北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

デザインの力

2020-11-30 22:28:49 | Weblog

 

 先日行ったある施設のトイレの様子。

 スリッパを置いてほしい場所に黄色い足形が描かれています。

 私が見る限り、いつ見てもスリッパはきっちり揃えられていて整然としていました。

 単に壁に「スリッパをそろえましょう」と書いて貼ったり、モラルに頼ったりするよりも、場所をデザインすれば臨んだ結果を得ることができるようです。

 デザイナーの意図通りにしないとこちらの気持ちが落ち着かないデザインなんてすばらしいですね。

 「こうあろう、こうありたい」と思うことが一番最初で、ではそれをどうやったら実現できるかを考えるのがデザイン。

 自分の生き方も「どうありたいか」を考えたうえで、それが果たされるようにデザインすれば良い。

 ちょっとピンチだったり落ち込んでいるときでも、健康が一番だし、そのうえでわくわくするような人生をデザインすれば良い。

 まあ未来をデザインしても、マメイカは思うように釣れないのですが(笑)

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マメイカ釣りリベンジのはずが返り討ちに…

2020-11-29 22:40:06 | Weblog

 

 それほど風のない日曜日。

 妻との買い物を済ませた後で余市へとマメイカ釣りに行ってきました。

 余市の釣りジャイアンにSNSで様子を尋ねると「昨日はまずまずだった。早く来ないと場所がなくなるよ」とのこと。

 今年はまだ数匹しか釣れておらず、先日仕掛けについてのアドバイスをもらったところなので、新しい仕掛けを自作しての試し釣りです。

 現地へ着いてみると、ここのところ釣れていると話題になったポイントには釣り人が目白押し。

 この場所だったら押されてだれか海に落ちるんじゃないか、と思われるくらいの混雑ぶりで、我々はそこを避けた場所で釣り開始。

 周りを見れば、ごくたまにポツポツと釣れてはいるものの、どうにも群れが大量に入っている感じではありません。

 こういうときは我慢の釣りで、時が来るのをじっと待つしかありません。

 たまに釣れているものもかなり海底近くで釣れているようで、「これは攻めないと駄目だな」と承知。

 このあたりの海は海底近くに海藻が繁茂しているために、イカ釣りの餌木(=疑似餌)を海底の深いところで動かすと藻に引っかかって餌木を失うことになりかねません。

 そこでそのギリギリをつくという意味で「攻め」の釣りが求められるというわけです。

 しかし今日はなんとも絶不調。

 海に漂っていたビニール袋を救い上げようとして餌木をロスト。

 海底を攻めすぎて餌木をさらにロスト。

 おまけに場所を取ってくれていた釣りジャイアンとライントラブル。

 結局私が釣れたのは1パイだけという惨敗です。

 周りの釣り友達が同情してわずかに釣れたイカをわけてくれましたが、情けない限りです。

 家に帰ってきてからはやけ酒を飲んで今日はもうふて寝です。

 スランプから脱出するにはどうしたものか…、うーん。

 

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研究発表会 ~ リモートだけれど普段より盛り上がったわ(笑)

2020-11-28 23:50:12 | Weblog

 都市計画学会北海道支部の研究発表会が終わりました。

 コロナ禍のなかでの研究発表会は、基調講演の講師も聴視者も論文発表者もがネットの向こうからの参加という、新しい時代を予感させる仕立てでした。

 はじめにユニリーバ社岡本美紀子さんからの講演は、もう4年前から始めているユニリーバ社の働き方改革のお話。

 その後にコロナウィルスが広がって、会社は今年の3月11日から在宅勤務になり今も続いています。

 コロナ対策はいろいろな会社がそれなりに対応していますが、ユニ社の基本は、世界基準に照らした「社員を大切にする精神」であり、同時に「オフィスがなくても働ける仕組み、考え方」を導入してきていたもの。

