北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

昨今のタクシー事情~外国人客が増えまして

2015-10-31 23:28:00 | Weblog

 昨夜から札幌へ戻って今日は都市計画学会での研究発表会に参加していました。

 様々な分野での最前線での研究や実践活動報告にインスピレーションと元気をもらいました。

 さてその前後でタクシーを二回利用することになり、運転手さんと車内で最近のタクシー事情についてリサーチをすることに。

「最近は外国人のお客さんを乗せることが多いんじゃないですか~?」
「いやあ、結構多いんですがなかでもやはり中国人は多いですね。さっきもね、”チャイニーズ?”と訊いたら"イェース"って返してきましたよ」

「行く先を指示するのに言葉の壁ってありませんか?」
「はい、最近はスマホを見せて、『ここへ行ってくれ』っていう方が多いです。ところがその表記が中国語でホテル名が漢字なものですから、"イングリッシュ・オア・ジャパニーズ・プリーズ"って言うと、"オー"とかいってスマホの表記を英語化日本語に変えてくれるんです。そうするとどこかはわかりますね」

 なるほど、帰るホテルなんて伝える側もふんぞり返って「俺の言うことが分からないのか」なんて態度ではなく必死なわけで、こちらも分かろうと必死になっているのですから、スマホの翻訳機能や表記の言語を変えることで意思疎通はそれほど難しいことではないのかもしれません。


「先日はねえ、日本に一年くらいいたという中国人がカップルで乗ってきましてね。その男性の方が"キツネドオリへ行ってください"と言うんですよ」
「キツネドオリってどこですか?」

「それが書いてある漢字を見せてもらったら"狸小路"って書いてありました(笑)」
「なるほど、うろ覚えだとそうなるんですね(笑)」

 それ以外にもスペイン語やポルトガル語のお客さんも増えてきているようで、タクシー業界も外国語対応が忙しいようです。

 タクシーに乗るときは運転手さんに話しかけて最近の話題を聞くようにしているのですが、ちょっとした最前線の世相が垣間見れて楽しいですよ。

 

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行き難いところにこそ価値がある

2015-10-30 23:45:48 | Weblog

「小松さん、ダムカードってあるでしょ?」先日岬めぐりの話をしたまちづくりの友人が訊いて来ました。

「あるよ」

 国道交通省ではダムに対する理解を深めるために、平成19年より「ダムカード」を作成し、ダムを訪問した方に配布しています。

 カードの大きさや掲載する情報項目などは、全国で統一したものになっていて、大きさはクレジットカードほどの大きさ。紙をビニールパウチしたものでそれほど高級な感じはありませんが、これが結構ダムマニアにはウケています。

 おもて面はダムの写真で裏面はダムの形式や貯水池の容量・ダムを建設したときの技術、といった基本的な情報からちょっとマニアックな情報までが凝縮して載せられています。

 現在北海道では大雪ダム、豊平峡法ダム、定山渓ダムなど16箇所のダムでダムカードを配布していますのでぜひダムを訪れてもらってあげてください。

「…で、ダムカードがどうしたの?」
「ダムカードってどこへ行っても同じようにもらえるじゃないですか。でも中には行きやすいところもあるけれど行きにくいところもあるはずです」

「そうだねえ。それを言うと岬めぐりだって、簡単に行ける岬もあればそうそう簡単にいけない岬もある。知床岬の突端は行くのは難しくてせいぜい遊覧船で戦場から見るくらいか。礼文島の北端のスコトン岬なんて船で一泊しなくちゃ見れないかもね」
「それでだよ。その行き難さを点数化したカードを発行して点数をためるのはどうかというお話。ダムも簡単にいけるところは10点で、ちょっと苦労して行くところは20点という風にね」


    【礼文島のスコトン岬】

 

「なるほど、岬だと知床岬は50点と最高点で次がスコトン岬で40点。車で簡単に行けるような岬だったら5点か10点だ。そうやって強くてレアなカードを持つと嬉しいし、しょぼいのはいくらあっても仕方がないってわけか」
「そうやって、自分の岬点数が何点になったかを競ったり、なんだったらゲームにしちゃっても良い。最近のカードゲームは強いカードのためにお金を使うというそんな感じでしょ。それならその分の苦労とお金を旅に当てればいいのじゃないかな。自分の苦労がお金と時間を通じて自分の強いカードにつながる。小松さんの言う岬めぐりも単に自己満足の世界から、苦労に応じた何かをゲットできるという仕掛けができればまた面白いのじゃないですか」

 岬で自分入りの自撮り写真を見せればカードを発行してくれるという風にすれば発行場所はどこでも良いかもしれません。

 自分の苦労が点数や強さなどの何かになって報われるというのは、本来の旅好きに言わせると邪道かもしれませんが、スタンプラリーと同様に、心を掻き立てる何かにつながるかも。

