北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

被災時にはダンボールを~ダンボールベッドとトイレ

2013-02-28 23:48:50 | Weblog

 釧路にある王子マテリア(株)の段ボール工場を見学してきました。

 製紙工場は合併が頻繁に行われる業種ですが、こちらは昭和34年に本州製紙(株)の釧路工場として操業を開始しました。

 その後平成8(1996)年に新王子製紙(株)と本州製紙(株)が合併して王子製紙(株)釧路工場になり、今では段ボール原紙で年間36万トンの1ラインだけの操業を行っています。

 かつては豊富な原材料に支えられたこの地域の製紙工場ですが、今では原料のかなりの部分を古紙に頼るようになっているそうです。


     ◆   


 さて、こちらで製造している段ボールの使用先ですが、50%は農産品などの食品なのだそう。

 家電製品用の梱包資材としては、かつては20%ほどあったそうですが、今では7%にまで低下してしまったそう。

 こういうところにも、家電流通の苦しさが分かります。


 さて、 マテリアさんの段ボール工場の隣には製品を製造する王子コンテナ(株)の工場もあって、こちらで箱ものなどの製造を行っています。

 段ボールの梱包資材となると、大きさや形も千差万別で同時に印刷もそれぞれ独自の図柄となります。

 こちらにはそんなお得意さんから受注する段ボールの抜型や印刷の版下などもたくさん保管されていて、様々なオーダーに素早く応えています。

     ◆   

 そんな様々な段ボールの利用先としてこちらが今注目しているのが、災害時の緊急用資材としての段ボール。

 災害で避難した避難所が求めるのは、「一に食料、二に段ボールですから」と言うのは、藤村工場長さん。

 緊急用資材として一押しなのが、段ボールベッドです。

 体育館などの避難所では、床からの冷たさが特にお年寄りなど体力のない人には辛い環境ですし、床にべったり寝ていることで立ち上がるのも大変。

 それに対して段ボールでベッドにすることで、床からの冷たさを防ぐと同時に、この高さならば立ち上がるのにも負担が少なくて済むというわけ。

 箱の中には補強用のカスガイ役の紙を一枚入れるのがコツだそうで、これで段ボールの強度がぐんと増します。

 敷き詰めた段ボールは、ちょっとした荷物入れにも使えて、とても便利です。

 何個の段ボールを組み合わせるかや、現実的なサイズをどれくらいにするかなどまだまだ工夫の余地はありますが、ベッドの外、プライバシーを守る衝立も段ボールでできるので、こうした資材を備蓄しておくことが極めて有効だと考えられます。

 実際、大人が数人乗るくらいでは全く潰れません。実に良いものです。


   ◆   ◆   ◆


 そしてもう一つ、緊急用資材として必要とされるのがトイレ。

 地震などで水や電気の供給が途絶えた時のトイレの問題は重要で、それを段ボールによる組み立て便器と、ビニール袋に消臭剤と凝固剤を全部含めたセットにすることで、トイレの問題を解決することが可能になります。

 問題は備蓄しておく際の体積ですが、これもある一定の量を備蓄しておきつつ、こちらのみならず他地区も含めて工場さえ動くようだったらそこで製造して輸送することだって可能です。

 避難生活の環境改善のために、緊急輸送物資としての段ボール資材をもっと真剣に考えたいものですね。

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花粉のないまち釧路で旅行商品ができた

2013-02-28 23:45:49 | Weblog

 

