北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

統計調査という地道な取り組みのかげに

2012-04-27 23:45:17 | Weblog
 各種の会合が総会を迎える時期です。

 今日は釧路市統計協議会での表彰式と懇親会に参加してきました。

 この協議会は、釧路市の統計思想の普及や統計調査員の資質の向上、調査員同士の親睦を図ることなどを目的に組織されているものです。

 統計調査は国から委託される5年に一度の国勢調査などは良く知られていますが、そのほかにも経済センサス、農林業センサス、商業統計調査、工業統計調査、住宅・土地統計調査、事業所・企業統計調査など多種にわたります。

 これらが行われるときに調査票を配布し、回収して回りその都度任命される有期の非常勤公務員という立場となります。

 今日の表彰式では釧路市長表彰として、30年級で三名、10年級で三名の方に表彰状を手渡しました。

 また同時に三名の方に釧路商工会議所会頭感謝状が授与され、その功績が讃えられました。

 多年にわたる地域社会への御貢献に心から敬意と感謝を申し上げます。




    ※     ※     ※     ※     ※


 この統計協議会の会長さんとは知り合いだったので、懇親会の席では親しくお話ができました。

 最近は調査票を配布してもなかなか記入や回収に協力が得られにくくなった、というのが調査員の皆さんに共通する悩みです。

「ひとり暮らしの方も増えましたし、日中はいないご家庭も多くて、同じ家に何度も訪ねることもしばしばです」と苦笑いするのは会長のMさん。

「そういうときは家主が夜に帰宅したころに訪ねるわけですか?」
「そうですよ。アパートなどは夜に家に明かりが点っているのを確認してから訪ねます。それでも怒鳴られたり文句を言われたりしましてね。まあ大変です(笑)」

「個人情報の保護ということが言われ始めてからはやはり協力が得られにくくなりましたか?」
「そうですね。『何に使うんだ』とかよく言われます。でもね、個人情報の保護を言うのだったら言いたいことがありますよ」

「ははあ、何でしょう?」
「調査員は調査のためにご家庭を訪ねて不在の場合には、訪ねたことの証として、自分の身分を伝えるため名刺や電話帳のページをコピーして『これです』、なんてポストに入れたりするわけです。調査員には個人情報の保護なんてないみたいなものなんです」


 調査する側は一方的に身分を明かして、階段を何度も上り下りして一通の調査票を回収してくるというその活動は地味ですが、その一通一通の積み重ねに、先人から連綿と続くデータの継続性が保たれます。

 実際調査員の方たちは志を高く持った高齢の市民がほとんどです。

「膝が痛くなってきた、といって去ってゆく方もいます。その割にはなかなか新しく入ってくださる方も少なくて…」

 そう苦笑いするM会長さんですが、その決意は揺るぎません。

 
(自分くらい協力しなくてもなんとでもなる)という安易な考え方は少しずつ少しずつ社会を蝕み、協力をしてくださる人たちがそれを補い支えてくださっています。 

 ほんの少しの協力の積み重ねが暮らしやすい地域社会の入り口であることを我々はもっと強調しなくてはなりません。

 統計調査はこの社会が続く限りやはり続けられる崇高な営みです。

 調査員の皆さんの志に応えられるようなよりよいまちづくりを目指したいと強く思ったのでした。


    ☆   ☆   ☆


 さて、明日からの連休の前半は札幌で充電をしてきます。

 「僕等がいた」の後編も上映中ですしね。皆さんもぜひご覧ください。
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