北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

釧路駅の情景

2010-06-30 23:37:16 | Weblog

 朝一番で辞職を承認する辞令をいただきました。そこからは道庁を始め市内で挨拶回り。昼過ぎに職場へ戻って、午後一時過ぎに退任の挨拶をして職場を後にしました。

 3ヶ月という期間は短いものでしたが、これまでの補助金制度が変わって今一番話題になっている交付金に関する事務と情報に触れられたことは幸運でした。

 しかしながら、地方自治体の方が制度の急激な変化について行けていない印象なので、制度についてもっと懇切丁寧な説明と人的ネットワークが作られる必要も痛感しましたので、今後是非とも積極的な取り組みをお願いしたいところです。


 そしていよいよ夕方に釧路行きの列車「スーパーおおぞら」に乗ること3時間50分、夜10時前に釧路に到着しました。

 駅では市役所の担当の方が出迎えてくれて、今日からの宿泊先のホテルで明日以降のことについて日程表を確認。とにかく新人なので当面は時間の許す限り、行けるところまでひたすら挨拶回りというところです。

 お互いに初めて同士というのは、第一印象も大切ですし、後々の人脈形成の最初の一歩なので、あだおろそかには出来ません。

 さて、新しいアパートへの引っ越しは週末で、今日から三日間はホテル住まいです。今日のところはまず体調を整えて明日からの日々に備えなくては。

 写真は釧路駅に降り立ったときのもの。釧路の始まりの最初の情景は雨上がりの霧の出迎えでした。

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最後お餞別

2010-06-29 23:50:57 | Weblog
 春先に着任して以来、懸案となっていた案件が急遽解決に向かっているという嬉しい報せが届きました。

 (これは解決しない状態で後任に引き継ぐことになるのだろうな)と思っていたところが、最終の詰めを行えばこの3ヶ月悩んでいた問題が解決するというので、この朗報にほっと胸をなで下ろす気持ちです。

「お餞別になりましたかね(笑)」とは先方の担当者の弁。今のポストで実質最後の一日に届いた朗報は、一番ありがたい餞別になりました。

     ※    ※    ※    ※

 そして今、ワールドカップの日本対パラグアイ戦が終了しました。

 120分の死闘を経て、PK戦での惜敗。うーん、残念ですがよくやりました。胸を張って帰ってきて欲しい。選手達は日本の誇りです。

 明日は朝一番で辞令をもらい、その後は挨拶回り。夜には釧路入りです。
 
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それでも選挙へ

2010-06-28 23:55:25 | Weblog
 3月まで住んでいた川崎市の選挙管理委員会から来たる参議院議員選挙の案内ハガキが届きました。

 札幌に住まいを移してからまだ3ヶ月が経過していない私は、川崎市の選挙人名簿に登録されているのです。

 葉書を読むと、どうやらこれを持って行けば川崎市で期日前投票は出来るものの、住所が変わるなどしている場合は、投票用紙を送ってもらうことも出来るのだそう。

 そこで困ったのが、6月30日の夜に移動して7月からは釧路の人間になる私はどうしたら投票が出来るのか、という問題。

 考えたけれど結局よく分からないので、川崎市の選挙管理委員会に電話で聞いてみました。

 すると答えは、ネットで投票用紙の請求書兼誓約書に必用事項を書き込んで、川崎市の選挙管理委員会に送れば新しい住所に送ることが出来ますし、引っ越しなどで郵便物が届くかどうか不安な場合は職場へも送ることができるのだそう。

 しかし、札幌から川崎市へ手紙を出して、そこで向こうが投票用紙を送付してくれ、意中の候補を書いた投票用紙は再び川崎の選挙管理委員会に郵送をし、投票日の当日に開封して開けるのだと言います。

 それってもうすぐにでも投票用紙の請求をしないと、投票日までに投票用紙がつかない可能性があります。焦りながらまずは請求用紙を郵送しました。

 電話の中で、「引っ越しをしている最中なので、新しい住所に送ってもらっても受け取れないかも知れない」と言うと、「ならば職場へも送れますよ」とのこと。

 それならば、ということで職場に送ってもらうことにしました。

    ※    ※    ※    ※

 以前から4月の転勤では、しばしば選挙が出来ないという経験があったのですが、それはあくまでも地方選挙の場合。国政選挙はどこでも出来るのが原則のようです。

 引っ越しとのタイミングが微妙な時期の選挙ですが、国民の権利を行使するためにはぎりぎりまで粘らなくては。まあいろいろな経験をさせられます(笑)
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ただいま引っ越しの準備中