 格安旅行商品を販売することで知られている、H.I.S社さん。

 「スギ・ヒノキの花粉のないまち、釧路」を宣伝していたところ、いろいろとH.I.S社さんからの問い合わせをいただいていたのだそう。

 それがついに旅行商品として出来上がり販売されました。

 それがこちらの、「世界三大夕日の美しい街へ~空気も食事も美味しい~ストレスフリー!すっきり快適滞在『釧路』」というツアーです。

 http://bit.ly/Y59E2F

 3月4日から4月26日までのツアー商品として、4日間~6日間の滞在プランがあります。

 今朝のNHKでは、花粉にPM2.5だけでも大変なのに、これに黄砂が加わるとなおひどいことになりそうだ、というニュースが放映されていました。

 とてもマスクだけでは防ぎきれない、という方は是非、釧路への「避粉ツアー」をご検討ください。

 本当に楽なんですから。

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輸送艦「しもきた」寄港でわかった冬の防災

2013-02-27 23:45:43 | Weblog

 月曜日の朝から海上自衛隊の輸送艦「しもきた」が釧路に来てくれました。

 東日本大震災での緊急物資輸送時には、海上保安庁だけではなく海上自衛隊が大活躍し、今更ながら緊急時の海からの備えの大切さを思い知ることとなりました。

 釧路は「しもきた」側でも大事にしてくれて、今回も寒地訓練の一環として冬の釧路港を訪れてくれたものです。

 海上自衛隊の輸送艦が釧路港をよく知っているというのは、いざというときに港の状況を熟知してくれているわけで、大変心強く感謝に耐えません。

 二日間という短い期間でしたが、釧路の夜を過ごしてくれた乗組員の皆さんには束の間の休息になったでしょうか。

 今日の朝八時の出港では、市役所の幹部が勢ぞろいして見えなくなるまで手を振ってお見送りをしました。

 「しもきた」はこの後は小樽港へ向かうとのことで、航海の無事を心からお祈りします。


   ◆   ◆   ◆


 さて、冬期間の寄港ということで、受入準備をする側でも様々な初めてがありました。

 耐震岸壁には、セキュリティと安全確保のために高さ120センチほどのフェンスが張られていて、船が着くときにはこれを事前に取り外しておくことになっています。

 ところが釧路の冬での作業を実際にやってみると、フェンスの基礎部分が凍り付いてなかなか取れません。

 コツコツとつついてみてもかなり厚く固い氷に担当者たちは途方に暮れたそうです。

 そこで港の業者さんに相談してみたところ、融雪剤を使って溶かすと良い、というノウハウを教えてもらいました。

 ところが最初の内はこの融雪剤がなかなか効かなくて、溶けるのにも時間がかかったり、融けきらなかったのだそう。

 よくよく調べてみると、これが中国製の融雪剤だったそうで、日本製の融雪剤を使って見たところ効果は抜群。

 こんなところにも日中の製品の品質の差が見られた、というのは興味深いことです。やはり日本製は品質が良いのですね。


【左が中国製で右が日本製。日本製の方が白い】

     ◆   ◆ 

 さて、災害は季節を選ばすに押し寄せます。

 冬の訓練によって、考えもしなかったトラブルも経験できました。

 日ごろからの備えこそが私たちの防災対応力なのです。

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釧路市自治基本条例検討委員会~もっと市民議論を

2013-02-26 23:45:09 | Weblog

 自治基本条例の第五回検討委員会。

 今年度の委員会はこれが最後で、これまでのまとめと今後の展開について意見を交換します。

 今日はその自治基本条例の検討に先立って、環境関連で市民参加に詳しい、釧路教育大学の講師である平岡俊一先生の講演を聞きました。

 平岡先生は、学生時代から温暖化対策に関する国連の会議(COP6)等に出席して関心を深めていました。

 そんなときに京都府城陽市で市民参加によって環境基本条例・基本計画を策定するという話があり、市民が参加するということに感銘を受けて参画。

 城陽市では徹底した市民参加による策定作業が行われ、行政が誘導することもなく、当時としては先進的な条例の制定が実現したそうです。

 しかしあまりに多くの時間と回数という、多大な労力を使い、関係者は皆疲弊したり、行政とも衝突したのだそうで、本当に苦労をされたそうで、おそらく他の自治体のどこでもできるような作り方ではなかった、と回想されました。

 市民がすべての作業に深く関与することが本当に正しい市民参加の姿なのかについては疑問が残るところ。


   ◆   ◆   ◆


 その後いくつかの自治体から同じような依頼を受けて環境条例づくりに参画したものの、自治体のその後をフォローしてみると、条例が十分に生かされていない自治体も見受けられたそう。

 システムさえあればよいのではなく、それを動かす担い手が理解して使いこなせなければ意味のないものになってしまうという点が反省材料だ、とのこと。

 当然ながら、条例などは作った後に使いこなせるような運用のシステムが必要になるのであって、市民にも関心を継続してもらわなくてはいけません。

 役所の転勤による担当者の交代を、市民が補完できるだろうか? 市民参加における「市民」とは誰か? 市民に求められるマインドや力量とは何か?