 最近は海岸沿いの道路がトンネル化して内陸へ内陸へと入る傾向があって、岬の突端へ行こうと思うと旧道を苦労していかなくてはならなくて難易度が増していそうです。

 苦労を点数に変えて自分のモチベーションにするという作戦って何かに使えませんかねえ。

 

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ネットによる通信制高校「N高校」に注目

2015-10-29 23:45:55 | Weblog

 稚内の地の拠点である北星学園大学で、今週水曜日から三泊四日で「地域未来経営塾@道北」が開催されています。

 元北大総長の丹保先生や東京農工大学の堀尾先生を始めとしたすばらしい講師陣の講義のほか、地元北星学園大学の先生たちによる地域ガイド、そして受講する塾生たちにはここ最北の稚内でのビジネスの可能性について提言をまとめてもらうという厳しい課題が設定されているこの未来塾。
 道内自治体や地元稚内に加えて、東京や東北などからも会社経営者や未来を担う中堅の方たちが一堂に会して意見を交わす四日間です。

 冒頭の丹保先生の講義はとても迫力があったのですが、迫力がありすぎて頭を整理するのに時間がかかるので、今日はもう一つ講義で知った別な話題を一つ。それは出版の角川とニコニコ動画で知られるドワンゴがコラボして、新しく通信制の高等学校である『N高等学校』を来年の2016年4月に開校するという話題です。(現在申請中)

 今日は角川ドワンゴから園さんという若い部長が来て少しだけ説明をしてくれたのですが、要は、ネットによる通信制の高校で、しかも学校教育法第一条に定められた高等学校の卒業資格が得られるシステムを作るというのです。



 その部長さんは、「当初の狙いはオタクやニートのような、既成の高校の枠組みにはまりきれない子供たちの才能をネットの授業を受けることで伸ばしてあげて、社会に貢献する人材を育成しようというものだった」と言います。

 レポートなどもネットで提出。自分のペースで授業が受けられるし、しかも普通の教科に加えてプログラミングやファッション、ゲームなどのより実践社会に近い分野のこともネットで学べます。

 特にプログラミングやウェブデザインなどのITスキルを高校の段階で育成することでこれからの時代が必要とする人材が育ちやすいのではないか。実際、プログラミングなどは若いほど覚えが早く、最先端で活躍しているプログロマーが15歳だったりすることもあるのだそう。



 ネットの授業なので子供たちが地域を離れて暮らす必要もなく、通学やその他の余計な時間を学校で過ごす必要もありません。

 余計な時間を効率的に使って浮いた時間で自分のやりたい勉強を思い切り突き詰めて才能を大いに伸ばしてもらいたいというのが根底の思想。

 年五日程度はスクーリングとして沖縄や東京、大阪などで面接指導会場で授業を行うことにしていますが、かなり自由度の高い内容です。

 ここで学んで、地域のIT問題を解決するような人材になれればキャリア教育の一つの課題解決になるのではないかと考えている、とのこと。
 
 ある先生は、「ニートやオタクという単語が良くない。一律の教育から外れてしまった人をそう呼んでいるだけだ。一芸を持っている子たちを画一の枠組みから外してしまっているのではないか」とおっしゃっていました。

 これからの時代は、ITスキルを持った集住人材が地域にいることがとても大切になりますが、そういう人材を育成する必要があるのに、現在の文科省の教育政策ではそれが全くやれていない。角川ドワンゴが一気にそこをやろうとしているところに新しい時代の息吹を感じます。

 多様な人材を育成するためには多様な制度やシステムで対応することが必要な時代なのかもしれません。

 
 N高校、注目です。

【N高校】 http://ed.kadokawadwango.co.jp/index.html

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平成の「岬めぐり」はいかが

2015-10-28 23:15:52 | Weblog

 先日まちづくり系の友人に会って、いろいろな意見交換をする中で元気をもらいました。元気な友人に会うことで自分が元気になれるという実感があって嬉しくなりました。
 やはり自分も元気でなくてはいけませんね。


 彼はまちづくりのいろいろなアイディアを持っているのですが、「地域をブランド化して売り出すということがあると思うけれど、地球岬の話って知ってる?」と訊かれました。

「いや、それなあに?」
「室蘭にユースホステルのマネージャーをしている藤当さんって方がいるんだけど、彼が地球岬を宣伝するのに、『北海道三大岬の一つである地球岬をぜひお訪ねください』って言っているんだよ。じゃあ『三大岬ってほかにあと二つはどこ?』って言ったら、『そんなのはないよ(笑)』っていうオチ。でも言ったもん勝ちで、それがネットを見たら検索で出てくるようになっているんだ。
 つ・ま・り・だ!地域をブランド化することで関心を引いて観光客を呼び込むということにもっと熱心になった方がいいのじゃないのか、と僕は思うんだけどね。そういう意味では三大岬なんて適当だといいながら上手だなあと思ってさ」