 そのためコロナ禍のなかでも働き方の改革がスムースに移行できているとのことでした。


     ◆

 働き方改革は、なぜやるのか ということを自社がきちんと定義できているかどうかがまずはカギになります。

 しばしば『残業時間を減らす』といった目標が立てられますが、これは手段であって、手段が目的化しやすいことには注意が必要。

 ユニリーバは、働き方改革の目的として社員一人一人が『生き方を決めること』としました。そしてそのために会社でどのように働くのかを決めたというのです。

 ユニ社の働き方改革は「WAA(わあ=Work from Anywhere and Anytime)」と呼ばれ、場所や時間を自由に決められる制度です。

 具体的には、工場は24時間体制ですが工場を除いた社員が対象で、5~22時で自由に勤務時間・休憩時間を決められるというもの。

 ユニ社はこの改革が成功したと考えています。

 指標で言うと、始めは生産性向上を狙ったのですが、次第に生産性ではなく社員の主観で測った幸福度を上げることの方が本質に近いのではないかという考えに至りました。

 生産性は「あげる」ものではなくて「あがる」ものではないかと気が付いたのだと。

 そのキーワードは、「"生産性"よりも"幸性(しあわせい)"」です。言葉遊びのようですが面白い。

    ◆

 この活動の延長で、2019年から、地方都市における「Waaケーション」の推進が始まりました。

 社員を地方都市に関わらせて、そこで地域貢献を果たし自ら考える機会を作ろうというのです。

 そんなユニ社が包括連携協定を結んでいるいくつかの地方都市の中の一つになんと静岡県掛川市がありました!

 2019年7月にwaaケーションを地域でスタートさせた

 驚いて講師の岡本さんに「掛川とのゆかりはなんですか?」と訊いたところ、「森町にリプトンの工場があることと、地元市役所の方の熱意です。私も何回も掛川には行っていますよ」との答えが返ってきました。

 また「ワーケーションといいながらバケーションとはあまり考えていません。役員も実際に行って鍵となるのは、自治体のトップが相当な危機感やビジョンがあるところが大前提です」とも。

 最終的には、働き方改革とは生き方の改革である、とか、社員が自分で決めるという自主性が鍵ではないか、ということでしたが、そんな社風に耐えられる人でなければ残れないのかもしれません。

 今度掛川に行くことがあれば、ユニリーバ社との関係を聞いてみようと思います。


     ◆


 後半は論文発表会。

 今回は論文発表も、事前にA4一枚の概要を届けてもらい、あとはネット参加の口頭発表と質疑応答を聞く形です。

 ネットでの発表と質疑応答も、Zoomにはチャット機能があって、発表を聞きながら参加者からの質問チャットが寄せられ活発なやりとりが行われました。

 終わった後で皆から、「こういうやり方が活発な意見交換に繋がり、来年もこういう形で十分やれますね」という前向きな感想が多く寄せられました。

 仕方なくリモートではなく、意見を活発に出させるためのリモートになるならばピンチはチャンスになると言えそうです。

 刺激的で面白い一日でした。

 たまには脳をフルに使うこんな日があっても良いですね。

 参加された皆様、お疲れさまでした。 

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基調講演は新しい働き方 ~ 都市計画学会研究発表会

2020-11-27 23:00:37 | Weblog

 

 明日の土曜日は、午後から都市計画学会北海道支部の研究発表会が開催されます。

【2020年度日本都市計画学会北海道支部研究発表会】
  http://www.cpij-hokkaido.jp/201104_meeting.pdf

 主な内容は、約1時間の基調講演と研究発表会の二本立て。

 基調講演は、コロナ前から「WAA(= Work from Anywhere and Anytime)」と呼ばれる積極的な働き方改革をしているユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社から人事マネジャーの岡田美紀子さんをお迎えします。

 ご講演のタイトルは「(仮題)with/afterコロナ時代の新しい働き方について」とされていて、なかなか新しい働き方に踏み出せない企業や組織の皆さんにも是非参考にしていただきたい内容です。

 こちらはPeatixというイベント申し込みサイトから受付を行っていて、無料でオンラインでお話を聞くことができますのでご興味がおありの方はどうぞ。
 
【都市計画学会北海道支部研究発表会
  オンライン基調講演会】
 https://cpijh2020kenkyuhappyoukai.peatix.com/


 基調講演後には研究論文発表に申し込まれた方たちからの口頭発表を聞くことになりますが、今年はコロナで普段の年とは大きく様相が変わっています。

 例年であれば、研究発表会を大きなポスターにして壁に張り出す「ポスターセッション」と呼ばれる催しがあって、そこで応募者と当日参加者とが質疑応答をする場面がありました。

