北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

お店にお客が来るジンクス

2012-01-31 23:45:18 | Weblog
 釧路を訪れた旧友とともに繁華街で馴染みのスナックへ行って、お店のママとちょっとした会話を楽しみました。

「昔はこの手のお店も流行っていたでしょう?」
「そうですねえ、20年くらい前だったら夜中の1時を過ぎてもタクシーが拾えませんでしたね。でもそのときから年々お客さんは減っています」

 残念ですが、かつての賑やかさも今は昔の思い出となりつつあるようです。


「こういう商売をしていて、なにかジンクスめいた話しってあるんですか?」と訊いてみると、ママはにっこり笑いながら、「ええ、いろいろありますよ」とのこと。
 
「へえ、たとえば?」
「その日の一番最初に来るお客さんが女性だったら縁起がいい、とか、足のお悪い方が来ると、『足を引く』から『お客さんを引く』と言って、これも縁起がいいと言うわね」

「はー、ほかには?」
「お通夜帰りのお客様は縁起が良いとか、霊柩車を見ると良いとかも言うけど、それだったら葬儀屋さんの前を通ってお店に出れば良いのよねえ、あはは!」


 
    ※     ※     ※     ※     ※



「ジンクスとはちょっと違うかもしれないけど、お客さんの中にもお客を呼ぶ人と呼ばない人がいるみたいなのよ」
「なにそれ?」

「お客さんが自分で、『ママ、僕が来たらお客が来るよ』と言うんだけど、本当にその方が来ると不思議にお客さんが入ってくるの。また反対に、『ママ、ごめんねー。僕が来るとお客が来ないと思うんだ』っていう、死神みたいなことを言うお客さんもいたわよ」

「で、どうしたの」
「うーん、『そんなのを気にするんだったらお店が終わるころにいらっしゃいな』って言ったわよ(笑)」


    ※     ※     ※     ※     ※


   【ドアは右手であけてね】


「あ、あとねえ、ドアにもこだわりがあるのよ」

 帰り際にママが見送りがてら教えてくれました。

「ドアが右手で開けるようになっているんだけど、それがいいって教えられたの」

 本当にこのお店のドアは右側にちょうつがいがあって、右手で開きやすいようになっています。

 いろいろなところにジンクスってあるんですね。

 経済をよくするように頑張りますが、まちの景気が良くなるジンクスってないものでしょうか。
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国内資源の可能性~「未来世紀ジパング」

2012-01-30 23:45:39 | Weblog
 始まりました。「未来世紀ジパング」~沸騰現場の経済学。

 スペシャルコメンテーターはわが友人にして日経新聞編集委員の後藤康浩さんです。

 今日は資源小国と言われながら今なお貴重な資源が眠っているというところにスポットライトを当てたもので、「知られざる資源国日本の現状」を取材しています。

 最初の話題は金のお話。黄金の国ジパングと言われたころは日本全国に200カ所もあったと言われる金鉱山ですが、有名どころでは佐渡の金山。

 ところがその佐渡金山よりもさらに金が取れたのが鹿児島県伊佐市にある菱刈鉱山。日本どころか世界でも有名な金山の一つで、日本唯一の現役の金山なんだそうです。

 ここが発見されたのは1981年のこと。高品位の金が取れることで当時は話題になりました。

 埋蔵割合は鉱石1トンあたり40グラムと、海外の金鉱山のおよそ10倍なのだそう。

 金鉱脈が伸びる方向を予測して発破をかけ、一度に100トンの鉱石を搬出しますが、その鉱石を手選別するのは地元のおばちゃんたちというのが面白い。

 また伊佐市では金の価格が高騰すると鉱産税として入り、今では市の税収の1/10を占めると言います。

 金高騰で増産かと思いきや、山の責任者は、「少しでも長く生産を続けたいと思っています。海外へ出るには技術者が必要なので、次代を担う技術者教育の場として菱刈鉱山を活用しています」とのこと。