2010-06-27 23:55:44 | Weblog
 釧路への移動は30日の夜にして、引っ越しは7月3日に設定。

 1日と2日はホテル住まい。赴任期間のない自治体への転勤と引っ越しは、まずは日常生活を整えるのに一苦労です。

 今度のアパートの部屋は東京にいたときよりも狭いので、荷物も絞り込んで送ることにして、その他必要なものは現地で借りるか買わなくては。

 パソコンのデータも移し替えたいのですが、東京での環境を移行しようとしている最中に、自宅のパソコンをクリーンインストールしたために、パソコン環境は混乱中です。

 釧路ではこの機会に落ち着いたところで新しいものに替えるつもりですが、これまでの写真データなどの資産の保存と活用は案外面倒なものです。

 財産も増えると処理が大変。今度は少し身軽に行きますか。
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釧路の資源が集まってきました

2010-06-26 23:57:25 | Weblog
 土曜日も続く送別会。今日は昔の職場の仲間たちが集まってくれました。

 「釧路には私の先輩の○○さんがいますよ」「△△さんを覚えていますか?今あの方が釧路にいるんですよ」「××さんの子分がいますから存分に情報収集してください」…、とまあ次から次へと強力な釧路人脈が届くようになりました。

 大事な役割の一つは、そうした人たちと会ってネットワークの中に入ってもらうことだと思いますので、本来業務と平行してそうした人の資源の掘り起こしに忙しくなりそうです。

 「釧路で一番の印象はなんだった?」釧路で3年間勤務した後輩に訊いてみました。すると答えは「サンマの美味しさでしたね」

「そんなに美味しかった?」
「知り合いの女性が『浜からもらった』と言って発泡スチロールにたくさん持ってきてくれたんですが、刺身にしようと思って包丁でチマチマさばいていたら、『そんなの、食べられるところだけ取って後は捨てていいのよ。たくさんあるんだから』って、まだ食べられそうなところも大きく切って捨てるんですよ。それでもとにかく安いので、そういう食べ方もあるんだなあ、と美味しさと一緒に驚きました」 

 釧路の魚は楽しみです。「船に乗せてやるからな」という漁師さんの知り合いもいるので、海とぐっと近くなりそう。

 ダイビングは寒くてちょっと無理かもしれないけれど、海と魚の世界がまた広がりそうです。
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同行二人(どうぎょうににん)

2010-06-25 23:36:02 | Weblog
 掛川から知人が訪ねてきました。話を聞くと、道内で掛川のお茶による生活提案、ライフスタイル提案の企画をやりたいという話が進んでいるのだとか。

 北海道の人たちは、あまりお茶に関しては意識が高くないと思っていたのですが、今や北海道の定番であるスイーツとの組み合わせや、お茶と健康の物語などでアンテナショップ的に展開してみたいとのこと。

 最初は「実験なので年間200日くらいかな」と言っていたのが、話し合ってゆく中で「八十八夜と言いますから、88日×2回でどうか、という話も出ましてね」
 なるほど、お茶を巡る数字へのこだわりも、おもしろさに繋がりそうですね。

 緑茶は出し方一つで味もてきめんに変わってしまうので、美味しく飲む技術から指南することも大切。たかがお茶もなかなかに奥が深いのです。


      ※     ※     ※     ※     ※

 そんな知人の紹介で、同じプロジェクトで来札されているまちづくりの大家のHさんと会食を楽しみました。

 Hさんは今や、中国での都市観光プロジェクトにも依頼が来ていていろいろな発想を実現させるために奔走しておられるそう。

「その土地や出来事に没頭していると、その人たちが自分に乗り移ってくるような体験をすることがあるんです。四国八十八箇所の霊場めぐりのお遍路さんたちは、一人で回っていてもいつでも空海(弘法大師)がついて一緒に歩いてくれている。目に見えなくてもそう思う人のそばに必ずいてくれているという思いを『同行二人(どうぎょうににん)』と言うんですが、まさに一人でやっていても誰かが乗り移ってきて二人でやっているような気持ちになることがあるんですよ」とHさん。