 しかしそれで逆に私が温めていたネタを思い出しました。

「おお、じゃあ岬つながりで逆にネタを提供するよ」
「お、なに?」

「今の地球岬も有名で見どころだけど、さっき言ったように北海道なら岬なんて三大どころかもっとたくさんあるだろう?最北の宗谷岬はもちろん、"地の果て知床岬"に"何もない春の襟裳岬"、北方領土隣接の納沙布岬に神威岬、函館には石川啄木ゆかりの立待岬だ。まあ数は多いよね」
「確かに三大と言われたら絞り込めないなあ(笑)」

「それらを巡るスタンプラリーをするっていうアイディアだ。これってもうバスやJRを使った旅行商品になっていたり、北海道の岬巡りでブログを書いたりしている人もいるんだけど、それを自治体が連携してちゃんと岬のスタンプを作り、またスタンプ帳をネットで配布するなどして、一つのムーブメントを作ったらどうかと思うんだ。そのためには北海道の沿岸沿いにある道の駅の連携や、道内企業のセイコーマートさん、各自治体の漁協さんなどとの連携もあるんじゃないか。
 これを実行するには岬を抱えている自治体同士の連携が必要で、道庁や市町村会の力が必要だと思うけれど、単独の岬が自分のところにきてくれ、という以上に、北海道の全部の岬を巡るということの達成感を味わってもらって、それが地域に経済効果をもたらすということを期待したいと思うんだけど。
 僕らが若かったころに、山本コウタローが『岬めぐり』という歌を流行らせたけど、『平成の岬巡り』ってのはどうかな」

「それ面白そう!うまくいくといいな」
「もちろんさ。小さくて力のない自治体が自分のところだけの枠を超えて関連する自治体が連携できるかどうかってことだし、それに参加してくれる人に対して地域を売り込んで、宿泊やお土産などの経済効果を作り出せるかは地域の知恵の出しどころだと思うよ」


      ◆  


 今でも道の駅スタンプラリーは人気のある行事ですし、吉田類さんが監修する酒蔵巡りスタンプラリーの『パ酒ポート』も実際に参加してみると面白いものでした。パ酒ポートは私も相当お酒を買ってしまったので、ちょっとは経済効果に貢献しました。

 さて平成の岬巡りは北海道での人気の行楽行事になるでしょうか。

 
【山本コウタロー 『岬めぐり』】

 

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今度こそ正しい迷惑メールの対処方法~逃げずに反撃

2015-10-27 21:03:11 | Weblog

 昨日はパソコンの迷惑メールの対処についてこのブログ記事を書きましたが、迷惑メール情報を送信する際に自分がやっていた誤った送信方法を記載してしまいました。

 そのため昨日の記事を書き改めて、正しい送信方法①~③を記載しました。不勉強で迷惑をおかけしたことをお詫びします。

  ---【以下、書き改めたメール】---

 パソコンのメールを長年使っていると、自分のメールアドレスが知らぬ間に流出して、いろいろな迷惑メールが来るようになります。

 メールソフトで特定の単語が出てきたら『迷惑メールフォルダー』に自動的に移すという処理もしていますが、想定外の切り口で届くメールも多いもの。

 私は「ウィルスバスター」というウィルス対策ソフトを導入していて、これを操作することで悪意のあるメールを自動的に排除することもできるのですが、これらの処置をしてもなお排除のための防衛網をかいくぐって届くメールは多いのです。

 迷惑メールが来ることで自分のメアドを変えて逃げるという手もありますが、その場合はメールをやりとりしている友人・知人にメアドを変えたことを伝える必要があって、それもまた上手く伝わらなかったりして煩わしいものです。

 皆さんはそんな迷惑メールの対処をどうしているでしょうか。


      ◆   ◆   




 実は私も長くこうした迷惑なメールに悩まされてきたのですが、最近になってやっと総務省による迷惑メール撃退方法があることを知って、対処したことで成果が上がりつつあります。

 その具体的なやり方をお伝えいたしましょう。

 迷惑メール対策の大本は、総務省の外郭団体である一般財団法人日本データ通信協会というところで、こちらのサイトに迷惑メールの情報収集と情報送信の方法が書かれています。

 センターが指定するやり方をご紹介します。


①迷惑メールを指定して『添付ファイルで転送』をクリック。

②転送で送信するアドレス欄に、迷惑メール相談センター指定のmeiwaku@dekyo.or.jp というアドレスを選ぶ

③送信ボタンを押す

 作業の中身はこれだけです。



 私はアドレス帳の一番上にこの迷惑メール送信先アドレスがくるようにしていて、すぐにここが指定できるようにしています。

 最初のうちはこれをやってもまだメールが届いてくるかもしれませんが、私の場合、根気よく根気よく一つずつ潰していくうちにやがてその手のメールが届かなくなりました。

 逃げても避けても追いかけてくる迷惑メールですが、こうやって反撃をしてやりましょう。


  ---------

 
 それにしても、自分の誤ったやり方を紹介したところ、すぐに見ず知らずの方が「それだと危ないですよ」と忠告してくれるのも繋がっているネットの力と言えるかもしれません。