 息の長い生産活動を続けようという方針がしっかりしています。


    ※     ※     ※     ※     ※





【エネルギー資源としての石炭】
 お次はいよいよ釧路の登場。

 街のいたる所にあるボタ山、ズリ山。これが明治以来の日本のエネルギーを支えました。

 しかし価格の安い海外炭の輸入により国内の炭鉱は次々にその姿を消してゆきます。

 そんな中、華麗なる復活を果たしたのが釧路の釧路コールマイン(KCM)というわけです。

 かつては5000人以上いた労働者は今では400名。しかしこれで安全最優先の坑内掘りが進められています。

 石炭の採掘現場は太平洋の海底200メートルの地下です。ドラムカッターでの石炭採掘は、たった一人の作業員によるリモコン操作です。

 この十年で輸入石炭の値段は三倍に高騰。是で国内炭との価格差がかなり減りました。

 蝦名市長も登場してMOOの二階の港の屋台で後藤さんと会談です。

 市長は「昨年の原発事故以来、国がエネルギー政策を見直しており、石炭の可能性が高まっていると感じる」と言います。

 でもエピソードとしては、「いや、何の打ち合わせもなくて、事前に3件の新年会で一滴も飲まずにインタビューに臨んだんだよ。そうしたら、会うなりもう一杯飲みはじめながらカメラが回っているというすごい始まり方だったよ(笑)」とのこと。

 インタビューはほとんどアドリブだったようですが、ちゃんと地酒の福司を炭鉱の坑道に寝かした「海底力(そこぢから)」という銘柄を持ち込んで宣伝していました。石炭の周辺的話題も付加価値になるのです。


 さて石炭、縮小の時代から拡大の方向に舵を切れるでしょうか。


    ※     ※     ※     ※     ※



 後藤さんは、「日本を取り巻く海の中にはエネルギー資源が大量に眠っている」と言います。

 メタンハイドレートという固形のメタン、あるいは携帯電話などの電子機器に含まれる金を再利用する都市鉱山も有望というわけ。

 日本は省資源国と決めつけずに、現場の最前線の努力に目を向けてほしいものです。


 釧路も地場で掘れる石炭をわざわざ遠くまで運ばずに、地元近くで消費できればさらに効率的なやり方もできるはず。

 発電など熱エネルギーの地場産の可能性を模索して実現が図れるとよいのですがね。

 未来世紀ジパングでの釧路の紹介、ありがとうございました。
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【おまけ】タンチョウとオジロワシの共演

2012-01-29 23:45:17 | Weblog



 阿寒湖畔からの帰り道で、昨日案内された国際ツルセンター「グルス」を再度訪問。

「午後二時に給餌をするのでぜひ見てください」と言われていたのだが、ほんの数分遅れてしまいました。

 給餌場の周りにはカメラの放列がずらっと並んでいて壮観です。


   【この数はすごいし、カメラも皆さん高級です】


 また既にタンチョウが数多く集まっていて、クォー、クォーという鳴き声があちらこちらで聞こえます。




 昨日と同様、河瀬さんに会って解説をお願いしました。

「この給餌場での被写体としての見ものは何なのですか?」
「タンチョウで言うと、求愛のダンス、縄張り争いの喧嘩などに動きがあってカメラマンの皆さんは良くねらっていますよ」

「それ以外には?」
「はい、今日も来ていますけどオジロワシがしょっちゅう餌をねらってきます。そうするとタンチョウとオジロワシが同じフレームで写真に撮れるのですが、そういうシチュエーションってまず他にはないと思います。世界中のバードウォッチャーが憧れている意味がそこにあるんですよ」

 なるほど、確かにオジロワシが来てタンチョウと同じフレームの写真に納まります。








「さらに言うと、ときどきオオワシも姿を見せます。オオワシとタンチョウは海外のバードウォッチャーたちが一生の間に見た記録であるライフリストに必ず入れたい憧れの鳥です。やはり道東の自然のポテンシャルはすごいんです」

 
 私も初めてオジロワシとタンチョウが同じフィールドにいるのを見て感動しました。

 カメラがずらっと並ぶのも当然と言えるでしょう。

 ぜひ阿寒湖畔へ行くまりも国道を午後に通る際はグルスへ一度立ち寄ってみてください。
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冬の自然探索~スノーシューは楽し