 市民との関係が問われます。

 
    ◆  


 続いてはお爺さんがご出身という愛媛県内子町(人口18500人)での経験。

 基幹産業の衰退と、道の駅の成功のなか、地元には「石畳を思う会」ができてグリーンツーリズムが生まれ、今では年間80万人の観光客が訪れるまちになったそう。

 その原動力は、コミュニティビジネスに取り組み人材が町内の各方面から次々現れたこと。

 例えばそれまではただの主婦だったのが、プレゼンが上手で三セクの広報部長になったり、カリスマ農家がいたり、前町長がNPOを作って自然エネルギー導入活動をしていたり、元助役がペンション経営…などなど。

 地域での活躍は、仕事人の顔だけではありません。

 地域づくりが始まるには、学習会→議論(行政からの提案)→試行事業→行政支援による本格的事業→各方面に派生…というサイクルがあるといいます。

 参加の基礎としての、地域社会の自治力と学習・熟議文化に裏打ちされた内子町の地域社会の自治力の高さ、それを前提にした暗黙の役割分担がある。

 小さいまちほど束ねやすいということもあるかもしれませんが、大きなまちだってやってできないことはないはずです。

   ◆   ◆   ◆


 さて、そんな平岡先生からの講演を聴いた後に始まった今年度最後の自治基本条例制定委員会。

 自治基本条例とは、市と市民との合意形成や、市と市民が一体となった政策決定のための理念やルールである、という意味や、情報共有や市民参加の継続実践を保障するものだ、といったこれまで語ってきた理念についてのまとめが説明されました。

 また、検討のテーマとして、情報公開や市民参加、予算の編成過程、争点となる政策の取り扱い、権力(者)の統制などについても説明され、これらを釧路なりに同アレンジしてゆくかについてはこれからの課題です。

 そうした議論の中で、自治基本条例策定についてのコンセンサスはあるだろうか、という議論になったところで一部委員会から、「この条例を作ると市役所には履行義務が発生するだろうけれど、市民の側を変えることができるだろうか」という意見が出ました。

 同様に、「市民だけではなく、NPOなどの各種団体においても、運営したりお金を稼ぐ力がなく、自立が難しい」という意見も。

 また、「いまだになぜ作らなくてはならないか、の理由が分からない。敢えて新しい条例を作らなくても既存の指針や取り決めなどを運用すれば目的な達せられるのではないか」という意見も出されました。

 要は、条例の作成過程そのものが市民を巻き込んで自分たちで作り上げたものだという自覚に訴えなければ、結局は市役所だけの自己満足に終わるのではないか、という危惧の念でもありました。

 他の委員からも、「私もニュートラルで、どちらがいいか決めかねている」という発言がありました。

 議論の中で論点となりそうな点もあるだろうし、逐条を検討する中で、本当に制定する意義があるかどうかを平行して議論しようという事になりました。

 何事も、すんなり決まってよいことと、すんなり決まらずに議論を尽くしたことで良くなることがあります。

 自治基本条例ともなると、一般市民の生活からはややかけ離れたところにある理念的なものでもあるので、その意味はもっともっと市民に公開や伝達をして、議論が出るような気運を作る方が良いに決まっています。

 あまり拙速な結論を出さなかったことで、却ってよかったのではないか、とも思ってきました。

 市民の皆さんとも意見交換する場を作りたいものですね。


 

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北海道横断自動車道、釧根圏への開通準備

2013-02-25 23:45:23 | Weblog

 釧路で、様々なまちづくりの情報連絡をとりあっている市民有志団体の「釧路根室圏まちとくらしネットワーク」で高速道路の話をする機会を得ました。

、同フォーラムは、地方の潜在力、将来性を再認識し、地域の住民生活の健全な向上・発展に寄与する事を目的とし結成されたもの。

「すべての日本国民が同様の社会基盤整備の恩恵を享受するべきであり、そのためには高速道路不毛の地、当釧路圏に一日でも早く道東自動車道の釧路延長を願う熱意を持った有志で構成する民間の市民組織として活動したい」と宮田会長は語ります。