 このアドバイスがなければ一生間違ったやり方で過ごしていたかもしれません。

 生半可な記事内容では私の記事が迷惑な記事になってしまいました。反省と感謝の一日でした。

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道展を観てきました~今年は創設90周年記念

2015-10-25 23:04:19 | Weblog

 北海道美術協会による道展の展覧会を観てきました。毎年のこの時期は芸術の秋を感じさせてくれる催しです。

 今日は時折あられが降る悪天候の中、午後に会場の市民ギャラリーへ向かいました。

 
 今年は創設から90周年の記念道展ということで、11月には企画展やワークショップなどの関連事業も予定されているようで活動内容も例年より広範になるそうです。芸術に触れる機会が増えるのは良いですね。

 会場に着いたときに丁度、審査をされた道展会員の先生たちによる作品説明ガイドツアーが始まるところで、これはラッキーとその列についてゆきました。

 

 道展は日本画、洋画、水彩、版画、彫刻、工芸の6部門を擁していますが、それぞれのジャンルごとの説明は大変興味深いものでした。

 洋画の具象の先生は、「作品を審査するときはただ作品を観るだけではなく、応募された方の過去の作品も頭に浮かべて、昨年から変化した点や技術の向上などを観ます」という説明。

 また洋画でも抽象画の先生は、「抽象画は具象と異なり、目に見えているものではなく作者の胸のうちを表現するので様々な形がある。理解できるかどうかよりも心がどう動くか感じてみてください」とお話してくれました。

 彫刻では木の作品を引き合いに出して「木の彫刻は、原木から木を削って減らしてゆくマイナスの作業で自分のイメージを作り上げてゆきます。大胆に削るところと繊細に部分を表現する様子などをじっくり観てください」というお話。

 水彩の先生は、「今は新しい絵の具の登場で、かつての水彩画というイメージからはかけ離れた作品が多い。透明を表現できるアクリル絵の具や下地に染み込んで色が決まる時間がかかる下地と絵の具によって『拭き取り』などの新たな技法も使えるようになった。表現の幅の広がった水彩画を楽しんでください」という説明。
 最近の絵の具の進化によって表現の幅が広がっているというのは興味深いですね。

 工芸は、陶芸、金工、染色、塗り、人形、彫金などジャンルの幅が広いのが特徴です。私も学生の頃に金工の同好会を作って作品を作っていたので、とても興味深い分野です。


 今回は、90周年記念大賞として、90周年記念大賞として岩見沢市の佐藤歩惟さんによる工芸作品「spring stove」が大賞を受賞。ほのぼのとした造形に懐かしさと暖かさを感じる作品になっています。
 妻と「本当に薪を燃やしてみたいね」という会話をしながら作品を楽しみました。  


    【90周年記念大賞 ”spring stove”】

 最後に版画のところでは、「複数枚作れるのが版画の良いところですが、最近は最終の絵姿を決めないままに何枚もの版を重ねてゆき、一品しかできない・作らないという作品が増えています。しかしそれもまた版画であって、作者が表現したかったものを感じてください」とのこと。

 様々な芸術表現の形を楽しみながら、自分の中の創作意欲が掻き立てられるような刺激を感じました。

 展示会の中でスタッフの方に「写真を撮影してブログなどで掲載することはかまわないのですか?」と訊いてみると、「紹介だけでしたら結構です」とのこと。いつからか、厳しすぎる肖像権管理が緩くなり、勉強の機会が増えているように思います。こういう自由さは良いですね。


 東京以北では最大の美術公募展の「道展」。道内他都市での巡回展もありますが、入選作・会員の作品全てが観られるのは札幌の市民ギャラリーだけ。

 お近くの方はぜひごらんになって芸術の秋をお楽しみください。

【道展】http://www.doten.jp/index.html  

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床屋さんでのビジネス談義~たかが床屋と言うなかれ

2015-10-24 22:50:36 | Weblog

 

 一年前から三人の理容師さんが共同経営で始めたいきつけの床屋さんへ行きました。
 今日カットしてくれたのは初めて話をする若いお兄さん。

 お店が今のところに移ってきたときからの常連なので、人気のほどが心配ですがどうしてどうして、次々にお客さんが入ってきて随分盛況です。
 私も小一時間ほど待たされるほどですが、接客の態度を眺めながら楽しそうに働いている人たちを見てちょっと安心しました。。

「随分お客さんが来ていますね。こっちも嬉しくなってきますよ」
そういうと彼は、「回転直前に店の中のペンキ塗りまで自分たちでやったことを思い出すと、なんとか一年続いてくれたのが感謝です」と謙虚な口ぶり。

 そこで床屋をめぐるいろいろな世間話が始まりました。

「僕もかつては、何人もの理容師さんが分業で安くカットしてくれる床屋さんに行っていたんですが、なんだか味気なくて段々足が遠のいてきたんです。こういうお客とのコミュニケーションにはどういう気をつけていますか?」