2012-01-29 23:29:16 | Weblog
 阿寒湖畔のホテルで一泊して、今日は湖畔周辺でのアクティビティに挑戦です。

 まずはNPO法人阿寒観光協会を訪ねて、有料でのガイドをしているかどうかを訊ねました。

 しかし残念ながら、「今日は全員が金山湖へ行って雪崩講習会を受けているんです」とのこと。こちらのガイドさんに案内していただくのは次回のお楽しみといたしましょう。

 でもこちらで、「もしかしたら環境省さんのエコミュージアムだったらボランティアガイドさんがいるかもしれません」との情報を得て、その足でエコミュージアムへと向かいました。


    ※     ※     ※     ※     ※


   【エコミュージアムも雪に埋もれています】


 エコミュージアムでは若い担当の方がいて、この季節の見物などを教えてもらいました。


 火山の熱で地面から水蒸気が湧き出ている「ボッケ」まで行こうと思って相談をすると、「ボッケくらいまでだったら長靴でも行けますよ」とのこと。

 でもスノーシューも楽しそうだったので、二時間300円というレンタル料金でスノーシューを借りました。


   【スノーシューをレンタルで】


 今までもやってみようと思ってなかなか果たせずにいた雪の中の散策ですが、実際にやってみると心地よい運動です。

 林の中を踏み固められた道に沿って歩きます。ボッケではこんなに寒くなっても地下からの熱で水蒸気がぼこぼこと湧き上がっています。

 暖かさを求めたのか、エゾシカの親子がボッケの近くまで降りていました。また、寒さで木の幹が割れる凍裂が見られたりして、なかなか趣がありました。


   【エゾシカの親子がボッケに】



   【気温が低くて木が割れる凍烈とはすごい】


 雪の上に落ちている木の実さえ芸術のようです。


   【何の実かな?】


    ※     ※     ※     ※     ※


 踏み固めた道路ではない雪原を歩いてみるとスノーシューは効果抜群。深いところを歩いてみても沈みません。嬉しくてどこまでも歩いてしまいます。




 道なき道を歩きすぎて、道路へ出るときは柵を越えないといけなくなりましたがこれもご愛嬌です。


   【よいしょ!】


 北海道に住んでいても、冬の山道を歩く機会なんてあまりないのではないでしょうか。
 
 自然を見る眼力が養われると、糞や尿の跡でエゾモモンガやエゾリスが住んでいる場所もわかるのだとか。

 ガイドさんがいたらもっといろいろなことに気が付いて楽しかったことでしょう。

 北海道の自然は冬も魅力がありますが、それを味わうようなスキルやゆとりが欲しいところですね。
 
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阿寒湖氷上アクティビティの魅力

2012-01-28 23:27:20 | Weblog
 午後は阿寒湖畔へ移動です。

 阿寒湖での冬のアクティビティを一度は経験しなくてはなりません。


 まずはスノーモービルに乗ってみます。私自身は公園の仕事で何度も乗ったことがありますが、妻の方は初めてなので二人乗りで7000mのコースを選んで乗ってみました。




 風は凍てつくように冷たいのですが、フルフェイスのヘルメットを貸してくれるので走行中は寒さを感じずにすみます。

 滝野公園では急斜面を一気に登ったり、新雪で埋まってしまって動けなくなったりという経験を何度もしましたが、阿寒湖の湖上コースは平坦で、急なカーブもないのでスピードさえ出さなければ安全に楽しむことができます。

 湖の中に飛び出せば、凍った湖越しの雌阿寒岳など、湖畔側からでは見られない景色を味わうことができるので面白い体験となるでしょう。

 「スピード&スリル+普段は見られない景色」が湖上スノーモービルの魅力です。


    ※    ※    ※    ※


 お次は氷上ワカサギ釣りの番。今日もとっても寒かったので、「暖房つきのテントを借りる方が良いでしょうか?」と、チケット売り場の女性に訊いてみたところ、「朝から来て一日釣るのでしたらその方がよいかも知れませんが、ちょっとだけ試してみるくらいだったらテントでも大丈夫だと思いますよ」とのこと。




 そこで一人1500円のワカサギ釣りセットを二セット借りました。セットの内容は、折りたたみのミニ椅子と釣り竿、餌の紅さし虫、そして釣り上げたワカサギを天ぷらにしてくれるサービス券、というもの。

 ワカサギ釣りの釣り竿って、長さが40センチくらいでとてもかわいらしいのですが、リールだけは一丁前に立派なものが付いているのでそのアンバランスがなんだか笑っちゃいます。