 私も「なるほど、分かります。私も北海道の歴史に触れて蝦夷地を探検した先達の物語に触れるたびに、これをなんとかして後世に面白く伝えたいと思うのですが、そういうときは歴史上の人物が乗り移って、私の口を使って言わせているのではないかと思うことがあるんです」と答えました。
「そうそう、それそれ。まさにそれが『同行二人』じゃないでしょうかね。私なんかはいまや古代中国の皇帝までが乗り移ってきていますよ(笑)」

 「同行二人」 お遍路さんとは違っても、そんなことをかんじるときってありませんか?
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またまた転勤、今度は釧路市です

2010-06-24 23:54:57 | Weblog
 本日人事異動の内示をいただきました。7月1日付けで道東の釧路市役所の副市長として転勤になります。

 東京の都市再生機構から札幌へ戻ってわずか3ヶ月ですが、我々は紙一枚で行く先を決められる立場ですので、釧路でも全力でがんばりたいと思います。

 私にとっては地方自治体の助役・副市長は静岡の掛川市に続いて二度目のことですが、道内の自治体で国(総務省以外)から副市長を迎えている例はおそらくないと思いますので、恥ずかしくないような仕事をしたいと思います。

 以前掛川の榛村市長は国から助役を借りることの意味として、①生の情報が直接手にはいること、②霞ヶ関ネットワークの力を借りられること、③お願い事も直接聞いてもらえること、④外の行政の進め方を取り入れることで職員に新鮮な意識をもたらすこと、などを挙げていましたが、そうした期待に応えられるようにがんばりたいものです。

 しかしながら、人口規模は20万人で1,362平方キロメートルというのは、掛川よりもはるかに大きく、一方で経済的には苦しい状態が続いていますからこれまでの経験がどのように生かせるのか。地域を盛り上げてゆくためには懸案が山積みでしょう。

 なにせ初めての土地でもありますので、たくさんの方々のお話を聞いて勉強しながら早く慣れたいところです。

 釧路へ行くという情報は先週から流れていたのですが、私から言えるのは今日からということで、いろいろなところから声をかけていただきながらお答えできずすみませんでした。

 アパートも決めて引っ越しの準備も始めました。当面は単身生活になりますが、なかなか札幌の自宅には住めないものですね。

 今釧路には有能で志ある友人も集まっていますので、この輪を広げてゆきたいところです。皆様からのご支援をどうぞよろしくお願いします。
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菅総理の経済理論~小野善康阪大教授へのインタビュー

2010-06-23 23:31:34 | Weblog
 韓国の中央日報は自国での記事を日本語版で配信していて、しかも読者からもコメントも受け付けるというきわめて柔軟な方針を貫いています。

 記事の内容は、ちゃんとチェックすると結構「??」というものが多くて困るのですが、違った意味で楽しめるのかも。コメントは日本側から辛辣なものが多いけれどそれでもコメントを受け付ける姿勢は、そこだけ見れば日本の新聞よりずっとマシに見えます。

 そんな中央日報ですが、今日は今菅総理の経済ブレーンと言われている大阪大学の小野善康教授へのインタビューを掲載していました。

 日本語への訳がちょっとぞんざいだったり耳障りな点は差し引いてご覧ください。

=========【 ここから引用 】=========
【中央日報】小野善康教授「税金納め創造的働き口を作るべき」

    http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=130408&servcode=A00§code=A00


菅ノミックス(Kanonomics)。菅直人日本首相の経済哲学と政策だ。「税金(消費税)をもっとおさめて経済成長を促進する」というのが核心だ。菅首相は昨年末まで明らかな経済哲学を提示することができなかった。経済は彼の専門分野ではない。ところで今年に入って彼は確信に満ちた口調で「税金引き上げ→経済成長」という戦略を出した。誰が菅首相の頭にそんな考えを吹きこんだのだろうか? 主人公は小野善康大阪大学教授だ。菅首相が財務長官時代の今年の2月から日本内閣部経済顧問として活動している。中央SUNDAYは先週、彼と電話インタビューをした。

--菅首相の経済家庭教師だと言うが、彼の経済哲学と政策の特徴を説明してくれ。

「菅首相の経済哲学と政策を直接言うことはできない。代わりに内閣部経済顧問として私が彼に話しただけを言う。今年初めから1回2時間ずつ6、7回、彼と財務部官僚らに私が思った不況とデフレーション脱出方法を説明した。菅首相は熱心に私の説明を聞いた」