 ちょっと意地悪だけど、流行る床屋はコミュニケーション力が高いのではないか、という仮説を立てて反応を見ることにしました。

 すると彼は、「僕は過去にホームセンターでアルバイトでお客様対応をしていたのと、床屋になってからついた師匠が良かったので、お客さんへの対応はいろいろと教えられました」
「ほう、たとえば?」

「お客様が入店してきたら、まずは目を見て挨拶をするということは基本ですが、たとえば服を預かってハンガーにかけるときでもその服が冬なら冷たいか、夏なら熱いかを感じて、寒ければ頭を蒸すときにより暖かくするとか、そういう工夫をしています」

「おお、奥が深い」
「それにお客様が感じたことを全て口にしてくれるわけではないし、逆に言った事で全ての思いが伝え切れているわけでもない。だからいろいろなことを感じることだ、とも言われました」

「でも話しかけられてそれに応対することで、この床屋のファンになってくれる人が増えるのじゃないですか?」
「そこは難しいところで、ある日何回か親しく会話をしてくれたお客様がいらしたので、軽く話しかけてみたところとても不機嫌な感じでだんまりを決め込んでしまわれました。同じ人でもその日の気持ちの有り様は同じではありません。そのあたりも気をつけて、様子を見るために最初はそっとはいるようにしています(笑)」

「こちらのお店は総合調髪で2千円程度でしょう?他へ行くと1600円くらいで素早くやってくれるところもある。そういうお店はどう思っているの?」
「でもお客様はあの手のお店をどう思います?」

「うーん、淡々と安く仕上げてくれるのだけが取り柄ってところかね。知っている理容師さんもいないし」
「そうなんです。あの手のお店は、『お客さんから話しかけられたときには会話は軽く受け流す程度にすること』というマニュアルがあるって聞いたことがあるんです」

「ええ?どういうこと?」
「お客さんと会話が弾むとつい丁寧にやろうかという気になるのと、お客様から『このあたりはもう少し短くしてくれないかな』などといった注文が気安くなるんです。しかしそれをやっていたらどんどん速いペースで次へ進めません。だからお客さんが話しかけにくい雰囲気を作るんです。カットや髭剃り、シャンプーのたびに担当者が変わるのも、話しかけにくい雰囲気を保つためなんですよ。それに仲の良いお客さんがついた理容師は同じ系列の他店へ転勤させると聞いたこともあります。つながりが深まると独立されてしまうから、とも聞きました」

「本当かなあ。でも言われてみるとそういう面もあるかなあ」
「僕は、決してそういうお店を馬鹿にしているわけではありません。そういう安くて早いところがいいと思って続けて通う方もたくさんいらっしゃいます。そういう雰囲気よりはうちのほうが良いと思ってくださるお客様もいます。
 しかしお客様が『これこれこういうところが良いから来ている』とか『こういうところが気に入らないからもうこないよ』などとおっしゃる方はいません。
 僕は、床屋へ来て大満足を与えられるなんて方は十人に一人もいないと思いますが、せめて『来る前の不満はなくなった』と感じてお帰りいただけるようにと思いながら髪を切らせてもらっています」

「料金がもっと安いところと比べて高いと不利だ、とは思わないの?」
「20年位前は今より少し高いくらいの料金だったのが15年位前に、景気がぐんと上がったときに、安い床屋より料金の高い床屋の方がステータスが高いと思われるという変な雰囲気になったことがあるんです。そのときに床屋の値段はぐんと高くなって、一人4千円くらいに上がりました。
 しかし十年位前から分業で安くやるという業態の床屋が出始めて急速に人気が出て、高いだけの床屋がどんどん減っていきました。ところがその安くて早いという業態のところも弟子が独立したり分派したりして数を増やしていたものの数年前くらいから飽きられたというか、人気が下降気味になっているように感じています。
 床屋って、やっぱり一ヶ月に一度くらい払っても許せるという程度の料金じゃないといけないんじゃないかと思います。高い料金で三ヶ月も来ないよりは、髪はとにかく伸びるんですから一ヶ月に一度くらい整える。それがリズナブルだと思えるくらいの値段ならなんとかやっていけると思いますし、僕は今楽しく仕事をしています」

「どうしてこの当たりにお店を開いたの?」
「この当たりは床屋さんが多かったということが一つのねらい目でした。床屋さんが少ない地域には床屋に来るという人が少ないということですからね。激戦区の方がお客様の数が多いので、そこで勝負してみたいと思っています」


      ◆   ◆  


 床屋さんに行って髪がさっぱりしたのも気持ちが良かったけれど、床屋談義の中でちょっとした、いや実に深みのあるビジネス論が聞けたものだと感心して帰ってきました。

 ただやみくもに低料金にするわけでもなく、単なる効率化をねらうわけでもない。お客の不満や満足を見極めながら良い気分にさせて返そうという心根が響きました。

 たかが床屋、されど床屋。ここにビジネスマインドあり、なのであります。

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幌延深地層研究センターを見学する

2015-10-23 23:04:31 | Weblog

 幌延町にある「深地層研究センター」を視察してきました。

 いつか行こうと思っていた施設ですが、なかなかふんぎりがつかずにいました。それをちょっとした縁があって地下の施設も見学できることになり、喜んで行くことにしました。

 研究センターは牧草地に囲まれた丘陵地の中に超近代的な建物が卒然として現れます。

 日本の原発では、使用済み核燃料は使えずに捨てる部分はわずか5%で、95%はまだ使えるので再処理をしてまた燃料にします。で、この捨てるしかない部分は強力な放射能を持っているので処理に困ります。