 早速道具を抱えて空いているテントへ潜り込みました。

 今日の氷の厚さは35センチだそうですが、テントの中には直径15センチくらいの穴が三つあいていて、確かに氷は厚く、割れて落ちる心配はなさそうです。
 
 仕掛けとしては小さな針が5つついていて一番先に錘がつけられています。

 餌は紅さし虫と名が付いていますが、ウジみたいな虫の幼虫です。これを針先につけますが、知人から「一つの針に一匹つけるよりも、二つの針で引っかけて真ん中をはさみで切ると小さいうえに中身が出るので食いつきが良いみたいですよ」とアドバイスを受けたのを思い出して、そのようにしてみました。

 リールのストッパーをはずして釣り糸をだーっと沈め、底についたところで少しだけ巻き上げてあとはちょこちょこ動かしながらアタリがくるのを待ちます。

 待つこと数分で一匹目のアタリが来ました。おお、結構釣れるじゃあありませんか!


   【釣れると楽しいね】


 妻の方にもそれなりにアタリが来ています。寒さと冷たさで足の裏が痛くなってきますが、アタリが来れば興奮して寒さも吹っ飛んでしまいます。結構楽しいものですね。

 なんだかんだで2時間ほど釣って約20匹の釣果を得ました。初めてにしては十分です。釣れれば釣りは面白い!


   【どうです、この釣果!】

    ※    ※    ※    ※


 釣り上げたワカサギは渡し船のはしけにある小屋で天ぷらにしてもらいます。


   【素材は新鮮そのものです】


 天ぷらにしてくれる一人前の量は一人当たり200グラムだそうですが、今日は二人で160グラムくらいだったのでとてもそこまでは行きません。

 食べきれない分はテイクアウトもできますから、どうせなら美味しい天ぷらにしてもらいましょう。


   【お持ち帰りもできるのです】


 体は芯まで冷えても、この季節の阿寒湖ならではの氷上アクティビティ。今楽しまなくていつ楽しむのでしょう。

 この週末からは台湾のお客様も増えてきたようで、テントの回りでも台湾語が飛び交っていました。

 私たちもまずは身近な故郷を思う存分楽しみましょう。


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タンチョウを守る陰の努力

2012-01-28 22:56:56 | Weblog
 低温続きの北海道、皆様いかがお過ごしですか。

 日本海側は大雪との予報ですが道東は今日も晴れて心地よい一日となりました。

 もっとも、低温が続いているのは道東も同じで、外にいると空気が肌を突き刺してくるようです。

 この週末は妻が釧路へ来て、阿寒湖でのアクティビティを味わうことにしました。

 まずは阿寒本町で行われた丹頂千年祭での手打ち蕎麦の応援から。
 地元で生産した蕎麦粉を工場で製粉してもらって、蕎麦粉十割の手打ち蕎麦を千年祭の会場で振る舞うというものです。

 蕎麦打ち会場は旧阿寒町公民館で、今日の注文は打ち手四人で50人前と、一人一玉がノルマ。

 新蕎麦で十割はなかなかきつい注文で、十割蕎麦となるとつながりにくいために、のしている最中にどんどん割れたり破れたりが目立ちます。

 なんとか一通りこなしましたが、初めての粉は性質が分からないので苦労するのです。




    ※    ※    ※    ※


 お次は千年祭会場の道の駅阿寒へ。

 こちらでは阿寒国際ツルセンター『グルス』で、職員の河瀬さんにご案内をしていただきました。

 ここグルスには、昨年台北動物園に送られた二羽のタンチョウのうち、オスのビッグの妹にあたるムックがいたり、給餌場が設けられていてたくさんのタンチョウの飛来も見ることができます。


   【奥にいるのがムックです】


 気温が低いと給餌場への集まりも悪いそうですが、午後2時~4時ころには多くの群れの姿を見ることができるそうです。

 ときおり白鳥の群れが捲く餌をねらってやってきますが、鳥インフルエンザに対する予防措置として、環境省からは『白鳥は近づけずに追い払え』とのお達しが来ていて、白鳥が近づいてきた時には空砲を鳴らしたり、人間が給餌場の中へ入って追い払う作業を繰り返しているそうです。