 それが今年はコロナのためにその部分をカットして、ポスターセッション話に。

 また口頭発表もオンラインで画面越しに発表していただくという形式にしています。

 今年は15本の論文の応募がありましたが、実に様々な課題の抽出があるので楽しみです。

 それにしてもこれからの研究者の皆さんは、なにもかもがリモートでのやりとりが当たり前になる時代を生きることになるのかもしれませんね。

 しかしパソコンが普及し始めたときやインターネットが普及したときも、それ以前に対するノスタルジックな批判はあったことでしょうが、今はそれが当たり前になっています。

 新しい技術によって新しい日常が当たり前になるものですし、もう昔には戻れません。

 新しい物事には必死にくらいついて行きましょう。

 

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高機能ソックスで釣りの準備はばっちり ~ Dexshellの高性能防水保温ソックス

2020-11-26 23:30:42 | Weblog

 

 今ワカサギ釣り愛好家の間で話題になっている透湿防水ソックスを買いました。

 Dexshell社の防水ソックスはいくつかのバリエーションがあるのですが、今回選んだのは「DS634」という保温機能にすぐれたタイプのもの。

 このソックスは足回りの蒸れの元となる水蒸気は外へ逃がし、それでいて水は入らないというすぐれモノなのです。

 防水でありながら通気性がある素材といえば、合羽などレインウェアでよく使われるゴアテックスなどがありますが、これらは伸縮性がなく靴下など直接肌に触れる素材としては向いていませんでした。

 今回のDexShell社の製品は、「アウター、防水被膜、インナー」という三層構造になっていて、生地に収縮性があるために肌触りが自然で違和感なく使用できるのが特徴です。

 靴下をはいて水の中につかると、靴下の外側は濡れるけれど靴下を脱いだ足は濡れていないというのですから面白い。

 いよいよ冬が近づいてワカサギ釣りの季節になりましたが、ワカサギ釣りは氷の上に長くいることから長靴の中で足が冷たくなり辛くなります。

 とはいえワカサギ釣りのプロは、「これ1枚を直接履くのではなく薄手の靴下を1~2枚履いてからその上にこれを履いている」とのこと。

 いろいろな人のいろいろなやり方を真似て、快適な環境で寒い釣りを楽しみたいものです。

 まずは寒い岸壁でマメイカ狙いと行きますか。

 寒さが待ち遠しいねえ。

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「互いの切磋琢磨」って社会人になると聞かなくなったような気がする

2020-11-25 23:32:20 | Weblog

 

 先日会ったある大学の先生との会話。

「先生、コロナが続くとリモート授業が多くなっているんですか?」
「いや、うちはもう対面授業に戻しているよ」

「へー、コロナ対策はどうされているんですか」
「淡々とやってます。でもマスクに手洗いなど、基本的なことをきっちりやって、密を避けながらなら、そうそう広がらないんじゃないかな」

「リモート授業での学生さんたちの反応はどうですか」
「うん、授業もオンデマンドで録画した授業を自由に見られるようにしているんだけど、そうすると、理解できるまで何度も見る学生と、適当に出席してビデオも見たことにしておけば良いという対応をする学生で成績の差が大きくなりますね」

「ははあ、他の大学の知り合いの先生も同じようなことを言ってました。でもオンラインだから伸びるとか、だから伸びない、なんてことはありますか?」
「僕はそれよりも、学生が友達同士で教え合ったり切磋琢磨したりする効果ってかなりあると思うんです」

「ほほう」
「だから、友達に会わずに画面だけ見て授業内容を理解するやり方よりも、友達同士で『ここを教えてくれ』と言って互いに理解の足りないところを補い合う方が伸びる、と思っているんです。だから対面授業にもそういう意味があるんじゃないかなあ」