 放射能は半減期と言って、年限が立てばどんどん半分になって減衰してゆくのですが、その期間が数万年という気の遠くなるような時間単位。

 なので放射能が流出しない形にしたうえで安定的に超長期にわたり保存しておかなくてはなりません。

 これを他国に頼むというのは他国に弱みをもたれる要素でもあり、国防上も好ましくないため自国で処理しなくてはなりません。海底や宇宙、というような頓狂なはなしもありますが、高い確実性をもとめなくてはならず、それらを総合すると、深い地層の中に置いておく、ということが極めて現実的な答えということになります。

 ここ幌延の深地層研究センターは、しばしば「いつかはなし崩し的に核燃料をおくことになるのではないか」と心配される人がいまだにいるようですが、道や幌延町の条例や、互いに結んでいる協定で、ここには放射性廃棄物を持ちこむことや使用することはしない、ということを合意しています。

 それに何より、本当に最終処分譲渡するためにはこちらで地下に掘っているような規模の施設では到底足りず、こちらの数百倍の規模の地下施設が必要になるのだと。

 従って約束上も、実際の規模としても最終処分場にはなりえないというのが、この幌延深地層研究センターなのです。


    【地下模型を見ると規模が大きくないことが分かります】

 では何を研究しているのか、と言われると、深い地層の中で高温になる放射性廃棄物の熱の挙動の研究や、放射性廃棄物を入れることになっている容器とそれを覆うオーバーパック、さらに水を防ぐ緩衝材などの本物がどれくらい水を防ぎ将来にわたって容器が変化するかを調査している、というわけです。

 ガラス固化された廃棄物を入れるステンレス製の容器には、それらの代わりに熱を発するヒーターを入れて高熱状態にしてみて、その温度がどう伝わるかや地下水による容器の侵食度合いなどを調査研究しています。

 こうした研究は原子力発電所を持つ世界中の国々が研究を進めていて、今年はスウェーデンなどの北欧の国で実際の処分が始まるのだそう。

 日本でもすでに原発が稼動しているからには、どうしたって過去の分の放射性廃棄物はあるわけで、これらの処理方法の確立は急務です。

 
 もちろん最終処分の場所は今後決めなくてはなりませんが、その際にもここなどでの調査研究は大いに役立つはずなのです。


     ◆   ◆  


 今日はまず、原子力政策のこれまでに始まり、施設に課せられたミッション、調査研究内容などを説明していただいた上で、一般の方も見られる展示内容を案内していただきました。

 そしていよいよ用意されたつなぎ服に着替えて地下の見学。

 こちらの施設では最深部が地下351メートルという、東京タワーのてっぺんと地上よりもまだ深いところまで立坑が三本掘られていて、うち一本は換気用で残りの二本は地下に続く連絡立坑。

 今日はそのうちの西立坑から地下の最深部に降りてゆき、そこで調査が行われている様子を見せてもらいました。

 人間の乗るワイヤー式エレベーターはせまくてちょっと怖い感じもしますが、4分足らずで最深部に到着します。

 トンネルは半径6メートルほどで鉄製の支保が据えられて内側はコンクリートで固められています。深くてもそこいらを歩いている分には地上の地下道となんら変わらない印象です。

 そしてこちらでは廃棄物以外は、本物の容器やオーバーパックなどが用意されていてそれらを用いた研究がされています。

「カメラでの撮影はどこがよいですか?」と訊くと「どこでも。全部撮っていただいてかまいませんよ」とのこと。隠し事の無いオープンな施設として、ここでちゃんと勉強すれば不安や疑念はなくなっていく感じがします。

 幌延の深地層研究センターで、原子力のことを勉強しておくことは未来への責任のように思います。

 なお施設の隣にはトナカイ牧場があります。思ったよりも小さいですが、かわいいトナカイに接してみてはいかがでしょう。

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海外からのお客を呼び込め~やることは多いねえ

2015-10-22 22:43:02 | Weblog

 北海道開発協会開発調査総合研究所が主催して宗谷インバウンドセミナーが開催されました。

 日本を旅行する訪日外国客をインバウンドといいます。良く言われることですが、 定住人口一人当たりの年間消費額125万円というのは、外国人旅行者9人分、国内宿泊旅行者27人、国内日帰り旅行者84人分に当たるとのこと。

 地域の人口が減る中で、海外客が9人来てくれれば定住人口が一人いたのと同じだけの消費が地域にもたらされます。地域の経済活性化には単価の安い国内旅行者を数多く集めるのも良いのですが、海外からのお客様を迎えるとずいぶん効率が良さそうです。

 ビジットジャパンという海外からの観光客誘致を進め始めたのは2003年のことですが、それから十年以上が経過してようやくここへきてインバウンド観光客の数が大きく伸びてきました。

 その数、昨年一年で1340万人だったのが、今年は9月末現在で1448万人と大きく伸びています。

 では北海道での戦略はなにか?