 タンチョウの群れの健全性を保つのにも裏方さん達が努力と苦労をしているのです。 

 タンチョウの群れを待ちかまえるカメラマンも数を増してきました。

 タンチョウの求愛ダンスが始まる季節です。 

 
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面接採用の仕方

2012-01-27 22:50:23 | Weblog
 明日の阿寒丹頂の里千年祭に出演してくれるまちづくりやのSさんと飲みました。

 彼とはフェイスブックでずっと友達だったのですが、直接会うのは初めてです。しかしひと目会って二言三言の言葉を交わすだけでその人となりや心根が分かります。

 彼はかつて、飲食店のクーポン雑誌で一世を風靡した会社を支えた有能な社員でしたが、思うところあって転職し、北海道でのまちづくりを始めました。

 彼は新しい街で仕事を立ち上げるために何人もの人の面接を重ねて来ましたが、事業を成功させるためには何と言っても本当に良い人間を選んでチームを編成するのが一番だ、と言います。

 そして同時に、「多くの企業や組織は人を選ぶやり方を間違っているような気がします」と言います。

「そもそも、面接で人を選ぶときにどんな質問をして反応を見ますか?」とSさんは言います。

「もしあなたが採用されたどんな組織にしたいですか、どんな夢を抱いていますか?なんて訊いていませんか?」
「なるほど、確かにそういう質問をするかもしれませんね」

「そういうこれからのことを訊くべきではありません。なぜなら未来にはどんなことでもきれいごとを言えますからね」
「なるほど、ではどうしろを言うのでしょう」

「その逆にその人の過去を訊くべきなんです。『かつてどんな選択の場面があって、そのときにどういう判断をしたか』、『どんなピンチな場面があってその時にどう対処したのか』、そんな過去にあった出来事を訊いてこそ、その人の人間性が判断できるんだと思います。私はこれでいい人材を選んできましたよ」



   【未来か、過去か】


    ※     ※     ※     ※     ※


 面接というのは選ばれる側も大変ですが、選ぶ側も真剣な割に、面接のスキルというのは確立していないような気がします。

 まだ来ない未来を語るよりも、過去の実績を語れという発想は面白いものです。

 中には、採用をした後で意気に感じて『化ける』という人もいるかもしれませんが、その確率はそう高くはないようです。

 まずはその瞬間に戦力になる人間をどう集めるかが、組織の存亡に大きくかかわることに変わりはありません。

 いつ何時、選ばれる側に回っても良いように、価値観を明確にして今を一生懸命に生きるようにしましょうか。

 少なくとも自分自身の人生の節目は何だったか言えるくらいにはしておきたいものですね。
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フィットネスセンター公開討論会の予告

2012-01-26 23:45:32 | Weblog
 北海道新聞主催の公開討論会のお知らせが届きました。

 テーマは、「MOOフィットネスセンターを考える」というもので、場所は釧路市交流プラザさいわいの一階多目的ホールで、日時は2月4日(土)の14時からです。

 出演者はフィットネスセンターの利用団体代表者が二名と事業仕分け人の代表、そしてこの私の四名で、全体進行は道新の方がしてくださるそうです。

 また議会の議論経過などについては市議会の黒木議長が説明をしてくださるということになっています。

 会場は約100名ほどの広さですが、入場には整理券が必要なようなので御用とお急ぎでない方はどうぞご参加ください。


   【入場整理券】


    ※     ※     ※     ※     ※


 フィットネスセンターのあるMOOは、民活法に基づいて無利子融資を得て作ることが計画されたもので、無利子融資の条件としては、商業施設だけではだめで、公共的な施設が全体面積の半分以上を占めていることが求められました。

 その構想検討過程では、市民から水に親しむ空間が欲しいという意見があって水に親しむ公共施設としてのプール計画が浮上してきたのでした。

 初期の出資者であった西武セゾンとしても商業施設の利用増大に貢献するとのことから、計画が進行し河畔開発公社が建設をしたものです。

 しかし、MOOそのものは開業以来赤字が続き、経営改善の一環として最も経営を圧迫していたプール部分を市に貸与、つまり市としてはプールを借りる形で経営を切り離したのでした。