 学生によっては「リモート授業の方が良い」という人と、「対面の方が良い」という人の両方がいるようですが、いずれにしてもコロナ前を懐かしんでも仕方がありません。

 今この状況でどんなやり方で自分の目標を達成してゆくのかを前向きに考える方が良いですよね。

 「友達同士の切磋琢磨」って言葉を聞いたときに、内心(ああ、青春だなあ)と思いました。

 社会人になるとそういうことって少なくなりますね。

 若い学生に接していられる教師という仕事は、気持ちが若くいられるような気がします。

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橋の前後の段差をなくせ ~ 試験施工を終えました

2020-11-24 22:44:20 | Weblog

 凍てつく道東の風の中、新しい舗装材の試験施工を行いました。

 お手伝いいただく地元の建設業者さんからは、「雪が降ったら、予定の作業員は皆除雪車で出動しますのでお手伝いできませんよ」という事前の条件がついていましたが、積もるような雪はなくなんとか施工にこぎつけました。

 現場は国道にかかる小さな橋の前後ということで、片側交互通行の規制をかけて一車線の中で施工します。

 道路にかかる橋は、コンクリートにせよ鉄橋にせよ、温度によって橋の長さが伸び縮みします。

 もちろん橋と土の道路の接点にはジョイントと呼ばれる伸び縮みがあっても橋が落ちないような部品が組み込まれているのですが、この前後は車の振動を一番受けやすい部分なので普通のアスファルト舗装が一番傷みやすいところです。

 そのためしばしばアスファルト舗装が壊れて穴が開いて段差を生じます。

 それも場所によっては結構大きな穴になり、振動もかなりひどくなります。

 今回はその部分を補修してなおかつ耐久性も良い合材をあらたに開発しててみました。

 施工後はとりあえず段差の解消ができましたが、これがこの冬の寒さを超えて持つのかどうか、さらには除雪車が走る中ではがされてしまわずにのこっているかどうか、現実的に使えるのかどうかが問われます。

 北海道の暮らしを様々な角度から支える道路の品質の向上は、永遠の課題です。

 当社の技術スタッフも明日の日本をよりよくするよう頑張っています。

 まずはこの冬の様子を見守っていくつもりです。

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命の道を守る道路の「品質」

2020-11-23 22:27:25 | Weblog


 明日は中標津で現場立ち合いのお仕事があり、今日は前乗り。

 11時50分札幌駅発の特急大空にのって一路釧路へと向かいます。
 
 札幌は朝方に3センチの降雪があり、トマムあたりまでは車窓の天気も曇り空でしたが、帯広あたりからは晴れ上がって道東の冬らしい天気になりました。

 釧路で私よりもさらに前に先乗りしていた同僚の出迎えを受けて、明日からの現場のある町へと向かいます。

 明日は現場で新しい舗装材を施工する作業の立ち合いです。

 北海道の道路は厳しい冬を過ごすことで痛みが激しく、各所で穴が開いたり段差を生じたりしていますが、このことで走行する車に乗っている人にも振動が伝わります。

 ただのドライブだったら不快な気持で済みますが、一刻を争う病人を運ぶ救急車となると、そのような振動をできるだけ与えないように慎重な運転が求められます。

 結果として順調に走行したときに比べると病院までの到着時間が遅れることが考えられますが、できればそれを避けたいものですし、そのためには良好な道路の品質が保たれることが求められます。

 今回は特に橋が架かっているところでの段差をなくしてしかも耐久性が良いような舗装のための新しい材料の試験施工をするのです。

 道路は物流や人の移動を支えていますが、時によっては命も支えるインフラです。

 道路をして「命の道」という人もいます。

 良好な路面状態が長持ちすることは、維持管理経費の削減にもつながるので社会のニーズと言えるでしょう。

 良好な素材として認められるかどうか、最も気象の厳しい道東での試験施工。

 まずはその状況を見守りたいところです。

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良い夫婦で良い居酒屋へ行こう

2020-11-22 23:01:25 | Weblog

 

 今日11月22日は「良い夫婦の日」ということで、妻と居酒屋に繰り出しました。

 本当は、中国から緊急帰国している次女夫婦が12月に中国再赴任になりそうだということで、「その前に北海道旅行をして札幌の我が家にもよりたい」ということだったのですが、道内でのコロナ蔓延に鑑みて急きょ中止になってしまいました。

 皆で行こうと予約をしていた居酒屋ですが、せっかくなので夫婦二人で行くことに。

 馴染みの居酒屋のご主人に「コロナで娘たちがこれなくなって予約の人数が少なくなってごめんなさいね」と言うと、「まあそんなことじゃないかとは思っていました。でもそれでもご利用いただいてありがとうございます」とある程度は察していた様子。