 釧路市内の若手オピニオンリーダーの集まりと言ったところで、影響力も強いものがあるのです。


   ◆   ◆   ◆


 そんな、道路に対する意識の高い団体で私がお届けする今日の話題は、北海道横断自動車道の整備延伸と阿寒インター開通のための準備について。

 北海道横断自動車道路は、一昨年に夕張~占冠間が開通して道央圏と十勝圏の間が一気に近くなりました。

 高速道路の開通は、移動時間の短縮はもちろん、走行の安全と安心をもたらし、そのことで相互の物流や交流を増加させる大きな経済効果が発現されます。

 道東の横断道は、帯広の東側にある本別インターで足寄方面と浦幌方面に分かれますが、釧路方面では浦幌~白糠間が平成26年に、そして阿寒インターが平成27年に開通するという予定になっています。

 つまり白糠インターの開通まであと1年半、阿寒インターの開通まではあと2年半しかないわけで、開通というインパクトを地域の活性化に活かすための準備もじかんしげんもそれだけしかない、ということ。

 夕張~占冠間が開通して道央と十勝圏が全面開通した時には十勝圏12市町村が2年前から準備を重ねて、十勝圏への誘客のための活動を行いました。

 このことには、道の十勝総合振興局も市町村を取りまとめて圏域全体の課題として捕え、活動するためのバックアップをしたそうですが、釧路でも釧路総合振興客がそうした役回りを演じるという機運が高まっています。

 問題は、あと2年ということをより多くの関係者があらためて認識すると同時に、開通の効果をより大きなものとするための活動を行うタイミングが近づいているという事です。

 道東には行ってみたい様々なコンテンツが満載ですが、実はそれが道央圏でどれくらい知られていて、実際に行ってみたいと思われているかというと、まだまだ心もとない状況です。

 
     ◆   


 もちろん、開通そのものがゴールという事ではなく、地域にとってはそれがスタートであるわけですが、まずはスタート時のインパクトをより効果的なものにすることを考えるべきでしょう。

 今日は開発局釧路開発建設部から鈴木次長以下道路事業関係者にも来てもらって、工事の進捗や今後の予定などを聴き、これからについて縦横に語り合う楽しい時間となりました。

 さて、浦幌からの高速道路の延伸は、白糠インター開通と、阿寒インター開通という形で、2年連続して節目の年となります。

 イベントが2回あるということも上手に活かしながら、道東の魅力をお知らせし、物流や交流の推進につなげたいものです。

 あと2年。この時間資源を上手に使いましょう。
 

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新しいノートにWin8

2013-02-24 23:45:33 | Weblog

【右がおニュー】

 使い始めてもう5年になるノートブックの調子が悪くなりました。

 ときどき日本語入力機能が効かなくなりはじめていて、おまけにOSもサポートの切れたWindowsXP。

 CPUも力がなくて、そろそろ寿命かなと思っていたところなので、思い切って新しいノートを購入しました。

 Windows8ってマイクロソフトの最新のOSで、タッチパネル採用がウリ。

 iPadを意識したのは分かりますが、私の場合はもう使い方が決まっていて、ノートブックでタッチパネルを使うような使い方はしないつもり。

 それでも店頭で店員さんと会話をしているうちに、「まあ新しいものにしておいた方が良いか」と思い直して、「8」を購入してしまいました。

 新しいけれども安いのを良いことに、起動ドライブにSSD、データ保存にHDDとなっているものを選択。

 OSも64ビットだし、かなりの速さが期待できそうです。

   ◆   

 多少浮かれながら家に帰ってきて必要なセットアップを始めましたが、なんと家の中で無線LANの設定ができません。

 ルーターが古いせいかどうかも分からず、とりあえず有線でつないでインターネットをやりながら各種の登録を終えました。

 それにしてもやはり使い慣れないWin8のおかげで、あっちの画面へ飛んだりまた戻ったりと、なんとも効率の悪い初日です。

 これまでよりは電池も長持ちしそうなので、そういうところでも活動の幅は広がったでしょうか。

 パソコンの更新用にとコツコツためていた500円貯金で足りるでしょうか。

 足りなかったらどうしよう…(笑)

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食って食って食いまくれ~第三回エゾシ会議inくしろ

2013-02-23 23:38:29 | Weblog

 