 しかしその河畔開発公社がいよいよ経営破たんとなったことから、平成17年に特定調停という形で金融機関との話し合いもつき、平成18年からはMOO全体を市が負担して所有し、同時にフィットネスセンターは民間のプール事業者に指定管理者として運営を委ねて今日に至っています。

 市の持ち物になってからの延べ利用者数推移は下記の表1のとおりで、いわゆる会員権を利用している方の数は表2のようになっています。


   【表1 延べ利用者数水位】



   【表2 会員数推移】


 次第に利用者が減少している面、維持管理に必要な経費は変わらずまた老朽化は進行しています。

 過去を振り返って、「あのときこうしていれば」、「こうだったら…」と「れば・たら」を言い出せばきりはありませんが、今日の釧路の財政状況と提供できる行政サービスのバランスを考えた時に、やはりこれを維持してゆくのは極めて苦しいと言わざるを得ません。

 利用者の皆さんからの御不満はじゅうじゅう承知をするところですが、市としても苦しい選択であることをご理解いただきたく思う次第です。

 
 問題を管理者である市と利用者という二者間の事柄に矮小化せずに、これからの市の都市経営マネジメントの一環としてより多くの皆さんの熟議をいただければ幸いです。

 
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除雪の裏舞台 ~ 釧路という寒冷地

2012-01-25 22:11:03 | Weblog
 ギリシャ神話にはゴーゴン三姉妹という怪物が登場し、その三女にあたるのがメドゥーサ。

 メドゥーサの頭髪は無数の蛇で宝石のように輝く目を持ち、その姿を見たものは石になってしまうというのは良く知られた神話の世界です。

 
 日曜から月曜日にかけて釧路に降ったベタ雪は、暖気が寒気に変わった瞬間にまるでメドゥーサをみてしまった者のように石ならぬカチカチの氷に変わってしまいます。

 降った雪をのけることを除雪と言いますが、タイミングが遅れると釧路では除氷になってしまうのです。

 今回の重たい雪は雨交じりのみぞれに変わって市内全域で15センチほど積もりました。

 冬に気温が下がって雪が降るような土地を積雪寒冷地と呼びますが、記録的な大雪で市民生活に大混乱を起こしている『積雪地』の岩見沢にはとうてい及ばないものの、雪よりも氷が支配する『寒冷地』にはそれなりの苦労と悩みがあるのです。


    ※     ※     ※     ※     ※





【次々とくる苦情の数々】
 連続して10センチ以上の雪が降ると判断した道路維持事務所では契約している除雪業者さんたちに出動を依頼しましたが、あまり早く出すぎた地域ではその後に『まだやっていないんじゃないか』という苦情が寄せられました。
 担当者が苦情箇所を訪れて業者さんと確認しましたが、一度終わってもその後の降雪量が多いことから再度除雪をすることに。仕方がありませんね。

 
 別の苦情もやはり「除雪車がまだ入っていない」、というもの。
 業者さんに確認してみたところ、違法駐車の車があったために入れなかったのだそう。
 雪が降る前には除雪の担当者が地区の町内会と相談しながら、普段違法駐車をしているような車を見つけて、ワイパーに「迷惑駐車防止」のお知らせチラシを挟んで注意を喚起しています。
 またまだ少数のようですが、町内によっては除雪事業者に積極的に協力してくれて、違法駐車を町内会で通報してくれるようなところもあると聞きました。こういう協力体制が常識になってくれると作業がスムースになるのですが。

 
 今回は雨交じりの雪だったので、それまで除雪に出るほどでなく積もりっぱなしになって厚さが10センチほどになっていた氷の部分まで融かしてしまう結果となりました。
 そのため、除雪の雪が今回降り積もった15センチですまず、それまでの氷も一緒に除かなくてはならず非常に手間がかかってしまったとのことでした。

 最も時間を要した個所は、延長9000メートルの担当区間に19時間もの時間がかかったそうで、途中の食事や休憩もそこそこに、作業終了は朝の4時だったとか。実にご苦労様です。






    ※     ※     ※     ※     ※


 雪の翌日に道路維持事業所を訪ねて担当者に話を聞いてきました。

「今回の苦情電話はどれくらいでしたか?」
「そうですねえ、600件くらいでしょうか。多い時は800件くらい来るので普段よりは少ないですね。雪の降り方も激しかったので住民の皆さんも少し仕方がないと思ってくださったのでしょうか」