--菅首相の経済政策のうちかなり多数があなたのアイディアだという話が多い。

「そのように見ることもできる。しかし菅首相が何を考え、どんな政策を出すかは私にも分からない。私のことは彼が問う質問に返事をしてあげることだ」

--菅首相が税金をもっとおさめて経済成長を促進すると言った。どういう意味か。

「税金をもっと取り入れると経済成長が上がらない。税金で“創造的な働き口”をたくさん作ってこそ成長が促進される」

--税金をもっとおさめれば民間需要を抑制しないか。

「税金を削ると日本の民間需要が増える段階ではない。日本人たちが消費をしないのは雇用不安のためだ。これから生計が不安だから金を儲けた瞬間に貯蓄してしまう。経済主導者の不安感をとり除いてあげれば内需がよみがえる」

--創意的で安定的な働き口とは何か。

「環境にやさしい分野や医療・教育サービスなど新しい価値を作り上げる働き口だ。単純に政府が税金で年金基金を増やすとか各種補助金を支給しても再分配効果があるだけだ。需要が期待しただけ増えない」

--そうすれば日本が長期不況とデフレーションから脱出することができるか。

「日本は供給より需要が不足な状態だ。韓国もすでにそんな段階に入ったと思う。経済が完熟期に入った国々がそうだ。ここに日本人と日本企業はバブルが崩壊しながらおびただしい資産損失も経験した。極度に現金にとらわれすぎるようになった。政府が税金で創意的な働き口を作り出せば需要が増えながら成長率が高くなって物価下落は消える」

--専門家たちは日本が構造調整を徹底的にしないため不況に喘いでいると思う。

「構造調整方式は需要が不足で起こったことを企業など供給の方で解いてみようとするものだ。小泉純一郎元首相らがとった政策だ。彼は金融圏不良資産を払い落とし、一般企業の構造調整を刺激した」

--日本経済の効率性が高くならなかったか。

「企業の効率性は高くなったことがある。多くの職員を出して費用を減らしたからだ。ところで国民経済次元で多くの人が働き口を得ることができなくて遊んでいるし、需要が不足で製品とサービスが売り切れなくて倉庫に積もっているのも非効率だ。こんな非効率が日本経済の問題点だ」

--小泉式改革である程度蘇らなかったか。

「80年代には日本の終身雇用が最善の代案」という言葉が流行だった。小泉元首相時は米国式構造調整が解法という言葉が力を得た。小泉元首相は科学的な根拠より時代の流行に合わせて構造調整政策を進めた」

--小泉式改革は失敗したという話か。

「日本では企業構造調整のため失業者がもっと増えて需要がもっと減った。賃金まで下落して景気低迷とデフレーションがますます悪くなった。また沈滞のため税金が不十分に集まって財政も悪くなった。小泉式構造調整政策は違っていたと言い切ることができる」

日本中央銀行がデフレーションを治癒するために銀行券だけではなく一般企業にもお金を貸している。また円価値を落として輸入物価をあげる方式を使うものと予想された。

--菅首相執権後、円の価値が落ちるという専門家が多い。

「自然な結果だ。為替は簡単に言って経常収支にかかっている。内需が増えれば経常収支が減るものと決まっている。自然に円価値が下落するほかない」

--円安は通貨危機不安感を促さないか。

「自国通貨価値が高ければ経済ががっちりしていると錯覚をする人々が少なくない。1ドルが150円台である時、日本経済が活気に満ちた。反対に今、円-ドル為替が90円台だ。今、日本経済ががっちりしていると言えるか」

--どうしてこのごろ円価値が好況期より高いか。

「遠く見れば小泉元首相らの構造調整政策が原因だ。働き口が減って日本内消費が減少しながら収入が減った。一方、企業の輸出はそのまま維持されるか増えた。経常収支が増加しながら円高を見せている。沈滞→経常黒字増加→円高の悪循環だ」