 ビジットジャパンという国全体に海外から呼ぶことを地方レベルでも連携して行う北海道ブロック戦略には三本の柱があります。

①一つ目はスノーリゾート、ドライブ観光(二次交通が弱い)、食の魅力という三大ブランドを活かした誘客をしようというもの。

②二つ目は北海道観光の課題を解消しレベルアップを図ろうというもので、具体的には「観光入れ込みの季節平準化」、「来る観光客の広域分散化」、「(ラグジュアリー層のとりこみなどによる)稼ぐ力の強化」

③三つ目は、国ごとに差のある成熟度に応じたプロモーションを展開しようというもの。
 具体的にはもう充分日本に来る価値が分かっている国とまだまだ宣伝や誘客が必要な国を分けて考えて別の対応をしようというのです。
 

 道内の広域観光周遊ルートとしては「アジアの宝 悠久の自然美への道 ひがし北・海・道」として、札幌を中心とした都市型観光から出たところに大雪~十勝~道東~知床という手つかずの自然があるという発信をしようといいます。だんだん地域のブランド化に差がついてきたようです。

準備集中切り替える、失敗しても準備集中切り替えるでいこう

      ◆   ◆   ◆
 
 次に、外国人から見た宗谷地域の魅力と受け入れ環境整備について、内モンゴル出身で北海道商科大学大学院博士課程のウ・ヤチュンさんから話題提供がありました。

 彼女は主に中国人を相手に、訪日外国人の動向について研究をしています。

【稚内の印象】
 まず「稚内の印象」としては、草原の風景で故郷を思い出した。ノシャップ岬では必ず写真を撮る。稚内駅でランチを食べたが宗谷地域オリジナルの料理があるとよいのにどこでも食べられる料理しかなかったのは残念と思った。

 観光案内所が分かりづらかった。看板や矢印で誘導すべきだ。

 瀬戸邸を訪問したが外国人がここへくることはほとんどなかったと。ガイドをしてくれた方は「当時の水準では地域で最も優雅な生活だという説明だったが、私の目からはそういう情報よりも『庭がとてもきれいで、家の庭に植物を植えて仕立てるという文化が日本人の美学だと強く思い印象的だった』とのこと。日本人のそういう感性や文化を説明した方が面白いと思った。

 瀬戸邸には往時の目出度い席を表したお膳がならんでいる部屋があったが、文化的な背景を知りたかった。
 また伊藤博文の書というものもあったが、一緒にいた韓国人の女の子は伊藤博文という名前を聞いてとてもいやな顔をした。振れない方が良い情報もあるので、相手の国に応じた説明をした方が良いのではないか。


【ウさんの個人的な感想】
 北海道を宣伝するメッセージを見てピンとこない部分がある。例えば『(函館を差しているのだろうが)『エキゾチックな街並み』というが函館を出ればもうそんなことは感じられない。

『フロンティア精神』を自慢するが、クラーク像を見ないとそれが感じられない。

 オホーツク海は『神秘的な海』と表現されるが、神秘的とはどういう子とかが伝わらない。犬ぞりとかトナカイ牧場などと言われるとイメージが具体的に浮かんできた。



【外国人観光客の特徴】
 増えているのはアジアからのお客さんで、個人客では、『知床から登別』というゴールデンルートが、函館や旭川などに広がってきているので、宗谷地域でもビジネスチャンスは膨らんでいると思う。

 中国人の爆買いが知られているがその手の人たちは国の政治で行動がすぐ変わってしまう。いつまで続くだろうか。

 それよりも中国人にも旅や冒険を楽しんでいる人たちがいて自然を楽しんでいる人はいる。そういう人たちを長期的に大切にする方が良い。

 爆買いをしている中国人は。しかし少人数で政策に関係なく訪日できる人をターゲットにしてゆくことが長期安定の外国人観光に繋がるだろう。

 欧米の観光客は旅慣れている。日本はアジアの旅先の一つ。中国と同じとみがちなので、中国と日本は違うということをアピールすべき。彼らは個人主義だし言葉も違う。
   

【文化による観光のまなざしの相違】
 日本人が考える美しい風景と中国人、ヨーロッパ人の見る美しさの基準は違う。名勝の名前だけ伝えても、どこがどう美しいのかは国によって受け取り方が違う。