「苦情電話の受付は大変でしょう」
「道路河川課と公園緑地課の応援部隊も駆け付けてくれました。都市整備部全体で取り組んでいます」

「釧路の人たちって、札幌などに比べると、自分の家の前の雪をのけるという人が少ないように思いますよ」
「これまで行政がサービスとして一生懸命に質を上げてきましたからねえ」


    ※     ※     ※     ※     ※


 札幌では、ホーマックなどの民間事業者が、捨てようがなくなった家の雪を有料で運搬排泄するというサービスがあって、私の自宅の周りでも利用している人がおられます。

 氷だから簡単にはいかないということもあると思いますが、民間のサービスで需要と供給のマッチングもできていないようです。

 今後は住民の皆さんも自らお金を払って家の周りの【除氷】による環境整備をしてくれないものでしょうか。

 新しい民間サービスによる冬期の道路環境整備を試してみたいと思います。  
 

 さて、冒頭に登場したメドゥーサは、ギリシャ神話の英雄ペルセウスによって首を切られて退治されます。

 その時にほとばしる力生まれたのが天馬ペガサスで、ペルセウスがペガサスにまたがって故郷へ帰る途中で助けたのが女王カシオペアの娘のアンドロメダ姫。

 これらのキャラクターはこの時期の夕刻ならばまだ北の空に見ることのできる星座になっています。
 
 メドゥーサが見えなくなり季節には地上の氷も融けはじめます。春が待ち遠しいですね。
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土門拳 「古寺巡礼展」 ~ 釧路芸術館で今日から

2012-01-24 23:45:31 | Weblog
 道立釧路芸術館で今日から「土門拳の古寺巡礼展」が始まりました。

 土門拳さんと言えば戦前戦後にかけて幅広い社会のテーマについて写真を撮り続けた日本写真史における巨匠のひとりです。

 特に、奈良の室生寺に感銘を受けてからの寺や仏像を集めた「古寺巡礼シリーズ」は彼の生涯を貫くテーマとなり、多くの日本人の心を捕らえました。

 所期の写真はモノクロによるもので、ライティングの妙一つで仏像たちの魅力を存分に引き出しています。

 開会式典には土門の出生地山形県酒田市にある土門拳美術館館長で土門拳さんの御長女である池田真魚(いけだまお)さんもお祝いに加わってくださりました。

 真魚さんは、「私は土門のことをほとんど知りません。ただ作品に関しては一番のファンだと思っています。どうかこの機会に土門の作品をご覧になってください」とお祝いを述べてくださいました。

 
    ※     ※     ※     ※     ※


 釧路は漁業の町でお寺はそれなりに多いのですが、古寺や仏像となるとあまり馴染みがありません。

 しかしかつて奈良や京都を旅行して歩いた時に廻った仏像などを見ると懐かしく、かつまた芸術的に切り出された表情をみると心に染み入るものがあります。

 仏像は大体四種類に分類されると聞きました。

 悟りを開いた「如来」、釈迦如来や大日如来、薬師如来などご本尊に多くありますね。

 次が、悟りに至る途中に修行中の「菩薩」、弥勒菩薩、観音菩薩、地蔵菩薩、勢至菩薩など、衆生を助けてくれるありがたい存在です。

 次に、仏を守る「天部」、毘沙門天(多聞天)、広目天、増長天、持国天は四天王と言われます。

 最後に、仏教への帰依を促すための如来の変化とも言われる「明王」の四種類です。仏教の教えに従わない衆生に対して憤怒の形相をして迫ります。

 こうしたことを少し頭に入れながら見るだけで、各時代の仏像もまた違って見えてくるかもしれませんね。


    ※     ※     ※     ※     ※

 
 釧路は自然環境や動植物相が豊かなので、そういう方面を題材とした写真家の皆さんも多くおられることと思いますが、自然の光だけではなく、意図したライティングによる映像美の極みを観ておくことはとても有意義だと思います。

 展覧会は道立釧路芸術館で、今日から3月25日までの開催です。

 釧路は質の高い展覧会が多いので、しっかりと観ておきたいものですね。 

【土門拳 「古寺巡礼」展】
 http://bit.ly/zhm9hQ
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