=========【 引用ここまで 】=========

 経済が悪化する原因が供給側にあるときと需要側にあるときでは処方箋としての経済対策が違ってきて当然です。

 しかも経済を動かす因子は人口動態や資源・エネルギーの状態、どこかの国でのバブルなど多岐にわたり、常に動いている動的な存在です。

 それにも関わらず、なぜか政党政治になると、ある政治勢力は供給側の改革不足が問題だと言ってリストラを奨励する信仰にはまり、対抗する政治勢力は需要側に問題があると言ってバラマキ的な需要創造をする信仰にはまりがち。

 なぜか状況に臨機に応じた政策はとれず宗教戦争のようになってしまいます。おまけに経済対策を臨機に行おうとすれば、「過去とやり方が違う、ブレた」といって批判する勢力もでるありさまです。

 現状をどう認識するか、というコンセンサスを築くのがまず第一でそれが国民的認識になれば対応の手だては当然分かりやすいものになると思うのですが、政治的力学は本当に難しいものです。

 …で、小野教授はそういう意味では、現在の不況を需要側に問題ありと診断している方。需要が不足しているから不況なのであれば仕方がないので国が需要を作り出せばよい、というのがケインズさんの発想でしたが、このツールとしてしばしば使われてきたのが公共事業という訳です。

 需要として生み出すならばそれに見合う原資は早くからちゃんと集めなくてはいけなかったのにそれを国民に言い出せず、とりあえず国債を発行して国民から借りて凌いできた結果が現在の赤字国債の積み上がりでした。

 そろそろそんな状況に不安を抱く国民も増えてきていているので、これ以上の国債発行が難しい政治状況にもなりかけている中、小野先生はやはりまずは国が需要を創造して雇用を増やすべきで、その原資も国民に求めるときではないか、という主張です。

 そうした理論を受けての菅総理の増税発言、国民はどう受け止めることになるのでしょうか。

 参議院選挙は明日告示で、いろいろな情報も明日解禁です。

 
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経済が膨らんでしぼむ原理

2010-06-22 23:26:06 | Weblog
 最近はちょっと話題性が薄れたホリエモンこと元ライブドア社長の堀江貴文さんですが、ブログなどネットで発信
される情報には根強いファンが沢山います。

 そんな堀江さんのブログに「お金とは何か」という大変深い話がありました。まさに信用による経済はバブルを内包するというのです。

 まずはこちらからどうぞ。

=========【 ここから引用 】=========
【Happy FX】 堀江貴文「なんで貯金するの?」
 http://news.livedoor.com/article/detail/4827999/

 投資とFXの面白さをご紹介している「Happy FX」では、今回、元ライブドア社長の堀江貴文さんに、「貯金と投資」についてお話を伺ってきました。

―貯金するより投資すれば良いと著書で書かれていますが?

 そもそも、貯金するという意味がよくわからないんですよね。
 今まで、物を買うのに、貯金したことがないんですよ。貯金しなくても借りて買うか、諦めるかですね。会社を作るために一瞬だけお金貯めようと思ったけどやめました。

― 一瞬だったんですね。

 それも借りられたので貯金しなかったですね。でもそれは相手にとって投資なわけですよね。お互いに投資しあう方が良くないですか?自分がお金を使うというのも投資ですよね。

 子どもの頃から、お金があればすぐ使っちゃって残らないですね。どんどん使ってしまう。
 パソコン欲しかったりすると、親からお金借りて買って、そのあとバイトしてお金を返していましたね。それがレバレッジをかけるってことなんですけど。金融技術の基本中の基本ですよね。

 お金の貸し借りが、恐らく人間が一番原始的にやっていた金融技術じゃないですか。
 他人が持っているお金を借りることでモノを買っているわけで。それを金融用語では信用創造っていうんですよ。お金を貸すことによって貨幣が増加することを表す専門用語です。

 例えば、お金を貸りた人の手元に1ゴールドがあるとしますよね。すると、貸した方の手元にゴールドはないけど、1ゴールドを貸した権利書がある。昔は権利書じゃなくて口約束だったかもしれないけど、その権利書に1ゴールドの価値があるとすると、お金は貸すことによって、実体は1ゴールドだけども、使用できる総量としては、2ゴールドになったと言えますよね。その権利書自体も他人に貸せるわけですから。

 私が著書で、「お金は信用を数値化したもの」と言っていますが、これは信用があればお金は集まる、という意味だけじゃなくて、信用って、要はお金だってことなんですよ。貸し借りによって信用が創造されて、実体の価値より増えているんだから。