 第三回となるくしろエゾシカシンポジウム『みんなでエゾシ会議inくしろ』が開催されました。

 増えすぎたエゾシカによる被害が甚大な道東において、その対策を語りつつ、シカ肉を食べようという事をテーマに開いてきた第一回と二回。

 今日の三回目はそれをさらに発展させて、『もっともっと食べる』がテーマ。今まで以上に食べることにこだわります。


   ◆   ◆   ◆


 まずは基調講演が二つ。前田一歩園さんからは囲い罠での捕獲の苦労話ですが紹介されましたが、固定の囲い罠で捕獲していると、やがてその周辺では獲れなくなるのだそう。

 もっと簡易に移動できるようなシステムがあった方が良いというのが、講演に立った西田力博さんのお話でした。

 続いては東京農大の増子孝義先生から、『これからのエゾシカ学~先生、最前線のその先を教えて~』として、最新のエゾシカ情報が紹介されました。

 シカの有効利用国としては、中国とニュージーランドが参考になるとのことで、中国は鹿の角を漢方に使い、ニュージーランドはシカ肉とシカ角の生産をしています。

 エゾシカ肉は、狩猟によって得られたものと飼育肉に分かれ、それぞれ特徴があります。

 エゾシカを捕獲した後に利用するとなると、単に銃で捕獲するだけでは生態捕獲が少なくなると産業としては成り立たなくなることもあるので、ニュージーランドの産業をモデルに考えるのも一つの方法だとのこと。

 また、ニュージーランドではエゾ鹿利用に関連して、獣医や産業界でのネットワークや連携や支援団体の輪が出来上がっていて、今後エゾシカ利用を拡大しようと思うと、こうした周辺でサポートする動きが必要だ、とのことでした。

 いずれシカ牧場が必要になる 大体生育期間は2年が目安

 エゾシカ生産者の支援団体はあるのか
 んzには多い 北海道にもこうした動きが必要だ。

 
  ◆   ◆   ◆


 興味深かったのは、(独)森林総合研究所北海道支所で森林やエゾシカを研究する傍ら、自ら女性ハンターの会「TWIN」を立ち上げて会長となった松浦友紀子さんのお話。

 シカの研究では、狩猟で捕まえたシカの利用も研究していますが、シカ肉利用促進の課題としては、肉の安全性の担保が必要だといいます。

 それは、エゾシカ肉による感染症や肉処理の衛生管理などの基礎情報がまだまだ不足しているから。

 実はシカ肉を汚染するモノは、消化器官内容物、毛皮の汚れ、そして人の手なのだそう。

 これらが肉につかないように解体処理することが重要なはずですが、そうではない肉も出回ってしまっています。

 衛生的に処理した肉を食べるために一番安全なのは、衛生的な処理をしている解体処理施設から購入するのが一番で、北海道には、エゾシカ協会認証制度があるのでそれを活用するのが良いでしょう。


   ◆   


 さて、松浦さんがハンターになったのは、エゾシカの研究をするために必要性を感じたから…ではなく、純粋に楽しそうだったから、というもの。

 狩猟というと撃つところだけがクローズアップされますが、シカを探して撃って、回収して、バラして反省会をするという一連が狩猟であって、松浦さんは「狩猟は楽しくて美味しいので大好きです!」と言い切ります。

 そして、ハンターこそが絶滅危惧種であり、このままだと日本からハンターはいなくなってしまうが、女性ハンターの割合は増えているとのこと。

 女性がハンターになる意味は、母親がハンターだと女の子は子供のうちからおままごとでシカの解体を行うなど、次世代ハンターの育成にも役立つ(笑)とのこと。

 

    ◆   

 松浦さんは女性のハンティングネットワークTWINを立ち上げました。TWINとは、"The Woman in Nature~shoot&eat"の頭文字だそうで、会員は31名、うちハンターは19名だそうです。

 これからは、クリスマスにシカ肉を食べよう!という運動をしたいそうで、北海道にエゾシカがいて、クリスマスは猟期真っ最中。

 クリスマスにエゾシカ肉を食べる文化を創りたいと夢は膨らみます。

 女性が参加することで、狩猟の世界が注目されて動物を撃つという文化と機能が充実すると良いですね。

 会場で試食用にと配られたイオマンテ特製のエゾシカコロッケも人気がありました。

 今回のエゾシ会議も充実の時間。

 釧路はシカを食べる文化の最前線にいることは間違いありません。

 課題満載都市は課題解決先進都市であるべきなのです。

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釧路木づなプロジェクト~まず隗より始めよ

2013-02-22 23:42:42 | Weblog

 