「コロナでお客さんはやっぱり減ってますか?」
「ええ、今日あたりはまだマシな方ですが、平日は10人くらいですもんね。従業員の給料をどうやって払おうか、苦労してます」

 確かに、小上がりが3つとテーブルとカウンターで25人くらい入るお店ですが、今日は10人ほどの入りでした。

 ちょっと可哀想になって、普段より2割くらい多めに注文をして最後はおなかがパンパンになりました。

 このくらいでは落ち込んでいる消費を盛り返せるわけはないのですが、なんとなく少し多めに使ってやろうという気持ちにはなっています。

 コロナも、「いよいよ第三波の到来」と恐怖をあおるマスコミがあれば、「コロナは日常のウィルスだから過剰に心配する必要はない」という医療関係者もいて、真相のわからない私たちは戸惑うばかりです。

 行政でもマスコミでも、そろそろ統一的な見解をしっかり出してもらえないものでしょうかねえ。

 多すぎる情報に右往左往する日々です。

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お爺ちゃん、倒れてますよ

2020-11-21 23:21:43 | Weblog

 

 昨夜に実家の両親のところによく出入りしている弟からメールがあって、「親父がちょっと大変だわ」とのこと。

「なんだ、どうした?」と電話すると、「バスで病院へ行った帰りに歩いて帰ってきて、家の近くで行き倒れ状態になって通りがかりの人に助けられたんだって」とのこと。

 そのうち母親からも電話が来て、「いや、病院へ行ったきりなかなか帰ってこないな、と思っていたら玄関のチャイムが鳴ってさ。『奥様、おじいちゃんが倒れてますよ』って言うから慌てたよ。バスで帰ってくればいいものを歩けると思ってるんだね、歩いて帰ってきて、あと少しというところで力尽きて倒れたんだって。車道で倒れていたら轢かれていたところだよ」とまあ愚痴ることしきり。

 母の電話では要領を得ず、父の様子を見に今日は実家を訪ねました。

 父は案外普通でしたがちょっと元気がなさそう。

「本当のところは一体どうしたっていうの?」

 父は力なく、「あとほんの少しだったのさ。あとほんのちょっとで家に着くというところで歩けなくなっちゃった」

 今年90歳になった父は月に一度、持病の薬をもらいに4kmほど離れた病院へ行くのですが、普段はバスで往復しているのです。

 本人は人生で一度も入院したことがないということが自慢で、実際まだ歩くことには自信があるのです。

 その日は病院まではバスで行ったのですが、帰りのバスが1時間に一本しかなく、(4キロくらいなら歩ける)と歩き出したのですが、思いのほか疲労が蓄積。

 そして家まであと50メートルというところで本人曰く「精魂尽き」て、歩くことができなくなり、倒れてしまったとのこと。

 するとちょうど車で通りかかった親切な男性が「どうしましたか」と尋ねてくれたので、「家はすぐそこなんですが、一歩も歩けなくなりまして。妻を呼んでいただけないでしょうか」と母を呼んでくれるように頼みました。

 母が驚いて迎えに来たものの、動けない父を抱えて歩くこともできず、その親切な男性が一緒に抱えてくれてようやく家まで連れ戻すことができました。

 途中で何度も転んだらしく手がすりむけていたそうですが、それすらも覚えていないのだそう。

 母曰く「ちょっと前のこともしょっちゅう忘れるようになっているんだよ」。

 その病院では事前に送迎バスの予約もできるそうなので、そうすればよかっただけのことですが、本人はまだまだ自分は元気だという過信があったのでしょう。

 とりあえずは大きなけがもなく元気そうでしたが、そろそろ日常生活にまだらに支障が出始めているようです。

「まずは病院の送迎を使うか、バスで行くことにして、もったいないと思わないでタクシーも使ってくださいよ」と言っておきましたが、さてどれくらい身に染みているのやら。

 母は母で、「もう終活で片づけをしようとは思うんだけど、ちょっと始めたらすぐ疲れちゃってできないのさ」とこちらは悲しそう。

 母もだんだん歩くのが辛くなってきていて、買い物などは弟が車を出しているのですが、そろそろ我々子供の総力を結集しないといけないステージが近づいているようです。

 これも自分の行く道ではあるのですが。

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