 だから貯金する意味がわからない、と言っているんです。価値が増えるならそれを活用したほうがいいじゃないですか。

 お金を貸すっていうのは、信用によって成り立っているわけですよね。
でも、相手が返さないかもしれない。そしたら信用が収縮していくんですよね。

 不況だと信用が収縮して、バブルになってくると信用がわーっと膨らんでいく。
 お金を貸して、さらにその人にお金を貸して、どんどんどんどんバブルのような形でお金って大きくなっていくわけですよ。

 それが信用創造で、お金を貸す、借りるっていうことを人間が発明したから、そこで信用が創造されるっていう仕組みができたわけです。貸し借り、貸借関係っていうのが始まった段階から、そもそもバブルを内包しているんですよね。

―信用によってお金の総量が大きくなったり小さくなったりするからですか?

 原理的にはお金って無限に大きくなりますよね。ぐるぐるぐるぐる回して、貸して貸して貸してってやったら無限に大きくなるはずですよね。際限なく大きくなると思いますよ。

 ただ、ある日突然、「あ、こいつに貸したら危ないかもしれない。」「貸し過ぎだ」とか思って、「もうこいつには貸さない」という逆回転が始まる。借りる前提で投資をしていた人が、借りられなくなってしまうと、お金を返してもらえなくなると今度は急速に収縮していくわけです。これが先にも言ったバブル崩壊ですね。

 お金は、そもそも貸し借りが始まった段階で実体からは乖離しているんですよ。乖離しているから便利になっているんですね。乖離しているから、いちいちものを買うのに、ゴールドを持って行かなくてもいいわけじゃないですか。今、銀行の口座のやりとりでできるようになっているわけじゃないですか。

 その便利な反面、お金の総量っていうのは増えたり減ったりするし、バブルが起こったりバブルがはじけたりする。これは当たり前のことですよね。便利な面と危険な面が、お金の貸し借りが始まった段階から発生するんです。

 (以下略)

=========【 引用ここまで 】=========

 100円は3回転すれば300円の経済価値を生む、というわけで、つまりは消費こそが経済を活性化させるということをきわめてわかりやすく説明してくれた堀江さんの文章。

 「信用創造」というものがいかに資本主義社会で重要な位置を占めているかと言うことがよく分かります。

 まあ普通の堅気の人であれば、貯金するくらいなら借金をするとは思えないものですが、それを逆手にとって世間の信用さえ得ることができれば、信用の連鎖は大きな経済になるのですね。

 それをねらったのがサブプライムローンでもあり、その信用が膨らみすぎたところで萎むと一気に経済が悪化するというのも改めて身にしみた今日この頃。

 ではその信用が膨らむことを行政やマナーやルールがコントロールできるのかということになるときわめてそれは怪しいところ。なにしろ皆多かれ少なかれ信用創造による経済の拡大の恩恵を受けているからです。

 要は、コントロールするなんてことはあきらめて、危ないと思ったらすぐに手じまいをする判断力だけがこの世界を生き延びる能力なんだ、と言っているようなものです。

 生き延びるコツは、過剰にのめり込みすぎないこと、につきるのかもしれません。 

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増税を巡る与野党のねじれ

2010-06-21 23:56:31 | Weblog
 いよいよ世間は参議院選挙モードに突入。

 消費税に触れたの、触れないの。触れたから支持率が下がっただの、上がっただの。政策をパクったのか、利用させてもらうのか…。

 二大政党を目指したはずが、二大政党が国民のニーズを受け止めきれなかったのか、やはり小規模政党乱立で、主張も百花繚乱状態です。

 政党の好き嫌いは人それぞれとして、この国をどういう方向に持ってゆこうとするのか、ということについて主張していることを正しく分析することは大切です。

 …で、よくよく各党の主張を眺めると、各党の政策というものはいろいろな公約がごちゃ混ぜにパッケージされている抱き合わせ商品なので、欲しいもの(政策)だけではなくて、いらないものも混じっているからややこしい。

 そんななか、やはり財政を立て直すと言うことにおいて真っ正面からこれを消費税増税議論として論じようとしているのが谷垣自民党と菅総理ひきいる民主党という構図になっています。