 釧路市役所の秘書課が内装の改装を終えました。

 改装のポイントは地元の木材「くしろカラマツ」の内装材を使う事で、これによって地域の木製品のPRをしようというのです。

 フローリングには、釧路森林資源活用円卓会議の商品開発検討における試作品を使い、壁材にも不燃材にカラマツ材を貼った合板を使いました。

 一見本物の木のように見えますが、部材は無垢材そのものではなく、合板にカラマツ材を薄く切ったもの(専門用語では「突板(つきいた)」と言います)を張り付けた合板です。

 表に見えるのはカラマツで、一枚一枚の部材の木目は少しずつ変わり、ここが木目をプリントしただけの印刷モノとは違うところです。

 また、無垢の板材だと反ったり割れたりしますが、合板に木目調だけを張り付けているのでそうした樹木ならではのマイナスの面が出ないのです。

 こういうやり方は、高価な板材を使って高級木材風にするものですが、カラマツだとまた独特の明るい感じに仕上がります。

 完成検査を終えたところで部屋に入ってみると、新築の家の木の香りがします。いいですねえ。


   ◆   ◆   ◆


 この改装は、単に古くなった室内を改装したわけではなく、『くしろ木づなプロジェクト』の一環として、地域産材の利用促進をおこなうものです。

 地域の林業を考えると、林地を管理して樹木を切り出す木材産出業者と、これを加工する加工業者、さらにそれを使って最終消費者に届ける販売施工業者という大きなグループがあります。

 これまではそれぞれのグループでの情報交換にとどまることが多かったのを、これらを川に例えて、上流(木材産出側)から下流(販売・施工業側)までが同じテーブルで木材利用の促進を語ろうという、『円卓会議』を開催して情報と認識の共有を果たそうという活動を行っています。

 こうしたことを地道に行う中で、消費に繋げるための課題を明らかにして対策を考え行動に移して行こうというのです。

 それを、最も外からの人が訪ねてくる秘書課をモデルにすることで宣伝効果を狙ったもの。興味を持ってくれる人が増えることを期待したいものです。


   ◆   ◆  


 そろそろ改装工事が終わるころになって、木づなプロジェクトであることを知らせるサインが欲しいね、ということになり、急きょ工業技術センターの担当者に来てもらってそれを作ってもらいました。

「文字だけだと味気ないね」ということになりましたが、ポスターの絵のデータを使って、レーザー焼き機で建物の定礎のように作ってもらいました。

 協力団体としての、「製作:釧路工業技術センター」の文字も小さく焼きこんでもらいました。

 たくさんの関係者の力でできた新しい秘書課の部屋。

 夕方からは職員の手で再び机などを持ち込む引っ越しが始まりました。

 来週からは釧路さんのカラマツで囲まれた、木の香りのする新しい部屋での仕事が始まります。

 良いものはまず身近なところから。まず「隗より始めよ」です。

 ぜひ一度お訪ねください。

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女子アイスホッケーチームの表敬訪問

2013-02-21 22:37:02 | Weblog

 先日の女子アイスホッケー、スロバキアで行われたオリンピック予選で一位となり、来年のソチオリンピックへの出場を決めました。

 予選へ送られた選手のうち6人は釧路在住の選手たちで、今日はDaishinから4人とベアーズから2人の全部で6人が監督、コーチと共に釧路市役所を表敬訪問してくれました。

 長い廊下で約100人の職員の拍手で迎えられた選手たちは、蝦名大也市長から記念の花束を受け取り、にこやかに談笑、マスコミもテレビ新聞が何社も取材に駆けつけました。

 市長は、「とにかくうれしい。今日は東京から帰ってきたが、山本商工会議所会頭も孫が彼女らと同じ高校にいるんだと嬉しそうだった。オリンピックにも一人でも多く選手として選ばれて、活躍してほしい」と激励。

 選手たちからは、「力が出せなかった」という声や「緊張しなかった」と個性ある答えが返ってきました。

 オリンピックへの出場は、日本としてチームを送ることはできますが、選手としてだれが選ばれるかはまだこれからのこと。

 皆さんなお一層練習を重ねつつ、ケガをしないようにして釧路代表の選手として選ばれて欲しいものです。

 残念ながら今高校三年生の床亜矢可選手は3月に卒業すると東京の企業に就職してそちらのチームに入るのだそう。

「でも釧路出身だからな。釧路代表で良いよな」とは市長の弁。

 ガンバレ釧路っ子!