 宗谷地域で言うと、大沼で白鳥と利尻富士が写っている写真は縁起が良いのでとても受けると思う。

 最北の碑は、外国人は必ず写真を撮る。そこへ行ったことが自分への達成感になりそれを証明するところだ。ぜひアピールすべき。

 氷雪の門などは歴史的なバックグラウンドを話すことで大事な場所になりうる。どういう説明をするかを重視してほしい。
  

   --------------------

 ウさんの意見はとても参考になるものでしたが、セミナーが終わった後でお酒を飲みながら突っ込んだ話ができました。

 その中で面白かったのは、アジア客は旅慣れていなく、日本は憧れの旅先だということ。

 特に中国では親が生きているときは遠いところへは行かずに旅は近場で済ませるという文化があるのだそう。そのため日本は中国にとって永遠に気やすい旅先として喜ばれるだろうということ。

 そして日本と違って親類縁者が百人以上もいたりして、皆にお土産を買ったりしないといけないのだから、そういうお土産需要への対応が必要。

 中長期的な旅行のあり方を考えると、「観光は買うもの」「旅はするもの」だ。今は中国人には団体としてのビザしか発行されないが、個人でのビザが増えたら、行く先はもっとマニアックなところが増えていくでしょうね。


      ◆   ◆  


 最後に、(一財)北海道開発協会開発調査総合研究所の中村正さんから、「インバウンド情報の共有化と活用の重要性」という話題提供がありました。

 驚いたのは、インバウンドに関する様々な組織の情報を統合したサイトがあってその充実度がすごいこと。


【Hokkaido Inbound info】
 http://inbound-jp.info/
 
 ここをぜひご覧ください。ここには様々な調査報告書や観光に関するデータ、外国人に渡せるような四か国語のガイドブックや簡単な会話集など、本当に多くの観光情報がアップされています。

 これは中村さんが中心になって、情報を保持している団体にお願いや交渉をしてアドレスを貼る許可を積み重ねてきたものです。



 中村さんからのお願いは、このサイトを大いに活用してほしいということと同時に、何かインバウンド観光に関する情報があったら登録して情報共有の輪を広げましょう、ということ。

 恩恵を味わうだけではなく自分の情報は積極的に提供してよりよい北海道観光を実現させたいものです。

 やることはたくさんありますが頑張りましょう。

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サケの食べ方と浜頓別の出陣式

2015-10-21 23:51:03 | Weblog

 サケ釣りの師匠と先日の釣りについて話す機会がありました。

「とりあえず釣れてよかったですね。私なんかはあまりホッチャレたサケがかかったりしたら可哀想なのでリリースしたりするんですが、『全部もっていく!』というので、すごいなあと思いました。結局持って行ったのは一匹でしたけどね(笑)」
「ああ、そうか。持って帰れないと思えばリリースという手がありましたか!いやあ、あのサケが釣れた状態ではリリースするなんて全く思い浮かびませんでした。興奮していたんでしょうねえ」

「いや、小松さんがブログに書いていたように、『獲ったどー!』であって、『釣ったどー』じゃなかったんですよ、きっと。釣ったのならリリースということもあるでしょうが、獲ったんですから獲物は俺のもの、でいいんじゃないですか(笑)」
「しかし結局持って帰っても大きな冷凍庫があるわけではありませんし、困ってしまうことに、陸に上がってから気が付きました。取りすぎてもだめなんですね」

「いえ、冷凍してせいぜい焼きシャケで食べようと思うから量が多いのであって、違う食べ方を覚えればいいんですよ。麹で漬け込むとかスモークにするとかね。獲ったサケに対する礼儀として、ちゃんと食べる方法を多様に持つように努力する方が前向きだと思いますよ」
「それ!それです!妻にも『スモークの仕方を覚えてくれませんか』と言われたところです。そうすると食べ方のバリエーションが広がりますもんね」

「ではそういう準備をしてください。来年の楽しみが増えましたね」


 釣りという入り口に一たび入ると、随分多くのことを学ばなくてはならなくなります。ついには魚の食べ方にいたり、ここから先は料理の世界。

 釣った魚はちゃんと食べることは一つの供養と言えるでしょうがいよいよ奥が深くなってきました。


    
   ◆   ◆   


 夕方からは浜頓別へ移動。昨日の稚内道路事務所に続いて浜頓別道路事務所での除雪出陣式です。

 浜頓別道路事務所では宗谷管内の国道管理延長284kmのうち、137kmの管理をしています。

 昨日と同じように挨拶、訓示、諸注意を述べた後で受注者の若い現場代理人さんから安全宣言をしてもらいました。最後は全員で記念写真。いよいよ気が引き締まります。

 昨日に続いて関係者一同の懇親会の中で、現場のいろいろと厳しい状況を教えてもらいました。

 こちらのエリアの中にはそれほど高くない峠があって、吹雪の時は立ち往生する車もあるのだそう。
「立ち往生している車のところに到着して、仕方がないので牽引しようとロープの準備をしていたらその車に後続車がドーンと追突してきたことがありました。もうすっかり見えなかったんでしょうね。危機一髪でした」

 危険も多いことでしょうが、皆さんの健康と無事故、無災害を祈るばかりです。ともにこれからの五か月の冬を乗り切りましょう。

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