 増税を選挙前に言い出すあたりの勇気は称賛に値するのですが、谷垣自民党も菅民主党も、実は党内に増税反対論者を抱えていて、これがいつ増税をつぶそうとするのかが良く読めません。

 そんな状況を鋭く分析したのが、慶応大学の権丈善一先生のブログ「勿凝学問312」でした。

 まずはこちらをご覧ください。


=========【 ここから引用 】=========
勿凝学問312
    まともな野党が生まれてきたというこの国の好機
     政権交代の意義は、やっぱり、バカな最大野党がいなくなったことなんだよ   2010年6月6日    慶應義塾大学 商学部教授 権丈善一
 http://news.fbc.keio.ac.jp/~kenjoh/work/korunakare312.pdf


 先日は、某新聞社の論説委員室で、予定では1時間半のところ、みんなで話が盛り上がってしまって3時間近く遊んでしまった。閉会後、出席者のひとりが、次の言葉をつぶやきながら部屋を出て行かれていたのが印象的だったので、まとめておきます。

「なるほどそうだよなぁ。大切なのはまともな野党ねぇ・・・」

 そうなんです。野党がまともなことを言ったら評価してあげてくださいませ。この国のメディアは、これまであまりにも、バカなことを言う野党を評価しすぎてきました。それがこの国の政治をどれほど堕落させてきたことか・・・。

 「上げ潮派」を抱える自民党が、「上げ潮派」の抵抗を押し切って消費税10%を掲げて参院選を闘うそうで、これは、大変立派なことです。最大野党である自民党の決断は、選挙のために財政問題ではウソを突き通すべしとする小沢グループとは意見を異にする、与党民主党の今の主流派の決断に大きく影響するでしょうからね。

  ≪与野党政策マトリックス≫


 注)面白いのは、民主党内の対立グループ、自民党内の対立グループは、互いに烈しく憎み合っており、菅・谷垣間、小沢・上げ潮派・みんなの党間の方が親和性が高いということ。僕が、各政党を海苔巻きのようにまな板の上に並べて、右と左の2つに分ける政界再編の必要性ありと言い続けてきた根拠は、そこにある。

 日本の政党は、まぁ、政党の体をなしていないわけで、民主党の代表選や自民党の総裁選の結果次第で、党の方針そのものが右に行ったり左に行ったり右往左往――有権者にはたまったものではない、政党政治確立に向けた原始的状態。。。

 上の表の中で、財政問題を正直に論じて国難を乗り越えようとする「野党グループ」が、いままでこの国には存在しなかったのが、この国の最大の不幸でした。

 自民党が消費税率を明示する方針を決めた日が、小沢・鳩山体制の崩壊の翌日なのは偶然ではなく、日本の政界で、負担増にいかに積極的に取り組む必要があるかという軸上で政策論争が行われるには、小沢・鳩山体制の崩壊は必要条件だったのです――と、昨年の総選挙の翌日から、倒幕運動のために反政府活動に潜伏した僕は思う(笑)。
   (以下略)

=========【 引用ここまで 】=========

 権丈先生は社会保障の専門家として一貫して、「国は国民の不幸を補い幸せを富の再配分として行える唯一の機関であり、今の日本は再配分をするにはあまりにも国民負担率が低すぎる」と主張されてきている方です。

 権丈先生は国民負担率を上げるには所得税の累進制もあるし社会保険料の増額もあるわけで、決して消費税をあげることだけに賛成しているわけではありませんが、とにかく増税を言い出すと政権を一つつぶすという国民性には警鐘を鳴らし続けておられる先生です。

 そんなわけで多少の好みの差はあれど、上げ潮派を押さえた谷垣自民党等小沢派を押さえている菅民主党(+立ち上がれ日本にも)にエールを送られているようで、それを称して「馬鹿ではない健全な野党はありがたい」と皮肉を込められて表現されています。

 この間隙を縫って、「増税前にまだまだ無駄を省いてやるべきことがある」と叫び続ける主張に我が国の有権者は耳を傾けるのだろうか、というのが目下のところ私にとっても最大の関心事です。

 「まだまだやるべき」論には満足する底がないので、いつまでたっても増税路線に舵を切ることはできず、その間に時間という有限な資源をどんどん失っているということにそろそろ気づいた方が良いようにも思います。

 さてさて、マスコミや有権者はこの戦いをどう評価するのでしょうか。 
 
 

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