   ◆   ◆   ◆


 さて、彼女たちと同行してきたのは釧路アイスホッケー連盟会長の足立功一先生。

 足立先生からは、選手たちの窮状が訴えられました。

「オリンピック出場ですっかり有名になりましたが、それまでは本当に知られなくて、遠征などもみんな自費で行っていたんです。アイスホッケーは道具にもお金がかかるスポーツです。少しスポンサーも出てきましたが、地元でもどうか企業をはじめ、彼女たちにご支援をいただきたい。本当にお願いします」

 蝦名市長からも、「地域を挙げて応援したい」と決意が述べられました。

 クレインズ共々、地元の女子ホッケーチームも応援したいものですね。

【女子選手左から、獅子内、床、山根、浮田、青木、竹内】


     ◆   


 全員での記念写真では、花を添えたゆるキャラのつる丸が大人気。

 気分を変えて、ソチへまっしぐらです。 


 

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まちなかが賑やかにならない理由

2013-02-20 23:46:26 | Weblog

 あるマスコミ関係者と一杯飲みました。

「今は何に関心を持たれていますか?」と尋ねると、「人口減少による都市の縮小に興味がありますね」とのこと。

 いずれそういうテーマを追及して問題を提起してみたいそうで、大いに期待できます。

 自治体も、そうした人口減少下のまちづくりを課題に思っていますので意見交換や知恵の交換をしてみたいものです。

 まずは現場の声をたくさん拾いたいと言いますから、大いにそうした声を集めてみてほしいと思います。

 知恵は現場にありますからね。

 そうして得られた知見をもとにまた意見を交わしましょう。


   ◆   ◆   ◆


 私が最近関心を持っているのが、まちなかの青空駐車場の問題です。

 それは、青空駐車場があることが問題なのではなく、青空駐車場があった方が都合がよいと思っているニーズがあるのではないか、という問題意識です。

 一般には、土地に建物が建たなくて青空駐車場が多いという事は、土地の利用効率が悪いと言われます。

 建物が多い方が人が多く集まって、それゆえに商取引や買い物や食事などの経済効果が周りに波及すると考えられるからです。

 ところが釧路のような地方都市では、そうした建物を建てるようなニーズが少なく、公共交通の便も悪いために、中心部の官公庁などへの出勤のための車の駐車場ニーズが高いのではないか、と思われるのです。

 これはまだ調査や統計を取ってみたわけではありませんが、帰る時間も不定期な仕事ではバスで通勤している
職員がほとんど見られません。

 その代わりに聞くのが駐車場の話題です。

 いかに多くの職員がマイカー通勤をしていて、そのための勤務先周辺での駐車場が求められていることでしょう。

 地主も土地を売っておしまいにするのではなく、安定的な借主にずっと契約をしてもらう方が良いと思ってはいないでしょうか。

 そういうわけで、中心市街地のまちなかにはわずかなオフィスとそこへ勤める人たちのための広大な青空駐車場ニーズがあって、それに応える地主さんが多いという仮説はどこまで本当でしょうか。


   ◆   


 マイカー通勤が多いという事は、公共交通を使う人がいよいよ少なくなるわけで、公共交通を利用者によって維持するのがどんどん難しくなってゆき、ますますマイカーで通わざるを得なくなってゆくという構図です。

 いったいある施設で働く人たちに対してどれくらいの青空駐車場が必要とされていて、それをどのような人たちが利用しているのか、なかなか興味の尽きない課題です。

 これからの地方都市では、マイカー利用による公共交通の衰退と、青空駐車場の増加、そしてさらなるマイカー利用の増大というスパイラルが想像されますが、どのくらいの確実さでそれが言えるでしょうか。

 そしてそのような動きを反転させるためにはどのような政策や運動論が必要となるでしょうか。

「まちなかには青空駐車場が必要か」という問いへの周辺情報を集めてみると面白いかもしれません。

 地方都市ではまちなかの土地利用がますます難しくなりそうです。

 「働く人が多ければ多いほど、青空駐車場が増えてゆく」

 周辺の状況の調査を通じてこの仮説の検証をしてみたいものです。

 地方都市の先進的課題を解決するのが課題先進都市。

 釧路は常にそうありたいと思っています。    

 

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