは最高で、遠くは日本海に浮かぶ利尻富士から浜頓別のクッチャロ湖までが見渡せます。

 日本海からオホーツク海までが一度で見られるというのはなかなかの絶景です。氷河に削られて高い山のない道北地域にあっては高くて長めの良い特徴ある山ですね。まずは一度で登ってみることをお勧めしますよ。

 山を下りてきたところで中頓別町の小林町長さんとばったり遭遇。遊びに来たことを喜んでくれました。

 今度は家族を連れて砂金掘りと鍾乳洞を楽しもうと思います。今日は中頓別町を堪能した一日でした。

 

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